荻原浩のレビュー一覧
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ネタバレ家族がテーマの7編の短編集です。面白くて笑える物からちょっと寂しく切ない物まで楽しめました。
『肉村さん一家176kg』は家族3人でダイエットに励むお話ですが、お気楽すぎて絶対痩せる日は来ないな~。でも幸せそうだからそのままで良い感じ。
『磯野波平を探して』はそうそう、波平さん54歳という年齢に衝撃です。70過ぎだと勝手に思い込んでいましたからね。
『プラスチック・ファミリー』は一人暮らしの男性がゴミ捨て場から昔好きだった女性に似たマネキンを持ち帰り、更には子供のマネキンまで購入してニセ家族を楽しむお話。ラストの決断は意外だけどちょっと安心もしたかな。
『住宅見学会』は迎える家族も見学に行った家族もお互い見栄を張っていたということで…。見学に行った妻が一瞬この家の夫が自分の元彼の可能性を考えて妄想に走ったのは笑えたけど、あの時にあの人と結婚していたら…と考える事はわからないでもない。
全て読み終えて表紙をあらためて見たら『家族写真』のラストの場面でした。 -
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就職を諦め、大学院進学を志す映画研究会の高橋真矢。アルバイトとして民俗学の准教授のカメラマン兼助手として同行する「座敷わらしの右手」「河童沼の水底から」「天狗の来た道」の3篇。
座敷わらしと河童のお話が実は大昔の子供の間引きが関係しているかもしれないという説にはびっくりです。現地調査でそれらしき物が現れるのは真矢の目の前だけで布目准教授の前には現れない。真矢には得体の知れない物を引き付ける何かがあるのかしら?
天狗の北欧精霊説も面白いですね。天狗の渡したコインはどうなったのかな?
最初はこのコンビどうなるのかと思っていたけど、ちょっと恋愛感情が芽生えた様子。二人の今後も見届けたいし、続編出てくれると嬉しいです。 -
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主人公の伸郎は妻帯者で2児の父であります。元はなぎさ銀行の行員を勤めていましたが,ある出来事を機に行員を退職することに。そこで転職活動中に「45万円の収入可」という文言を目にし,タクシー会社に勤めることに。とは言っても45万円の収入を得るには歩合制のタクシードライバーにとってはどれだけ上玉の客を拾えるか,が重要になってきます。この作品は伸郎が自身の人生に悔悟の念を抱いている状態でスタートします。「あの時ああしていればな」と人生を振り返るとそう思ってしまう瞬間が多々あります。人生の「タラレバ」の瞬間はそこかしこに転がっています。人生という旅路を曲がり角で一々表現しているところが自分的には印象的です。
人生を振り返ったところで過去は変えられません。「今」をどのように生き,今後の人生に影響を与えるかに重きを置くべきなのかなと思いました。
まさか,最後のシーンでかつての上司に倍返しが出来たのは伸郎にとって棚から牡丹餅だったかもしれないですね。(笑) -
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仕事なんてどれも大変だ。
ましてや独立したデザイナーの仕事も酷しいと思う。
それに加え農業の厳しさの描写が、かなりリアルだった。だからこそ、一挙に読めた
この人の母親に田舎でずっと兼業農家をしている人たちを重ねると、本当に頭が下がる。
休めばいいやんって思うが、身体は動いてないと休んでいる以上に疲れるらしい(うちの親がそうだ)
そんなお母さん。
だからこそ、恵介もその気持ちがわかるのだろう。この物語は、
すてきなストロベリーライフが最終的に完成したが、これから先がまた大変だろう。
のちのこの家族みてみたい。
と、母が採ってくれた野菜を毎日いただきながら、本ばかり読んでる私は感謝の念を忘れてはいけない。
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独立はしたが、めっきり仕事の無くなったグラフィックデザイナー・恵介。ある日、故郷・静岡で農業を営む父が脳卒中で倒れ、収穫期真っ只中のイチゴの世話を”とりあえず”することにーーとくれば、ははぁ、いずれイチゴ狩り観光農園とか始めるのかね?と思ったら……まんま思った通りに展開しましたよ(笑)でもそこはやはり荻原作品、登場人物のキャラがみな立ってるのでその掛け合いが面白いし、夢のある読後感でほっこり和めるというか、優しい世界だな~と。家族小説であり、お仕事小説でもあって、軽いタッチで描かれるお話ですがなかなかに深いです。農業を”本業”にせず、みんなで”兼業”して継続していくーーなるほど、今の日本に、日本の農業に必要なことだなぁと思いました。