あらすじ
主人公の長嶺亨は大学院卒業後、サラリーマンをしていたが、父親の訃報をきっかけに奥秩父の山小屋を継ぐことになった。そんな亨をサポートしているのが「ゴロさん」。父親の大学の後輩で、ひょんなことからホームレス生活をしていたが、亨の父親と再会。父親の死後は亨を手伝い始めた。ある日、年配の刑事がゴロさんそっくりの指名手配のチラシを持って亨の家にやってきた。あまりにも謎に包まれたゴロさんの過去。亨の心にうまれた疑いの灯――。奥秩父の山小屋を舞台に、山を訪れる人々が抱える人生の傷と再生を描く、感動の山岳ヒューマン小説。監督・木村大作、主演・松山ケンイチで感動の映画化!
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あらすじ
奥秩父の小さな山小屋に集う人々の心の触れ合い物語。サラリーマンをやめて、父親の山小屋を引き継いだ亨。父の後輩のゴロさんと、この小屋を守るための悪戦苦闘の日々が始まった。
感想
山男、こうでなければ
Posted by ブクログ
連日の読破となりますが、こちらはとても読みやすく舞台も奥秩父、甲武信ヶ岳周辺なのでとても身近に感じらる設定です。
山小屋での苦労話も折り交えながら、小屋に訪れる客たちとの出来事を綴る物語。
ずっと前に映画を観ておりますが、私個人としては映画よりも余程感情移入もできるかな(^^;
とても素敵な物語で読み終えたあとに心がほっとする様な物語でした
Posted by ブクログ
山小屋に行ってみたくなるよ!!って山友達がオススメしてくれた本!!
うん。山小屋行ってみたい笑
奥秩父かー。いつか行かれる日は来るかなー。
ちょっと文章が好みではない部分はあるけど、楽しく読めた。
遭難するのが多くて、ソロ登山はやっぱ怖いものだなってビビッてしまった。
早く山に登りたい♪
Posted by ブクログ
初めて読んだ笹本さんの本。ストーリーも読みやすく、それぞれのキャラにも愛着が湧いて軽やかだった。他の本も読みたい。ところどころ、人生や幸せについて書かれている言葉も、そうだよなぁ、と思った。
2017.9.21
Posted by ブクログ
山に登って山小屋に泊まってみたくなる。爽やかな読後感で続きが気になる。映画化されてるようだけど小説が良かったからなんとなく観るのがこわい。チャンスがあったら観てみよう。
Posted by ブクログ
山小屋を中心に色々な人の物語が見れた。
命について考えることができた作品だったなと感じた。
色々な人の命に対する考え方感じ方を吸収できた。
そして、奇跡というのを沢山見せてもらったなと感じた。
自分が行動してることや、自分に起こってることはどこかで繋がってるんだなと感じた。
Posted by ブクログ
山小屋は泊まったことがないので、一度はトライしたいと思いつつ、山小屋がある場所という事は
山もかなり高いわけで…
憧れではあります
十分に楽しんで読めました♪
Posted by ブクログ
好きな感じの小説。
山登りを趣味としているけど、
ハードな山岳小説はあまり共感できないが、
身近な山小屋、そこを訪れる人たちとのやりとりという題材は身近に感じた。
それぞれの等身大の生き方が気持ちがいい。
自分は何を追ってるんだろう?と思う時がある。
そこから離れた人々の会話にとても癒された。
亨がサラリーマン時代に父の人生を羨んだように、
わたしは亨たちの人生が羨ましい。
そういう気持ちを忘れず、でも焦ることなく、
自分の道をゆっくり歩んでいきたい、そう思った。
欲と夢の違いを問うた亨に、ゴロさんが
欲しいものを楽して手に入れようとするのが欲
手に入れるために労を厭わない、そのための苦労そのものが人生の喜びであるような何かが夢
と説明する。
私には夢はまだないのかもしれない。それがわかっただけでもよかった。
そういうものが現れるといいな。
私のカウンセラーの先生が言ってた。
求める変化は、あちらからやってくる。
その感覚は、私も経験がある。
でも、あっちからやってきたと思うのは主観的な感覚であって、
振り返ってみれば、それまでにもがいて、なんとなく、自分が欲してるものが言語化できて輪郭が見えた時、
それまでもそこにあったものが、浮き上がって認識できるようになったように思う。
あっちからやってくる、土壌を自分の中に育てることが、
大事なんだなぁ。
ゴロさんの言葉はその一つになりそうだ。
Posted by ブクログ
山小屋を舞台にしたヒューマンドラマで、連作短編の形をとっています。笹本稜平さんと言えば、長編山岳小説、アクションものというイメージを持っていましたから、意外でした。でも読みやすく、心癒される話でした。
Posted by ブクログ
劇的な展開がある訳でもなく、カリスマ的な存在の登場人物がいる訳でもない。でも、読み進めるうちに、何とも言えない爽快感と心温まる気持ちが湧いてくるような作品。
作者の自然の描写が、本当に素晴らしい。
Posted by ブクログ
「笹本稜平」の山岳短篇連作小説『春を背負って』を読みました。
『還るべき場所』に続き、「笹本稜平」作品です。
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監督「木村大作」、主演「松山ケンイチ」で感動の映画化!
