あらすじ
デラはおんぼろカウチに身を投げて泣いていた。明日はクリスマスというのに手元にはわずか1ドル87セント。これでは愛する夫ジムに何の贈りものもできない。デラは苦肉の策を思いつき実行するが、ジムもまた、妻のために一大決心をしていた――。若い夫婦のすれ違いが招いた奇跡を描く表題作ほか、ユーモラスな「赤い酋長の身代金」「千ドル」など、選り抜きの傑作を集めた新訳版。
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Posted by ブクログ
優しい眼差しのお話が16編収録された短編集。
どのお話も登場人物たちがチャーミングで、作者のキャラクターたちへの愛を感じる一冊。とにかく好き。
オチが秀逸なのもさすが。→
特に好きなお話は
春はアラカルト(とにかくかわいい!)
二十年後(上手いよなぁ)
水車のある教会(切なくてラストが良き!)
千ドル(ジリアン良き)
緑のドア(世界観がたまらない&オチ最高!)
赤い酋長の身代金(がんばれビル!笑)
この世は相身互い(これ、最高じゃない?)
→
巻末の翻訳者さんのあとがきがまたいいんだよなぁ。
私がO・ヘンリーが好きな理由を言語化してくれている感じがした。
新潮文庫の「名作新訳コレクション」として新訳版で3巻分出されているんだけど、これ最高。もっとやって(笑)
Posted by ブクログ
子どもの頃に某コマーシャルで表題の作品を見て、いい話だなと思っていたのですがやっと原作を読む事が出来ました。いわゆるいい話だけでなく不思議な話や悲しい話もあり飽きることなく一気に読めました。
Posted by ブクログ
訳文が直訳に近く、落語や講談のように作者の「語り」が強調されているせいか、当初抱いていたイメージと違って読み手を選ぶ上に、全体的に文章のクセがだいぶ強いものの、ストーリーは流石は短編の名手といった塩梅でどの短編も一捻りされてて面白かった。
O・ヘンリーはこの短編集の表題作でもある「賢者の贈りもの」や「最後のひと葉」が有名すぎてそちらのイメージに引っ張られがちであり、本作も「水車のある教会」など、所謂「いい話」はあるのだが、そのユーモアやペーソスの中に皮肉的な視座が隠れていたりブラックなオチがあったりと、そのバリエーションは意外と多岐に渡る。全体的にどこかトボけた味わいの話も多く、それだけにしっかりと「オチ」が確約されていることの安心感とありがたみがある。
個人的に気に入ったのは「千ドル」であり、叔父の遺産を受け継いだ放蕩癖のあるジリアンという男が、千ドルの使い道を探す話であり、上手く使い道が見つからず、最終的に叔父が後見人になっていた一人のミス・ヘイデンという女に譲り渡す。しかしながら金を渡してもヘイデンの気持ちが靡くことがなかったのを確認した後に、実はその千ドルを我欲以外で使うと本当の遺産がジリアンに相続されるが、そうでなかった場合はヘイデンに相続されるという話が明かされる。それを聞いたジリアンはあえて「競馬でスッた」とうそぶいて、そのまま口笛を吹きながら去っていくオチなのだが、これがひたすらにシビれるほどカッコよかった。
これは徹底的に「無欲」と「利他的」な行動の証明の物語である。利害関係のないヘイデンという女性の善性を信じたからの行動であると同時に、そこで自分が遺産を受け取ってしまうとその善性がくすんでしまう。一見すると愚かで馬鹿馬鹿しい行動なのだが、これこそが本当の意味での「粋」な男であり、超有名作の2作と合わせてこれも教科書に載せるべきだと思った。
Posted by ブクログ
小学生の頃公文の教材で読んだ、表題作「賢者の贈りもの」を読みたくて購入。
短編だけど起承転結がしっかりあって読み応え◎
どんでん返しもある。
表題作以外も好きな作品ばかり!
