笹本稜平のレビュー一覧

  • 卑劣犯~素行調査官~
    児童ポルノサイトの捜査をしていた国枝刑事が何者かにひき殺された。車の所有者である生活安全部長の鹿野は、車は事件前に盗まれアリバイもあると主張。鹿野には児童性愛趣味の噂が尽きないのだが―。警視庁監察係の本郷と仲間たちは、国枝の部下らとともに、上級官僚が握り潰そうとするおぞましい秘密に迫ってゆく。
  • K2 復活のソロ
    意外に知られていない世界で2番目に高い山・K2を舞台にしていることから、何も考えずに読み出してしまった、久しぶりの山岳小説。
    読み終わってから、気づいたが、どうやらこの作品には先に「ソロ」と言う作品があるらしい。冬のヒマラヤの単独登攀に成功したソロクライマー・奈良原和志と、彼を支援する人々の話。
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  • 希望の峰 マカルー西壁
    酷暑の夏に読んでもマカルーの極寒猛吹雪の中にいると錯覚するほどの、圧倒的な情景描写。孤独の局地にいる一人称で語られながらも仲間たちの情熱が伝わってくる心理描写も凄い。
  • 恋する組長


    東西の指定広域暴力団と地場の組織が鎬を削る街に事務所を開く私立探偵。
    案件依頼主はほぼヤクザ。にも拘らず、愛犬探し。
    ハードボイルドでありながら、コメディ要素がふんだん。
    初めて読む作者だが、他の作品もぜひ読んでみたいもの。
    短編集の各話がこれだけ濃密な仕上がりになっているのは、かなりの手腕の持...続きを読む
  • 春を背負って
    死がテーマの短編6編の連作。当事者はもちろんだが、支援者側のエゴの葛藤がリアルに追随できる作品。自己中心的な考え方を問われ、苦しい場面が多々あるが、自身の思考・姿勢を振り返ることができる良作。
    「雨が降ろうが風が吹こうが、自分にあてがわれた人生を死ぬまで生きてみるしかない」
    「欲と夢ってどう違うんだ...続きを読む
  • 特異家出人 ~警視庁捜査一課特殊犯捜査係・堂園晶彦~
    東京都葛飾区在住の資産家老人・有村礼次郎が突然失踪した。質素で孤独な生活を送る老人と唯一交流のあった少女・奈々美の訴えで臨場した警視庁捜査一課特殊犯捜査係の堂園晶彦は、有村邸の玄関から血痕を発見する。同時に預金通帳や有価証券、時価二億円の根付コレクションが消えていた。有村老人は元暴力団員・中俣勇夫に...続きを読む
  • 偽装 越境捜査
    このシリーズも、第5弾となればマンネリのそしりを免れない。
    他のレビューでも指摘されているが、特に宮野のウザったさには閉口してしまう。著者も書中で、元やくざでイタリアンレストランのオーナー福富に、「あいつの場合は益体もない無駄話が八割だから正直疲れるだけなんだが」と、言わしめているくらい。
    鷺沼や井...続きを読む
  • 危険領域 所轄魂
    警察小説の舞台は警視庁が大概を占めるが、このシリーズは、所轄のノンキャリア刑事が所轄魂を発揮して、警視庁のエリートに先んじ、事件解決を図るのが魅力だ。
    父親のノンキャリア刑事に対し、キャリア警察官僚の息子を配して、親子対比の家族小説にも見える。
    今回は、息子が捜査二課に配属となり、贈収賄事件を担当。...続きを読む
  • K2 復活のソロ
    亡くなった仲間の想いを背負って、山に登る。

