笹本稜平のレビュー一覧

  • 未踏峰
    その山の頂に立つことにより、今までよりも少しだけ成長したり強くなった自分になれる気がする。

    だから山に向かう。

    山にはそう思わせてくれるところがあると私も思っています。

    誰も登ったことのない未踏峰ともなれば尚更な気がしますね
  • 分水嶺
    父の遺志を継ぎ山岳写真家となった主人公の風間と、絶滅したとされるオオカミを追う田沢。
    亡くなった父も友人のペンション経営者の仲上も、みな漢気溢れる人物で読んでいて気持ちが良い。
    久しぶりの山岳小説で、しかもオオカミが登場、中身も大満足の作品でした。
    そして自分自身も地球上の自然の中で、原罪ともいえる...続きを読む
  • 不正侵入
    初読みの作家さん。中々読み応えのある作品でした。権力者の腐敗と現場捜査官の正義、仲間すら信用出来ないハラハラ感。他の作品も読んでみたいですね。
  • 大岩壁
    零下20度、8000メートル級への登攀物語で、猛暑をしばし忘れんと(笑)。
    ナンガ・パルバットへの冬季登頂に失敗し、友人を失った主人公たちが、リベンジすべく再度”魔の山”へ挑む。
    同行するのは、兄の雪辱に燃える、友人の弟。何やら、思惑ありげな彼のミステリアスな行動と、過酷な天候、さらにロシアパーティ...続きを読む
  • 太平洋の薔薇 下
    ラストは涙なしには読み進められない。人の世の道理がすべてを超越する。登場人物の生きざまがただただカッコいい。これは解説不要でただ読んでみて、としか言えない。少々、冗長だが自身の時間を投資する価値のある作品。
  • 大岩壁
    登攀小説(そんな分野があるかどうかわかりませんが)の中では、私にとってはベスト3に入ると思いました(ちなみにあとの2作品は「神々の山嶺」「氷壁」です)。専門用語が多いと言えば多いのでしょうが、それが臨場感を盛り上げます。また、他の言葉に置き換えられないのだから、必要最小限の使用だと思います。
    登攀の...続きを読む
  • K2 復活のソロ
    シリーズ2作。主人公奈良原は登山用品メーカー「ノースリッジ」の磯村、友梨、山際、そして亡き柏田のアイデアを生かした新型アックスとともにK2冬季ソロ初登頂にチャレンジ!山の知識は全くなくとも峻厳清冽な山岳に挑む男たちの挑戦に感動!
  • K2 復活のソロ
    暖かい部屋で読んでいるのに極寒のK2の厳しさが伝わってくる。それくらいの臨場感。専門用語は理解できなかったけどそれでも十分に伝わってくる山の恐さと素晴らしさ。山に登ってみたくなった。
  • 漏洩~素行調査官~
    素行調査官シリーズ第3弾。本作はややボリューミーだが、読みやすさは変わらず。

    悪の巣窟たる警察内部で、綱紀粛正のため孤軍奮闘する監察課の3人。
    今回もワルの権力者たちが巨額の不正マネーを儲けるという悪を許さず…。
    いやそれだけならまだしも、それを摘発しようとした善良な警察官の人生を破滅に持ち込んだ...続きを読む
  • 駐在刑事 尾根を渡る風
    駐在刑事の第2弾
    今回は5の短編からなる
    1話1話内容が濃いです
    事件が徐々に明らかになる流れと
    キャラたちの交わりの楽しさ
    まだまだ続くんだろうなと思います
  • 挑発 越境捜査
    『挑発―越境捜査』/笹本稜平

    この「越境捜査」シリーズは大好きですね。
    他の警察小説などのように、派手なアクションシーンなどはないのですが、人間の内に秘めている欲望や心情を如実に表してるところが多く、それは、例えば、本庁と県警の縦割り、同じ警察官でも正義感に溢れる鷺沼と、限りなく悪徳景観に近い宮野...続きを読む
  • 破断 越境捜査
    『破断 越境捜査』/笹本稜平

