小川高義のレビュー一覧
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私も一応「若者」に属するので気になって読みました。
20代の登場人物がでてきます。
20代って一番、色々な変化がある時期だと思います。
そういう悲しさっていうか、切なさっていうのか、そういうものが集まった短編集です。
とにかくみんな性格が激しいというか、心の浮き沈みが激しいというか…これも20代特有の不安定さなのかもしれません。
訳もとても読みやすくて、理解もしやすいです。
フィッツジェラルドはフィルム、映像を見ているような文体なので、ワクワクさせられました。
さらっと読めたのであまり心には残る感じはしなかったので、星3つです。
私は少し難読なぐらいの方が、じっくり読めるのですきだなぁと感じました。 -
Posted by ブクログ
愛と苦悩
(実際に読んだのは角川版)
古典の名著といえば、そのうちの一冊にホーソンの『緋文字』があげられるだろう。
なるほど、清教徒入植間もないアメリカで、姦通の罪で晒されたへスター、その夫、姦通した相手の若い牧師のそれぞれの心のうちを巧みに描いている。
また、罪の子、パールの無邪気な姿が、その無邪気さのために光源となってそれぞれの姿に影を作っている。
たしかに、たしかに文学作品としては素晴しいのであろう。
ただ、私の感想はそうではない。
まずは『緋文字』の序として『税関』という物語が併せて掲載されているのだが、これが淡々として、43頁まで読むのに、酷く苦労した。
ここで少し面白くなってくるのだが、61頁まで、またこの淡々に付き合わされる。
挫折しかけた。本当に。
さて、物語がやっと始まってくるのだが、一冊読み終えるのに一週間かかってしまった。
読後は何とも言えぬ不快感。
いや、物語自体は希望ある終わりかたではある。しかし......。
鴎外の『舞姫』に似たような展開だと思った。
内容が類似しているというのではない。
男、姦通した側のディムズデイルの情けなさに心底腹が立ったのだ。
へスターが相手の名前を明かさず、罪の証を胸につけ、さらし者になり、罪の子を育て上げる強さに対し、ディムズデイルは私は罪を犯したと自らの救いを求めるばかり。
挙げ句の果てにその罪の重さに堪え兼ねて告白をするはいいが、そのまま天に召される。
何とも勝手な御仁である。
神よ、私を許したもう、そればかりだ。
多少はへスターに対する気持ちや、自らの子を愛するそぶりも見せるが、結局彼が悩んでいるのは自分のため。
へスターやパールに対してではないのだ。
それを美辞麗句で飾り立て、「苦悩」という自己満足を完結させる。
それに対し、裏切られたことで復讐を考える老博士のほうがよっぽど「悪」に徹していて好感が持てる。
また、へスターの強さは「愛」故の行動なのだろうと思われる。
二人とも「愛」のために選んだ道が異なっただけで、己の身勝手さを理解している。
この三人とも紛うことなき人間の姿であるといえば、確かにその通りだ。
どこに感情移入するかで物語はまったく異なる様相を見せるだろう。
それが名作たる所以なのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ポーラとの破局のせいか結婚できないでいる「お坊ちゃん」
美しいジュディに夢中になり結婚を反故にしてしまう「冬の夢」
子供たちの喧嘩に父親同士がけりをつける「子どもパーティ」
自分が嘘をついたことを告白しに教会へ向かう「赦免」
天真爛漫なお嬢様相手に一芝居うつ
「ラッグズ・マーティン=ジョーンズとイギ○スの皇○子」
自分勝手だった妻が看病と家事に追われる「調停人」
プロのお人好しだったジムが変わろうとする「温血と冷血」
恋人と結婚するために仕事に励むが時間は無常である「常識」
チャンスを掴むために働きづめの生活を送る夫が面白くない
「グレッチェンのひと眠り」
装画:望月通陽 装丁:木佐塔一郎
お金と恋の短編集。
時代柄なのかお嬢様に夢中になる男とか
わがままな妻に困る男とか、そういう話が多い。
私からすればなんでこんな女にそこまで尽くすかなと思いますが
これが男のロマンというものなのですか。
「調停人」のルエラの成長ぶりはすがすがしいです。 -
Posted by ブクログ
著者はアーヴィングやジュンパ・ラヒリなどわたしが好きな作家の翻訳されている翻訳家なので、興味をもって読んでみた。翻訳技術として、英文解釈みたいな勉強ぽい部分もあるけれど、エッセイふうなところもあって読みものとしてもけっこうおもしろかった。優秀な翻訳家は、やっぱりオリジナルな文章書くのもうまいんだなあ、と。翻訳技術の話では、定冠詞がaかtheで違うとかなるほどと思ったし、ためになることがたくさんあった気がする。でも、意外と、一語一語を忠実に訳す感じではないんだなー、と。意訳というか。もちろん、書いてあることは過不足なく訳されているんだけど。忠実、っていうのがいいかどうかはわからないけど。中盤、アメリカ人作家が日本の花柳界を描いた「さゆり」を日本人が読んで違和感ないようどう訳したか、っていうのを例をあげて細かく書いてあるんだけれども、「さゆり」を読んでないこともあって、そこはあまり興味がもてなかったのが残念。「さゆり」、おもしろいのかなあ。