笹本稜平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ笹本稜平未読作品を読もうシリーズ…なんだけど、これはちょっとなぁ
成長著しいIT産業を絡めた題材なんで、技術の進歩に内容が遅れをとっていることはしゃーないとしても…
国際謀略スパイ小説の緊張感の中で、家庭レベルのドラマが溶け切れずにダマになって浮いてるのが、読んだときに口触り悪くてなんだかなぁ。
勢いあるので、グイッと一気に読めるけど、勢いで読んでも突っ込みどころ満載。一個人(助けてくれる人探偵)VSアメリカ秘密組織VSロシア秘密組織って戦いに無理を感じさせないようにするには、相当な力と技の風車を回さないとなじまないなぁ。笹本をしてこれなら相当厄介なテーマなんだろうなぁ -
Posted by ブクログ
笹本さんは2冊目。
山岳小説の名手と聞いた(読んだ)記憶があったのですが、広く冒険小説やミステリーも手掛ける作家さんのようで。
さて、この小説、ストーリーとしては好きなタイプなのですが。。。。
とにかく途中から主人公たちの会話文が、現実にはこんなしゃべり方はしないだろうと気になってしまい。特にヒロインの喋りは年齢も性別も超越しちゃってます。さらに話の進め方も説明的というか、とにかく主人公たちに話をさせて考えを伝えて行く感じで、そういう文体面で苦手で。
そんな訳で高得点とは行きませんでした。
ちなみに松山ケンイチ・蒼井優・豊川悦司で映画化されるようです。
セリフを何とかすれば、映画化には向いてい -
Posted by ブクログ
川端祐人の『夏のロケット』の山岳ver.のようなお話。異能の青年達が幾多の困難にぶつかりながらも乗り越えていく姿をちょっとファンタジーっぽく、ややノスタルジックな視点から描くとこなんて本当に川端氏にそっくり。今なお世界最高峰がある種の価値を持っているのは否定できない事実である。しかし夏の北アルプス並みの大渋滞の写真を見ると、前人未到の地にひっそりと佇む6000メートル級の無名峰にノーマルルートから初登頂する方が魅力的に思えてくる。起承の次に転が来ると思わせながらもうひとつ承を繋いで静かに結を置くスタイル。
『実はヒマラヤの風は、空気が希薄なせいで、風速のわりに威力はさほどでもないらしい。』 -
Posted by ブクログ
初・笹本さん。
山岳小説の名手と聞いた事があり手を出しました。
サクサク読めましたが、イマイチかな。
かつて薬物に溺れ万引きで会社を辞めた裕也、コミュニケーションに問題を持つアスペルガー症候群のサヤカ、知的障害を持つ慎二。ほぼ素人の三人組が目指すのはヒマラヤの7000m級の未踏峰の最も安全ルートからの初登頂です。そういう設定ですから山のシーンも何か切迫感が無い。
一方で、主人公たちが障害を乗り越える成長物語と見れば、解説には”青さ”を湛えとありますがちょっと青過ぎです。情緒的というか、無駄な心象風景が多すぎる気がします。
もっと骨っぽい小説を期待していたので、ちょっと肩透かしの感じでした。