【感想・ネタバレ】ねじの回転(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年03月10日

果たして幽霊は居るのか?居ないのか?
126年前に描かれた怖い話。純真無垢な子供が
不気味。見えてるの?見えてないの?謎は深まっていく。
両親と死別し、イギリス郊外の古い屋敷に暮らす聡明な兄妹。離れて暮らす伯父に雇われ、赴任してきた家庭教師である「私」。
可愛く従順な子供達と屋敷を仕切る事となった「...続きを読む私」はある日、高い塔に見知らぬ男の影を見てしまう。それは以前勤めていた使用人に似ていた。しかし、その男はすでに死んでいた。

YouTubeで知った本作。ホラー苦手な私はこれなら読めるかもと手に取った。ほど良い怖さで一気読み。いろんな解釈ができる。元祖、信頼できない語り手かも。人が一番恐ろしい。
イギリス、子供、古い屋敷には幽霊がとても似合う。めちゃめちゃ面白かった。

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Posted by ブクログ 2021年07月16日

『物語の解釈は、あなたに委ねられています』

幽霊話?心理ミステリー?
あたかも幽霊の話をするかのような前振り。
読み進めていくうちに、あれ、何か違うぞ!
そして、最後の衝撃!
いったい、この話は、何だったんだ? という解釈が読者に委ねられた古典名作。
ん?妄想?

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Posted by ブクログ 2020年07月23日

不思議な小説だった。それは、クリスマスイブ、イギリスの古屋敷に集まった男女に向かって、今は亡きダグラスが彼の妹の家庭教師の手記を語った物語。でも、このお話は、それを聞いた私が書写した控えである。そして、その内容は、イギリス郊外の古屋敷に住む男の子マイルズと女の子フローラの家庭教師として雇われた私の体...続きを読む験記である。「私」は、その屋敷に現れる以前の世話係と前家庭教師の亡霊に遭遇するのだが、それが私の内面から書かれているものだけに、亡霊が本当に実在したのかどうか読んでいても分からなくなってくる。印象深い一冊。

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Posted by ブクログ 2019年02月10日

恩田陸さんも以前『ねじの回転』というタイトルの長編小説を発表しており、タイムスリップSFモノだったので本作もそっち系なのかと思っていたのですが、全然違うお話でした。もっとも、本作の特徴である説明しすぎず解釈を読者に委ねる趣向は恩田さんも得意とするところなので、何かしらのオマージュは捧げているのかなあ...続きを読むという気はします。
その趣向について少し述べます。主人公は語り手である「私」。両親と死別した兄妹の家庭教師として住み込みで雇われた「私」が、屋敷に出没する男女の幽霊から兄妹を守ろうとするのですが、実はこの幽霊は「私」以外の人間は見ることができません。そのため「幽霊は実際に登場した」という解釈や、「幽霊は語り手の妄想に過ぎない」等、物語の核となる部分で複数の解釈が読み手に委ねられています。私は子供たちの振る舞いを鑑みて、わずかの差で「幽霊は登場した」に一票を入れたいと思いました。さすがに裏表紙の内容紹介にある「私こそ幽霊なのではないのか」説はちょっと無いかなと思いましたが。これ以外にも様々な箇所で真相をぼかした表現が用いられており、その多面性こそが本作の大きな魅力になっています。
様々な解釈を許すことで作品世界に奥行きが出る小説は今でこそ数多く目にすることができますが、その先駆けとして本作の果たした役割は非常に大きい、というのも納得の面白さだったのでした。

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Posted by ブクログ 2018年09月30日

おもしろかった。
文庫裏側あらすじの「私が幽霊なのか?」にだいぶ惑わされたんだけど、読み終わってもはっきりした解答は得られず、ひたすら不思議な話だった。作者がいろんな趣向を凝らして、いろんな憶測ができるよう考えて書いたことがわかる。

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Posted by ブクログ 2023年09月19日

モダニズム文学の先駆者ヘンリー・ジェイムズの伝説的ホラー小説。
ある屋敷に宿泊する人たちが百物語のように一夜ずつ怪談を語っていく集いを開いており、そこで語られる一つの話がこの『ねじの回転』

作中作という形で語られる話であるが、主人公はいわゆる”信用できない語り手”で、幽霊の目撃談を始め、その幽霊に...続きを読む子供たちが操られているという話もどこか怪しい。
この話を屋敷で出会う家政婦に語るのだが、その家政婦の存在すらも主人公に都合の良い扱いがされており、だんだん彼女の存在すらも主人公の妄想なのでは? とさえ思えてくる。
何ならこの話そのものの存在すらも危ういバランスのもとで成り立ってるような、終始そんな不安感に包まれている。

