小川高義のレビュー一覧

  • ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫)

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    『8歳で作家になった』と言ったと言われるカポーティは、16歳の時に『ニューヨーカー』で雑用の仕事をしていて、21歳の時にO・ヘンリー賞を受賞。恐るべき子供(アンファン・テリブル)と注目を浴びて社交界デビューするけど、51歳の時に書きはじめたみかんの遺作『叶えられた祈り』で社交人の秘密にしたいことを暴露しちゃって追放される。60歳にハリウッドの友人宅で心臓発作で死亡。酒と薬物の問題を抱えていた。
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    早熟の天才が社交界で豪遊して酒か薬の問題抱える例で言ったら『悲しみよ、こんにちは』のサガンを思い出す。
    この短編集、カポーティが10代とか20代前半に書いた作品集なんだけど本当何か物語を描写する

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    2023年01月31日
  • 私の名前はルーシー・バートン

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    難しい母親と繊細な娘のやり取りは何にも酷いところがないのに、読んでてとても息苦しくて、読むのやめちゃおうかなという気持ちで2日ほど空けたけれど、やっぱり気になって読み続けた。
    そのうち今度は読み終えるのが寂しくなって後半は休み休み戻りつつ読んだ。
    でも退院してからはやや退屈だったかな…ニューヨークがなんとなく合ってない気がするw
    うろ覚えだけど、「苦手なことは突撃して対処してがぶりと噛み付くつもりで取り組みなさい」みたいなアドバイスが忘れられない。
    続編もあるようなのでぜひ読みたい。

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    2023年01月28日
  • ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫)

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    ハーパーリーの幼馴染で、”アラバマ物語”の”ディル”はカポーティがモデルだと知ったのがカポーティの本に興味を持ったきっかけ。
    代表作の冷血をまだ読んでいないのだが、先にこの、”ここから世界が始まる”を読んでみた。
    若い時、なんならまだ高校生のときにこれらの短編のいくつかを書いたとは、作家になるべくして生まれた人だと感じた。くどくどとしていないシンプルな文体の情景描写がさすが。早く冷血も読んでみたい。私は”ルイーズ”と”ミスベルランキン”がお気に入り。

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    2022年12月31日
  • オリーヴ・キタリッジ、ふたたび

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    これは前作同様、深いのに軽やかで、人生の真実に近づける感じ。老年に達したオリーブと周りの人々の暮らしが描かれるが「なんでもない日常」なんてないのだなと思わされる。今日が人生の変わり目かもしれないのだ。
    80過ぎまでのオリーブの晩年は穏やかとはいいがたい…いや、境遇的には満たされてるけど…で、老いを感じる私としては、そうかこうなっていくのかというリアルな恐れと諦念を感じるが…そうね、それでもいいことも起きるし、自然は美しいし、進んでいかないとね。
    訳が見事!会話の自然さにうなる。

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    2022年12月24日
  • グレート・ギャッツビー

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    アメリカンドリームに乗り遅れた男の話(乗り遅れたというより時代がすでに終わってた?)。乗り遅れたけど、とりあえず金持ちにはなれた。希望する形ではないだろうけど。
    初めて読んだので、まだ飲み込みきれてない。今まで読んだ海外文学の中では、一番オシャレな感じがする。訳の影響もあるだろけど。
    まるで関係ないんだけど、読んでいる最中、どうも頭の中に「アルジャーノンに花束を」がちらほらと浮かんでくる。理由は不明。あっちはSFだし。
    ほとぼりが冷めたらまた読もうと思う。

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    2022年12月22日
  • オリーヴ・キタリッジ、ふたたび

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    1作目は自分の読書歴オールタイムベストに入る作品。人生に寄り添ってくれる小説というのでしょうか、中高年の方に強くお勧めできる小説です。で、その続編が10年ぶりに出て迷わず買ってから2年放置しましたが、初読から10年、細部を忘れてるので、今回最初から読み始めやっと通読できました。
    構成はオムニバスと言われる連作短編集で、オリーヴは主役、脇役、チョイ役と年齢順に出てきます。2冊で40代から86歳までのオリーヴが、架空の街、メイン州クロズビーの人々と共に描かれます。その意味で2作はきれいにつながっています。1つの短編を時間をかけてしっかり読んでいくことが吉。
    オリーヴは、かなり嫌味な毒吐き女性で感情

