荻原浩のレビュー一覧

  • 月の上の観覧車

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    時代は、昭和から平成あたり。短編八編、それぞれが、主人公達の過去から今を切なく描きだします。
    彼らは、朧げながらも、仕事に夢を持ち、幸せな家庭を築き、穏やかな日常がある人生を願っていた、ごく普通の人達。そして、そんなささやかな願望も、一生継続するのは、案外難しいのです。
    人生も半ばが過ぎて、彼らは、過去を振り返る。
    そこには、幸せなひとときも、取り返せない不調和もある。
    月の上の観覧車は、既視感がある作品かなと思いますが、最期の夢として素敵です。
    少し時空のずれた自分のパラレルとも思える作品もありました。主人公は、男性が多いのですが、残りの半生の生き方に女性の強が多いかなと思いました。そして、

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    2023年03月01日
  • それでも空は青い

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    最後のパイナップルが一番じーんときた。
    じいちゃんの不器用さ←でも実は沢山の人に慕われていたりする
    奏太の不器用さ←でも実は考える力と考えて話す力をじいちゃんによって鍛えられていた
    みたいな感じ…。
    全編を通して自分の考えと人の考えは違ってて、それでも人は通じ合おうと努力する生き物なんだな、と思った。

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    2023年03月01日
  • オロロ畑でつかまえて

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    秘境の村、素朴な村人、私が好きな世界と
    広告業界という私が苦手なチャラい世界。
    いい感じで混じり合っておもしろかった。

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    2023年02月25日
  • 恋愛仮免中

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    5人の作家による恋愛アンソロジー

    奥田英朗 「あなたが大好き」
    窪美澄 「銀紙色のアンタレス」
    荻原浩 「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」
    原田マハ 「ドライビング・ミス・アンジー」
    中江有里 「シャンプー」
    の5編が収録されています。

    窪美澄さんの作品を楽しみにしていましたが2016/10/17に刊行された「すみなれたからだで」に収録されていた物で少し残念でしたが、それでも再び読み返したらやっぱり好きだなと感じました。
    16歳の男女のすれ違う繊細な恋心にドキドキしたり、おばあちゃんの家や海、龍宮窟の風景が脳内映像に浮かんで来たり、おばあちゃんの作るおにぎりが食べたくなったり、終始無駄

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    2023年02月17日
  • さよなら、そしてこんにちは

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    日常のちょっとした?大ピンチや頑張りを、
    暖かく、面白く描いてます。
    読みやすいので、ストレスフリーで楽しめました。

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    2023年02月08日
  • 金魚姫

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    リュウがどんどん可愛く感じてくる。彼女が主人公のところにくるまでが描かれてあっという間に読んでしまった。

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    2023年02月06日
  • ワンダーランド急行

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    ネタバレ

     初出は日経新聞紙上での連載であり、単行本も日本経済新聞出版から刊行された、荻原浩さんの新刊である。カバーには、マスクを着用した会社員が描かれている。漠然と、コロナ禍がテーマなのかと想像し、読み始めたのだが…何故、日経???

     平日の朝、会社に行きたくないと思うことは、誰でもあるだろう。それでも、大多数の勤め人は結局は会社に向かうのだが、40歳の主人公・野崎は、会社と逆方向の電車に乗ってしまう。そして山中を彷徨い、街に戻ってみると…。

     コロナ禍のはずが、誰もマスクなど着けていない。むしろ気味悪がられる野崎。そして彼も徐々に気づく。ここは彼が元いた世界ではないことを。一言で言ってしまえば、

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    2025年02月13日
  • メリーゴーランド

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    サラリーマンをやめ、東京から小さな田園都市にUターン就職して市役所の職員になった啓一。赤字経営のテーマパーク「アテネ村」の再建をする部署に配属され、周囲のぬるま湯のような仕事ぶりにうんざりしながら、腹をくくって仲間を増やし、知恵をしぼり、次第に仕事に没頭していく。
    仕事だけでなく、家庭での妻や子どもたちとの場面もたくさん出てくるのが等身大の30代の男性という感じでよかった。このままじゃいけない、何かを変えたいという思いと、息子に恥じない父親でありたいという気持ちは、がんばる原動力になるのだな。
    クスッと笑えたり、ちょっと悲哀を感じたりする物語。

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    2023年01月30日
  • ストロベリーライフ

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    親父が倒れた。あまり興味がない実家の農業。
    不平不満だらけの姉3人にかこまれた末っ子の恵介は、親父が退院するまで、実家の農業をなんとかしなければならない。
    うまくいってない本業のフリーのグラフィックデザイナーの仕事。田舎暮らしを嫌がる妻との関係。
    最後は、さすがの萩原浩ワールドで、暖かでホッコリとしたエンディング、さすがです。

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    2023年01月02日
  • 幸せになる百通りの方法

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    どの話しも少し毒がふくまれた短編集。
    ブラックとはいかないまでも、軽い皮肉がこちらに問いかけて来る様でザワっとした。後味は全然悪くなく自分にもこういった経験があったかなあと、思うところもいくつか。

