【感想・ネタバレ】特異家出人 ~警視庁捜査一課特殊犯捜査係・堂園晶彦~のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2時間ドラマ特番脚本みたいな警察小説。
笹本稜平の筆があるから読ませるが、これを映像化したら下手すると凡百のサスペンス劇場になってまうだろうなぁ。鹿児島指宿ご当地ものに、脚本になかった特攻隊(知覧あたりも出てくるので)あがり役が出てきたりして…。

老人誘拐救出劇、戦後のどさくさに隠れた謎、主人公と被害者老人の因縁…、ち密に描かれているからこそご都合主義的な展開もハラハラドキドキできる。ノンフィクションのだいご味は「ウソだから安心できるがウソを感じずドキドキできること」だと思っている。この作品もそうだが笹本小説はその辺実に上手くバランスをとってくれるのだ。

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2018年10月19日

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ネタバレ

拉致や立て篭もりの被害者の救出などを担当する特殊班の刑事・堂園が、失踪した老人の行方を追う様を、500ページ近くを費やして丹念に描いた物語。

堂園の祖父と失踪した老人・有村との繋がりが、小説の裏のテーマになっている。祖父のかつての故郷・鹿児島にて、戦前戦後を駆け抜けた2人の青年とその恋人たちの哀しい物語。そして、物語の終盤になって解き明かされる謎。その全てが、老人の失踪を引き起こし、堂園の現在の親戚の苦境へと繋がっている。

死亡した被害者の為でも、手柄が欲しいわけでもなく、被害者を生きて取り戻す事に情熱を傾ける堂園の、上司・高平との信頼関係や、桜田門の事勿れ主義のお偉方への怒りがじっくりと描かれている。展開は王道なので、始めからある程度見えているけれど、その安心感を持って読み進められるとも言える。

GWなどの休みにじっくり読みたい方に良いかもです。

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2015年04月30日

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東京都葛飾区在住の資産家老人・有村礼次郎が突然失踪した。質素で孤独な生活を送る老人と唯一交流のあった少女・奈々美の訴えで臨場した警視庁捜査一課特殊犯捜査係の堂園晶彦は、有村邸の玄関から血痕を発見する。同時に預金通帳や有価証券、時価二億円の根付コレクションが消えていた。有村老人は元暴力団員・中俣勇夫に金目当てで拉致された可能性が高い。中俣の潜伏先である鹿児島に飛んだ堂園は、自身の祖父と有村が鹿児島第一中学の同級生だったことを知る。二人はある事件がもとで故郷を追われていた。

著者の作品を読むのは久しぶり。かなりのご都合主義でげんなり。

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2020年02月08日

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東京都葛飾区在住の資産家老人・有村礼次郎が突然失踪した。質素で孤独な生活を送る老人と唯一交流のあった少女・奈々美の訴えで臨場した警視庁捜査一課特殊犯捜査係の堂園晶彦は、有村邸の玄関から血痕を発見する。同時に預金通帳や有価証券、時価二億円の根付コレクションが消えていた。有村老人は元暴力団員・中俣勇夫に金目当てで拉致された可能性が高い。中俣の潜伏先である鹿児島に飛んだ堂園は、自身の祖父と有村が鹿児島第一中学の同級生だったことを知る。二人はある事件がもとで故郷を追われていた。

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2018年06月17日

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著者の警察小説は、己の信念に従い、果敢に警察組織に立ち向かう主人公が登場し、カタルシスをしばしば喚起してくれる。
この作品は一味違い、老人の行方不明に事件性を見い出し、その行方を追う特殊犯捜査係の刑事を描いたミステリー。
そして、その老人と交流のあった少女の存在が、作品にほのぼの感を与える。
しかし、事件の背景には、時代を超えた宿縁があり、物語に重層感を持たせている。

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2016年12月30日

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