小川高義のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ポーー!
一瞬これでレビュー終わらそうと思いました
一瞬です
はい、光文社古典新訳文庫シリーズ、エドガー・アラン・ポーの短編集ですよ!
いやぁ、読み辛かったw
もう延々と情景描写が続くのでつらい
「恐怖」を醸成してるってのはわかるんですけどね
ホラー映画なんかでよくあるじゃないですか
ずーっと風景だけを映してるシーン
例えば薄暗い森を静かに延々映しておいて
あれ?今端っこの方でなんか動いた?
…気のせいか……ギャーーーーッ!!ってやつね
あれと一緒だと思うんですね
なんていうか雰囲気づくりといいましょうか
静かに静かにゆっくりと不気味さを整えていく
で、確かな技法で完璧にそこに持って行っ -
Posted by ブクログ
ネタバレなかなか良かったです。O・ヘンリー短編の中でも傑作選3冊のうちの3冊目。
東工大名誉教授の小川氏による傑作選・翻訳。
・・・
O・ヘンリーは久しぶりです。もう20年以上ぶりかも。この短編集のうち数編は何だか読んだ気がします。
洒脱な雰囲気を漂わせつつ、労働者階級の悲哀や小さな喜びを描くところがいいですね。最後にくすっと笑顔をさせてくれます。
ニューヨークはマンハッタンに生きる賃借人、あるいはテキサスなど南部のメキシコ国境沿いで生活にあえぐ労働者など。偶然というスパイスを取り混ぜることで、ちょっとした幸せを彼らに運ぶ、というハッピーエンド系のお話が多い気がします。いわゆる感動ポルノ的な大が -
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Posted by ブクログ
ネタバレキタリッジさん、いよいよ人生の終幕へ。
前作でそうだった、いつも不機嫌を撒き散らしている態度に、少しずつ自覚が出てくるところがリアル。歳を重ねて、気付くことで変えられること、気付いても尚変えられないこと。
息子の子育てに失敗、と思ったら優しい変化もあって喜ばしいが、その変化をもってさえ、理想の息子像には足らない。過ぎ去ってしまった時代の満たされなさは、埋めようがない。そこもまた、人のリアルさを感じた。
全体として、前作より理解がしやすくなっている。でも、続きはもういらない。訳者あとがきにもあったが、キタリッジさん主人公お疲れ様、これ以上は酷だから、もうゆっくり休んでくださいと、自分も思った。 -
Posted by ブクログ
よくわからなかった
本当のところこの時代を生きた(あるいはこの時代を知っている)アメリカ人でなければ読み取れないことが多分にあるんだと思うんです
でも「わからなかった」で片付けてしまっては古典を読む意味がないじゃないか!!
…とは思わないんです
読んでみてわからなかった
立派な感想じゃないですか
「わからなかった」から自分なりにいろいろ調べてみてもよし、さらに深く考えてもよし、わからないままでもよし
「わからない」を始点にしてもよし、終点にしてもよし
いいんですよ
古典なんてわからなくっても
「ああ、それならお父さん読んだことあるよ」って言いたいだけなんですから
「どうだったって?」て -
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Posted by ブクログ
表題作の『黒猫』に寄せた作品が6編と、有名な『モルグ街の殺人』。悪意と良心の葛藤という『黒猫』のモチーフが前面に押し出された構成。
似たような作品が続くので、ポーの書き癖が見えやすい。訳者あとがきで落語との親近性が指摘されていたがその通りで、最初に抽象的な一般論がだらだら続き、本編は感情の動きメインで出来事の描写は控えめ。そしていいところでストンと終わる。
注釈や修飾も多くストレスフリーな文体とは言えないが、それだけごちゃごちゃ言わなければ説明がつかないような奇妙な心情描写には妙に納得させられる。『黒猫』の「悪くなるために悪いことをしたいという得体の知れない願望」という一節には共感した。
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