あらすじ
初訳から60年、まったく新しい「老人」の誕生! 数カ月続く不漁のため周囲から同情の視線を向けられながらも、独りで舟を出し、獲物を待つ老サンチャゴ。やがて巨大なカジキが仕掛けに食らいつき、3日にわたる壮絶な闘いが始まる……。原文を仔細に検討することによって、従来の活劇調の翻訳とは違う「老人」像が浮かび上がる! 決して屈服しない男の力強い姿と哀愁を描いたヘミングウェイ文学の最高傑作。
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Posted by ブクログ
短い文節であるにもかかわらず、生き生きと情景と人生観が浮かび上がる、なぜヘミングウェイと言われるのかこの短編を読んで納得した。この簡素な文脈がどこまでも青い海、日に焼けて深く刻まれた皺のある無骨な老人がありありと浮かび上がらせてくれる。素晴らしすぎて名作には意味ありと納得した次第。
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キューバに住む漁師の老人が、沖へ出てこれまで見たこともないような巨大な魚と3日に渡って戦う話。
短い話だが、老人の気持ちや情景が美しく表現されている。
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良い宇宙物のSFを読むと、私は不思議な浮遊感に包まれることがあるのですが、それと同じように陸も見えない沖合を小さな船で進む独特の感覚と、深い海の怖さと親近感、塩のにおい、ロープを握る手の痛みや、照り付ける日の眩しさに包まれる作品だった。
読んでる途中は海に行ってみたいと思ったのですがおわったあたりでもう当分海は行かなくてもいいなと思った。
お疲れ。サンチャゴ
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とてもよかった。昔読んだけれど、年齢を重ねたことでわかる良さのある小説の一つ。
訳者解説、あとがきもとてもよく、老人は常に一定のトーンで話しているというこの訳がとても私にはしっくりきた。
若い頃読んだ時は「…で、なんなの」とか思ってしまったものだけど、今読むと老人の、海や魚や鮫を通した自己との対話がとても示唆に富んでいるというか…。じっくりと読む価値のある小説だった。
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ひたすらに老人の心境を記している。
全く飽きないで一気読み。
テーマはシンプルで深い気がする。
命
老人の命
大きな魚の命
敵の命
太陽の命
毎日、太陽を殺そうとすることになったらどうなるか。いやはや、人間は幸せに生まれついてる、と老人は思った。
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大魚に引かれながら身体を痛められながらも、自らの成功がだんだんと無になる様をまざまざと見せられながらも、決して諦めない姿がたまらない
大魚との戦いのさなかにふと見上げた空に飛行機があって、飛行機から見る景色はどういったものだろうと独りごちる姿にはっとする。
海や魚との戦いぶりについてはまさに経験豊富で知らぬことなど無く、まるで恋人みたいな理解を示すのに、他の世界に対してはそうではない。
狭い世界で自分の役割を突き詰めた男の格好良さを表すのになんて秀逸な対比なんだと感動。
おじいちゃん、かっこよすぎるよ
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表題からして静謐なる文学であろうという勝手な先入観をもって読み始めたが、とんでもなかった
じいさん、かっこよき
一本の映画を観たかのようだった
「だが、人間、負けるようにはできてねえ。ぶちのめされたって負けることはねえ」
「戦う。おれは死ぬまで戦う」
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老人とカジキの同一化。孤独ではないが、種を同じくする生きものが、自分のほかにはいないとき、人が対話をするのは、「わたし」だし、向き合うのも、「わたし」なのかもしれない、と思う。
地の文と、台詞とが、齟齬を起こして、喧嘩のようなものをするところと、回遊するカジキに引きまわされて、自分が分からなくなっていくサンチャゴが、特に好きだった。
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「久しぶりに読んだらめっちゃ良かったです!ぜひ読んで下さい!!」
と高校生が目をランランに輝かせて勢いよく言われ、そういえばちゃんと読んだことなかったな、と思ってよんでみよっかな~と。いう淡い気持ちで読む。
読もうとする動機は、ただ、目の前の興奮に感化されて。
なので、最初、老人と海...少年?...また海、老人とタイトル通りのお話。いったん休憩。やぱい。疲れた身体には、ちょっと睡魔が勝ってしまう。
再度1か月後に読んだ。半分くらいで、スラスラ読める。いつもまにか老人を応援している自分がいる。一緒にハラハラする。時々、老人の一言に感心する。
なんだかいい世界。
そうして、いい感じになったところであとがき。えーーーーこんな薄い本だったの??と驚き。
P109
「だが人間ってやつ、負けるようにはできちゃいない。」老人は言った。
「叩き潰されることはあっても、負けやせん。」
勧めてくれた子もこの一文を読んだだろうか。
そうであったら、このうえない嬉しさがこみ上げる。
勧めてくれてありがとう。いい出会いでした。
また再読したいな。
Posted by ブクログ
学びは、漁の周りの漢字の読み方とか魚の部位の漢字とかが勉強になったし、英語を翻訳してるから?長さの単位とか(ft、mile)の一般常識的なものも知れた、あとイルカがなんで跳ねるかの理由とかも知れた!
