小川高義のレビュー一覧

  • 若者はみな悲しい

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    若者!アメリカ!て感じ。
    年代と文化が違うからちょっととっつきにくかったけど、
    いつの時代も若者ってこんなものなのねと思った。
    ブラックというか皮肉な話が結構良かった。
    「グレッチェンのひと眠り」が好き。

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    2009年10月07日
  • 何があってもおかしくない

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    相変わらず良作。ひとつひとつの短編は、あまり気にもとめず、スラスラと読んでよい、そしてあまり心に残らないが、そうやって進んでいけば、最後の最後、ものすごく感動する。

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    2025年12月04日
  • ねじの回転(新潮文庫)

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    ネタバレ

    幽霊の存在の有無が明かされないだけでなく、「私」の兄妹への愛情や「私が守らなければならない」という責任感は異常とも言え、客観的に見ると思い込みが激しく奇怪な言動が多い人物に"あえて"描いているように思える。

    原作者自身が意図的にぼかしたり婉曲表現を多用しているため、とにかく文章や言い回しに不自然な部分が多く、翻訳に相当苦労したのがすぐに伺える。
    翻訳者もあとがきで触れており、この点も評価を落としているポイントか。

    だが、『「私」の友人のダグラスの妹のかつての家庭教師だった女性の手記を怪談話の集まりの中でダグラスが読み上げ、そのダグラスの死後に「私」が改めて書き写した』と

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    2025年11月12日
  • 黒猫/モルグ街の殺人

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    本日2度目の『モルグ街の殺人』であるが(^^;)、これは素晴らしい!
    翻訳は小川高義という方。『黒猫』『モル殺』はおそらく翻訳違いのをそれぞれ3つ以上は読みましたが、先ほど読んだ新潮文庫のポー短編集Ⅱの巽孝之の翻訳などに比べても圧倒的な読みやすさです。同時読み比べをすると、ワンセンテンスが短く、平易な語彙が用いられていることが明らかです。ポオの晦渋で格調高い文章を楽しみたい方にはおすすめできませんが、物語を全力で楽しみたい方にはこれがぴったりでしょう。

    『本能vs理性 黒い猫について』 
    ポーの飼っていた黒猫を例にとって本能と理性の境界の曖昧性について説くエッセイ。知的生命体という驕りによっ

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    2025年10月15日
  • アッシャー家の崩壊/黄金虫

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    ネタバレ

    ポーに振り落とされずに余裕を持って楽しめる小川高義さんの翻訳はなかなか良い。愛する女性との死別を描いた『アナベル・リー』『ライジーア』『大鴉』が3作並んでいて比較しやすい所も超ナイス。
    『アナベル・リー』と『ライジーア』は愛する女性の名がそのままタイトルになっているだけでなく、語り手の思慕の情も似通っています。例えば引用すると↓

    「夜空に星が出るたびに
    美しきアナベル・リーの輝く星が見えている」
    「ライジーアの美しさが私の精神に染み込んで美神が居を定めたようになってからは、現実界に存在するさまざまなものを見るにつけ、あの大きな明るい双眸が私の内部にもたらす感覚と似たものを呼び起こされていたの

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    2025年10月15日
  • 黒猫/モルグ街の殺人

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    青い鳥文庫のパスワードシリーズを読んでミステリーの古典作品に興味を持って手に取った本。
    血腥い話・恐怖心を煽られる話は基本的に苦手なため、1話読んで借りたことを後悔した。
    しかし、モルグ街の殺人に辿り着きたい一心で読み進めた。(今思えば、そこだけ読めば良かった気もする)
    前置きが長いのも、普段読まない作風で慣れていないと難しい。
    お目当てのモルグ街の殺人。真相が意外で面白かった。表現はやっぱりグロテスクでゾッとしたが。

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    2025年10月08日
  • ねじの回転(新潮文庫)

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    ネタバレ

    前々から気になってた本。
    全体的によくわからない。文章が…。すごい遠回しで指輪物語読んでるみたいだった。
    終盤まで、家庭教師の人しかみえてなくて、子供がかわいいから過剰に反応したのかなと思ったんですが、最後にマイルズがクイントの名前を言ったので子供も知ってて、家庭教師の女の人が言ってることが本当なんだ?でも男の子死んだよね?最初に語ってたのは何者??となりました。これがホラーか…と。訳者のあとがきや他の人のレビュー読んでよく分からなかったの私だけでないと知って安心しました。

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    2025年09月06日
  • 賢者の贈りもの―O・ヘンリー傑作選I―

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    前にもO・ヘンリーの短編集は読んだことがあるのですが、その時は半分以上の作品が難しく感じました。

    本書は新訳のおかげもあってか、非常に読みやすくおもしろかったです(それでも中にはオチが今いちわからないものもあった)。

    特におもしろかったのは『賢者の贈り物』『春はアラカルト』『赤い酋長の身代金』『この世は相身互い』『車を待たせて』です。

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    2025年08月19日
  • 私の名前はルーシー・バートン

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    静謐な小説。様々な時期の出来事が、時系列にとらわれず浮かんでは消えていく。一人の女性の思考を一緒に慈しんでいる気分。

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    2025年05月27日
  • ねじの回転(新潮文庫)

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    ネタバレ

    難解な本だった。
    全て家庭教師視点で書かれているから、何が本当のことなのやら

    家庭教師にしか幽霊が見えていなかったとしたら、彼女が経験した恐怖と孤独感はかなりのもの
    もし幽霊が家庭教師の妄想だったら、家庭教師の恐怖よりも周辺の人が感じた恐怖の方が強烈かもしれない
    幽霊も怖いが幽霊がいると1人騒ぎ立てる家庭教師の方がもっと怖い

