小川高義のレビュー一覧

  • 老人と海

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    巨大なカジキを仕留めながら、持って帰る最中に鮫に食われる、という筋書きに、マンガの「釣りキチ三平」を思い出した。(時系列的には、勿論、釣りキチ三平によるヘミングウェイへのオマージュだろうけど。)

    骨も残らなかったのであれば、老人がかわいそうだが、全長18フィートの骨を漁師仲間が計測してくれたので、化け物を釣り上げた名誉は勝ち取ったのではないかと思う。

    老人がマグロやシイラやトビウオを生で齧るシーンは、アメリカ人も(昔から)生魚食べるんだ、とちょっと意外だった。



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    2022年10月17日
  • 老人と海

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    読みたかった古典純文学のうちの一つ、
    やっと読めて良かった。
    内容は老人が海でカジキと3日間死闘を繰り広げるお話。
    びっくりなのが、刻一刻と流れる三日という時間を、驚く程鮮明で細緻に書いているという事。小説というよりも緊迫したドキュメンタリー見てる様な。手に汗握るとかは正直無かったけど、老人が取る一挙手一投足がよく見える。
    3日間も船に乗ってる描写が永遠と続くからもっと老人の心理描写があるのかと思いきや、そんな事はない。ここでは余計な心理描写は必要無いんだろう。彼が思い出す少年の事、野球、ラジオ、そして独り言、老人を語るにはそれらで全て足りている。

    この本が現代までこれほど長く読み継がれてる

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    2022年10月05日
  • この道の先に、いつもの赤毛

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    43歳のマイカはコンピュータのなんでも屋をしながら、規則正しい生活を送っている。小学校教師の彼女はいるが、アパートの管理人もしながら、一人暮らしをしている。そこへ、マイカの息子を名乗る学生がやってくる。

    私が、思い描いているようなアメリカっぽい生活が描かれている。華やかなという意味ではなく、むしろ単調な日々。マイカの個性的な兄弟たちやなんでも屋の顧客たちがストーリーを盛り上げている。別れ話になっていく彼女とのラストのシーンも、アメリカっぽくて良かった。

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    2022年09月15日
  • 老人と海

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    ネタバレ

    2022/09/11

    【感想】
    老人と魚とのシーンはハラハラした
    解説の「言ってしまえばそれだけの話で」というのは本当にその通りなのに、引き込まれた
    事実としては悲しい終わりと思うけれど、老人はいつも通り愛するライオンの夢を見ているということは悪い終わりではないのだなと感じた

    【好きな言葉・表現】
    もちろん運がいいに越したことはないが、まずは正確を期していたい。それでこそ、いつ運が来てもいい。(P32)

    考えることは一つだ。いまやっていることだけ。くだらんことを考えてはいられない。(P49)

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    2022年09月12日
  • 変わったタイプ

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    「小説家 トム・ハンクス」のデビュー作は短編集。各所で彼の俳優経験も活きており、全体的に優しい風合い。普段はハッピーエンドより考えさせられる話を選びがちだが、たまには甘いものも食べたくなる。まぁその中にはほろ苦さもあったのだが。。

    全17篇をレビューするのは自分にとって至難の業なので、幾つか気に入ったのをピックアップしていきたい。うち数作品には内容が連関しているふしがあるけど、どの話も単品(⁉︎)として満喫できる。おまけにビターとスイートの調和もよく取れている。

    『クリスマス・イヴ、一九五三年』
    出だしは古き良きアメリカのクリスマスといった風。そこから10年前に遡り、冒頭の幸せは奇跡的に掴

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    2022年08月07日
  • この道の先に、いつもの赤毛

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    ネタバレ

    やっぱりアン・タイラーさんの本は好きだなぁと思った。津村記久子さんの本が好きなのと共通する気がした。
    あと解説にも感謝。ラストと中盤の繋がりは気付けず終わってたと思う。