ちなみに本作は映画の方も有名。
いくつか映画化されており、どの作品も解釈が違うよう。
そのなかでも特にジャック・クレイトンが監督した1961年に映画化された『ねじの回転』は伝説的作品として有名で、90年代から00年代にかけてブームとなったJホラーに与えた影響は強い。

さすがに百年以上前の古典だけあって今読んで新鮮さや、恐怖を感じることはない。
だが、未だに欧米圏ではこの物語をどう解釈をしたらいいのか論争が起きるような作品ってことも面白い。

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Posted by ブクログ 2020年09月21日

果たして、それは本当にいたのか?兄妹の家庭教師を頼まれた、女が徐々に狂気的になっていく様を彼女の手記を通して読み進めていく。最初はこの子供たにはなんと素晴らしいんだろう!と朗々と語っていたが、有る瞬間を境にそれは乱れていった。最初から少し子供の素晴らしさを手記に書き散らしていたときからかなり妄信的だ...続きを読むなと感じた。それが、幽霊を見た(最後まで読むと其れも定かではない)日から少しずつ、しかし劇的におかしくなっていった。子供たちを誉める一方で、ひどく非難するような書き方をし、書き手の心理描写が一定ではなく不可解。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年01月12日

誰が悪いのか??? 最後まで読み、あとがきを読み、少しして結末を読み直し落ち着いた。こどもは餓鬼ともいうほど残酷なところがある。大人の裏をかくこともあるし残酷なこともする。だからどうやって子供たちが幽霊を演出し、仕掛けたのかを考えながら読んでいたから裏切られた気持ち。だからかな、読み終わった後に、な...続きを読むぜ伯父は?なぜ退学に?なぜクロース?なぜジェセル??となってくる。この余韻が名作なのかなぁ?長く楽しめるお買い得な本。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年11月04日

新訳ということで、読みやすくなった(わかるようになった)と期待していたんですけど……

しょっぱなから延々4行にわたって続く一つの文に(しかも続けて2文章)、思わずうめいちゃいました(笑)
いや、その後はそれほど長い文章はなかったんですけど、まあ、それでも読みづらい、読みづらい。
ただ、それは訳のせ...続きを読むいでなくて、作者の地の文章がそうだから仕方ないんでしょう(たぶん)。
(ただ、訳はかなりこなれた日本語になっているように感じます)

訳者のあとがきを見ると、ヘンリー・ジェイムスという人の文章はわかりづらいということですが、この『ねじの回転』については、わざとわかりづらく書いている面もあるのかなーと。
つまり、幽霊は出たのか?出ないのか?ではなく、出たとも出ないとも読めるように書いたんじゃないですかね。

『ねじの回転』は10年前に創元文庫のものを読んだことがあるのですが、その時はそんな風には思わず、たんに「結局どういうことだったんだろう?」で終わってしまったんです。
でも、この新潮文庫のものは、なんとなくでも「もしかしたら、そういうこと?」となったんで、そういう意味ではこっちの方がいいのかなー。

ただ、創元版の方が、読んでいて情景が浮かんだような気がするんですよね(ただし、10年前の記憶なのでソート―いい加減w)。
なんと言っても、創元版は冒頭の一文が4行に渡ってないから、とっつきはいいし(笑)
まあ、幽霊は出た?出ない?じゃないですけど、どっちがいい/よくないは人それぞれなんでしょうね。

しかし、語り手のマイルズに対する、最初の萌えぇぇ~っぷりと終盤の怒りからくる嫌悪の落差。
「かわいい」というのはポジティブな感情である一方で、それはあくまで対象が自分の意に逆らわない、自分の興を削がないと感じた時の感情で。実は、身勝手に一方的に押し付ける、かなり“黒い”感情でもあるんだなーと思っちゃいました(笑)

で、結局どうだったのか?というのは、この訳を読んでもわからないですね。
というのは、終わりがかなり唐突に来るというのもあって。結局「え?どういうこと!?」になってしまうんですよね。
というか、読者がそうなるように書かれているんじゃないでしょうか(?)

