あらすじ
翻訳者だからわかる、ほんとうは言いたくない、翻訳の秘密。
アーサー・ゴールデン『さゆり』(文藝春秋)では京都弁を見事に使いこなして訳出し、
ジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』(新潮社クレスト・ブックス)を大ベストセラーに押し上げ、
最近はポーやフィッツジェラルドの新訳にも果敢に挑戦する名翻訳者がこっそり教える「翻訳の秘密」。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ジュンパ・ラヒリの名訳で名前を覚えた、小川氏が翻訳のハウツー本を出したと聞き、書店に走った。面白かった!言葉のリズムやテンポ、スピードをとらえなければならない翻訳家は指揮者である、との言葉に深くうなずく。その他便利なサイトや辞書の紹介もあって興味深い。時折手にとりたい本になるだろう。
Posted by ブクログ
著者はアーヴィングやジュンパ・ラヒリなどわたしが好きな作家の翻訳されている翻訳家なので、興味をもって読んでみた。翻訳技術として、英文解釈みたいな勉強ぽい部分もあるけれど、エッセイふうなところもあって読みものとしてもけっこうおもしろかった。優秀な翻訳家は、やっぱりオリジナルな文章書くのもうまいんだなあ、と。翻訳技術の話では、定冠詞がaかtheで違うとかなるほどと思ったし、ためになることがたくさんあった気がする。でも、意外と、一語一語を忠実に訳す感じではないんだなー、と。意訳というか。もちろん、書いてあることは過不足なく訳されているんだけど。忠実、っていうのがいいかどうかはわからないけど。中盤、アメリカ人作家が日本の花柳界を描いた「さゆり」を日本人が読んで違和感ないようどう訳したか、っていうのを例をあげて細かく書いてあるんだけれども、「さゆり」を読んでないこともあって、そこはあまり興味がもてなかったのが残念。「さゆり」、おもしろいのかなあ。