荻原浩のレビュー一覧
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サラリーマンをやめ、東京から小さな田園都市にUターン就職して市役所の職員になった啓一。赤字経営のテーマパーク「アテネ村」の再建をする部署に配属され、周囲のぬるま湯のような仕事ぶりにうんざりしながら、腹をくくって仲間を増やし、知恵をしぼり、次第に仕事に没頭していく。
仕事だけでなく、家庭での妻や子どもたちとの場面もたくさん出てくるのが等身大の30代の男性という感じでよかった。このままじゃいけない、何かを変えたいという思いと、息子に恥じない父親でありたいという気持ちは、がんばる原動力になるのだな。
クスッと笑えたり、ちょっと悲哀を感じたりする物語。 -
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教祖仲村は山崎に告白した時の反応が違っていたら、彼を追い詰める選択はしなかったんだろうか。結局山崎がホームレスであろうと成功していようと他者を信じられない性格だったからこその結果であるとも言える。読書中からずっと救いのない話だった。
同じ千円でもホームレスと金持ちでは金額の重みが違うように、お金の価値は払う人間が決めている。値段があってないような芸術作品と新興宗教の教祖が作った焼き物とでは、その価値にどれほどの違いがあるのだろうか。買い手が欲しいのは物体そのものではなく、満足感と承認欲求であれば他人が糾弾するものではない。まぁ、本書では山崎(木島)が作っていたから問題になったので別の話では -
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「ゲッ!」
「(๑o̴̶̷̥᷅﹏o̴̶̷̥᷅๑)ウルウル」
「ヒッ〜!」
って感じの短編集。
ホラーなんやけど、そんなに怖くない。
こんな幽霊なら、話ししても良いかなと思わせる
「押入れのちよ」
キョンシーや!と思わせる
「しんちゃんの自転車」
いずれも心優しいから、ええんやな。
「コール」もそう。
何かええ感じ。
その他、コメディっぽくはなってるけど、生きてる人の方が怖いって思ってしまう作品などなど。
そうホラー、ホラーしてないんで、ホラー苦手な人でも読めそう。
優しい人は、生きてても、亡くなっても同じ何やなぁ…
そういう風になりたいです! -
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ネタバレ中に収録されたエッセイはもちろん、あとがきも文庫あとがきにかえても荻原節炸裂。
表紙絵も中にある挿絵も、著者本人の手によるもの。
荻原浩100%。
タイトル通り、一番生き生き書かれているのが家庭菜園の顚末。
我が家のベランダ菜園など足元にも及ばないくらいの手間と愛情をかけて、それでも思ったように育たない野菜たちに翻弄されながら、毎年毎年試行錯誤を重ねる姿に頭が下がる。
そして、コピーライター出身だからなのか、もって生まれた才能かはわからないが、比喩と擬人化がとてもうまい。
勉強になるわぁ。
終始ニヤニヤ笑いながら読んでいたのではないかと思うけど、時々ぷっと噴いてしまう。
人前で読むにはお -
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「フジミクニ、ウルクに悪いことした。でも、人は悪くない」
「悪いのはワウ(王)か」
振り返ってカフィの顔を覗き込む。首を縦に振りかけてから、もとに戻していた。
「人は悪くない」
「じゃあ、誰のせいだ」
「悪霊のせい」誰かに問いかけるような調子でカヒィが言う。「悪霊、誰の心にも取り憑くから」(275p)
下巻に至り、縄文のムラ、ピナイを離れた少年ウルクは、森の主のような人喰い熊(ヒグマ)を倒したあと、おそらく静岡平野に展開している弥生人たちが統べるムラにたどり着く。そこは縄文人が夢想していた夢の植物「コーミー」のお陰で遊んで暮らせる所ではなく、「ワウ」の一族の下、縄文人よりもはるかに生産力が高 -
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星半分が無いから極端な評価になっちゃうけど3.5くらいってところ。中の上。
昭和のテレ東、日曜、午後2時の定番だった巨大化した生き物に襲われるパニックホラーをベースに色々と盛り込んでいて読み応え充分。
寄生虫のくだりでもっと押してく展開も良さそうだなとは思ったけど、最終的にはボスキャラ戦を持ってきて描写を気持ち悪がりながらも本をめくる手が止まらないハラハラ感。
長い本なのでダレるとこありそうかなという心配も杞憂に終わり一気に読み終えた。
子供の頃、カマキリは身近な昆虫だっただけに細かい動きとかリアルに想像できて余計に怖かったな。
けだし良作。氏の他の作品も読んでみようかな。 -
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中学2年生の頃、クラス中からイジメられていた廣吉が、4年後当時イジメに荷担していたクラスメイトへ復讐するストーリー。復讐の内容はもちろんだが、当時のイジメの内容もなかなか酷く、「やらなければ自分がやられる」という言い訳では通用しないほど。亮太ら加害者側が若気の至りで片付けようとするには無理があり過ぎる上、クラスメイトたち全員に反省の色が感じられない。廣吉があまりに可哀想。
光也もイジメの流れをストップさせる発言ができるようになっていたことから、反省・後悔の気持ちは出てきているものの、「勝手に頼るな」はちょっと違うのでは?と思ってしまった。まぁ、まだ人にせいにしたがる10代の少年なのだから、