笹本稜平のレビュー一覧

  • 破断 越境捜査
    警視庁刑事鷺沼、神奈川県警刑事宮野に、鷺沼の上司三好、同僚の井上、そして裏世界の福富が加わっての異色メンバーが活躍する『越境』シリーズ3作目。
    今回の敵は、公安そのもの。巨大な敵にどう立ち向かうか興味満点だったが、3作目ともなるとデジャブ感が・・・
    それにしても、このシリーズ、『素行調査官』シリーズ...続きを読む
  • 不正侵入
    著者の小説の魅力は、強大な権力や登攀困難な山岳に、過酷な戦いを挑む男を鮮やかに描いていることだ。
    警察小説では、『素行調査官』シリーズに代表されるように、警察組織の中で、その権力の中枢の腐敗に敢然と立ち向かう。この作品も同じ系列。
    友人の自殺に疑惑を抱いた警視庁組対部の主人公は、真相究明に乗り出す。...続きを読む
  • 漏洩~素行調査官~
    警視庁監査部に所属する、おなじみ「三匹の侍」が、警察という組織を私物化し、私欲を満たす道具とする黒幕を相手に戦う、小気味いいシリーズの第三弾。
    今回の敵は、悪徳ファンドマネージャーと結託し、インサイダー取引で私腹を肥やす警視庁幹部ばかりでなく、検察庁、国税庁にもまたがる悪のネットワーク。
    悪のネット...続きを読む
  • 天空への回廊
    「還るべき場所」で好きになった笹本稜平2冊目。今度の舞台は世界最高峰チョモランマ。山岳小説というよりも山岳を舞台にした冒険小説。頂上近くに落ちたアメリカの人工衛星を巡る各国の思惑が入り乱れ、ストーリーがどんどん展開して一気読み確実。最後のエピソードをなくしてその手前で終わらないと、ハリウッドの冒険小...続きを読む
  • 未踏峰
    ビンティ・チュリ(祈りの峰)僕ら3人が出会った山小屋「ビンティ・ヒュッテ」から名前を取って命名した。未だ名前の無い未踏峰。7000m満たない目立たぬ頂きだが、僕らを残し亡くなったパウロさんと僕らの希望の頂だ。パウロさんと僕らは4人のチーム、必ず彼と共に祈りの峰に辿り着こう。胸にはパウロさんの遺骨と、...続きを読む
  • 春を背負って
    長峰亨はサラリーマンとして仕事に邁進していたが、あるとき燃えつきてしまい全く仕事に情熱を持てなくなる。山小屋を経営している父から山小屋を継ぐことを暗に期待されるが応える事無く父が事故死する。
    亨は父の死後山小屋を継ぐことを決心するが、右も左も分からず苦心している所へ、ホームレスのゴロがやって来た。
    ...続きを読む
  • グリズリー
    消費者金融店舗に押し入った二人組。それを狙撃するSAT隊員。ガッチリと読者の心を掴む導入部。
    そして、たった一人で、世界に戦争を仕掛けた男がいる。
    何とスケールの大きなエンタメかと、これだけでワクワク感満点。
    この次はどうなるか予測がつかない展開に、しかも次から次へと新しい人物が登場するので(人物名...続きを読む
  • 春を背負って
    映画を観た同僚の話を聞いて読んでみました。じんわりとくる良い話です。僕らの日常に潜む損得感情やら、世間体などの些細な問題を切り離した、人間対人間の本質的な部分で展開するストーリー。少し下界から切り離された山小屋という舞台設定が絶妙。
  • 挑発 越境捜査
    警察の闇を暴く警察小説、面白くないはずがない。
    しかも、警察官の不正を断罪する監察係を主人公とする痛快シリーズ『素行調査官』の著者ならば。
    『素行・・・』が、職務として警察官を調査する「三人の侍」に対し、こちらはいささか「目的」の違った仲間が、主人公とタッグを組む。犯罪者の金の横取りが目当ての刑事と...続きを読む
  • 白日夢~素行調査官~
    解説に言う「三匹の侍」シリーズ第2弾。
    今回、彼らのターゲットは、暴力団と手を握る悪徳警官。さらに、彼に媚薬を嗅がせられている上層部の巨悪にも。
    組織(警察)に、人間の尊厳もろとも生命までも潰された刑事の生前の言葉が、この小説の骨子ともなっている。
    「ただ無駄飯食って長生きして、世の中に何も残さず死...続きを読む
  • 南極風
    笹本さんの本はほとんど読んでいますが、この新刊もなかなか良かったです(^ ^) 山、全く縁がないんですが、山頂から見る景色は絶景でしょうね〜(^o^)
  • サイドストーリーズ
    ダ・ヴィンチ編集部編のサイドストーリーズを読みました。

