あらすじ
青年はレマン湖畔の美しい町で運命の美女デイジーと出会い、一目で恋に落ちる。その奔放なふるまいは、保守的で狭量な人々からは嫌われていたが、青年は彼女のあとを追うようにして、マラリアの猖獗するローマへと向かう。婚約者と思しき男を紹介され、さらに翻弄されるが、二人の恋路は思いもしない衝撃的な結末を迎えるのだった――。ジェイムズの名声を高めた傑作中編、待望の新訳版。
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Posted by ブクログ
新潮文庫の新訳版。訳者は小川高義さん。
O.ヘンリーの訳の時も感じたが、クセがあるけどなんか食べたくなっちゃうセロリ、みたいな翻訳だなぁと。すきです。
Posted by ブクログ
「ねじの回転」で有名なヘンリー・ジェームスの作品。
奔放な女性と、その女性に淡い恋心を抱く青年との交流が描かれる。
アメリカとヨーロッパの文化や男女観の違いを交えながら、二人の恋の行末が描かれる。
のだけど。
男性側からしたら、最初はその気にさせておいて、違う男と仲良くなる姿を延々と見せられる、結構な地獄という笑
男女観も古くて違和感しかないし。
そして何よりも。
帯の「誰が彼女を殺したか」は、本当にその文句でいいのかという。。。ミステリ要素皆無だし。。。
Posted by ブクログ
アメリカ人の青年がスイスの保養地で一目惚れしたアメリカ娘を再びローマで出会う。彼女は当時の常識から逸脱した奔放さで現地の伊達男と付き合い、青年をやきもきさせる。青春期をそっと吹き抜けていった風のような淡い体験。2022.3.4
Posted by ブクログ
ちょっと不思議な感覚な物語だった。
世間知らずの主人公青年がぶっ飛び美女に気があり追いかけ回すものの、そのぶっ飛び美女にはその気がないという、特にどうということがない展開であり(笑)、登場人物たちの心情のうつろいや性格描写が限定的でいまひとつ物語に入り込めなかったことが大きいかもしれない。
また、物語の終息が唐突であり、ちょっと意外だったこともあるかもしれない。
物語はスイスのヴェーヴェーが舞台の出会い編とイタリアのローマが舞台の袖にされる編の大きく2つに分けられる。
スイスのヴェーヴェーでは雄大な自然と古城が開放的な気分の舞台装置としてはぴったりで、イタリアのローマの街並みと古代遺跡の重みが旧弊的な雰囲気であるのと対を成している。
主人公は結局は袖にされてしまったが、念願かなって自分がデイジー・ミラーのお相手にとって変わっていたら旧弊さとは逆の立場になっていたのでは?とも思え、いくばくかの不自然さも感じるところである。
作者のヘンリー・ジェイムズはこの作品は詩であるという。
そういえば舞台装置といい、登場する男女の駆け引きといい、詩の構成にはぴったりのように思える。
微妙な不自然さを解消するには、いっそのこと曲をつけてオペラにすれば良いと思える作品だった。