小川高義のレビュー一覧

  • バージェス家の出来事

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    良い作品。
    ひとつの出来事の推移の中で、
    登場人物のそれぞれの目線から見た、
    それぞれの考えが語られ、
    それぞれが否定されると思いきや、
    そうでもなくて、
    さまざまな出来事があり、
    ストラウトらしく言葉少なに語られ、
    それでなんとなく、ひとつの主張がある
    そんな良作。

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    2025年06月24日
  • 老人と海

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    獲ったシイラを、友人のように思っているのが印象的だった。老人にとって海も海の生き物も、皆仲間なのだろう。

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    2025年06月23日
  • 黒猫/モルグ街の殺人

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    古典ミステリーを読むシリーズ。意外に面白かったです。短編ホラーがたくさん。ホラー、これくらい短い方がインパクト強くて良いな〜。洗練された文章でした。

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    2025年06月21日
  • 私の名前はルーシー・バートン

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    お医者さんとの関係がよかった。寂しくて仕方なかったときにそばに居てくれた、既婚者のお医者さん。
    江國さんの解説もとってもよかった。断片、断片、断片。

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    2025年06月11日
  • この道の先に、いつもの赤毛

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    ネタバレ

    マイカのきっちりすぎる生活スタイル好きだなぁ。心地良い。こうやって丁寧に生きたい。
    物語が進んでいくにつれて、マイカの完璧主義で潔癖なお堅い性格が目立たなくなっていってた。
    急遽予定を変えてキャシーに会いに行くなんて、物語序盤のマイカでは考えられない。柔軟さが芽生えたよね。
    ブリンクの訪問やキャシーとの別れみたいなトラブルの連続が、彼を変えたのかな。

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    2025年06月05日
  • この道の先に、いつもの赤毛

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    ネタバレ

    一場面一場面が目に浮かぶ、Netflixドラマを見ているようなとても良い本でした。

    独身男性っぽいなあと思わせる毎日が、淡々と同じように、でも少しずつ変化するような、繊細な描写です。

    大きな変化があっても、すべて元通りの毎日に収束していく安心感と閉塞感がジワジワきます。

    ラストは意外にも(!?)ハッピーエンド。とても楽しめました。

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    2025年06月04日
  • この道の先に、いつもの赤毛

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    ネタバレ

    アメリカに住む43歳独身の彼は毎朝7:15になるとランニングに出かけ、シャワーを浴びて、朝食をとる。月曜日はモップをかける日で、木曜日はキッチンの電化製品を掃除する日。そんな彼の日常が細かく描かれていて、なんだか日記を読んでいるようで楽しかった。人付き合いが少なくて決まりきった日常に次々飛び込んでくる予想外の出来事に動揺し、少しづつ変わっていく彼の最後の台詞がとても良かった。
    タイトルもしみじみ良い。

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    2025年04月30日
  • 緋文字

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    面白かった。
    話がシンプルな作りで、加えて細かい章に分けられていて読み進めやすかった。

    現代の日本の感覚なら不倫程度でこんなに罪になるか?と思ってしまうが、アメリカの当時の価値観なのだろうな。

    牧師とヘスターがどのように罪を犯したのかはほぼ描写がないが、それは敢えての事なのだろう。

    最後の最後で牧師により破滅の運命から逃れられた場面が印象的。罪を背負う辛さの描写が生々しい。

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    2025年03月29日
  • グレート・ギャッツビー

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    『グレート・ギャツビー』との接点は映画版(2013年)くらいで、観た当初は訴えたい内容が何も伝わってこなかった。
    原作に挑戦した今でも掴みどころがないのには変わりないが、どことなく記憶に足跡を残す物語である気がしている。

    舞台は「狂乱の20年代」と呼ばれた、1920年代のアメリカ。
    自動車に映画館、ジャズ・ミュージックで彩られた豪華なパーティーと、作品の端々でギラついたアメリカが垣間見られる。タイトルの『グレート・ギャツビー』自体、まさに「ギラつき」の代表格ではないだろうか。

    しかし、当の本人であるギャツビーさんは全くの謎に包まれた人物で、それこそ掴みどころがない。
    誰も彼の出身や経歴につ

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    2025年03月11日
  • ねじの回転(新潮文庫)

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    ネタバレ

    幽霊はいるのかいないのか、信頼のできない語り手文学の傑作のひとつ

    授業でレポート書いたのでまた詳しく感想書きます!

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    2025年02月07日
  • 私の名前はルーシー・バートン

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    ネタバレ

    ルーシーの日記を読んだのか。
    この本は、ただ思い出した事をパラパラと書き留めた状態なのだが、繋がってまとまってる。
    続編が気になる。

    他人の親切で生きている。
    人の事は分からない。
    自分の事も自分でもわからないんだと思う。

    トラウマは、愛でしか治せないと思う。
    誰しもが何かしらのトラウマがあるだろう。
    ルーシーがウィリアムの財産を放棄したのは、自分に受け取る価値が有るとは思えないんじゃないか。自己肯定感。
    貧乏、夫婦、家族。
    人は自分の知っている、見たことあるものにしかなれないんじゃないかな。
    父、母に似ないように整形をする。
    外見を変えても、考え方や性格とか似ている。
    お金と環境と教育が

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    2025年01月29日
  • ねじの回転(新潮文庫)

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    よくわからないことも多くて
    作者の意図や本音を知りたいと思った。
    考察とか読んでみたい。

    解釈の仕方で不思議に怖さが増す。
    幽霊いたのか?幻想なのか?
    先生は精神的に正常だったのか。

    読み終えた後に振り返るのが楽しかった。

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    2025年01月27日
  • ああ、ウィリアム!

