【感想・ネタバレ】山岳捜査のレビュー

あらすじ

警察小説と山岳小説の完璧な融合!

「山はおれたちが護らなければならない聖域だ」
長野県警山岳遭難救助隊に所属する桑崎祐二は、鹿島槍北壁からの下山途中、谷あいに倒れている人物を発見する。すでに死亡していたその女性の首には、索条痕と吉川線があり、他殺死体だと認められた。しかし桑崎らをヘリコプターに収容する直前、雪崩が発生し、死体は飲み込まれてしまう。
桑崎は、死体を発見する前日、同じ場所で不審な三人組を目撃していた。さらに、三月の気温の上がる時期にも関わらず、死体は完全凍結していた。三人組と女性との関係は? なぜ死体は凍ったまま発見されたのか。
吹雪の北アルプスでの壮絶な捜索行。その果てに明かされた真実とは──。
山岳小説と警察小説の面白さを融合した著者新境地の長編ミステリ-。

※この作品は単行本版『山岳捜査』として配信されていた作品の文庫本版です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

長野県警山岳遭難救助隊の桑崎祐二と浜村隆は非番を利用し雪残る後立山連峰に登っていた。そんな時、登山者としては不審な3人組がカクネ里にいるのを見つけた。立場上遭難されても困るため気を配っていたところ、下山途中にカクネ里で倒れている人を見つける。その女性遺体を回収するヘリが迎えにくる時に雪崩が発生し、二人は間一髪救出された。
遺体は他殺のおそれがあり事件の匂いがしたが捜査一課の富坂は山の中の事件の捜査に消極的だった。
その後、男2人と女1人のパーティから救難要請があり、遺体について何か知っている可能性があるカクネ里の怪しい3人組と思えたが吹雪の積雪のため男2人は死亡、女も意識不明だった。

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2023年08月15日

Posted by ブクログ

山岳小説と警察小説とを融合したミステリー。
厳冬期の冬山、嵐のなかで山岳遭難救助隊が捜索と救助を行う描写は、山の経験の豊富な著者ゆえ、臨場感に溢れ、読む者にも息詰まる思いを抱かせる。
一方、女性の他殺死体を巡る事件は複雑な様相ではあるが、捜査一課の刑事の喋り方が『越境捜査』の神奈川県警の刑事を連想し、多少興醒めの気分も。
本書のなかで、この事件で捜査活動に目覚めた山岳救助隊の一員が、山岳機動捜査隊の構想を話している。著者の頭の中にもあったかもしれないが、2021年に急逝して、この先迫力ある新しい山岳小説が読めないのは残念の極み。

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2023年03月21日

Posted by ブクログ

笹本稜平『山岳捜査』小学館文庫。

山岳警察小説。

混み入ったストーリーと有り得ない事件の真相。冬山登山の描写は迫力があり、読みながら寒さを感じるほどだった。しかし、ミステリー部分が複雑過ぎて、冗長になり、全体的に弛みを感じた。

長野県警山岳遭難救助隊の桑崎祐二は同僚の浜村隆と共に鹿島槍北壁を登山中に不審な3人組を目撃する。

その下山途中、谷間の不審な3人組を目撃した場所に倒れている人物を発見する。既に死亡していたその人物は女性で完全に凍結しており、首には索条痕と吉川線があり、他殺死体と思われた。

しかし、桑崎と浜村がヘリコプターに乗り込む直前に雪崩が発生し、死体は雪崩に飲み込まれてしまう。

その後、3人組から救助要請があり、桑崎らが救助に向かうが、2人の男性は死亡し、1人の女性が低体温症で意識不明の状態であった。

雪崩に流された女性遺体は何者なのか、3人組との関係は……

本体価格920円
★★★★

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2023年01月09日

Posted by ブクログ

登山を熟知していてその良さを伝えようとした作家。この本では、山が主人公に思えて、事件は彩り(語弊があるが)。

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2023年05月02日

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