笹本稜平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
笹本稜平。初めて読みました。ハラハラドキドキする展開に、一気に読んでしまいました。
警視庁組織犯罪対策部の刑事、秋川は、マンションデベロッパーの吉岡興産に務める旧友、有森の自殺に疑問を感じる。有森の妻からは、彼は殺されたという電話を受ける。
独自の捜査を始める秋川は、ハイテク組織犯罪特別捜査室へ異動させられてしまう。しかし、やり手の捜査員のおかげで、当初は暴力団のネット賭博を調べるうちに、暴力団、総会屋、検察庁が絡んだ大手企業の機密文書が同じ海外のサーバーにあることに気づく。捜査をするうちに、内部からの横槍などが入る中、暴力団の組長が射殺される。秋川とともに捜査をしていた寺沢刑事が容疑者とされ -
Posted by ブクログ
重層的多面的な展開に、読み応え抜群のエンターテイメント。
題名通り、所轄刑事の意地と刑事魂の物語であり、本庁と所轄刑事のぶつかり合う群像劇であり、警察を舞台とした父と子の物語でもあるし、100人以上の捜査本部を束ねるマネージメントを描く小説でもある。
何よりも、容疑者を、黒か、白かを決めかね、グレーの状態での判断をためらい、主人公たちがこれほど悩み続ける警察小説はかつてなかったのでは。
ここに、この小説の、他に際立つ魅力があり、主人公たちと一緒に、読者を思い悩ませ推理させる要素があるのではないか。
はやくも、シリーズ第2弾が出たらしいので、葛木倭文子の活躍、特に息子俊史の更なる成長を早速見てみ -
Posted by ブクログ
北八ヶ岳、雨池の畔の山小屋(ビンティ・ヒュッテ)この山小屋のオーナーがパウロさんで若いときヒマラヤ登頂で名を売っていた。彼はその話になると嫌な顔を時々していた。そこにシーズンのアルバイトで3人の若者が採用された。裕也、サヤカ、慎二。裕也はSEをくびになり派遣会社で地方の工場を転々としていた。サヤカは発達障害を持つが料理は抜群の腕を持っていた。慎二は障害児であるが、力と絵は抜群に上手い。3人それぞれここで働きながら人生の壁から脱出しようとしていたときにパウロさんからヒマラヤ未踏峰に登るという計画を提示され3人OKし、訓練が始まる。いざ登頂というときにパウロさんが自己で亡くなる。3人は諦めずにビン