笹本稜平のレビュー一覧

  • 素行調査官

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    警察の中の警察と呼ばれる警視庁監察係。魑魅魍魎の警察内部の闇を追う元探偵・本郷たちを主人公としたシリーズ第1弾。
    決して正義感だけで動くわけではないところがいい。キャリア組のエリート入江は清濁あわせ飲み、ベテラン北本の生活感、そして本郷の皮肉屋な性格。この三人の何ともいいようのないチームプレイが職人的調査を生み出す。味がある。

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    2013年06月27日
  • 未踏峰

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    川端祐人の『夏のロケット』の山岳ver.のようなお話。異能の青年達が幾多の困難にぶつかりながらも乗り越えていく姿をちょっとファンタジーっぽく、ややノスタルジックな視点から描くとこなんて本当に川端氏にそっくり。今なお世界最高峰がある種の価値を持っているのは否定できない事実である。しかし夏の北アルプス並みの大渋滞の写真を見ると、前人未到の地にひっそりと佇む6000メートル級の無名峰にノーマルルートから初登頂する方が魅力的に思えてくる。起承の次に転が来ると思わせながらもうひとつ承を繋いで静かに結を置くスタイル。

    『実はヒマラヤの風は、空気が希薄なせいで、風速のわりに威力はさほどでもないらしい。』←本当?知らんかった。言われてみれば、そんな気もする。体験した訳じゃないけど。^^; (6月22日)

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    2013年06月27日
  • サハラ

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    サハラ・アラブ民主共和国解放軍に招聘された傭兵檜垣は、敵対するモロッコ秘密警察に受けた訊問で記憶を失う。一方、サハラ砂漠に未知の油田があることを記した文書とともに日本の書記官が行方不明に。檜垣はアルジェの駐在武官牛島から、油田を探るため手を組みたいと申し出をうける。牛島から檜垣の妻ミランダがジュネーブで入院していると知らされ、現地を訪ねた檜垣だが妻は「カサブランカに行きたい」という言葉を残して姿を消していた……。

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    2013年03月17日
  • 恋する組長

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    東・西及び地場ヤクザに半堅気の私立探偵と電話番の女事務員と言えば、ナニワ・ノワールの怪作『疫病神シリーズ』(黒川博行)を思い出すが、こちらは至ってライトなソフト・ボイルド連作集。タイトルからして大して期待はしていなかったが、可も無く不可もない出来栄え。完全な著者買い。可能な限り虚飾を排した骨太の山岳小説『還るべき場所』の著者であり、絶滅危惧種とも言える冒険小説の孤塁を独り、いや樋口明雄と二人で守る貴重な書き手である。偶にはこういうのも良いが、著者には古臭くて、分厚く、ストレートな作品を書き続けてほしい!!

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    2013年02月13日
  • 未踏峰

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    実生活では、海が好きで、海で遊んでばかりなのに、意外に山もの小説を読んでいる。まぁ、山ものと言うより、笹本稜平ファンなのだが。この小説は青さが良い。

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    2012年09月18日
  • 駐在刑事

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    少し特殊なジャンルではあるが著者の『還るべき場所』は夢枕獏の『神々の山嶺』と共にポスト新田次郎の大傑作!本作は山岳小説ではなく、奥多摩の豊かな自然を背景とした連作ミステリである。ある不祥事の責任を負わされ、花の警視庁から山里の駐在所への移動を余儀なくされた男が主人公。登場人物+1匹の造形は1人を除き好ましい。但、その例外たる元上司のキャリアが余りにも【お馬鹿っぽい】のが頂けない。加えてS・キングが創造した怪しの街キャッスルロックじゃあるまいし、奥多摩で次々に怪事件が発生するのも無理がある。箸休め的小品か?

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    2012年08月14日
  • 極点飛行

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     冒険小説とある。冒険する姿に驚き、困難を克服する姿に感動するという内容ではない。話のスケールが世界に広がり、時代を数世代経ての謎を解き明かすという構成になっている。残念なのは、悪党とのやり取りの場面、その経緯が複雑になりすぎて読むスピードが止まること。少し欲張りすぎたのかな。

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    2012年08月10日
  • サハラ

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    なんだか筆先三寸でああだこうだと書かれても、読む方にさっぱりイメージが沸かなくて、ついて行くのが馬鹿らしくなって、ページとばしで最後まで開いたが、それだけのこと。

    この人には何かが欠けている。

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    2012年07月24日
  • 未踏峰

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    この人の山岳小説が好きで購入。ちょっとお話が出来過ぎか。あと少々登場人物が青いというかクサイ。悪くはないが。
    【160907再読】
    同じ感想。ダイバーシティ。みんな違ってみんないい的な。

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    2016年09月08日
  • 天空への回廊

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    エベレストを舞台にした、山岳小説というよりサスペンス。
    最初は登場人物がやたら出てくるわ、外人だわ、で覚えるのに大変でした〜;でも、人物関係がわかってくるとなかなか面白い。
    誰が敵で誰が味方か?!後半にかけて、ストーリーが展開してくると、おもしろくなって結構一気に読めました。
    にしては結末が意外とあっさり?な気もするので☆3つ。

