笹本稜平のレビュー一覧
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まあまあまあ、短篇は得手不得手があるので全体的な評価は 微妙になってしまいました。
しかし、自分が思い入れがある作品のサイドストーリーはやはり気になります。
百瀬~の田辺くんを主人公とした『鯨と煙の冒険』はよかった。百瀬~でも田辺くんのキャラクターは光っていたのでこの話が読めて嬉しかったです。
『多田便利軒、探偵業に挑戦する』は話はどうということもないのですが、相変わらずの多田×行天コンビにニヤつきます。
ただ全てのストーリーにJTの企画らしく必ず煙草、喫煙シーンがあって(不必要に)もうそれだけで気持ちが削がれた。
今の世にこういう企画は合わないと思う。 -
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ネタバレ警察官の不祥事を未然に防ぐ(というか、世間に漏らさないようにする)ための仕事である監察官についた元探偵が主人公の異色警察小説。
警察小説も百花繚乱で、色々と素材や味付けに工夫をこらす小説家各位には頭が下がるが、笹本稜平レベルの作家をもってしてもそういう工夫は必要になってくるんだなぁ。
この作品自体は想定外に風呂敷を広げてしまい、蛇頭組織と警察上層部の癒着みたいな、よくあるノアール系の話になってしまったのが残念。素材が素材だけにもう少し小さめの風呂敷でもいいんじゃないかなと思う。尼崎のばばあが警察の檻で自殺した話とか、彦根の未成年警官が上司を射殺した話とか、現実にある警察腐敗の事件なんて、この -
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ネタバレ日本人傭兵 檜垣穣二シリーズ第3弾。
さすが笹本、日本人作家で冒険小説書かせたら屈指の出来。本作もスケール大きく、うんちく描写も素人に分かりやすいす、文章にリズムがあって、まずは安定の合格点。
ただ、ちょっと散漫な感じもするかな。主人公を記憶喪失にしてピンチ感を煽る手法を、禁じ手とは言わないけど、描写に記憶喪失前後の差が感じられず、その分展開に差をつけようとしているようだが、その結果、後半部分が非常に散漫になっている。
悪役も後半バタバタしすぎて、随分弱っちくなってしまっているし、ヒロイン、味方、コミカルリリーフに至るまで、動きにバタつきが感じられる。アクションや冒険描写にスピード感は大い -
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ネタバレ評価は3.
内容(BOOKデーターベース)
公園の木立で発見された絞殺死体は、裸足の女性――。捜査本部に着任した警視庁捜査一課のキャリア管理官は、我が息子だった。同時にチョウバ壊しで知られる捜査十三係の鬼係長・山岡も派遣されてきた。26歳警視の俊史と犯人を追うことになった城東署の強行犯係長・葛木の、所轄刑事の意地を懸けた苦闘の日々が始まった……。揺れる捜査方針に、本庁と所轄の面子が火花を散らしてぶつかり合う! --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
ストーリも出てくる人物も面白いのだが・・1ヶ所残念だったのが父親が息子の晴れ姿を見て感 -
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シリーズ3作目。
神奈川県警の管轄で白骨化した遺体が見つかる。状況から県警は自殺と断定するが、臨場した宮野は遺体の側に落ちていた拳銃が、警官しか所持しないニューナンブであることに気付き、またもや、警視庁捜査一課に相談を持ち込む。遺体の身元が10年前に失踪した右翼の幹部であることから、鷺沼たちも捜査に乗り出す…
今回の敵は、公安そのもの。真相に近づくと、関係者が殺害され、ラストまで鷺沼たちの敗北が濃厚なまま。
ハードボイルド感は、やはり1作目に比べると少ないものの、鷺沼たちがどのように逆境を乗り越えるのか、気になり、ページをめくる手が進む作品。
前作までは、読み終わるまで、結構時間がかかっていた