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Posted by ブクログ
探偵小説の始祖と聞いて読んでみた。
詳しくは知らないが詩人らしく、幾つかのお話は散文で、具体的な描写は少なかったものそれ以上に殺人たらしめる心理的な切迫感が伝わってきた。
どの話も面白かった。
有名なのはタイトルの2話と早すぎた埋葬だろうけど、私にとっては他の話の方が興味深かった。
アモンディリャードの樽
はどんな酷いことをされても耐えていた主人公が恥辱だけには我慢できずに殺人を決意するという、ことだけが描かれており、具体的にやられたことはわからない。ただ、殺人を計画した主人公が酔った相手を巧みに誘き出して家の地下のカタコンベ兼ワインセラーの奥深くに生き埋めにする。道中挟まれるアモンティリャードの繰り返しがそれほど魅力的な酒なのか?と思わせると同時に間抜けさを感じる。最後のオチでこれが過去の話だとわかる。
告げ口心臓
殺人を犯した主人公が死体を家の床下に隠す。警官に対して白々しく対応するも、自らの心臓に耐えかねて告白してしまう話。
邪気
これも殺人を犯した主人公が後ろめたさか、隠していたのについに告白してしまい、絞首刑にかけられる前日にそれを話しているというオチがわかる。
ウィリアム・ウィルソン
自身の善性に殺され、殺した男の話。狂っていく様が随分と丁寧に描かれている。
Posted by ブクログ
ポーの独特の語りに引き込まれます。不気味すぎる話にゾクゾクしながら、「この後どうなる?」という期待感にあふれました。8編の短編それぞれが個性的で、心情描写のうまさに脱帽でした。
「モルグ街の殺人」は“推理小説の元祖”と、解説にありました。謎解きが論理的に進み、最後に解き明かされる流れは明快で、数学の難しい問題が解けたときのような痛快さを感じました。
訳者あとがきに、明治時代「黒猫」を訳した饗庭篁村(あえばこうそん)、内田魯庵についてのエピソードがあり、当時の翻訳事情が垣間見られて興味深かったです。
角川文庫の河合祥一郎訳と小川高義訳を比較すると、本書の方が心持ち、分かりやすいかなと思いました。しかし、どちらの訳も甲乙つけがたく、高い英文読解力と優れた日本語の使い手でないと翻訳のお仕事はできないと、感じたしだいです。同じ英文でありながら、日本語の表現がこんなにも違うということが驚きでした。
Posted by ブクログ
翻訳の小川高義さんの力によるところもあるとはおもうけど、今から180年近く昔、日本では江戸時代の後期にあたる時期に書かれたとは思えないくらい読みやすくて面白かった。
特に「早すぎた埋葬」はものすごく怖かった。
「モルグ街の殺人」が推理小説の元祖だと解説を読んで初めて知りました。
いわゆるエンタメである「推理小説」っていうジャンルを確立したことが本当に凄いと思うけど、推理小説として面白いかどうかというとそんなに面白くなかった。
良心と邪悪さの対比や、ダメなことだと思えば思うほど実行したくなる人の心の描写がうまくてとても怖さを煽るけれど、ポーはお酒が原因で体調も精神も不安定だったようで、もし素で頭の中がこんな感じだったら相当アレだと思った…
巻末の解説、年譜、役者あとがきがとても読み応えあり。
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