笹本稜平のレビュー一覧
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警察小説の舞台は警視庁が大概を占めるが、このシリーズは、所轄のノンキャリア刑事が所轄魂を発揮して、警視庁のエリートに先んじ、事件解決を図るのが魅力だ。
父親のノンキャリア刑事に対し、キャリア警察官僚の息子を配して、親子対比の家族小説にも見える。
今回は、息子が捜査二課に配属となり、贈収賄事件を担当。関連のある殺人事件も発生し、所轄と提携しながら事件に取り組む。
黒幕を政府の最高権力者と示唆したり、地方のはぐれ刑事をキーマンとしたり、新味を狙ってはいるようだ。
しかし、頁数をやたら費やすような感があり、4作目となるとマンネリ化はどうしても避けられないのだろうか。 -
Posted by ブクログ
まあまあまあ、短篇は得手不得手があるので全体的な評価は 微妙になってしまいました。
しかし、自分が思い入れがある作品のサイドストーリーはやはり気になります。
百瀬~の田辺くんを主人公とした『鯨と煙の冒険』はよかった。百瀬~でも田辺くんのキャラクターは光っていたのでこの話が読めて嬉しかったです。
『多田便利軒、探偵業に挑戦する』は話はどうということもないのですが、相変わらずの多田×行天コンビにニヤつきます。
ただ全てのストーリーにJTの企画らしく必ず煙草、喫煙シーンがあって(不必要に)もうそれだけで気持ちが削がれた。
今の世にこういう企画は合わないと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ警察官の不祥事を未然に防ぐ(というか、世間に漏らさないようにする)ための仕事である監察官についた元探偵が主人公の異色警察小説。
警察小説も百花繚乱で、色々と素材や味付けに工夫をこらす小説家各位には頭が下がるが、笹本稜平レベルの作家をもってしてもそういう工夫は必要になってくるんだなぁ。
この作品自体は想定外に風呂敷を広げてしまい、蛇頭組織と警察上層部の癒着みたいな、よくあるノアール系の話になってしまったのが残念。素材が素材だけにもう少し小さめの風呂敷でもいいんじゃないかなと思う。尼崎のばばあが警察の檻で自殺した話とか、彦根の未成年警官が上司を射殺した話とか、現実にある警察腐敗の事件なんて、この -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本人傭兵 檜垣穣二シリーズ第3弾。
さすが笹本、日本人作家で冒険小説書かせたら屈指の出来。本作もスケール大きく、うんちく描写も素人に分かりやすいす、文章にリズムがあって、まずは安定の合格点。
ただ、ちょっと散漫な感じもするかな。主人公を記憶喪失にしてピンチ感を煽る手法を、禁じ手とは言わないけど、描写に記憶喪失前後の差が感じられず、その分展開に差をつけようとしているようだが、その結果、後半部分が非常に散漫になっている。
悪役も後半バタバタしすぎて、随分弱っちくなってしまっているし、ヒロイン、味方、コミカルリリーフに至るまで、動きにバタつきが感じられる。アクションや冒険描写にスピード感は大い