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    2022年12月02日
  • この道の先に、いつもの赤毛

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    「ボルティモア郊外で、コンピューターの便利屋をしながら独り暮らす43歳のマイカ・モーティマー。人付き合いの少ない彼は、毎朝7:15になるとランニングに出かけ、その後シャワー、朝食、掃除……というように決まった日課を守って毎日を過ごしている。
    そんなある日、マイカの息子だと名乗る青年が彼の元を訪れる。さらに、恋仲の女性には、とあるすれ違いで別れを告げられ──。
    予想外の出来事が続き、日常のテンポがズレ始めたマイカの行き着く先とは」(早川書房HP紹介文より)

    まずマイカ、という名で男性というのが飲み込むのに時間がかかった。些細なことだけど、外国文学を読むとこういうことがある。

    マイカはきっちり

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    2022年11月20日
  • この道の先に、いつもの赤毛

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     彼のような男は何をするかわからない。

     こんな書き出しで形容されることは、彼にとって不本意なことだろう。平凡だが、関西でいうところの、ヘンコかもしれない。

     朝のジョギングから始まるスローライフは “今時” だ。途中見かける消火栓を赤毛の女性に(違いない)見てしまう面白がり方は、成熟しきれない面も残している。無頼を気取った部分もあるだろう。しかし、突然現れた学生時代の彼女の子供を観察するにつれ、知らぬ間にずいぶん大人になってしまった自分自身に気づかされたことだろう。

     現在の彼女とのぎくしゃくした関係をきっかけに、弱気を見せる主人公。残りの人生を数えるような年齢になってしまったおっさん

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    2022年11月13日
  • 黒猫/モルグ街の殺人

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    ネタバレ

    表題作の一つである「モルグ街の殺人」(1841)は史上初の推理小説であるとのこと、また、他の短編の怪奇小説の味わいなどから、コナン・ドイルや江戸川乱歩に与えた影響をしみじみと感じた。一話が短いのでとても読みやすい(たまに難解な部分もあるが)。
    本書には、恐らく笑うところではないと思いながらも、突き抜けた悪人ぶりがちょっと笑えるなぁと思った点がいくつかあった。
    ポーは以前児童向けの文庫で(表題作を含む)一冊だけ読んだことがあったが、今回、「翻訳は一種の探偵業」という、訳者ならではの解説とあとがきを読んで、より楽しむことができた。一般論または抽象論(私には難しくてよくわからない)+本題という「話の

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    2022年11月02日
  • ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫)

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    習作とのことだが、十分作品に仕上がっていると思わせる短編ばかりで、やっぱり天才と言われる人は違うんだなぁ…と思いました。こんな作品を十代で…と考えると、すごいとしか良いようがありません。
    面白いです。

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    2022年11月02日
  • グレート・ギャッツビー

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    古き良き時代のアメリカンドリームの悲哀をハードボイルドタッチで描いた粋な小説である。キザな男たちの人生が悲しくもあり、愛おしくもある。

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    2022年10月31日
  • ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫)

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    Outside of society

    村上春樹が解説で書いているように天才作家の天才的習作という表現がぴったり。

    全部を一気に読むのがもったいなくて何日もかけて読んだ。翻訳された海外文学を敢えて原書も読んでみようと思う作品はそんなには多くないけど、これは原文でも読んでみたいと強く思いました。

    作品としては星5つなのだけど、作品解題に納得できないところがあったので星4つにしました。

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    2022年10月19日
  • 老人と海

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    ネタバレ

    備忘録的キーワード

    孤独、承継、プライド、年輪、衰え、衰えの認知、少年の成長、師

    自分の尊敬する人の成功を周りに知らしめたいとする心理。

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    2022年10月10日
  • ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫)

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    単行本でも読んでいるが、この度文庫になったのでまた読んだ。少年少女の硬質な部分、寂しさ、みたいなものを書かせるとこの人は比類ないな。帯に「泣けるカポーティ」とあるのだが、それがよくわからない。どのへんが泣けるのか?

