小川高義のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレなかなか良かったです。O・ヘンリー短編の中でも傑作選3冊のうちの3冊目。
東工大名誉教授の小川氏による傑作選・翻訳。
・・・
O・ヘンリーは久しぶりです。もう20年以上ぶりかも。この短編集のうち数編は何だか読んだ気がします。
洒脱な雰囲気を漂わせつつ、労働者階級の悲哀や小さな喜びを描くところがいいですね。最後にくすっと笑顔をさせてくれます。
ニューヨークはマンハッタンに生きる賃借人、あるいはテキサスなど南部のメキシコ国境沿いで生活にあえぐ労働者など。偶然というスパイスを取り混ぜることで、ちょっとした幸せを彼らに運ぶ、というハッピーエンド系のお話が多い気がします。いわゆる感動ポルノ的な大が -
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレキタリッジさん、いよいよ人生の終幕へ。
前作でそうだった、いつも不機嫌を撒き散らしている態度に、少しずつ自覚が出てくるところがリアル。歳を重ねて、気付くことで変えられること、気付いても尚変えられないこと。
息子の子育てに失敗、と思ったら優しい変化もあって喜ばしいが、その変化をもってさえ、理想の息子像には足らない。過ぎ去ってしまった時代の満たされなさは、埋めようがない。そこもまた、人のリアルさを感じた。
全体として、前作より理解がしやすくなっている。でも、続きはもういらない。訳者あとがきにもあったが、キタリッジさん主人公お疲れ様、これ以上は酷だから、もうゆっくり休んでくださいと、自分も思った。 -
Posted by ブクログ
よくわからなかった
本当のところこの時代を生きた(あるいはこの時代を知っている)アメリカ人でなければ読み取れないことが多分にあるんだと思うんです
でも「わからなかった」で片付けてしまっては古典を読む意味がないじゃないか!!
…とは思わないんです
読んでみてわからなかった
立派な感想じゃないですか
「わからなかった」から自分なりにいろいろ調べてみてもよし、さらに深く考えてもよし、わからないままでもよし
「わからない」を始点にしてもよし、終点にしてもよし
いいんですよ
古典なんてわからなくっても
「ああ、それならお父さん読んだことあるよ」って言いたいだけなんですから
「どうだったって?」て -
-
Posted by ブクログ
表題作の『黒猫』に寄せた作品が6編と、有名な『モルグ街の殺人』。悪意と良心の葛藤という『黒猫』のモチーフが前面に押し出された構成。
似たような作品が続くので、ポーの書き癖が見えやすい。訳者あとがきで落語との親近性が指摘されていたがその通りで、最初に抽象的な一般論がだらだら続き、本編は感情の動きメインで出来事の描写は控えめ。そしていいところでストンと終わる。
注釈や修飾も多くストレスフリーな文体とは言えないが、それだけごちゃごちゃ言わなければ説明がつかないような奇妙な心情描写には妙に納得させられる。『黒猫』の「悪くなるために悪いことをしたいという得体の知れない願望」という一節には共感した。
巻 -
-
Posted by ブクログ
読みたかった古典純文学のうちの一つ、
やっと読めて良かった。
内容は老人が海でカジキと3日間死闘を繰り広げるお話。
びっくりなのが、刻一刻と流れる三日という時間を、驚く程鮮明で細緻に書いているという事。小説というよりも緊迫したドキュメンタリー見てる様な。手に汗握るとかは正直無かったけど、老人が取る一挙手一投足がよく見える。
3日間も船に乗ってる描写が永遠と続くからもっと老人の心理描写があるのかと思いきや、そんな事はない。ここでは余計な心理描写は必要無いんだろう。彼が思い出す少年の事、野球、ラジオ、そして独り言、老人を語るにはそれらで全て足りている。
この本が現代までこれほど長く読み継がれてる -
Posted by ブクログ
「小説家 トム・ハンクス」のデビュー作は短編集。各所で彼の俳優経験も活きており、全体的に優しい風合い。普段はハッピーエンドより考えさせられる話を選びがちだが、たまには甘いものも食べたくなる。まぁその中にはほろ苦さもあったのだが。。
全17篇をレビューするのは自分にとって至難の業なので、幾つか気に入ったのをピックアップしていきたい。うち数作品には内容が連関しているふしがあるけど、どの話も単品(⁉︎)として満喫できる。おまけにビターとスイートの調和もよく取れている。
『クリスマス・イヴ、一九五三年』
出だしは古き良きアメリカのクリスマスといった風。そこから10年前に遡り、冒頭の幸せは奇跡的に掴