奥秩父の山小屋を舞台に、山を訪れる人々が抱える人生の傷と再生を描く感動の山岳短編小説集。
二〇一四年六月東宝より映画公開予定。
先端技術者としての仕事に挫折した「長嶺亨」は、山小屋を営む父の訃報に接し、脱サラをして後を継ぐことを決意する。
そんな亨の小屋を訪れるのは、ホームレスの「ゴロさん」、自殺願望のOL、妻を亡くした老クライマー…。
美しい自然に囲まれたその小屋には、悩める人々を再生する不思議な力があった。
心癒される山岳小説の新境地。
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2009年(平成21年)から2010年(平成22年)にかけて『オール讀物』という小説誌に掲載された山岳連作小説… 奥秩父の山小屋を舞台にした心温まるヒューマンドラマでしたね。
■春を背負って
■花泥棒
■野晒し
■小屋仕舞い
■疑似好天
■荷揚げ日和
■特別対談 『春を背負って』が語りかけるもの
笹本稜平 × 木村大作
「長嶺亨」は大学院卒業後、サラリーマンをしていたが、父「勇夫(いさお)」の死をきっかけに奥秩父の梓小屋という山小屋を継ぐことになった… そんな「亨」をサポートしているのが山小屋を閉じる冬場はホームレス生活をしている「ゴロさん」、、、
「ゴロさん」の本名は「多田悟郎」で「勇夫」の大学ワンダーフォーゲル部の後輩… 住宅リフォーム会社を経営していたがバブル期の不動産投資で失敗しホームレス生活をしていたが、偶然「亨」の父親と再会、父親の死後、「亨」を手伝い始めた、、、
ある日、年配の刑事が「ゴロさん」そっくりの指名手配のチラシを持って「亨」の家にやってきた… あまりにも謎に包まれた「ゴロさん」の過去、「亨」に生まれる猜疑心の灯、、、
「ゴロさん」のエピソードから物語は幕を開け(『春を背負って』)、
父親を亡くした自殺願望のOL「高沢美由紀」の遭難騒ぎ(『花泥棒』)、
野晒となった白骨化した遭難者と84歳のクライマー「大下恭二郎」の遭難騒ぎ(『野晒し』)、
「ゴロさん」が脳梗塞で倒れたり(『小屋仕舞い』)、
二つ玉低気圧による吹雪と積雪により三人の中高年パーティが山で身動きがとれなくなり女性一名が行方不明となったり(『疑似好天』)、
小屋開きの準備をしていた梓小屋に小学校低学年の少女とネコが迷い込んだり(『荷揚げ日和』)、
と、奥秩父の豊かな自然を舞台に、小さな山小屋に集う人々の心の触れ合いを丹念に描きつつ、「亨」の成長を描いた物語でした。
どの作品も”死”が共通テーマとなっていますが、それを乗り越えて前向きに生きて行こうとする姿に共感しましたね、、、
映画化作品では、舞台が立山連峰の薫小屋という山小屋になっていたりと、少し改変されているようですが… 機会があれば観てみたいですね。
Posted by ブクログ
奥秩父の山小屋が舞台。
仕事に挫折した主人公が、父親の山小屋を継いで、ホームレスのゴロさんと共に色々な登山客との関わりがかかれている。
各章で出会う人たちがそれぞれ謎を持っている。
どういうことなの?って気になってどんどん読めた(エピソードは重め><)。
あと、何度か登山したことがあるので、山小屋の人こんなことをやってくれていたんだ!とか、こういう感じなんだ!ってなった。
最後の対談も面白かった。
映画化していたそうで、映画監督と著者の対談。
主人公にしたいタイプとか、どうしてゴロさんが主人公じゃなかったかとか、
作り手側の視点が、へーへーへー!となる。
ゴロさんの言葉で、結構救われた。
「梅干しがいくら努力しても大福にはなれないが、梅干しには梅干しの、大福には大福の良さがある。それぞれの取り柄を大事にするのが人生の秘訣というもんだ」
結構人と比べて落ち込みがちだったので、この言葉を読んで、すごく前向きになった!
