あらすじ
ある男が橋の上で絞首刑になろうとしていた。足元の板が外され川に落ちた彼が、敵の銃弾を逃れてたどり着いたところとは(「アウルクリーク橋の出来事」)? 森に住む女が恋人からの求婚を頑なに拒んだ理由とは(「豹の眼」)? 『悪魔の辞典』の著者として有名なビアスは、苛烈な南北戦争や長男の決闘死といった自らの経験をもベースに、ひたすら「死」を描き続けた短篇の名手でもあった。その代表的な14篇を収録。
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Posted by ブクログ
岩波文庫などで、著者の『悪魔の辞典』以外の短篇もいくつか読んだはずなんだけど。ビアスってこんなに面白かったか…と思いました。編纂がよかったのかな、それとも翻訳や解説が。それにちょうど現在の私自身の「調子」のようなものともよく合っていたような。幸運な出会いでした。
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『悪魔の辞典』で有名なビアスの短編集。『悪魔の辞典』は家にあるので名前だけは知ってるけど作品は知らない作家のひとり。どの短編も死(あるいは幽霊)を扱っていて最後にドンと落とされる。多分一回読んだだけじゃ完全にこの世界観を理解するのは難しい。芥川龍之介は、「月明かりの道」を下敷きにして「藪の中」を書いたと言う。ビアスの最後が失踪して行方知れずというのもこの作家の不思議さが増す所以かも知れない。2012/150
Posted by ブクログ
「悪魔の辞典」で有名なビアスの短編集。
小説は初めてと思いながら読み始めたが、冒頭の表題作「アウルクリーク橋の出来事」は出色の出来だけあって、何かの短篇集で読んだことがあった。いわゆる「走馬灯オチ」だが、(再読なのに)最後の一文を読むまでそれと気付かせない(思い出させない)自然な筆致だった。
もうひとつの表題作「豹の眼」と、「良心の問題」も印象深い作品だ。
後者は、見張り中に居眠りした兵を、捕虜が脱走せずに見張り交代時に起こしてあげた逸話の後日談。軍律と良心の両方に忠実であろうとするとこの結末がしかないのかもしれないが、何とも後味が悪い。かといって処刑だけで終わるともっと後味が悪い。う〜ん。
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武骨というのか、男は黙ってラガービールというのか。。
まだ近代化しないアメリカの広大な見果てぬ土地。
3D的に人間の距離感がきちんとしていて、人情を味わう余裕がある。
開拓途中だから、変な見栄張ったり恥ずかしがったり、自分だけズルしようとしたり、信頼関係が壊れるようなことをしたら、全てを失うことになるかもしらん。常に誠実に地に足つけ、
生きてることに感謝、こういう不器用軍団の冗談通じない感が出てるな、と思った。
自分は「豹の眼」にグッときた。こういうハッピーエンドが全くない作品はいい。
Posted by ブクログ
短編集ですが、すべての物語が生と死、生者と死者の狭間をテーマに描かれています。中でもやはり表題作の二編が心に残る。ところどころに挿入される「悪魔の辞典」にもニヤリとさせられます。
Posted by ブクログ
とにかく死と幽霊に取り憑かれたビアスの短編集。
あの世とこの世が交差するちょっと奇妙な物語。
短いし、味わいがあって悪くはないが、読むべき優先度からしたら☆3つ。