    警察小説のシリーズもののうち、第3弾にあたります。著者の作品を初めて手に取ったのが、このシリーズでした。瞬時にのめりこんでいき、いつも続編が出るのを心待ちにしています。
    警察小説ですが、どちらかというと、派手なアクションシーンをはじめ色濃い、味濃いシーンというより、あ...続きを読む
  • 指揮権発動
    アフガニスタンで起きた邦人殺害事件に、政治家が関与しているとの情報に、東京地検の検事と警視庁の刑事さらに公安の警部がタッグを組み、不安定なアフガニスタンで捜査を開始する。
    アフガンの地方軍閥組織、タリバーンやIS等々、捜査陣を脅かす存在に、彼らは一時も気を許すことができない状況が続く。
    さらに、アメ...続きを読む
  • 特異家出人 ~警視庁捜査一課特殊犯捜査係・堂園晶彦~
    2時間ドラマ特番脚本みたいな警察小説。
    笹本稜平の筆があるから読ませるが、これを映像化したら下手すると凡百のサスペンス劇場になってまうだろうなぁ。鹿児島指宿ご当地ものに、脚本になかった特攻隊(知覧あたりも出てくるので)あがり役が出てきたりして…。

    老人誘拐救出劇、戦後のどさくさに隠れた謎、主人公と...続きを読む
  • 強襲 所轄魂
    ノンキャリアで所轄勤務の係長葛木と、キャリアの息子俊史とが、協力して事件に立ち向かうシリーズの第3弾は、全編、立てこもり犯と葛木たちとの緊迫した攻防で占められている。
    立てこもり犯は何と、SITの係員だった元警官。
    彼の要求は、退職のきっかけとなった事件の真相を、警察が公表することだった。
    その警察...続きを読む
  • ボス・イズ・バック
    しがない私立探偵の“おれ”にとって最重要の顧客「山藤組」組長の山虎が、いきなり引退して堅気になると言い出した。本当なら事務所が潰れかねない大事だ。だが、案の定その裏には、とんでもない魂胆があるようでー。(表題作)ゴリラまがいの悪徳刑事に、金と女に目がない生臭坊主…個性的な面々とのやり取りも楽しい、ユ...続きを読む
  • 破断 越境捜査
    評価は4.

    内容(BOOKデーターベースより)
    神奈川県瀬谷区の山林で、白骨化した死体が発見された。死体は、十年前に都内で失踪した右翼の大物。神奈川県警は自殺で片付けたが、あることに疑念を持ち捜査結果に納得しない県警の刑事がいた。宮野裕之。宮野はさっそく警視庁に赴く。捜査一課の鷺沼友哉にその疑念を...続きを読む
  • 不正侵入
    警視庁組織犯罪対策部の刑事・秋川は、自殺とされた旧友の死に不審を覚える。彼の妻から「夫を殺した連中に狙われている」との電話がー。直後、彼女は謎の失踪を遂げた!独自の捜査を始めた秋川の前に立ちはだかる検察の影、背後で暗躍する暴力団組織…。さらに浮かび上がってきた、四年前の殺人事件の真相とは?
  • 分水嶺
    解説と帯にあるように、確かに至福の読書体験だった。最終章で一気にそれを感じ、読後感がとても満足を得られるのだが、やはりそれまでの長い長いプロセスが大事だ。一見相容れない二人の男の情が通いあうまでと、仲上をはじめ周りが田沢を受け入れていく流れが少しずつ丁寧に描かれていて良い。友情を超えた人のつながりだ...続きを読む
  • 素行調査官
    元探偵の本郷は、警視庁監察係。警官の不正や不品行を取り締まる、いわば警察の中の警察だ。旧友の伝手で裏口入庁した彼の初仕事は、公安刑事と中国人女性の不倫調査。ところが、女性の妹が殺害されたことから、捜査は思わぬ方向へ。背後に見え隠れする蛇頭と大物警察官僚。本郷と仲間は、警察内部の底知れぬ闇に迫れるのか...続きを読む