笹本稜平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ笹本稜平の4作目。連作短編。
各編ごとに感想を。
【終わりのない悲鳴】
哀しい女性の物語。
主人公の抱える心の傷とリンク。彼の背景の事件が今後関わってくることになるようならば、面白さも倍増しそうなものだが、果たして………?
2012.07.10.書。
【血痕とタブロー】
再び、自ら死に向かおうとする人を救った主人公。本作のテーマはコレなのかな?と。
いけすかない管理官に一泡吹かせてやる展開もあることを期待(笑)。
2012.07.10.書。
【風光る】
恋の予感?(笑)。骨髄移植で血液型が変わる………というのは初めて知った。唐突だったので、ややアンフェアか?とも思ったが、“いわゆる推理小説”なわけではないのでOK。
2012.07.10.書。
【秋のトリコロール】
警察小説というよりは、ソフトな山岳冒険小説、かな。
誇り高きアルピニストの、堕とされた栄光の回復・・・、目頭が熱くなる一遍だった。
筆者は、本当に山が好きなのね、とも。
2012.07.11.書。
【茶色い放物線】
ハラハラドキドキ。クライマックスは、“良い意味で”平成ひと桁時代の刑事ドラマを見ているかのよう(笑)。
………「刑事貴族」とか………
犬が、限りなく可愛かった(^-^)v。
2012.07.11.書。
【春嵐が去って】
おばあちゃんモノと子どもモノには、極めて弱い。頬を濡らしてしまった。
あの、嫌~ないやな管理官が、わりと潔く負けを認めて恰好良さ気に引き下がったのだけは、物足りないかな・・・ギャフンと言わせ失職させるか降格させるかして欲しかった(笑)。
通読して・・・・
心温まる物語だった、と。笹本稜平、好きになったかも。
他の代表作にも、手を伸ばしてみよう。
★4つ、8ポイント。
2012.07.12.了。 -
Posted by ブクログ
笹本稜平さんの「天空への回廊」という一冊。
色々な方が絶賛している山岳冒険小説なんです。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
エベレスト山頂近くにアメリカの人工衛星が墜落。
雪崩に襲われた登山家の真木郷司は九死に一生を得るが、
親友のフランス人が行方不明に。
真木は、親友の捜索を兼ねて衛星回収作戦に参加する。
ところが、そこには全世界を震撼させる、とんでもない秘密が隠されていた。
八千メートルを超える高地で繰り広げられる壮絶な死闘—。
大藪賞作家、渾身の超大作。
何と言ってもページ数662ページ。
厚さにして2.6cmというこの本は読み応え抜群でした。
読み始めてからしばらくは読んだり読まなかったりを繰り返していましたが、
腰を据えて読み始めてからはグイグイと引き込まれてしまい一気読み。
エベレストを舞台にしたストーリーは、
山岳小説であり冒険小説であり推理小説でもあるというすばらしい一冊だったんですよ。
エベレストにアメリカの人工衛星が墜落するという、
一見ありえないような設定ながら読み進めていくと説得力が抜群。
物語に登場する山岳道具や軍事関係機材なども丁寧に描かれていて、
作者の情報収集力の高さも伺える作品でした。
長編小説を読むにはかなりの労力が必要ですが、
それだけの価値がある一冊だと思います。 -
Posted by ブクログ
山狩という題名から、山を舞台に犯人を追い詰めることがメインの小説かと思って読み始めたけれど、実際に描きたかったのは警察内部のごたごたや裏社会とのつながりだったように感じた。実際小説の3/4くらいはそのあたりを丁寧に描いていて、犯人も分かっているのになかなか捜査が進まない。最後1/4くらいで山を舞台に一気に話が展開するけれど、犯人は山を舞台に逃げ回ったりするわけではなく、山狩で狩られるのは殺人を疑われる村松さんの方で、そっちなのかーとちょっと微妙な気持ちになってしまった。
最終的に犯人の親の犯罪まで表沙汰になり、怪しい組織が解体されるのはよかったけれど、もう少し山を舞台に犯人とのデッドヒートがあってもよかったかな…と思った。 -
Posted by ブクログ
感想
文章は読みやすく、スッとはいってくる。
自然や山からしたら人間は不要の存在。
しかし、筆者の作品は直接登場しない人物が信じられないくらい悪意を持ってるパターン多いな。
あらすじ
風間は、広告写真の世界から締め出され、父親がやっていた北海道の山岳写真で生計を立てることにする。
ニペソツ山で籠って写真を撮ろうとした際に田沢という男性と出会う。田沢はかつて無罪を主張したが、殺人容疑で捕まり、出所したという。
父親も田沢も1880年代に絶滅したはずのエゾオオカミを探し求めて山に入っていたのだった。
田沢が殺したとされる地元にホテルを誘致しようとした三山。冤罪の疑いがある。田沢は誰かにふっかけられて再び刑務所に入れられそうになるが、風間が身元引受人になり、事なきを得る。
そのお礼に田沢は風間の父親が秘密にしていた山のスポットに連れて行ってくれるという。
その頃、三山から再度リゾート開発の話が持ち上がる。一方、田沢と風間はオオカミの巣と思われる場所と骨を見つけて、北大の研究者へ骨を持ち込む。
教授はほぼオオカミの骨で間違いないと言い、DNA鑑定にうつる。その間、田沢にコンビニ強盗の嫌疑がかけられ、田沢は山に籠るが、吹雪の中、雪崩に巻き込まれて、生死を彷徨う。風間は吹雪の中を助けに出たが、場所の検討がつかない。そんな折、オオカミが案内役となり、田沢の元へ導く。
しかし雪崩に巻き込まれた田沢は息を引き取る。その後、田沢の冤罪も証明される。 -
Posted by ブクログ
笹本稜平さんの作品を読み重ねてくると、登場人物達の立ち位置やこの先の展開を序盤である程度類推できてしまう。それゆえ、その想像がどうひっくり返されるのか?という視点で読み進めることになり、ゼロベースで楽しめなくなって悲しい。(たぶん笹本作品の読みすぎ)
ただ、他作品と同様に山にまつわる詳細な描写はこの作品でも超一品。昨年のヒマラヤでの事故やその後のドキュメンタリー映像などを追いかけている身からすると、山(壁)の登り方や風景など、リアルな映像を伴って脳内にイメージすることができ、そのために必要な情報を過不足なく筆一本で与えてくれる笹本さんは、なんと山への理解が深い作家さんだと心底唸らされる。 -
Posted by ブクログ
千葉県の伊予ヶ岳の山頂で発見された女性の遺体。ストーカー被害を訴えた女性のものだった。事件を解明しようとする山下や小塚たちは、警察内部や外部の暴力団、地元の警察や暴力団と、癒着する企業に、捜査を阻まれるという四面楚歌の状態になる。
500メートル以上の山がない千葉県が舞台で、山岳小説という特異な一冊ですが、一般登山道というよりも獣道の様な人が寄りつかないような場所で、繰り広げられる逃走劇に、山岳小説というイメージが持てませんでした。
ストーカー事件にしても、宮部みゆきの模倣犯の真犯人の様に普段は知的な印象だけど、シリアルキラーぶりが目につくイメージがありましたが、この犯人は、計画的だけど、どこか杜撰だったりと掴みどころがないのも感想
警察と暴力団、地元暴力団の癒着にしても、後半の倫理を無視した警察のやり方についても、本当に屑だなと思ったり。それだけに、少ない警察の正義と言える山下や小塚たちの活躍が際立っていたなと思います。