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    2012年06月14日
  • 未踏峰

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    初・笹本さん。
    山岳小説の名手と聞いた事があり手を出しました。
    サクサク読めましたが、イマイチかな。
    かつて薬物に溺れ万引きで会社を辞めた裕也、コミュニケーションに問題を持つアスペルガー症候群のサヤカ、知的障害を持つ慎二。ほぼ素人の三人組が目指すのはヒマラヤの7000m級の未踏峰の最も安全ルートからの初登頂です。そういう設定ですから山のシーンも何か切迫感が無い。
    一方で、主人公たちが障害を乗り越える成長物語と見れば、解説には”青さ”を湛えとありますがちょっと青過ぎです。情緒的というか、無駄な心象風景が多すぎる気がします。
    もっと骨っぽい小説を期待していたので、ちょっと肩透かしの感じでした。

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    2016年07月23日
  • 素行調査官

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    ネタバレ

    内容が少し複雑だったせいか時間がかかった。結末に近づくにつれ駆け足の印象が残るが読みごたえのある内容だった。真犯人は意外だったが、公安・中国マフィア・隠密捜査・警察官僚と興味深いキーワードの割にあっさりしていたような

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    2012年06月09日
  • 天空への回廊

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    2002年刊行の本の文庫化。とは言っても、文庫化されたのも2005年なので、結構前ですね。舞台は、エベレスト(チョモランマ)。確かに、“天空への回廊”です。このエベレストの山頂付近にアメリカの軍事衛星が落下し、それの回収作戦が物語りになっています。

    いやぁ、中々読ませます。最後の方は、ちょっと冗長になってきた感じもしますが、途中のプロット、仲間なのか、あるいは敵なのかと言う騙しあい。本の帯に夢枕獏氏の言葉として書いてあったんですが、確かに映画化しても面白そうです。でも、エベレストのあの感じを再現するのは難しそうですね。

    最初の刊行が2002年と言う事も内容のプロットを考えるのに考慮した方が良いかも。9.11が起きたのは2001年ですが、あれでアメリカの強大な軍事力にも穴が有ると言う事が実証されてしまい、また、世界的なテロも小説の中の話ではないということも明らかになりました。強大な部隊がいるアメリカが脇役になっていたり、人工衛星の奪取を企むのが謎のテロ組織だったりと、9.11の影響を感じました。

    最初の刊行から時が経っていますが、まだまだ読ませます。面白いです。

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    2012年06月03日
  • 偽りの血

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    ネタバレ

    せっかく生きていた兄が再度殺害されてしまったのは残念。というか意味が感じられなかった。
    あまりにも偶然が続く展開が多すぎる。

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    2012年05月03日
  • 素行調査官

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    警察の中の警察、監察係りのstory。
    本当にこんな足の引っ張り合いをやってるの?と思いながら読みつつ、それを正してくれる人もいるんだよねとちょっとホッとする。
    調査官というあまり聞きなれない役職ではあるり、そこに内部ではなく外部から普通の感覚を持つ人が採用されている辺りがとっても皮肉っぽく思える。
    story的にそんな馬鹿な・・・、そんな事ありえない・・・と思ったが、それは私が普通の感覚の一般人だからなのだろうか。

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    2012年04月10日
  • 素行調査官

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    殺人事件と警察トップの大きな悪を暴く、みたいな。
    途中ハラハラしながら読み進めた部分もあったけど、最後駆け足な印象。

    おもしろかったけど、あんまりハマれず、やや単調。

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    2012年03月31日
  • 不正侵入

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    王道の警察小説。権力者の腐敗と現場で働く者との対決という構図である。
    散らばったパズルのピースが徐々に埋まっていくものの、事件が解決しても寂寥感が漂う。果たして秋川が望んだリベンジだったのか?おそらく、ラストシーンで新幹線のホームで飲んだ缶ビールの味は苦かったに違いない。

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    2012年02月10日
  • 駐在刑事

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    1年半分の季節が巡る間に奥多摩(「秋のトリコロール」のみ北鎌尾根)で起こる事件と人間模様が、時系列で6つの短編としてまとめられている。手にしたとき、「駐在刑事」のタイトルから堅い内容を思い描いたが、あにはからんや、子供やお年寄り、犬が重要な役回りだったりで、ほのぼのさも感じる物語でした。

    好きなキャラは真紀とプール。「茶色い放物線」は映像化を希望。「風光る」での江波と遼子のような出会いには憧れる。「秋のトリコロール」は山に登りたくなる。

    肝心の主人公・江波の印象が弱く、敵役・加倉井との対立構造の描き方が平板なところに物足りなさを感じた。やっぱり自分は、警察組織の中にいる個人としての刑事や、犯罪者の心理を描く作品が好きなようだ。

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    2012年01月14日
  • 偽りの血

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    ネタバレ

    笹本稜平さんの本が好きでよく読んでいます。元々が大藪春彦を全巻持っているので、大藪春彦賞を取った作者はどんな?というところから始まっています。他の本に比べると、地味な印象ではありますが、小さい頃、秘密基地を真剣に!つくっていた人間にとっては、ああした時代の頃の印象がその後に大きな影響を与えていく、というプロットに大いに賛成できます。自分も今でもあのときの秘密基地があったあたりに数年に一度訪れると、思い出してしまいます。身長も縮む気さえ(周囲の草が自分の身長並みに高かった)するのです(^^;

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    2011年11月30日
  • 素行調査官

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    元探偵の警察官という変わった肩書きをもつ主人公。警察官の不祥事を取り締まる監察という部署を舞台に、それらの設定をうまく活かして物語が進んでいきます。いささかキャリアの偉い人たちがなんでもできやしすぎないかとご都合主義な気もしますが、楽しめました。警察系ミステリーの期待通り、といった印象です。

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    2011年11月22日