荻原浩のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2001年に暮らすフリーターの健太、1944年に海軍の飛行兵として生きる吾一、ふたりが同時にタイムスリップし、それぞれの時代で入れ変わった。…
現代人から見た戦争、昔の人から見た今が、良く表現されていて、とても面白かった。
健太の気持ちは共感に値するもの。
一方、吾一の、未来を嘆く気持ちと言うのは、いい着眼点だなと思わされた。
ファンタジーコメディ風ではあるが、テーマが戦争なので、考えさせられることは多数有り。
そして、二人の関係性が上手く繋がることには感心しきり。
結局どうなったかは、読み手に任されるという終着点。
やられた。
『正しい戦争なんて、どこにもない。戦死に尊いも賤しいもない -
Posted by ブクログ
この作者、初めて読んだけどすごく好きです。
さじ加減とか、登場人物のメンタリティの選択が自分の好みにあってるのかな。
静岡のいちご産地にある高校に通っていたので、周りにいちごハウスがたくさんあり、友達にはもちろんいちご農家の人もおり、家族用といちご狩り用は分けて作ってるなどのいちご農家あるあるの記憶も蘇って個人的にとても楽しめた。父の方言も、すごく感じ出てる‼︎因みにうちの父の一人称も「おら」。
何より、作物を作ることの醍醐味を知ってそれに捉えられていく、今までの自分と調和してそれを実現していくのがすごくいい‼︎二者択一ではなく、何かを犠牲にするのではなく、農業を楽しんで向き合っていくの -
Posted by ブクログ
荻原さんの本は好きなので、書店で見かけて「あ!」と思って手に取りましたが、あらすじを読んで「うーん、縄文人……」と思って一旦はやめた本です。
パラパラと見るとカタカナの名前の羅列だし、苦手なタイプだあと思って。
「でも荻原さんだし、いずれは絶対読むな」と今回買ってみたら、あーおもしろい。
カタカナの名前も、すぐに区別がついたし、何よりとても興味深い。
イーとかカァーとかが何のことかもすぐわかったし。フキの名前の由来って、ほんとにそれなの?
モノの名前とかが一体どこまでが荻原さんの創作なのだろう……と考えてしまいました。全部創作だとしたら、説得力ありすぎ。
少し前に「クマもの」の話にはまっていた