あらすじ
“おれ”は、東西の指定広域暴力団と地場の組織が鎬を削る街に事務所を開く私立探偵。やくざと警察の間で綱渡りしつつ、泡銭を掠め取る日々だ。泣く子も黙る組長からは愛犬探しを、強面の悪徳刑事からは妻の浮気調査を押しつけられて……。しょぼい仕事かと思えば、その先には、思いがけない事件が待ち受けていた! ユーモラスで洒脱な、ネオ探偵小説の快作!
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Posted by ブクログ
ハードとソフトのちょうど良い仕上がり加減な探偵小説。
私立探偵の「おれ」は修羅場も潜ってきて百戦錬磨、肝も据わっており頭も切れる。のだが、舞い込んで来るのは犬探しやら幽霊騒ぎやら変な話ばかり。
短編1話の中に複層的に事件が詰まっており、文字数以上の圧倒的な満足感とお得感が得られます。
コスパ抜群!
ゴリラをはじめ登場人物も憎めないキャラクターばかり。シリーズ化されておらず残念!!
4刷
2021.3.7
Posted by ブクログ
評価は5.
内容(BOOKデーターベースより)
“おれ”は、東西の指定広域暴力団と地場の組織が鎬を削る街に事務所を開く私立探偵。やくざと警察の間で綱渡りしつつ、泡銭を掠め取る日々だ。泣く子も黙る組長からは愛犬探しを、強面の悪徳刑事からは妻の浮気調査を押しつけられて…。しょぼい仕事かと思えば、その先には、思いがけない事件が待ち受けていた!ユーモラスで洒脱な、ネオ探偵小説の快作。
ヤクザも悪徳警察官も皆嫌いになれないキャラばかりだ。何よりも独り言でクスリと笑わせるセンスに感心した。
Posted by ブクログ
探偵事務所を開いている「俺」のもとを訪れるのは、やくざと、やくざよりタチの悪い悪徳刑事ばかり。
「極道は飯の種」と割り切って、今日も探偵稼業に精を出すが、あまりにも奇妙で無茶な依頼が持ち込まれて…。
風変わりな事件を、軽快な筆致と生き生きした人物描写で描きあげる、極上のハードボイルド探偵小説、登場。
Posted by ブクログ
骨太の冒険小説や警察小説のイメージが強い笹本稜平氏には珍しくコミカルなハードボイルド作品。
探偵の"おれ"を振り回す個性的、そして狂暴な面々たち。でも、愛妻家だったり、愛犬家だったりと憎めない人たちである。
尻軽でお調子者の電話番・由子が魅力的で、"おれ"との恋の行方も含めて、続編希望。
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タイトルからは任侠小説かと思ったけど、探偵がメインの軽い(読みやすい)ミステリ。ハードボイルドではないけど、かっこつけてて、でも抜けてて。この手の探偵は好みです。
Posted by ブクログ
それはそれは大好きな、笹本稜平なので、
こじんまーりしていても、
ご都合主義でもなんでもよいのです。
翻訳本が続いていたので、
軽妙な地の文が、リズムを崩すことなく続いていて
読んでいて楽しかった。
スケールの大きなヤツを、早く読ましてほしいな。
Posted by ブクログ
いやーおもしろかった!ヤクザとどっぷり絡みながら際どいところで仕事をしている探偵の「おれ」
極悪無能刑事やらインテリやくざやら仕事しない電話番の女の子やら…もうキャラが抜群☆
そしていつも難しい依頼を受けて危うく殺されそうになる。これをどう回避するかがおもしろい!解決方法には、そう来たか!と楽しくなる☆
決して奇想天外奇天烈奇妙ではなく、軽快でスッキリした、わたしが好きな勧善懲悪☆
初読みの作家さんですが、オススメです!
