【感想・ネタバレ】若者はみな悲しいのレビュー

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Posted by ブクログ

サリンジャーが少年期ならば、フィッツジェラルドはまさに青年期にふさわしい。
失ってしまったもう戻らないもの、失うまいと光を追い求める人々、この短編集に出てくるすべての悲しみや情熱や美しさや儚さは、全部わたしたちの中にあるものだ。失ってしまったものを取り戻すために、それらを思い出すために文学が存在するとしたら、フィッツジェラルドは永遠に忘れ去られることはないだろうと思う。
原題は"ALL THE SAD YOUNG MEN"だが、これを『若者はみな悲しい』と訳した翻訳者のセンスに敬意を表する。
若者はもちろん、かつて若者であったすべての人々に読んでもらいたい作品だ。

中でも『冬の夢』と『常識』は特に好きな短編です。

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2011年10月12日

Posted by ブクログ

若者はみな悲しい、若人にありがちな習性をリアルなタッチで描いた作品。
女って罪な生き物だよね・・・。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読。以前に読んだのは15年ほど前。
当時、関西の家を引き払い、金沢に引っ越す直前に読んでいた。
詳しいことは忘れたが、冬の夢を気に入ったのを覚えている。
関西に戻って長く時間が経ったいま、再読し、当時のことを思い出した。

青春の甘さと痛みというかんじ。
小川さんはラヒリの翻訳で出会い、気持ちのいい、キリッとした日本語がカッコよくて大好きだった。

今回、ふとまた再読し、改めていい一冊だなあと思った。
あとがきにあるように、フィッツジェラルドは視覚処理の上手い作家なのだろう。

登場するヒロインや若奥さんがわりとどれも似ている。
(野心的な若いアメリカ男も似ている。整髪料の匂いまでする気がする。)
作者はツンツンしてる若い美女がそんなに好きなんか、ほーん、となる。

フィッツジェラルドには特に思い入れがないのですが、たぶん、グレートギャッツビーより私にはこの本が合っていたと思う。
(小川さん訳のグレートギャッツビーは読んでいないけれど)

簡単に以下にメモ。
お坊ちゃん…なかなかシビアな主人公。母親への視線に本音。すっぱい話。

冬の夢…うまい。好き。お坊ちゃんの主人公とちょっと似ている。

子どもパーティ…わちゃわちゃ。目に浮かぶ。

赦免…こういう視点、面白い。好き。

ラッグズ・マーティン以下略…タイトルに驚く。ストーリーはコメディ映画のよう。主人公について、天涯孤独の大金持ち美少女(美女)だが、超一流の金持ちでもない、というフレーズに笑ってしまう。

調停人…これはホラーではないんですか?

温血と冷血…座りのいい話でホッとした。

「常識」…つら。

グレッチェンのひと眠り…どんでん返しで楽しい。

冬の夢の好きな部分を以下に引用する。

p98
冬の夢の初期段階で金持ち階級へのこだわりがあったとしても、この若者が上ばかり見ている俗物だったのではない。きらきら輝く人やものとお近づきになりたいのではなかった。きらきら輝くものが欲しかっただけだ。

舞台は1920年代、今から100年前ということでそこにも単純に驚かされる。

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2023年04月22日

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代表作「グレート・ギャッツビー」で知られるフィッツジェラルドの自選短編集。
数多くの短編を書いたものの、中には良質と言い難い作品もあるようだ。
9編の掌編が収められているが、重々しい作品というよりは、読後に爽快感が感じられる作品が多かった。劇中で発生する出来事によって、主人公が成長するという内容がほとんどであった。
しかし、ヘミングウェイもそうだが、狂騒の20年代と呼ばれる1920年代のアメリカの都市が持つ時代感といったら。現代ではいずれの国も持ちえない空気感ではなかろうか。若干の退廃的な雰囲気を感じさせつつも、未来への明るい展望を感じさせる。

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2017年05月21日

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フィッツジェラルドの自選短編集。華やかな人生の影にある虚しさや、自分の思うようにいかないのだという嘆きを感じた。

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2011年09月25日

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理想の女性を追いつづける男の哀しみを描く「冬の夢」。わがままな妻が大人へと成長する「調停人」。親たちの見栄と自尊心が交錯する「子どもパーティ」。アメリカが最も輝いていた1920年代を代表する作家が、若者と、かつて若者だった大人たちを鮮やかに描きだす珠玉の自選短編集。