    姫川玲子シリーズ、榎本径シリーズ、さよならドビュッシー、天地明察、まほろ駅前シリーズなどの登場人物たちの「一服ひろば」を題材にしたサイドストーリー短編集でした。
    元のシリーズも楽しんで読んでいたので、これらの短編もおもしろく読みました。

    1...続きを読む
  • サイドストーリーズ
    タバコが小道具の12のシリーズのサイドストーリー。
    目的は東直己。久しぶりに「俺」に会えた。
    ちょっと、かっこよく描かれていて残念。ススキノ探偵もいいけれど
    探偵畝原に会いたいよ、書いてくれぃ、と思いを募らせた。
    姫川女史も多田と行天のコンビもDr.新条も、面白かった。
    読んでみたい本がまた増えたよ...続きを読む
  • サイドストーリーズ
    ただの番外編の短編集だと思って読んでいたら、やけに煙草と一服ひろばが話に出てくる(--;)でも最後まで読んで納得!JTなんですね(^。^)y-~ このサイドストーリーズに出てくるシリーズは「天地明察」と「まほろ駅前」しか読んでいないけれど、どの話も好みで読破したくなった(^^)♪しかし積読、読みたい...続きを読む
  • 特異家出人 ~警視庁捜査一課特殊犯捜査係・堂園晶彦~
    拉致や立て篭もりの被害者の救出などを担当する特殊班の刑事・堂園が、失踪した老人の行方を追う様を、500ページ近くを費やして丹念に描いた物語。

    堂園の祖父と失踪した老人・有村との繋がりが、小説の裏のテーマになっている。祖父のかつての故郷・鹿児島にて、戦前戦後を駆け抜けた2人の青年とその恋人たちの哀し...続きを読む
  • 素行調査官
    主人公が、旧友の伝手で元探偵のキャリアを生かした警視庁監察係に転職とは、ユニークな設定。
    さらに、コンビを組むのが定年間近の、親子ほど年の違う一癖ある巡査部長、それに絡む主人公をスカウトしたキャリアの監察係トップ。
    こんな三人がチームを組み、警官の不正や、不品行を取り締まるのが仕事で、しかも今回の捜...続きを読む
  • 破断 越境捜査
    笹本さんの小説は面白いですね!
    このシリーズを初めて読みましたが、巨大な警察組織に挑む姿は勇敢です。
    自分に身近な場所がたくさん出てきてそれも嬉しい。横浜市泉区新橋町や瀬谷区の山林、相模原の工場など…
  • 天空への回廊
    エベレストを舞台にしたスパイ大作戦。十分おもしろかったが設定が大掛かり。これより後に出た『還るべき場所』の方が、山岳小説として、より楽しめた印象。
  • 素行調査官
    後半までどうなるのか展開がなかなか読めなく(読めない小説の方が好き)、最後まで楽しめる作品だった。

    公安の刑事の不貞調査から、思わぬ展開になっていく。
    スケールがどんどん大きくなり、警察の大物も絡んでいく。
  • 天空への回廊
    久しぶりに読んだストレートな冒険小説。典型的な巻き込まれ型だが、スケールの大きいお話でリーダビリティは高い。

    いっとき、内藤陳さんの手引きでこの手の小説をかなり読んだが、いつしか離れてしまった。現実を考えると陳腐な点も目につくのだが、たまに読むと元気をもらえるかな。