荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
正直、読み始めは、堕落した中年男性のだらしない日常の話か…となかなか読み進められず失敗したか、と思った。
しかし1/3を読み終えたくらいからどんどん面白くなり読み止められなくなった。主人公の牧村の妄想はぶっ飛んでいるけど続きが気になった。
妄想や現実逃避ばかりをする主人公はとてもリアルで人間らしく、共感できる部分も多かった。
この物語を読んで、今までの人生のたらればは誰にでも沢山あると思うが、変えようのない「今」が一番大切で、その「今」はこれまで積み上げてきたたらればばかりの過去があるからこそのものだということを実感した。
「今」をどう生きるか、どう楽しむかが重要だ。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ民俗学専攻の大学准教授・布目と、その助手のアルバイト学生・真矢。性格など正反対なようで実は息の合った二人が繰り広げる”もののけ”珍道中。
座敷わらしに河童に天狗。
そんなの単なる迷信でしょ、今どきそんなのいる訳ないじゃん、とスルーしたくなる”もののけ”を探し出して撮影する、意外とハードなフィールドワーク。
古来から日本に言い伝えられている数々の伝承。
その摩訶不思議な存在や言い伝えなど、聞いてるだけで背筋がゾクッとしそうだけれど、それらをコメディタッチに描いてあるので読みやすい。
そして調査する二人の軽快なやり取りも微笑ましかった。
「妖怪の正体を知ることは、この国の正体を知ることでもある -
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Posted by ブクログ
ネタバレやっぱり荻原浩は面白い.解説の「取り戻せない喪失を抱えた人々が未来へ向かう物語」というのがまさにぴったりの,ノスタルジックな香りのする珠玉の短編集.
「トンネル鏡」 五十路になる前に会社をやめて故郷に帰る男が,車窓を眺めながら母親にまつわる思い出を軸に今までの来し方を回想する話.
「上海租界の魔術師」 家に転がり込んできた上海でマジシャンをしていた祖父との思い出.魔術師の弟子となった孫娘は,祖父の通夜でとっておきの魔術を披露する.
「レシピ」 夫の定年退職の日に,夕食の料理をしながら夫の帰宅を待つ妻.古いレシピノートを見ながらそこに書かれているレシピにまつわる出来事を回想する.最後に荻原さ