笹本稜平のレビュー一覧

  • 突破口 組織犯罪対策部マネロン室
    落としのプロと呼ばれた刑事・樫村は、マネロン室に異動になる。そこは、捜査手段もキャリアも異なる寄せ集め刑事の巣窟だった。ある日、巨額の資金洗浄の疑いで取調べ中だった信用金庫職員が死亡。解決の糸口を失い捜査が難航する中、ある有力な情報が寄せられる。提供者は樫村が過去に自殺に追込んだ被疑者の関係者。これ...続きを読む
  • 素行調査官
    警察官の不祥事を未然に防ぐ(というか、世間に漏らさないようにする)ための仕事である監察官についた元探偵が主人公の異色警察小説。
    警察小説も百花繚乱で、色々と素材や味付けに工夫をこらす小説家各位には頭が下がるが、笹本稜平レベルの作家をもってしてもそういう工夫は必要になってくるんだなぁ。

    この作品自体...続きを読む
  • ボス・イズ・バック
    著者の山岳小説あるいは警察小説を読んできた読者は、エッと思わずつぶやきたくなる作品。
    極道たちから身銭を稼ぐ探偵、個性的な暴力団の面々、金に目のない悪徳刑事(この刑事には、つい『越境捜査』の神奈川県警の刑事宮野を思い起こしてしまう)。
    彼らが、ドタバタ劇的に珍事を繰り返すユーモア小説。
    著者の他の作...続きを読む
  • 分水嶺
    内容(「BOOK」データベースより)

    急逝した父の遺志を継ぎ、山岳写真家として生きることを誓う風間健介。父の愛した厳冬の大雪山で撮影中、絶滅したはずのオオカミに命を救われたという田沢保と出会う。風間は、田沢が亡き父と交流のあったこと、殺人罪で服役していたことを知るが、極寒の中、田沢と共にオオカミを...続きを読む
  • 突破口 組織犯罪対策部マネロン室
    マネロン室というサブタイトルなのだから、金融小説としてマネーロンダリング周りの詳細な知識について楽しみにしていたが、期待はずれ大である。警察内部の腐敗や、政治家、権力者をあやつるフィクサーの存在に焦点を当てる。結末についてもあっけなく、意外性はさほどなし
  • サハラ
    日本人傭兵 檜垣穣二シリーズ第3弾。
    さすが笹本、日本人作家で冒険小説書かせたら屈指の出来。本作もスケール大きく、うんちく描写も素人に分かりやすいす、文章にリズムがあって、まずは安定の合格点。

    ただ、ちょっと散漫な感じもするかな。主人公を記憶喪失にしてピンチ感を煽る手法を、禁じ手とは言わないけど、...続きを読む
  • 春を背負って
    ソフトな新田次郎的な山岳小説。綺麗にまとめてちょっとと思ったところもあったが、あったかい気持ちになれるハートウォーミングな話で満足。
  • 所轄魂
    評価は3.

    内容(BOOKデーターベース)
    公園の木立で発見された絞殺死体は、裸足の女性――。捜査本部に着任した警視庁捜査一課のキャリア管理官は、我が息子だった。同時にチョウバ壊しで知られる捜査十三係の鬼係長・山岡も派遣されてきた。26歳警視の俊史と犯人を追うことになった城東署の強行犯係長・葛木の...続きを読む
  • 所轄魂
    この作者らしく人物の心情描写というか、登場人物が思ってることをやたらに話すのでちょっとくどい、そして長い。捜査にかける熱意とか、気概を語り合う刑事なんているのかねというかいないだろう。
    捜査一課と所轄の対立、真犯人逮捕へのどんでん返しなどはよくあるパターンだが、最後まで読めた。
  • 所轄魂
    連続女性殺人事件が起こる所轄に、「荒らし屋」と悪名高い本庁捜一が乗り込んでくる。
    さらに、その所轄刑事、葛木の息子が管理官として捜査本部に派遣されてくる。
    人間関係のゴタゴタに終始するかと心配したが、なかなか読み応えのある作品だった。
  • 破断 越境捜査
    シリーズ3作目。
    神奈川県警の管轄で白骨化した遺体が見つかる。状況から県警は自殺と断定するが、臨場した宮野は遺体の側に落ちていた拳銃が、警官しか所持しないニューナンブであることに気付き、またもや、警視庁捜査一課に相談を持ち込む。遺体の身元が10年前に失踪した右翼の幹部であることから、鷺沼たちも捜査に...続きを読む
  • 挑発 越境捜査
    シリーズ第2弾。
    いや〜、普段は2日で1冊のペースで本を読んでいるのに、1週間近くかかった…決して、作品が悪かった訳ではなく、ただ単に時間がなくて、先になかなか進めないもどかしさが残る一冊になってしまった。
    7年前の事件を調べるうちに、またしても、神奈川県警の宮野とタッグを組むことになった鷺沼。
    ...続きを読む
  • 春を背負って
    亡き父の残した山小屋の経営を引き継いだ亨が、父の愛した奥秩父の山の自然の中で、山と父を愛した人々と出会い、さまざまな思いを受け止めながら成長していく、連作短篇集。

