笹本稜平のレビュー一覧
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「笹本稜平」の山岳短篇連作小説『春を背負って』を読みました。
『還るべき場所』に続き、「笹本稜平」作品です。
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監督「木村大作」、主演「松山ケンイチ」で感動の映画化!
奥秩父の山小屋を舞台に、山を訪れる人々が抱える人生の傷と再生を描く感動の山岳短編小説集。
二〇一四年六月東宝より映画公開予定。
先端技術者としての仕事に挫折した「長嶺亨」は、山小屋を営む父の訃報に接し、脱サラをして後を継ぐことを決意する。
そんな亨の小屋を訪れるのは、ホームレスの「ゴロさん」、自殺願望のOL、妻を亡くした老クライマー…。
美しい自然に囲まれたその小屋には、悩める -
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笹本稜平『公安狼』徳間文庫。
2021年に急逝した笹本稜平の作品が最近になり続々と文庫化されている。ファンとしては嬉しいのだが、同時に未読作が減っていくことに悲しみを覚える。
ノンシリーズの公安小説である。爆弾テロを描いた小説では先に堂場瞬一の『絶望の歌を唄え』を読んだが、これに負けず劣らず面白い。
警視庁公安部という組織の中での対立と対テロ組織との闘いが描かれる。
公安に限らず一般企業でも組織の対立はあり、責任逃れや自分の地位を守るための妨害は多々ある。世の中の全員が自分と同じ価値観で行動すると考えたら痛い目を見るのだ。客観的に見て自分が正しいと思うなら、価値観の合わない人間などは無 -
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笹本稜平『山岳捜査』小学館文庫。
山岳警察小説。
混み入ったストーリーと有り得ない事件の真相。冬山登山の描写は迫力があり、読みながら寒さを感じるほどだった。しかし、ミステリー部分が複雑過ぎて、冗長になり、全体的に弛みを感じた。
長野県警山岳遭難救助隊の桑崎祐二は同僚の浜村隆と共に鹿島槍北壁を登山中に不審な3人組を目撃する。
その下山途中、谷間の不審な3人組を目撃した場所に倒れている人物を発見する。既に死亡していたその人物は女性で完全に凍結しており、首には索条痕と吉川線があり、他殺死体と思われた。
しかし、桑崎と浜村がヘリコプターに乗り込む直前に雪崩が発生し、死体は雪崩に飲み込まれてし -
ネタバレ 購入済み
北海道の山に登ってみたい!
地理は全く頭に入っていないけれど、読み進めるうちに山の景色が想像できて、行きたくなりました。
大雪は知っていましたが、アイヌ語の山やスポットは初めて目にするので、どんな所なのか…
もしかしたら本当にエゾオオカミがいるんじゃないのかと…
人はいつの頃からか地球で一番偉いかのように振る舞っているかと思いますが、そのしっぺ返しを自然からくらいつつありますよね。
まだ間に合うなら、できることをしたい。
そう、思いました。 -
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捜査一課が舞台となる警察小説は数多あるが、警視庁捜査二課=汚職事件担当が主役となるのは珍しいだろう。
しかも、主人公の刑事は捜査対象者の策謀により、冤罪ながらも指名手配の対象とされ、追われる身に。
最終的にハッピーエンドになるだろうことはわかっていても、果たして彼は警察の包囲を逃れ、真犯人に迫ることが出来るだろうかと、手に汗握る展開に頁を捲る。
前半は、犯人側の巧妙な策略に読者も忸怩たる思いに振り回されるが、後半は一気にスリリングに、ノンストップ小説の様相となる。
主人公が乾坤一擲の手段としてツイッターやブログを駆使するが、現代の小説ではやはりSNSは欠かせない存在なのだろう。現代性を持たせる -
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奥秩父の山小屋が舞台。
仕事に挫折した主人公が、父親の山小屋を継いで、ホームレスのゴロさんと共に色々な登山客との関わりがかかれている。
各章で出会う人たちがそれぞれ謎を持っている。
どういうことなの?って気になってどんどん読めた(エピソードは重め><)。
あと、何度か登山したことがあるので、山小屋の人こんなことをやってくれていたんだ!とか、こういう感じなんだ!ってなった。
最後の対談も面白かった。
映画化していたそうで、映画監督と著者の対談。
主人公にしたいタイプとか、どうしてゴロさんが主人公じゃなかったかとか、
作り手側の視点が、へーへーへー!となる。
ゴロさんの言葉で、結構救われた。