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2011年04月20日

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若者!アメリカ!て感じ。
年代と文化が違うからちょっととっつきにくかったけど、
いつの時代も若者ってこんなものなのねと思った。
ブラックというか皮肉な話が結構良かった。
「グレッチェンのひと眠り」が好き。

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2009年10月07日

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フィッツジェラルドの短篇集をはじめて読む。「調停人」のラスト、ムーン医師の台詞「私は、5年の歳月」にしてやられた。

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2023年11月15日

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お坊ちゃん のアンソンは、なにか見たことかある人物。
冬の夢 のデクスターの方が可愛い。

でもいずれもまさに若者の物語で、なんともあまっちろい。

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2020年01月28日

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私も一応「若者」に属するので気になって読みました。

20代の登場人物がでてきます。
20代って一番、色々な変化がある時期だと思います。
そういう悲しさっていうか、切なさっていうのか、そういうものが集まった短編集です。

とにかくみんな性格が激しいというか、心の浮き沈みが激しいというか…これも20代特有の不安定さなのかもしれません。

訳もとても読みやすくて、理解もしやすいです。

フィッツジェラルドはフィルム、映像を見ているような文体なので、ワクワクさせられました。

さらっと読めたのであまり心には残る感じはしなかったので、星3つです。
私は少し難読なぐらいの方が、じっくり読めるのですきだなぁと感じました。

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2014年10月24日

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夢から覚めてゆく若者たちの話。
大人になる悲しみってやつなのかな。

男性が読んだ方が共感できる本だと思う。

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2014年01月07日

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「お坊ちゃん」「冬の夢」「子どもパーティー」「赦免」「ラッグズ・マーティン=ジョーンズとイギリスの皇太子」「調停人」「温血と冷血」「常識」「グレッチェンのひと眠り」を収録した短編集。仕事に打ち込むあまり家庭で不和を引き起こしたり、恋する人にのめり込む青年が描かれている。


個人的には「温血と冷血」が一番好き。短めの話の中に教訓めいたものが織り込まれており、日本人にあっている。

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2011年09月06日

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「グレード・ギャッツビー」のフィッツジェラルドの短編小説集。
優雅さの中に時の儚さが描かれる。
年をとって大人になって今までで振り返るようなそんな恋愛小説が多数収録。

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2011年03月05日

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ポーラとの破局のせいか結婚できないでいる「お坊ちゃん」
美しいジュディに夢中になり結婚を反故にしてしまう「冬の夢」
子供たちの喧嘩に父親同士がけりをつける「子どもパーティ」
自分が嘘をついたことを告白しに教会へ向かう「赦免」
天真爛漫なお嬢様相手に一芝居うつ
「ラッグズ・マーティン=ジョーンズとイギ○スの皇○子」
自分勝手だった妻が看病と家事に追われる「調停人」
プロのお人好しだったジムが変わろうとする「温血と冷血」
恋人と結婚するために仕事に励むが時間は無常である「常識」
チャンスを掴むために働きづめの生活を送る夫が面白くない
「グレッチェンのひと眠り」
装画:望月通陽 装丁:木佐塔一郎

お金と恋の短編集。
時代柄なのかお嬢様に夢中になる男とか
わがままな妻に困る男とか、そういう話が多い。
私からすればなんでこんな女にそこまで尽くすかなと思いますが
これが男のロマンというものなのですか。
「調停人」のルエラの成長ぶりはすがすがしいです。

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2010年12月11日

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人間は瞬間を生きる動物。そこに意志が孕むから大変なんだ。

【お坊っちゃん】
アンソンは愛を知ることが出来るのかなぁ。女性の特質を冷笑する割に、女性に求めるものは自分への服従に似たもの。

【冬の夢】
デグスターは若い。女性への要求が「所有」になっている。美しさは内部に発生させるもので、外に求めてはならないのに。消えても記憶として残るから、内部なら。

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2010年02月13日

Posted by ブクログ

2009.06.15
坊ちゃん  ◎
冬の夢  ◎ 
子供パーティ
調停人
「常識」 ◎
温血と冷血
グレッチェンのひと眠り
ラッグズ・マーティン=ジョーンズとイギ○スの皇○子
赦免

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2009年10月04日

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