Posted by ブクログ
「賢者の贈り物」を筆頭に、「春はアラカルト」「ハーグレーヴズの一人二役」「二十年後」「理想郷の短期滞在客」「巡査と賛美歌」「水車のある教会」「手入れのよいランプ」「千ドル」「黒鷲の通過」「緑のドア」「いそがしいブローカーのロマンス」「赤い酋長の身代金」「伯爵と婚礼の客」「この世は相身互い」「車を待たせて」を収録。
Posted by ブクログ
自粛期間中に読んだ
どの物語も、最後の最後にどんでん返しがあって、とても面白かった!
この話どうなるんだろう?と思いながら読んでたら、こうきたか!というような展開でとても面白かった。
それぞれのストーリーに出てくる登場人物に愛着が湧いた。
Posted by ブクログ
『賢者の贈りもの』
貧しい夫妻が相手にクリスマスプレゼントを買うお金を工面しようとする。
夫のジムは、祖父と父から受け継いだ金の懐中時計を大切にしていた。
妻のデラは、その金時計を吊るすプラチナの鎖を贈り物として買うかわりに、夫妻が誇るデラの美しい髪を、髪の毛を買い取る商人マダム・ソフロニーの元でバッサリ切り落とし、売ってしまう。
一方、夫のジムはデラが欲しがっていた鼈甲の櫛を買うために、自慢の懐中時計を質に入れてしまっていた。
物語の結末で、この一見愚かな行き違いは、しかし、最も賢明な行為であったと結ばれている。
私はとにかく図書カードがほしい。
Posted by ブクログ
ラスト2~3行の大どんでん返しがあったり、あっと言わせるようなオチが待っていたり。短編らしい短編がたくさん詰まった小説。
「賢者の贈りもの」は昔CMにも使われてた記憶がある。
クリスマスの夜、貧しい夫婦の物語。
妻は夫が大切にしている金時計につける鎖を買うために自分の美しい髪の毛を売り、夫は妻の髪の毛に使う櫛を買うために自分が大切にしていた金時計を売ってしまう。お互いの贈りものは無駄なものになってしまうけれど…というお話。
これを美しい夫婦愛と取るか、馬鹿げた皮肉的な物語と取るかは、読み手に委ねられてると思うけれど。
感動系、思わず笑ってしまうもの、そのオチにただ感心してしまうもの、シニカル系、いろいろあるけれど、訳者のあとがきにあった「落語のような物語」というのは本当にその通りだと思った。
表題作以外なら、「ハーグレーヴスの一人二役」「水車のある教会」「緑のドア」が好き。
短編集は気楽に読めていい。閑話休題的読書。
Posted by ブクログ
前にもO・ヘンリーの短編集は読んだことがあるのですが、その時は半分以上の作品が難しく感じました。
本書は新訳のおかげもあってか、非常に読みやすくおもしろかったです(それでも中にはオチが今いちわからないものもあった)。
特におもしろかったのは『賢者の贈り物』『春はアラカルト』『赤い酋長の身代金』『この世は相身互い』『車を待たせて』です。
Posted by ブクログ
100年以上前のアメリカの作家による短編計16篇。
どの短編も、貧富の差を超えた愛や人間くささを、時にロマンスたっぷりに、時にユーモラスに描いたような話が続く。そしてどこか古き映画的。
当時のアメリカ社会や人間模様の風味を味わえる。
クリスマスプレゼントで貰い、スキマ時間に少しずつ楽しみました。
Posted by ブクログ
公文の英語に「賢者の贈り物」の話がでてきて、他の作品も気になって小学生のときに購入した本!20歳になっても読むたびにほっこりします!クリスマス前になると読み返したくなる(^^)
Posted by ブクログ
短編の名手O・ヘンリー。「賢者の贈りもの」はあらすじだけ知っているけど、初めてまともに読んだ。イイ話系が多いのかと思いきや、ちょっと切ない話やツッコミたくなるような話もあり、どの話にも意外なオチがある。個人的には「ハーヴレーヴスの一人二役」「二十年後」が好き。全体的にユーモアがあって、著者が読者に語るようなスタイルが多く、訳者あとがきの「落語家タイプ」という表現がしっくりくる。
Posted by ブクログ
著名な作品のわりに内容を知らなかったので読んでみた。短編集で最後にどんでん返しのあるパターンがあり、それを予想しながら読み進める、というのが習慣となりそう。2017.7.20