笹本稜平のレビュー一覧

  • その峰の彼方
    山登りが好きな人にはたまらない小説だと思う。
    夢枕獏の「神々の山脈」をベストと考える私には冗長な部分が多いと感じられた。しかし、デナリに魅了された津田が宇宙の真髄にたどり着く、透明感な世界は十分に感じられた。
  • サイドストーリーズ
    やはり読んだことのある本だと面白さが格段に違う。まほろは何度読んでも好きなお話だし、空気感がとてもいい。どのお話にも必ず喫煙シーンが出てきて一服ひろばが登場すると思ったらJTの企画だったとは。無理なくストーリーに溶け込んでいたからよかったものの、短編集だとやはり物足りない勘はぬぐえない。新しい作家さ...続きを読む
  • グリズリー
    結構なボリュームだが、飽きさせずに読ませる力がある。

    歯ごたえのある作品が読みたい人に向いている。
  • 駐在刑事
    寺島進さんのドラマのファンで、原作を手にしました。ドラマは登場人物のキャラがたっているので、わかりやすかったのですが、原作では、駐在、江波さんが 少し弱いような 物足りなさを感じます。加倉井管理官との確執やからみも、弱いような。江波本人の人物像も、はっきりしないような。短編ではありますが、事件性もあ...続きを読む
  • 流転 -越境捜査-
    笹本氏の遺作。あまりにも荒唐無稽なタスクフォースという名の悪徳警官集団には賛否両論あると思うが、私は否派だ。宮野の会話を聞いてると反吐がでそうだが、犯罪とその裏に蠢く構図は悪くない。笹本作品が読めなくなったのは残念だが、この作品自体はあまり思い入れはない。
  • 春を背負って
    再読シリーズその五。

    大学院卒業後、東京の電子機器メーカーで半導体研究を行っていた長嶺亨が一転、亡き父が経営していた奥秩父の山小屋を継ぐことにする。
    バリバリの理系青年だった彼がなぜ亡き父と同じ山小屋のオヤジとなったのか…というその転機については本作を読んで確かめていただくとして、五年経った冒頭で...続きを読む
  • 山狩

    数々の山岳小説や警察小説を著してきた作者の遺作は、山岳&警察小説。

    作者の作風なのかもしれないけど、進行が遅い、長い、くどい。何度も何度も挫折しそうになりながら、それでも最後まで辿り着く。それでいて終盤は広げた風呂敷を慌てて畳んでいくような印象の伏線回収。薄いカルピスを無理矢理飲んでいたらグラス...続きを読む
  • 山狩
    多数の登場人物と関係団体が出てきて、ほぼ終盤まで情報量が多いと感じていたが、最終章辺りからのまとまりがよく、あれだけの情報をすっと読みやすくされていた。
  • 山狩
    遺作となったのが残念ですが、いつもながら軽快な展開は読者を飽きさせません。1日延滞してしまいましたが、読みきってよかったです。
  • 引火点 組織犯罪対策部マネロン室
    ん〜〜段々と話が大きくなってついていけないというか、仮想通貨というものが分かっていないので私には手に余る物語でした。
  • 引火点 組織犯罪対策部マネロン室
    国内有数の仮想通貨取引所に、資金洗浄の疑いが持ち上がる。マネロン室の樫村らが捜査を開始するが、謎の人物から警察の撤退を求める脅迫メールが届く。さらに調査対象だった取引所の女性CEO・村松が失踪。自作自演か、それとも第三者による誘拐か。姿の見えない敵を相手に、刑事たちは心理戦を仕掛けるが……。
  • ボス・イズ・バック
    ハードボイルド??
    主人公を含めて全員が憎めない悪党ばかり。
    気軽に読めますね。
    自分は前作の方が面白いと思いました。
  • 駐在刑事 尾根を渡る風
    駐在刑事シリーズ第2作。
    奥多摩という舞台が山岳小説と警察小説との事件のバランスが絶妙でいい。続刊希望。
  • ソロ ローツェ南壁
    達成した瞬間で終わる。
    まわりのその後はどうなるのか。
    クライミングの描写は細かく肉迫してくるが、物語として、クライマックスのあとのカタルシスがなく、バサッと終わった感じ。
  • 恋する組長
    ヤクザ相手の探偵業は機転がよく憎めないキャラでないと成り立たない。短編になっていて読み易いけど死体がすぐに出たかと思えば笑えるユーモアもあり娯楽として楽しめた。かつてオダギリジョーがでやっていたTVドラマを思い出した。
  • K2 復活のソロ
    山岳小説の中でも笹本稜平の書く山岳小説は凄いけれど、彼の作品の中では今回の作品はそこまでじゃないなぁという印象。今までの作品はガッツリ山をやっていない人でも共感して感動できたけど、これはかなりマニアックな領域まで入らないと共感が難しいかな...
  • K2 復活のソロ
    山岳小説も現代的になったというか、当作では画期的な登攀に対してのSNSの誹謗中傷があったり、クライマーと登攀ギアのスポンサーとの商品開発なども取り上げられていて、それはそれで興味深いが、その分、表題にもなっているK2登攀の描写は、ヒリヒリハラハラさは薄い感じで、それはそれで現代っぽいのかもなと思った...続きを読む
  • 引火点 組織犯罪対策部マネロン室
    まずまずかなぁ。
    長編で展開がまどろっこしいので、一気読みがでけへんかった。引き込まれるモンが無かった。
  • 春を背負って
    文句なく面白かったけれど、稀代の小説家、笹本稜平の作品の中では3つ星かな、という評価。映画も見ようかな。
  • 駐在刑事
    笹本稜平さんの初めての本。6編のうちの2編を読んで、挫折。つまらなくはないが、最後までという気にはならなかった。