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    エリザベス・ストラウトが作り出した作家“ルーシー・バートン”(愛称はボタン)の作風は本作でも全開で、一人称によるストーリーの語りの中にルーシーの脳内コメントがビシバシと差し込まれ、記憶の連鎖と浮かび上がる追憶がおもむくままに、あちらこちらへ回想が飛び回る。

    その辛辣な観察眼と人物評は、ときに嫌味や意地悪な視線でもある一方で、その鋭さと深さが胸の奥まで届く瞬間があってハッと心を揺さぶられる。
    それはまるで、手練れのボクサーがジャブで翻弄しながらリズムを作ったところで、ストレートパンチを鮮やかに差し込むかのよう。
    その言葉は、ラウンドを重ねていくにつれて、けっこう、効く。

    しかしなんとも一筋縄

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    2025年01月17日
  • 何があってもおかしくない

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    家族がテーマの?作品群

    どうということない日常がいつの間にか異化される。
    相変わらずドロっとした読後感

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    2024年12月17日
  • 緋文字

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    17世紀ボストン。姦淫により裁かれた女、教区で慕われる若き牧師、謎の老医師。三者の隠された関係を通し愛と罪を問う米国文学の代表作。小細工無しのストレートな展開が胸を打つ。序文の用い方がユニークで、そこから本文への入りを含めて全体の構成に演劇的要素有り。ヴェンダースの撮った映画版も何れ観てみたい

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    2024年11月02日
  • 何があってもおかしくない

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    幸せな家庭も、不幸せな家庭も、はたから上っ面を見ても分からない。だから人の人生を羨むことも、比べることも意味などない。

    まさにその通りなのだが、私の大事な人生だって同じことだよ、いいことなんて続きもしないし、辛く惨めな傷と記憶を抱え込んで、尽きることのない不安と苦労を受け止めていくのが人生だよ、みんな変わりはしないよ、この残酷ともいえる真実を達観したかのように受け止めて、人生なんてそんなもん、とうそぶく境地には、僕はまだまだ至れない。

    本書では、短編ごとの登場人物が己と誰かを語り、また語られ、あちこちに顔を出す。そうやって多面的に描かれて一つの像を結ぶのかというと、そうではない。むしろ逆で

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    2024年09月28日
  • 私の名前はルーシー・バートン

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    不思議な書き方をする作家だ。
    真っ白な画布のあちこちに、ちょこちょこっと描き込みをしていく。決して余白を埋め尽くしてはいかない。
    更に細々としたエピソードは、動き出して大きなストーリーを物語る訳ではない。
    それでも、こんなことがあった、あんな話をした、といったピースで埋められていくと何かが見えてくる。
    いや、正解に言うと、何か書かないものがあることがわかってくる。
    思わせぶりな要素はない。むしろ情報はたくさんあって、上手く読み手を空白の渦の中心へ誘ってゆく。

    ここに時間の遠近法が加わるところがまた、心憎くて唸らされる。
     “いまとなっては昔なのだが、私が入院して、ほぼ九週間に及んだということ

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    2024年08月14日
  • ねじの回転(新潮文庫)

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    いろいろな作家、評論家が「名作」と言っているので、いつか読もうと、なるべく知識を入れないように人生を過ごしてきた。読んだときの楽しみや驚きが減るから。
    題名を知ってから数十年、ついに読みました。

    一回目読んだときはまだるっこしい会話や表現が多く、結末も唐突でなんだこりゃと思ったけど、それだけではないはずと、二回目。ああ、これ「信頼できない語り手」だなと。そして、はっきりと山岸凉子の絵で再生された。
    この作品が文学界に激震を起こし、物語の世界を塗り替えたのは確かだなと思った。似たような小説、マンガ、映画を読んだ、見たことがあるから。
    山岸凉子で再現されたのは「ハーピー」や「スピンクス」や「スト

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    2024年06月22日
  • ああ、ウィリアム!

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    不思議な魅力に満ちた本。

    ミセス・ナッシュがルーシーに一揃えの服を買ってくれるエピソードや、パーティで出会った53歳くらいの女が出会い系サイトで人生が変わったという話を見ず知らずのルーシーに話す場面とか、淡々とした語り口の中に、深く刺さるシーンが同じ温度で差し込まれ、ハッとさせられることしばしば。

    訳者の語り口なのか、エリザベス・ストラウトの本来の語り口なのか、わからないのだが。
    繰り返される、「ああ、ウィリアム!」
    という呟きは作者本来のものなので、きっとストラウト自身の語り口をうまく訳者が翻訳したということかな。

    ルーシーシリーズの、順番的には3番目の本なのだが、他の2冊が短編集の形

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    2024年04月14日
  • 私の名前はルーシー・バートン

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    断片的な会話や話。幼少期の頃、これまでのことがやはり断片的に分かってくる。戸惑いはしたけれど、嫌な感じではない。主人公と一体化したい気持ちになって読み進める。これまでにあまりない読書体験だったなぁ。

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    2024年04月11日