Posted by ブクログ
家族、人との繋がりの大切さを教えてくれた。
山小屋を舞台にして、いろんな出会いからそれぞれの物語が作られている。
6話構成だが一つ一つがちょうどいい文量で、お話もサクサク進むため読みやすかった
Posted by ブクログ
山登りが趣味なので、どんな本なのか気になり あらすじを読んでみると読みやすい内容だったので 読んでみました。山を舞台にした作品は、山の厳しさを描いたものが多いように感じましたが、この作品は山小屋での日常を描いた作品で読みやすかったです。
Posted by ブクログ
私自身登山が趣味なので、山の描写が想像され、山の知識を学ぶことができた。
山小屋の周辺で繰り広げられる人の「生」と「死」の物語は、心にグッときた。特に、白骨自体のエピソードはゾッとしつつ感動した。
笹本稜平さんの本をもっと読みたい!
Posted by ブクログ
映画では立山が舞台になっていますが、この本(原作)は奥秩父が舞台だったのです。甲武信ヶ岳と大国師ヶ岳の稜線上に桂小屋といった架空の山小屋を舞台に人との出会いや別れをテーマにした短編が6作品で構成されていす。
内容は意外と重いですが〇〇尾根や◯◯山など聞き覚えのある名前が出てくるので、情景を想像しながら読めておもしろかった。
なぜ、奥秩父から立山に舞台が変わったのかは不明ですが、奥秩父・奥多摩好きであれば見逃せない一冊だと思います。読み終わった後、甲武信ヶ岳と大国師ヶ岳の稜線を歩きたくなりますよw
Posted by ブクログ
登山をしなかった20代
目覚めた30代
中々行けない40代
悶々とする登山への思いから、山に関連した書物を避けてきた。
この本は山岳小説というより、ヒューマンドラマ
山小屋での季節の移り変わりが目に浮かぶ
映画化していて、そちらも興味がある
が、先に本を読めてよかった
イメージする事の大切さを思い出させてくれる、とても良い作品です。
Posted by ブクログ
2017.3.24-30
都会での仕事で挫折し、父の死後に継いだ奥秩父の小さな山小屋で起こる心温まるショートストーリー。表作他、花泥棒、野晒し、小屋仕舞い、擬似好天、荷揚げ日和。
場所が絶妙
奥秩父主脈の甲武信岳~国師岳間のどこか、という舞台となる山小屋の設定が絶妙ですね。
険しい場所ではないけれども、標高2000mを超えていて意外と気象は厳しい。
そんな架空の山小屋をめぐる人間模様というか、基本的には人情味のあるやりとりが中心の連作が本書です。
よく知っている場所だけあって、風景を想像しながらとても楽しく読みました。
一読してちょっと物足らないようにも感じますが、奇をてらわず、大仰に構えず、淡々と山の風景と生活を描いていて、でも山でであういろいろな経験が織り込まれていて、作者は山が好きなんだろうなあ、と思わせられるのが良いです。
Posted by ブクログ
感想
大都会で会社の歯車となって、どこに貢献しているのか分からない仕事をするよりも、田舎で人と支え合い、それを身近に感じる方が幸せなのかもしれない。主人公の享がその生き方を示している。
あと、山での過信や軽率な行動は自分のみならず救出する人にも多大な迷惑をかけるので注意が必要!