     いい話のようだけどどうもそれだじゃない変なモヤモヤの残る『分かれる道』『水車場の店』。
    裏『小公女』みたいな『ルイーズ』(ミルドレッド・バーネットという名前の人物も出てくる)。
    やはり美しいと感じる結末の『ミス・ベル・ランキン』。

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    2022年10月04日
  • 老人と海

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    光文社のは初

    スピード感のある展開にぐいぐい引き込まれるとともに、少年や、魚や、自然など周囲に対して尊敬の念を持って、対等であろうとする姿勢に胸を打たれました。

    こんなタフな歳のとり方したい。

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    2022年09月25日
  • グレート・ギャッツビー

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    あくまで平民出身の人は貴族には勝てない、、みたいに感じて辛かった。
    トムとデイジーのいいかげんさがすごく苦手。その2人が貴族なのも気に食わない。貴族だからこそ取ってつけたような上辺だけの人間で、芯のない人なのかもしれないけど。
    ギャッツビーはすごくまっすぐで自分にも他人にもすごく期待してる気がする。だからこそデイジーの理想像だけで鍛錬みたいなスケジュールを淡々とこなし、成功を収める。貴族への憧れみたいなものもあるんだろうけど、デイジーを目標にしたのが間違いな気がする。他人を目標にするの自体良くないし、人選も間違い。
    下剋上は失敗する、みたいな話に感じた。
    読み返したけど1回目より色々と発見があ

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    2025年05月16日
  • アッシャー家の崩壊/黄金虫

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    「アッシャー家の崩壊」5
    「アナベル・リー」3
    「ライジーア」3
    「大鴉」3
    「ヴァルデマー氏の死の真相」4
    「大渦巻への下降」3
    「群衆の人」4
    「盗まれた手紙」4
    「黄金虫」5

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    2022年08月04日
  • 黒猫/モルグ街の殺人

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    「黒猫」4
    「本能vs理性:黒い猫について」3
    「アモンティリャードの樽」3
    「告げ口心臓」3
    「邪鬼」4
    「ウィリアム・ウィルソン」5
    「早すぎた埋葬」5
    「モルグ街の殺人」5

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    2022年08月03日
  • オリーヴ・キタリッジ、ふたたび

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    ネタバレ

    相変わらず、痛快!

    オリーヴ・キタリッジが身近にいたら、私はどんな態度をとるのだろうという問いにはまだ答えが出きらない。

    最後の「友人」は、いくつになっても友達って良いなとほっこりした。(当初はイザベルを、ネズミパンツ呼ばわりしていたオリーヴには笑った。)

    「心臓」に出てきた、政治思想の異なる介護士ベティが泣く姿を見て、二人の距離が近くなる場面も良かったな。

    「詩人」の中に出てくるジャックとの会話もたまらない。

    "もうちょっとオリーブを薄めてくれないか。”
    ...
    "結婚しよう"
    "なんで?"
    "そりゃ、オリーヴだからだ&q

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    2022年07月17日
  • この道の先に、いつもの赤毛

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    「マイカ・モーティマーのような男は、何を考えて生きているのかわからない。一人暮らしで、付き合いが少なく、その日常は石に刻んだように決まりきっている」

    これが書き出し。そのあと、彼のルーティンの紹介が続く。毎朝七時十五分からのランニング、十時か十時半になると、車の屋根に<テック・ハーミット>(ハーミットとは隠者のこと)と書かれたマグネット式の表示板をとりつけ、パソコンの面倒を見る仕事に出かける。午後は通路の掃除やゴミ出しなど、管理人を兼ねているアパートの雑用だ。住んでいるのは半地下で細目を開けたような三つの窓から外光が入る。

    仕事上で出会う客とのやり取りや、つきあっている女友だちとの関係、女

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    2022年05月26日