    心をすり減らし脱サラした亨を支えるのは、父の後輩だったという半ホームレスのゴロさんと、亡父の残した写真に惹かれて山小屋にやってきた、元...続きを読む
  • 白日夢~素行調査官~
    退職間もないひとりの元刑事が自殺をした。
    特別にゆかりの土地でもなさそうな場所で命を絶った刑事のお骨は、引き取り手のないまま宙に浮いている。
    入江に命じられ北本とともにお骨の引き取りに向かった本郷は、はからずもしばらくの間寮の自室でお骨と同居を余儀なくされる。
    薬物捜査のエキスパートと呼ばれた男はな...続きを読む
  • 素行調査官
    主人公である本郷は元探偵である。
    ドラマや小説の中に登場する探偵とは違い実際の探偵は法に許された範囲でしか活動することができない。
    しかも勤めていた探偵事務所が解散となり失業中の身ともなれば、せっかくの口利きは無駄にしたくない。
    警察官の素行を調査する監察の仕事を得た本郷は、警察官にしか使えない調査...続きを読む
  • 恋する組長
    短編集。
    「死人の逆恨み」感想
    何の嫌がらせでおれの事務所で自殺を・・・と死体の様子を観察すると、喉の周りに「吉川線」があるじゃないか。
    冗談じゃない。自殺に見せかけた殺しか?
    面倒を怖れたおれは、さっさと知らん顔を決め込んだが・・・。
    保険金目当ての殺人は現実社会でもよくあるが、どうにも胡散臭いや...続きを読む
  • 恋する組長
    コメディタッチのノアール風ハードボイルド連作短編集。
    笹本作品だから読んでみた。さすがの笹本ブランド、どの作品も落とし所しっかり踏んで読ませる。

    ただ、スゲーわがままだと分かった上で書くんだけど、笹本ブランドにこれ必要かなぁとも思う。先発完投型のピッチャーにワンポイント投げさせてる試合を見たような...続きを読む
  • 白日夢~素行調査官~
    ーーー
    一人の元潜入捜査員が自殺した。薬物捜査のエキスパートとしてめざましい実績を持つ男。だが、公金流用を理由に依願退職に追い込まれていた。さらに退職時、大量の覚醒剤を持ち出していたというのだが……。警視庁監察係の本郷岳志と仲間は、彼を裏切り死に追いやった警察内部の黒い人脈に気づく。「警察の中の警察...続きを読む
  • 駐在刑事
    著者の作品は、大まかに、(海洋)冒険(謀略)小説、山岳小説、警察小説に分類できると思う。
    本作は、そのうちの山岳と警察との二つを融合した贅沢な小説。そして、山岳小説の舞台は大概外国の山が多いが、この作品は、奥多摩を舞台にしている。
    主人公は、事情聴取中に被疑者(冤罪の疑い)を死なせてしまった責任を取...続きを読む
  • その峰の彼方
    笹本の山岳作品 期待が高かった反面
    残念な内容
    内面の描写が くどい
    結末 なんだ という 感触