    私にはフローラとマイルズが理想の子供でなくなったから追い出したり、(私の理想の)マイルズは死んだみたいな表現したりと、身勝手な振る舞いをしてるように感じてしまう

    どう解釈すればいいのか

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    2025年03月28日
  • 賢者の贈りもの―O・ヘンリー傑作選I―

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    100年以上前のアメリカの作家による短編計16篇。

    どの短編も、貧富の差を超えた愛や人間くささを、時にロマンスたっぷりに、時にユーモラスに描いたような話が続く。そしてどこか古き映画的。
    当時のアメリカ社会や人間模様の風味を味わえる。

    クリスマスプレゼントで貰い、スキマ時間に少しずつ楽しみました。

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    2025年03月09日
  • 私の名前はルーシー・バートン

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    私の母が愛しているという言葉を口に出せない人だったことを、読者にはわかってもらえないかもしれない。それでもよかったということを、わかってもらえないかもしれない。

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    2025年02月23日
  • 黒猫/モルグ街の殺人

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    ネタバレ

    黒猫は正直よくわからん。理性と本能?みたいな話だったかな?

    モルグ街の殺人は面白かった!デュパンが考えていることをさささっと当ててしまうところ(このエピソード、モルグ街だったよね?)にすごく感心して、それに、動物が犯人だという、世界初の探偵小説なのに展開も斬新すぎてめちゃくちゃ記憶に残ってる

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    2025年02月07日
  • 老人と海

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    ネタバレ

    有名な作品で物語自体は知っていたが、初めて読んだ。
    物語自体はシンプルだし、わかりやすいが、無常観や虚しさなど複数のテーマが上手く詰め込まれている。

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    2025年01月10日
  • この道の先に、いつもの赤毛

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    ルーティンワークにこだわりの強い
    40代の独身中年マイカの物語。
    決まりきった日常を愛しているのに
    ある日なんだか彼女とギクシャクしはじめて
    元カノの子供が家出してきて転がり込み
    結婚する親戚の顔合わせにも呼ばれ…。

    管理人として住み込むアパートの住人にも
    ITレスキューの顧客たちにも
    さりげなく優しいマイカ。
    なんかいい。
    基本的に「人が好い」んだよ。
    深読みできないから彼女怒らせたけど
    やりなおしたいと思ったり
    でもそんな悪いことしたっけって思ったり。

    あと、全然性格の違う親戚たちの
    ホームパーティのシーンがおもしろかったです。

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    2024年12月31日
  • 黒猫/モルグ街の殺人

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    自分には少し難しい話もあった。
    「早すぎた埋葬」は自分がその立場になったらと想像するだけで怖かった。

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    2024年12月05日
  • アウルクリーク橋の出来事/豹の眼

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    「悪魔の辞典」で有名なビアスの短編集。
    小説は初めてと思いながら読み始めたが、冒頭の表題作「アウルクリーク橋の出来事」は出色の出来だけあって、何かの短篇集で読んだことがあった。いわゆる「走馬灯オチ」だが、(再読なのに)最後の一文を読むまでそれと気付かせない(思い出させない)自然な筆致だった。

    もうひとつの表題作「豹の眼」と、「良心の問題」も印象深い作品だ。

    後者は、見張り中に居眠りした兵を、捕虜が脱走せずに見張り交代時に起こしてあげた逸話の後日談。軍律と良心の両方に忠実であろうとするとこの結末がしかないのかもしれないが、何とも後味が悪い。かといって処刑だけで終わるともっと後味が悪い。う〜ん

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    2024年10月22日
  • デイジー・ミラー(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「ねじの回転」で有名なヘンリー・ジェームスの作品。

    奔放な女性と、その女性に淡い恋心を抱く青年との交流が描かれる。
    アメリカとヨーロッパの文化や男女観の違いを交えながら、二人の恋の行末が描かれる。

    のだけど。
    男性側からしたら、最初はその気にさせておいて、違う男と仲良くなる姿を延々と見せられる、結構な地獄という笑
    男女観も古くて違和感しかないし。

    そして何よりも。
    帯の「誰が彼女を殺したか」は、本当にその文句でいいのかという。。。ミステリ要素皆無だし。。。

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    2024年09月28日
  • ねじの回転(新潮文庫)

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    イギリス郊外の貴族屋敷に家庭教師として雇われた「私」は、両親を亡くした眉目秀麗な兄妹と出会う。大切な教え子たちを謎の幽霊から守ろうとする「私」だが……

    怖い……色んな意味で→

    帯に「ホラー小説の先駆け」とあったのでポーの「黒猫」系かな、と思っていたら、ちょっと違った。
    「怖いものがある」怖さもだけど「怖いものがわからない」怖さ、むしろ「怖くないはずのものが」の怖さなんだ、ろうな……。
    いや、違うのか?解釈によって色んな読み方ができそう。

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    2024年07月15日
  • 緋文字

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    罪の象徴の緋文字が、やがてはその元々の目的が薄まっていく。
    不倫の罪を裁かれ、緋文字を生涯付けることを余儀なくされたヘスター・プリン。彼女は誰が相手かを決して口外することなく、人々の冷たい視線も受け入れて、毅然と生きていく。不倫によって生まれた娘パールを育てながら。

    よほどの理由があったにせよ、自分が犯した罪は罪として受け入れる。でも、それに押しつぶされないで、黙々と、毅然と生きていく。それはいいのだが、もう少し、ヘスターと牧師のことを掘り下げて書いて欲しかったと思う。

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    2024年06月23日