感想は老人視点での海(湖?)の美しさ、楽しさ、とそれでも過酷で厳しい部分が伝わってきて沖でひとりぼっちの雰囲気を味わえた気がした所と、老人の漁(仕事)に対する向き合い方が終始共感できて、とても人間らしいと感じました!
Posted by ブクログ
どっかで読んだことある気がする…
国語のテストだ!笑
小学生の時から知っていた作品。
昔からの作品は、言葉が難しく読むのを避けていた。
ただ、今回は頑張ってみようと手に取った。
序盤は、舞台になった時代の言葉が多く出るため、退屈だし、頭にも入らなかった。
しかし、それ以降の老人の孤独で過酷な戦いは、気づいたら読み終えていた。
読みづらいのは序盤だけで、あとは流れるように読めた。
結末は明示されてなかったが、老人は数日後に死ぬと読み取った。人間としてか、漁師としてか、は悩みどころ
Posted by ブクログ
ヘミングウェーーーーーイ!!(どしたどした)
ヘミングウェイウェイ!
パリピ感出してみました
パリピももうちょっと古いか
やっぱね
やっぱすげーわヘミングウェイ
描写力はんぱねーっすよ
目の前にいるみたいだもんね
そして情景描写してるだけなのに心のなかも見えてくるもんね
そしてなんかカラッとしてました
重いのにカラッとしてた
なんていうか「負け」じゃない
っていうか人生の勝ち負けって野球の試合のように分かりやすくはないんだろうね
『誰がために鐘は鳴る』も読みたいけど光文社古典新訳文庫では未刊なんだよね…
う〜ん…新潮社…いやいや浮気はせん!
Posted by ブクログ
漁師的にはあんまり良い結果ではなかったかもしれないけど、得たものは魚だけじゃないんだと。
海に生きる男の強さと寂しさがダイレクトに心に通じます。
Posted by ブクログ
備忘録的キーワード
孤独、承継、プライド、年輪、衰え、衰えの認知、少年の成長、師
自分の尊敬する人の成功を周りに知らしめたいとする心理。
Posted by ブクログ
光文社のは初
スピード感のある展開にぐいぐい引き込まれるとともに、少年や、魚や、自然など周囲に対して尊敬の念を持って、対等であろうとする姿勢に胸を打たれました。
こんなタフな歳のとり方したい。
人生だね
一言でいえば、普通の人生の一エピソードなのかな。
たしかに命がけの死闘ではあるけれど、
漁師にとってはそれも日常の一部でしょう。
この後も彼の人生は続いていくのでしょう。
ただそれだけなのに、なのか
それだけだから、なのか
思わず考え込んでしまいます。
読んでみて良かった。
若い頃に読んだひとは、中年期に読み直すことをおすすめします。
Posted by ブクログ
有名な作品で物語自体は知っていたが、初めて読んだ。
物語自体はシンプルだし、わかりやすいが、無常観や虚しさなど複数のテーマが上手く詰め込まれている。
Posted by ブクログ
一度は読んでみたいと思って手に取ってみた名作
簡単に言えば釣りの話
カジキを釣り上げ、持ち帰るまでの経過が書かれています
カジキと老人、そして鮫
老人が海と共に生きてきた、それが釣りという行動によって表現されています
老人と海との関係性
お互いに生きるための行動ですよね
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難しかった。ひとことで言えば、運に見放された老人の闘漁記。三日間もカジキと闘った老人の必死さや強さが映像で伝わってくるほど描写が素晴らしかった。30年後に読めば、もう少し面白いと思えるはず。
Posted by ブクログ
老人が海で3日間カジキと死闘を繰り広げる話。ほんまそれだけの話なんやけど、めちゃくちゃ引き込まれた。カジキとの死闘はこっちが疲れるくらいやし、死闘の戻るところなんかも何も出来やんけどどうにかしてあげたくなる。
Posted by ブクログ
巨大なカジキを仕留めながら、持って帰る最中に鮫に食われる、という筋書きに、マンガの「釣りキチ三平」を思い出した。(時系列的には、勿論、釣りキチ三平によるヘミングウェイへのオマージュだろうけど。)