    そこは予想通り。再チャレンジした登りでも、様々な困難が生じるところまでは盛り上がるんですが、最後は「あれ?」と言う感じで、意外にあっさりと終わってしまいます。ちょっと何だかなぁ
  • その峰の彼方
    山岳小説
    初めて読んだ山岳小説
    スポーツショップで登山のグッズを眺めてしまった
    マッキンリーの写真を検索してみた
    ところどころ記録したくなるような文章、
    表現の仕方は素晴らしかった
  • サイドストーリーズ
    まあまあまあ、短篇は得手不得手があるので全体的な評価は 微妙になってしまいました。
    しかし、自分が思い入れがある作品のサイドストーリーはやはり気になります。
    百瀬~の田辺くんを主人公とした『鯨と煙の冒険』はよかった。百瀬~でも田辺くんのキャラクターは光っていたのでこの話が読めて嬉しかったです。
    『多...続きを読む
  • 大岩壁
    命を懸けて山に登る。
    理解は出来ないけれど、格好が良い。
    特に他人からは何のためにするか理解できないような
    事に懸命に向かい合う、真摯で本当にカッコいい。
  • 所轄魂
    現在は所轄にいる元捜査一課の刑事と、キャリアで本庁の管理官である息子が、連続殺人事件の捜査にあたる。
    親子という設定は面白いが、少し饒舌な表現なのか、読むのに我慢が必要だった気がする。
    シリーズ化されているとのことなので、これから読んでいきたい。
  • 白日夢~素行調査官~
    「素行調査官」シリーズ第2弾。
    悪徳警察組織の闇を、内部の警察官たちが明らかにし、法の下に裁くという図式。警察小説の大きな流れの一つで珍しいものでもなく、またこの一作をもって「超傑作」というような小説でもない。正直凡百なものである。

    でも、マンネリ流れを楽しむスキルがあるなら、笹本さんの警察小説は...続きを読む
  • 不正侵入
    ぐわわ!クソ面白くなかったーそれなのに600ページ近くあったー。話があっちこっち行きすぎなのに犯人に工夫がねえ、せっかく魅力的な素材の凄腕女性サイバー捜査官が全く生かされてねえ、主人公に魅力がねえ、ハイテク捜査とか言ってるのにほんのオマケで生きてねえ、なにが面白いんだよーこれ!
  • 特異家出人 ~警視庁捜査一課特殊犯捜査係・堂園晶彦~
    東京都葛飾区在住の資産家老人・有村礼次郎が突然失踪した。質素で孤独な生活を送る老人と唯一交流のあった少女・奈々美の訴えで臨場した警視庁捜査一課特殊犯捜査係の堂園晶彦は、有村邸の玄関から血痕を発見する。同時に預金通帳や有価証券、時価二億円の根付コレクションが消えていた。有村老人は元暴力団員・中俣勇夫に...続きを読む
  • 恋する組長
    “おれ”は、東西の指定広域暴力団と地場の組織が鎬を削る街に事務所を開く私立探偵。やくざと警察の間で綱渡りしつつ、泡銭を掠め取る日々だ。泣く子も黙る組長からは愛犬探しを、強面の悪徳刑事からは妻の浮気調査を押しつけられて…。
  • 所轄魂
    女性の絞殺死体が公園で発見された。特別捜査本部が設置され、所轄の城東署・強行犯係長の葛木邦彦の上役にあたる管理官として着任したのは、なんと息子でキャリア警官の俊史だった。本庁捜査一課から出張ってきたベテランの山岡は、葛木父子をあからさまに見下し、捜査陣は本庁組と所轄組の二つに割れる。そんな中、第二の...続きを読む
  • 白日夢~素行調査官~
    一人の元潜入捜査員が自殺した。薬物捜査のエキスパートとしてめざましい実績を持つ男。だが、公金流用を理由に依願退職に追い込まれていた。さらに退職時、大量の覚醒剤を持ち出していたというのだが…。警視庁監察係の本郷岳志と仲間は、彼を裏切り死に追いやった警察内部の黒い人脈に気づく。
  • 漏洩~素行調査官~
    株のインサイダー取引事件を捜査していたベテラン刑事・戸田が、突然の解任辞令を受け退職に追い込まれた。疑惑をかけられたまま病に倒れた戸田。彼を慕う元部下の沢井は、事件の背後に暗躍する警察上層部の黒い人脈に気づく。「警察の中の警察」監察チームの三人は、孤立無援の沢井を助け、私腹を肥やし続ける巨悪へと斬り...続きを読む