Posted by ブクログ
ヤクザ相手の探偵業は機転がよく憎めないキャラでないと成り立たない。短編になっていて読み易いけど死体がすぐに出たかと思えば笑えるユーモアもあり娯楽として楽しめた。かつてオダギリジョーがでやっていたTVドラマを思い出した。
Posted by ブクログ
東西の指定広域暴力団と地場の組織が鎬を削る街に事務所を開く私立探偵。
案件依頼主はほぼヤクザ。にも拘らず、愛犬探し。
ハードボイルドでありながら、コメディ要素がふんだん。
初めて読む作者だが、他の作品もぜひ読んでみたいもの。
短編集の各話がこれだけ濃密な仕上がりになっているのは、かなりの手腕の持ち主だな。キャラ立ちも秀逸でした。
Posted by ブクログ
“おれ”は、東西の指定広域暴力団と地場の組織が鎬を削る街に事務所を開く私立探偵。やくざと警察の間で綱渡りしつつ、泡銭を掠め取る日々だ。泣く子も黙る組長からは愛犬探しを、強面の悪徳刑事からは妻の浮気調査を押しつけられて…。
Posted by ブクログ
短編集。
「死人の逆恨み」感想
何の嫌がらせでおれの事務所で自殺を・・・と死体の様子を観察すると、喉の周りに「吉川線」があるじゃないか。
冗談じゃない。自殺に見せかけた殺しか?
面倒を怖れたおれは、さっさと知らん顔を決め込んだが・・・。
保険金目当ての殺人は現実社会でもよくあるが、どうにも胡散臭いやつばかりが登場してくる。
ゴリラにそっくりな刑事・門倉は、難癖をつけておれを犯罪者に仕立てようとするし、死体になったコマシの再婚相手はやけに良い人ぶるところが怪しい。
少しだけ哀れな男の結末は、結局死ぬまで運のなかった男の人生と相まって哀しくもある。
常に変わらないのは、土下座をしようが紆余曲折しようがわが道を行くおれだけなのか。
Posted by ブクログ
コメディタッチのノアール風ハードボイルド連作短編集。
笹本作品だから読んでみた。さすがの笹本ブランド、どの作品も落とし所しっかり踏んで読ませる。
ただ、スゲーわがままだと分かった上で書くんだけど、笹本ブランドにこれ必要かなぁとも思う。先発完投型のピッチャーにワンポイント投げさせてる試合を見たような気分。
「確かに大谷君のワンポイントはぜいたくやけど、俺が観たいのはもっと長いイニングを投げ抜く姿やねんなぁ」って感じ。
作者が書きたかったんだろうし、掲載元・出版元もニーズがあると見込んだから注文したんだろうけど、笹本さんはここのステージ似合わんのちゃうかなぁ、長編が読みたくなった。
Posted by ブクログ
最近僕の中で好きな作家さん登録された笹本稜平さんのライトなテイストの探偵物です。
登場人物がみんなユーモラスで現実離れしているのですが、漫画的な意味でとてもいい味出しています。
刑事もヤクザもヒロインもみんなどうしようもない奴なのですが、頭の中で3頭身に変換されてしまいそうな可愛らしさが有って、悲壮感や使命感等とは縁の無い話でした。
特に何も残らないと言えばそれまでなのですが、お風呂入りながらとか、暇をつぶすお供とかにうってつけな気がします。
こき下ろしているようですがそんなことはないです。こういう本もいいと思います。何となく樋口有介さんの本を髣髴とさせるフットワークの軽さを感じます。僕は好きです。
Posted by ブクログ
初めて読んだのですが、既読感…。本棚にあった「ハードボイルド・エッグ」「フォー・ディア・ライフ」とごっちゃになっていきました(^_^;)『探偵小説』っていう感じのくくりなのかしら。
面白かったです。他の2冊も。
Posted by ブクログ
今まで読んだこの著者の小説とはかなり雰囲気がちがいました。軽い(いい意味で)ちょっと都合のいい展開ではない???と言いたくなりますが、続編を楽しみにしてしまいます。