骨も残らなかったのであれば、老人がかわいそうだが、全長18フィートの骨を漁師仲間が計測してくれたので、化け物を釣り上げた名誉は勝ち取ったのではないかと思う。
老人がマグロやシイラやトビウオを生で齧るシーンは、アメリカ人も(昔から)生魚食べるんだ、とちょっと意外だった。
Posted by ブクログ
読みたかった古典純文学のうちの一つ、
やっと読めて良かった。
内容は老人が海でカジキと3日間死闘を繰り広げるお話。
びっくりなのが、刻一刻と流れる三日という時間を、驚く程鮮明で細緻に書いているという事。小説というよりも緊迫したドキュメンタリー見てる様な。手に汗握るとかは正直無かったけど、老人が取る一挙手一投足がよく見える。
3日間も船に乗ってる描写が永遠と続くからもっと老人の心理描写があるのかと思いきや、そんな事はない。ここでは余計な心理描写は必要無いんだろう。彼が思い出す少年の事、野球、ラジオ、そして独り言、老人を語るにはそれらで全て足りている。
この本が現代までこれほど長く読み継がれてる理由が私には正直分からなかったけど、作家も時代背景も全然知らないで読んでるから、まぁ仕方ないのかも。
訳者の後書きで、やっぱり訳者によって表現方法が変わってくるみたい。ヘミングウェイが書いた原作読みたいなぁと思う反面、昔の英語だから解釈難しいんだろうなぁと残念に思う。
Posted by ブクログ
2022/09/11
【感想】
老人と魚とのシーンはハラハラした
解説の「言ってしまえばそれだけの話で」というのは本当にその通りなのに、引き込まれた
事実としては悲しい終わりと思うけれど、老人はいつも通り愛するライオンの夢を見ているということは悪い終わりではないのだなと感じた
【好きな言葉・表現】
もちろん運がいいに越したことはないが、まずは正確を期していたい。それでこそ、いつ運が来てもいい。(P32)
考えることは一つだ。いまやっていることだけ。くだらんことを考えてはいられない。(P49)
Posted by ブクログ
カジキ釣るまではあんまり盛り上がりがなかったけど、釣ったカジキを鮫に狙われ始めてからは熱かった
その状況と結果に悔しいって思った
でも老人・サンチャゴはあんだけ必死に戦ったのに最後は深い悲しみにくれるでもなく疲れてぐっすり眠りについたのは、それまでの経験とか解説でも書いてあったように独り言を言うことによって精神を保ってたってこと?戦いといえども、漁は生活の一部だものなあ
不漁続きの上での大物とは言え、それで精神いっちゃってたら耐えれんよなあ
Posted by ブクログ
イコライザーの影響を受けて読んだ。
老人がとにかくすごい。
海での戦いが普通の老人の体力を超えてる。
お金にならない結果となったけど、お金を払ってもできないような戦いだった。
解説を読んでようやく背景やヘミングウェイの書きたかった事について理解できた。
Posted by ブクログ
ひたすら「老人VS魚」で何度も飽きたけど、最終的には読んでよかったと思う。
考えすぎそうになりながら、心が折れそうになりながらも、何度も頭をスッキリさせ直しては戦いに挑んでいく老人。かっこいい。
しっかり自信があって前向きなところもいい。馬鹿の前向きさではなく、思慮深くかつ経験を積み重ねてきたからこその前向きさ。
少年がいればなあ、と何度も思うのも、人間らしいし自分を過大評価していなくてかっこいい。
海や魚に敬意を持って、自分の信念を持って向き合っているところも素敵だ。
最終的にはぼろぼろで帰宅して結局何も得られなかったかのようだけど、「そんなことはない、大きな出来事だった」と感じられて気持ちがよかった。
彼の戦いも、その偉大さも、その傷だらけの手と獲物の大きな骨に残されている。そしてそれを人々がちゃんと見つめている。大きな意味がある。
どんな生き方をしたいか、どんな人間でありたいか、どんな生き方をする人をかっこいいと思うのか、見つめ直せる作品だった。