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    2022年08月01日
  • 老人と海

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    ネタバレ

    カジキ釣るまではあんまり盛り上がりがなかったけど、釣ったカジキを鮫に狙われ始めてからは熱かった
    その状況と結果に悔しいって思った
    でも老人・サンチャゴはあんだけ必死に戦ったのに最後は深い悲しみにくれるでもなく疲れてぐっすり眠りについたのは、それまでの経験とか解説でも書いてあったように独り言を言うことによって精神を保ってたってこと?戦いといえども、漁は生活の一部だものなあ
    不漁続きの上での大物とは言え、それで精神いっちゃってたら耐えれんよなあ

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    2022年07月17日
  • 最後のひと葉―O・ヘンリー傑作選II―

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    スーとジョンジーが絵のスタジオを持っていた。……八番街の「デルモニコズ」で定食の出る時間に知り合い、芸術、チコリサラダ、ビショップ袖の趣味がピタリと一致していたので、共同のスタジオを構えることになった。


    スーが肺炎になり、医者が何でもいいから心残りになってくれるものは?たとえば男とか
    の問いに

    「男?」スーは口琴をくわえて弾いたような声を出した。「男なんてものはーあ、いえ、
    先生、そういうことはありません」
    (小川高義 訳)


    「恋人ですか?」スーがあいまいな口調で答えた。「恋人なんて、そんなばかばかし……
    あ、いえ、いません」
    (金原瑞人 訳)


    「恋人?」スーの声には軽蔑するよう

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    2022年07月10日
  • ねじの回転(新潮文庫)

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    一見、若い家庭教師がお屋敷で起こった幽霊事件を語る手紙。子供への接し方の難しさを幽霊のせいにし、延々と嘆く。ミサへ行く教会があるのだから、牧師さんなり何なり相談すればいいのに?いや、きっと雇い主に良いカッコしたいからできないのよ、と、うわべだけ読むとこんな感じ。
    とにかく、一人の人から見た物事なので、非常にわかりにくい。どこまでが憶測なのか、書いていないことは何なのか、時系列は合っているのか。
    そんな作りになっているので、実は全て家計教師の妄想だとか、色々解釈があるらしい。

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    2022年05月19日
  • 老人と海

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    イコライザーの影響を受けて読んだ。
    老人がとにかくすごい。
    海での戦いが普通の老人の体力を超えてる。
    お金にならない結果となったけど、お金を払ってもできないような戦いだった。
    解説を読んでようやく背景やヘミングウェイの書きたかった事について理解できた。

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    2022年05月13日
  • ねじの回転(新潮文庫)

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    うーーーーーむ難解だった…

    文章自体は難しくなくむしろ起こったコトを誰かが客観的に喋るようなスタイルでさくさく読める。

    でもさまざまな意味で解釈できるシーンやセリフが多すぎる上、場面外で起こっていることを読み手に想像させる、委ねるような表現のオンパレード。

    そこが楽しかったです。映画もちょっと見てみたい

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    2022年05月01日
  • グレート・ギャッツビー

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    過去の恋人との別れを白紙に戻すために犯罪めいた仕事に手を出して富を得、彼女を振り向かせようとする。そのいかがわしさは、誰も振り向かせない孤独の死という道化に至る。ひとりニックの思いやりだけが救いだった。2022.3.15

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    2022年03月15日
  • デイジー・ミラー(新潮文庫)

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    アメリカ人の青年がスイスの保養地で一目惚れしたアメリカ娘を再びローマで出会う。彼女は当時の常識から逸脱した奔放さで現地の伊達男と付き合い、青年をやきもきさせる。青春期をそっと吹き抜けていった風のような淡い体験。2022.3.4

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    2022年03月04日
  • グレート・ギャッツビー

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    ディカプリオ主演の映画も観たが、原作そのまんまで、再現度はかなり高い。車で逃走するシーンなどがあるが、当時は車が登場して間もなく、車の所持は「アメリカン・ドリーム」の一種だったことも押さえておきたい。