    詐欺の片棒を担ぐ話でしたが、話の最後は痛快で笑ってしまった。



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    2022年12月26日
  • さよならバースディ

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    バースディが愛おしく
    タイトルから別れることになるとは思ったが
    どういう事になるのかなかなか見えず
    後半は一気に読んでしまった。
    ゆきの想いがまこに伝わってよかったが
    とても悲しかった。

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    2022年12月24日
  • 砂の王国(下)

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     教祖仲村は山崎に告白した時の反応が違っていたら、彼を追い詰める選択はしなかったんだろうか。結局山崎がホームレスであろうと成功していようと他者を信じられない性格だったからこその結果であるとも言える。読書中からずっと救いのない話だった。
     同じ千円でもホームレスと金持ちでは金額の重みが違うように、お金の価値は払う人間が決めている。値段があってないような芸術作品と新興宗教の教祖が作った焼き物とでは、その価値にどれほどの違いがあるのだろうか。買い手が欲しいのは物体そのものではなく、満足感と承認欲求であれば他人が糾弾するものではない。まぁ、本書では山崎(木島)が作っていたから問題になったので別の話では

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    2022年12月23日
  • 押入れのちよ

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    「ゲッ!」
    「(๑o̴̶̷̥᷅﹏o̴̶̷̥᷅๑)ウルウル」
    「ヒッ〜!」
    って感じの短編集。
    ホラーなんやけど、そんなに怖くない。

    こんな幽霊なら、話ししても良いかなと思わせる
    「押入れのちよ」
    キョンシーや!と思わせる
    「しんちゃんの自転車」
    いずれも心優しいから、ええんやな。
    「コール」もそう。
    何かええ感じ。

    その他、コメディっぽくはなってるけど、生きてる人の方が怖いって思ってしまう作品などなど。

    そうホラー、ホラーしてないんで、ホラー苦手な人でも読めそう。
    優しい人は、生きてても、亡くなっても同じ何やなぁ…
    そういう風になりたいです!

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    2022年12月18日
  • 極小農園日記【毎日文庫】

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    ネタバレ

    中に収録されたエッセイはもちろん、あとがきも文庫あとがきにかえても荻原節炸裂。
    表紙絵も中にある挿絵も、著者本人の手によるもの。
    荻原浩100%。

    タイトル通り、一番生き生き書かれているのが家庭菜園の顚末。
    我が家のベランダ菜園など足元にも及ばないくらいの手間と愛情をかけて、それでも思ったように育たない野菜たちに翻弄されながら、毎年毎年試行錯誤を重ねる姿に頭が下がる。

    そして、コピーライター出身だからなのか、もって生まれた才能かはわからないが、比喩と擬人化がとてもうまい。
    勉強になるわぁ。

    終始ニヤニヤ笑いながら読んでいたのではないかと思うけど、時々ぷっと噴いてしまう。
    人前で読むにはお

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    2022年12月04日
  • コールドゲーム

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    中学生の時、何度も何度も繰り返し読んだ。
    私がこういうジャンルが好きになったのはここからな気がします。

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    2022年11月26日
  • 二千七百の夏と冬 : 上

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    現在と縄文時代を行ったり来たりでお話が進みます。
    最初はちょっと読みにくそうな本かなと思いましたが、話が進むうちに引き込まれていきました。
    現代で見つかった二体のミイラの出会いのお話です。

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    2022年11月21日
  • ひまわり事件

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    隣接する老人ホームと幼稚園。そこの老人と園児のほっこり交流する話。では終わらなかった。
    なんつっても「ひまわり事件」だもんな。笑える場面もあれば、切ない場面もあり最後まで楽しく読めました。

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    2022年11月14日
  • 砂の王国(下)

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    宗教団体を立ち上げ、順調に会員を増やす木津。

    下巻では拡大する団体、軋む人間関係、教祖ナカムラの招待などが明らかになる。

    最後はちょっと意外な終わり方かな。

    面白い小説であることは間違いなかった。

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    2022年11月13日
  • それでも空は青い

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    特に印象に残った物語。

    スピードキング

    野球部の仲間。
    プロ野球。メジャー。独立リーグ。
    就職後の会社での野球。子どもとの野球。



    人生はパイナップル

    台湾。
    日本。
    高校野球。

    パイナップル。
    手榴弾。


    いろいろ考えさせられて、胸が熱くなって、ちょっぴりあったかい気持ちになって、ため息がもれてしまう。

    そんな短編集。

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    2022年11月05日
  • あの日にドライブ

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    ネタバレ

    あの日に戻ってやり直したら…
    あの日の自分に伝えられたら…
    と考えても仕方ないことをよく考える

    過去の積み重ねで今の自分があって、
    決して今が不幸せなわけではないけれど、
    違う道に進んでいたらよかったのかもと
    思うことがよくある

    この本は、最初からずっと暗くジメジメした感じで過去を振り返り続けている主人公が
    最後の最後までたいして変わることもないのだが、
    それでも本人なりに満足度がアップして話が終了

    面白かった

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    2022年11月02日