あらすじ
奥秩父の国師ヶ岳と甲武信ヶ岳の間にある地味な山小屋を、4年前の父親の突然の死によって継いだ享。
古屋の切り盛りを手伝ってくれているゴロさんの話。
山に自生するシャクナゲを守る話。
自殺願望のある女性を救う話。美由紀はシャクナゲを見て生きる希望を取り戻し、山小屋で働くことにする。
崖で亡くなっていた白骨死体と84歳男性の奇妙な縁。
小屋仕舞いとゴロさんの脳梗塞。ゴロさんは生きる気力を失いかけるが、薬が劇的に効いて全開に。
春山で大荒れの天気になった時に、遭難しかけたパーティを救う話。
7歳の少女が猫と開業前の小屋に迷い込んだ話。
Posted by ブクログ
再読シリーズその五。
大学院卒業後、東京の電子機器メーカーで半導体研究を行っていた長嶺亨が一転、亡き父が経営していた奥秩父の山小屋を継ぐことにする。
バリバリの理系青年だった彼がなぜ亡き父と同じ山小屋のオヤジとなったのか…というその転機については本作を読んで確かめていただくとして、五年経った冒頭では百キロ超えのボッカ(歩荷)もこなしているし、薪割も調理も小屋の修理もスタッフであるゴロさんや美由紀の協力を得て行い、それだけでなく客も増えているという営業努力もしているところを見れば半端な覚悟ではなかったことが分かる。
物語は山で起こる様々な事件(冬場は麓でも起こる)を通して、登山客や亨周辺の人々の人生に触れる内容になっている。
自殺を考えるほどに追いつめられていた美由紀はすっかり元気になり、サラリーマンを辞めて『敵がいなくなって味方が増えた』と分かったり、ゴロさんからは『自然体で生きるということ』を学んだり、山での暮らしは良いこと尽くしのように見える。
が、一方で大抵のことは自分たちでやらなければならないし、自然の中で暮らすからには自然の厳しさも思い知ることもある。
登山客たちが死と隣り合わせの場面に出くわすこともあるし、『野晒し』になったご遺体を発見することも。
この作品での一番の魅力的人物はゴロさんだろう。
彼の人生こそ波乱万丈。笹本さんなら彼を主人公に据えたいところだろうが、そうなるとサスペンス物になってしまうから敢えて亨を主人公にしたのだろうか。
後半でゴロさんが脳梗塞の発作で緊急手術となる話がある。その時のゴロさんの迷い、亨の決断は急に現実生活に引き戻される感じで辛かった。この話ではハッピーエンドになっているが、ゴロさんや亨が心配する最悪の事態になることだってあったのだ。私もゴロさんの立場なら迷惑を掛けたくないと思ってしまう。
それから登山客の中では大下恭二郎老人がなかなかのインパクトあるキャラクターだった。
どういう状況でも慌てず落ち着いて、こんな大変な事態に遭ってもまだまだ登山を続けるとは。周囲に迷惑を掛けない程度に頑張って欲しい。
ファンタジー要素が多かったような気もするが、それを生死の境目にいる人たちの幻覚と切り捨ててしまうのも違うような、こうした大自然の究極の状況だからこそ見られた特別なものと受け入れるのも良いように思える。
笹本さんの他の作品にも言えることだが、この作品も登場人物たちの語り口や口調が何となく似ていて、もう少し個性を出しても良かったのではないかなと思ってしまった。
麓で民宿を経営する亨の母親と亡き父親の夫婦関係は一見矛盾しているようだが分かるような気がする。
Posted by ブクログ
死がテーマの短編6編の連作。当事者はもちろんだが、支援者側のエゴの葛藤がリアルに追随できる作品。自己中心的な考え方を問われ、苦しい場面が多々あるが、自身の思考・姿勢を振り返ることができる良作。
「雨が降ろうが風が吹こうが、自分にあてがわれた人生を死ぬまで生きてみるしかない」
「欲と夢ってどう違うんだろう」「欲しいものを楽して手に入れようとするのが欲だよ。」中略「だったら夢は」「それを手に入れるために労を厭わない、むしろそのための苦労そのものが人生であるようななにかだなー」
「自分というトンネルをいくら奥へ奥へと掘り続けても、出口は決して見つからない、空気もない光もない世界から抜け出すには外に向かうしかないんだよ。人のいる場所へ、心と心が触れ合う場所へ」
Posted by ブクログ
亡き父の残した山小屋の経営を引き継いだ亨が、父の愛した奥秩父の山の自然の中で、山と父を愛した人々と出会い、さまざまな思いを受け止めながら成長していく、連作短篇集。
心をすり減らし脱サラした亨を支えるのは、父の後輩だったという半ホームレスのゴロさんと、亡父の残した写真に惹かれて山小屋にやってきた、元自殺志願者のOL美由紀。
山小屋を訪れる登山客との触れ合いの中で、3人それぞれがゆっくりと変わっていく様は、自然の移り変わりのようにゆっくりと優しい。
読後、爽やか。
山岳小説というほどの厳しさはないけれど、山小屋小説?
天候が変わった時に逃げ込める小屋のように、下界の暮らしに疲れて遭難しかかった人たちが、山の自然に救われる。
コレが登山の魅力?
Posted by ブクログ
笹本さんは2冊目。
山岳小説の名手と聞いた(読んだ)記憶があったのですが、広く冒険小説やミステリーも手掛ける作家さんのようで。
さて、この小説、ストーリーとしては好きなタイプなのですが。。。。
とにかく途中から主人公たちの会話文が、現実にはこんなしゃべり方はしないだろうと気になってしまい。特にヒロインの喋りは年齢も性別も超越しちゃってます。さらに話の進め方も説明的というか、とにかく主人公たちに話をさせて考えを伝えて行く感じで、そういう文体面で苦手で。
そんな訳で高得点とは行きませんでした。
ちなみに松山ケンイチ・蒼井優・豊川悦司で映画化されるようです。
セリフを何とかすれば、映画化には向いているかもしれません。