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    2022年03月06日
  • 老人と海

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    ネタバレ

    ひたすら「老人VS魚」で何度も飽きたけど、最終的には読んでよかったと思う。
    考えすぎそうになりながら、心が折れそうになりながらも、何度も頭をスッキリさせ直しては戦いに挑んでいく老人。かっこいい。
    しっかり自信があって前向きなところもいい。馬鹿の前向きさではなく、思慮深くかつ経験を積み重ねてきたからこその前向きさ。
    少年がいればなあ、と何度も思うのも、人間らしいし自分を過大評価していなくてかっこいい。
    海や魚に敬意を持って、自分の信念を持って向き合っているところも素敵だ。

    最終的にはぼろぼろで帰宅して結局何も得られなかったかのようだけど、「そんなことはない、大きな出来事だった」と感じられて気持

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    2022年01月21日
  • 緋文字

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    CL 2021.12.10-2021.12.18
    新訳でとても読みやすくなっている。
    7年も自分だけ罪を隠して、隠しておけなくなったら死んでしまうディムズデール牧師は情けない男ではないか。
    ヘスター・プリンはその間もずっと幼い子どもを抱えて世間から拒絶され、差別され、たったひとりで敢然と生きてきたというのに。
    我が子パールへの責任もかけらも果たさず、ただただ己の都合、思いだけで、ひとり逝ってしまうとは。
    たとえこれが1600年頃のアメリカの話だとしても、男の情けなさに怒れてくる。
    現代的な基準では語れないのは承知の上で、それでも素直な感想は上記のとうり。

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    2021年12月21日
  • 黒猫/モルグ街の殺人

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    ネタバレ

    謎解きミステリーにどんでん返しは私の大好物。

    本作におさめられている「モルグ街の殺人」から始まった推理小説の歴史。

    まさに原点となる作品をようやく手にしました。

    本書は「モルグ街の殺人」以外にも「黒猫」「本能vs.理性ーー黒い猫について」「アンモティリャードの樽」「告げ口心臓」「邪鬼」「ウィリアム・ウィルソン」「早すぎた埋葬」の計8作からなる短編集。

    「モルグ街の殺人」も60p弱の作品なので、サクッと読み終えました。

    まるで詰将棋。

    作者が決めた答えに導いていく思考は、今の時代の何気ない日常の中でも使える思考法で、作品の舞台裏を覗き見たような感覚を味わいました。

    本作で謎解きをす

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    2021年11月27日
  • ねじの回転(新潮文庫)

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    ある田舎の屋敷に家庭教師として雇われた
    若い女教師が体験した夢か幻のかの様な
    美しい子供達との遭遇と亡霊に悩まされ
    何とかこの美しい子供達を亡霊から
    救おうとするが、彼女の見た幽霊達は
    本当に居たのかどうか最後までハッキリ分からず仕舞い。解説をよんでやっと時系列が分かった。
    解説を読まないと分かりにくいが、読んでいる内に
    幽霊の謎に引き込まれる。

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    2021年11月06日
  • デイジー・ミラー(新潮文庫)

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    ちょっと不思議な感覚な物語だった。
    世間知らずの主人公青年がぶっ飛び美女に気があり追いかけ回すものの、そのぶっ飛び美女にはその気がないという、特にどうということがない展開であり(笑)、登場人物たちの心情のうつろいや性格描写が限定的でいまひとつ物語に入り込めなかったことが大きいかもしれない。
    また、物語の終息が唐突であり、ちょっと意外だったこともあるかもしれない。

    物語はスイスのヴェーヴェーが舞台の出会い編とイタリアのローマが舞台の袖にされる編の大きく2つに分けられる。
    スイスのヴェーヴェーでは雄大な自然と古城が開放的な気分の舞台装置としてはぴったりで、イタリアのローマの街並みと古代遺跡の重み

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    2021年08月13日
  • デイジー・ミラー(新潮文庫)

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    旧訳では読んでいるのだけれど、このほど新訳にて。

    うーん、まあ、なんというか。ちょっとホリー・ゴライトリーを連想したり。

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    2021年05月26日