そこいくと訳者はさすがで、何がどうなったのか?をわかっているようで、あとがきで「やっぱりそういうこと?」と読者がおぼろげに想像できるように書いてくれています。
ただ、あくまでそれは訳者の見解であって。何が起きたのか、起きていたのかは、オバケは出た?出ない?を含め、正解なんてものはなく、読んだ人がそれぞれ思ったストーリーでいいんじゃないですかね。
(訳者もそんなようなことを書いていますし)

正解(?)という意味では、訳者があとがきで、「…成就しない恋愛感情を、〇〇を可愛がる職務で代償して…虐待に行き着くのと、どっち(前任者と語り手の家庭教師)が醜悪だったのだろう」書いていましたけど。
その前任者の不義のエピソードをこの小説の「答え」代わりに、誰でもいいから書いてくれないかと切望します
(それでも、その作家の解釈でしかないわけですけどね)。

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Posted by ブクログ 2017年08月29日

アンソロジーに入っていた短編が面白くて、ヘンリー ジェイムズの本を読んでみた。

これは面白い!
翻訳のせいなのか原文のせいなのか、最初読みづらかったけど、慣れてくるとグイグイ入り込める。

ヘンリー ジェイムズって思わせぶりが凄く上手で読んでる最中も先が読めない。

他の作品も読んでみたいけど、ね...続きを読むじの回転を別の翻訳で読んでみたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年11月11日

読みやすいのだが、とても難しい話だった。結局、幽霊はいたのかいないのか。子どもたちは無垢だったのか邪悪だったのか。
いろんな解釈ができるホラー。訳者あとがきがとても興味深かった。幽霊が見えていたとしても見えていなかったとしても、子どもたちや屋敷を支配したい(それは最終的に雇い主であるこどもたちの叔父...続きを読むに認めてもらうこと)という主人公の奥底の願望から、幽霊を無意識に利用していたのではないかという推測はおもしろかった。

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Posted by ブクログ 2023年05月17日

自分が好きな感じの話ではあったんだけど、読んでいて、どうにも馴染めなかった……。訳がどうとかそういうのではない。

少し時間置いて再読しようかな。色々な翻訳者さんたちのがあるから読み比べてみるのも面白そうだ。

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Posted by ブクログ 2023年03月24日

古屋敷に住む子どもの兄妹に女性の家庭教師が雇われ、子どもたちに纏わる幽霊に果敢に挑み、奮闘する。難解に感じた。2023.3.24

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Posted by ブクログ 2022年05月19日

一見、若い家庭教師がお屋敷で起こった幽霊事件を語る手紙。子供への接し方の難しさを幽霊のせいにし、延々と嘆く。ミサへ行く教会があるのだから、牧師さんなり何なり相談すればいいのに?いや、きっと雇い主に良いカッコしたいからできないのよ、と、うわべだけ読むとこんな感じ。
とにかく、一人の人から見た物事なので...続きを読む、非常にわかりにくい。どこまでが憶測なのか、書いていないことは何なのか、時系列は合っているのか。
そんな作りになっているので、実は全て家計教師の妄想だとか、色々解釈があるらしい。

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Posted by ブクログ 2022年05月01日

うーーーーーむ難解だった…

文章自体は難しくなくむしろ起こったコトを誰かが客観的に喋るようなスタイルでさくさく読める。

でもさまざまな意味で解釈できるシーンやセリフが多すぎる上、場面外で起こっていることを読み手に想像させる、委ねるような表現のオンパレード。

そこが楽しかったです。映画もちょっと...続きを読む見てみたい

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Posted by ブクログ 2021年11月06日

ある田舎の屋敷に家庭教師として雇われた
若い女教師が体験した夢か幻のかの様な
美しい子供達との遭遇と亡霊に悩まされ
何とかこの美しい子供達を亡霊から
救おうとするが、彼女の見た幽霊達は
本当に居たのかどうか最後までハッキリ分からず仕舞い。解説をよんでやっと時系列が分かった。
解説を読まないと分かりに...続きを読むくいが、読んでいる内に
幽霊の謎に引き込まれる。

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Posted by ブクログ 2019年01月22日

随分前に岩波版を読んで、よくわからないわーとなり、新潮の新訳ならわかりやすかろうと手に取ってはみたものの、やはり難解。
私は家庭教師の妄想派ですが、みなさんはどうですか?

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年09月17日

私は、「幽霊は出なかった」派かな…。
何も具体的な証言や証拠は得られないまま、家庭教師が「そうしようとしている」と勝手に判断しているだけだし。
そのまま幽霊譚やホラーとしても読めるけれど、心理的なものと解釈出来てしまうのも面白い。

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