荻原浩のレビュー一覧
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ネタバレ初めて私怨や復讐以外のシンプル変態犯罪者の犯人が出てくる小説を読んだ。ページ数は多かったが、会話のテンポがよく読んでてストレスは
無かったかな。星5の理由はそうはならないだろ
ってツッコみたくなるところが無かった所と主人公のオッサン刑事の元に渋谷のギャルが集まって話をする所。ああいうギャルとかが名島さんのアシストでみんな協力して場がまとまっていく感じが
熱くて好き。なんかみんなカッコよく見えてくる。
話自体は全部腑に落ちるし、
全部理解できる。のに最後まで犯人が
分かんないって所が面白かった。
最後の一行が衝撃って書いてあったけど、
これは本当に衝撃。鳥肌たった。
「キモサブ」ってお前かよ…。 -
Posted by ブクログ
小樹海と呼ばれる神森で5歳の子供が行方不明になる。自閉症スペクトラム障害と診断された男の子だという。だが1週間後に無事に保護された。その間子供はどうしていたのか。
悩みを抱えた人たちが迷い込む自殺の名所か、今どき流行りのソロキャンプに最適な場所か、表には出せないいわく付きの金を巡る争いの末に逃げ込むところか。次々起こる事件を追っていると森というのは本当に人の姿だけでなく、心も包み込んでしまうような場所なのだなぁと思わされた。そしてそこで何が起こったのかを解きほぐしていくストーリーは、樹海の中を彷徨うようなところから、少しずつ道が見えてくる感じ。それは物理的な道だけでなく、心の中の迷いを解き明かしていくような道だったりしたのかもと感じた。
何で無事に戻ることができたのか、それは森の中に入って来た者たちが、森の力によってなすべき事を知らされたからなのだろう。それは人間だけでなく全ての生き物において。
久しぶりに読む荻原浩氏のサービス精神溢れる物語展開は、これまで以上に優しさに溢れている感じがあり、450ページの長編を読み終えた時に本当に満たされた気持ちになった。
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ネタバレ「ぼっち飯」と聞いてイメージするのは、寂しい、侘しい、簡素、質素、チープ……と、負のオーラ全開だった。でも、そうじゃなかった。ぼっち飯には、もっと多くの形がある。
『ふたご食堂のフォーチュンクッキー』『ぼうべらのおべんげ』からは、食を提供する人と食べる人、そしてそれを見る人との間に、食を通して生まれる連帯感が感じられた。ぼっち飯=孤食ではないのだ。そういう意味では、『最高の孤食の作り方』にも同じことを感じた。食にこだわるようになり、ご飯を炊く土鍋や味噌などを探し求めるうちに、そこで出会う人たちとの間に深い絆が生まれてゆく。
そして、ぼっち飯のシチュエーションとして盲点だったのが、ひとり旅だ。『忘れじの辛口』『ふらっと三陸鉄道の旅』での食事は紛れもなくひとりだが、普段口にしない味に発見があったり、喜びがあったりする。また、食べるものが違っても、見知らぬ人と食を通して交流が生まれる。『一人飯の事情』では、高校生が学校で食べるお弁当をめぐる物語だが、こちらも同じだった。
このアンソロジーから、ぼっち飯の奥深さを学んだ。印象的だったのは、三浦しをんさんの描くぼっち飯が、なんだか楽しそうだったこと。そして、やはり久住さんの食に関する洞察力は恐るべし、ということだ。店の雰囲気も食事の味も、まさに『孤独のグルメ』よろしく伝わってきた。 -
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過去を懐かしみながらも
自分の犯した罪と向き合いつづけ
ただ終わりを待つだけの日々も
今は小さすぎるその声が
力が無力に見えるような時でさえも
深い悲しみに
生きる力が尽きてしまいそうな
長すぎる歳月の中でさえも
心を閉じすべてを諦めるのではなく
ほんの少しの一歩踏み出せば
その先には確かに今とは違う明日が続いている
暗くて出口の見えないトンネルから
温かな光が射す青空のもとへ
抜け出すことができる
私も これからの人生を
諦めず
ほんの少しでもいいから
昨日よりも前に一歩
今日よりさらにもう少し一歩と進み続け
光を探し求めながら
日々を生きていきたいと感じました。
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香水の新作ブランド、ミリエルの宣伝プロジェクトとして渋谷の女子高生の間にある噂が広められる。
『レインマンが出没して女の子の足首を切っちゃうけど、ミリエルをつけていると狙われないんだって』
企画会社が女子高生モニターを雇って流した創作の噂だったはずだが、実際に足首を切断された女子高生の遺体が発見される。
2000年代の渋谷が舞台で、コギャルやiモード、チェーンメールなど懐かしいものも多いけど、話の内容は古臭くなくむしろ面白い。
事件を捜査する刑事の小暮には女子高生の娘がいて、“今どき”の女子高生の感覚とのギャップがあったり助言をもらったりの凸凹感がいい。
また小暮の相棒となる本庁の女性警部補、名島とも子持ちシングルという共通点がありながら、着眼点や関係者へのアプローチの仕方に差があってこちらの凸凹感もいい。
SNSがなかった時代に噂話という口コミ戦略でマーケティングを図る企画会社社長の杖村、その企画会社を利用しながらも見下している広告代理店の加藤と西崎、大人を小馬鹿にする女子高生たち。
20年前の作品ながら今と通ずる部分も多く、情報戦略の便利さと危うさがリアルに感じられた。
そして一件落着と思いきや、最後の一言で心臓を握りつぶされる衝撃…!! -
Posted by ブクログ
表題作を含む6作の短編集
・海の見える理髪店
海の見える辺鄙な所にある理髪店
その理髪店を訪れた客である「僕」に、店主は髪を切りながら自らの過去を語り始める
昔やっていた店には大物俳優や政財界の名士が訪れてきたというが、今は何故こんなところで営業しているのか?
「僕」がわざわざ訪れた理由とは?
やはり表題作だけあって面白いし、人情味に溢れている
特に、店主が最後に髪を整えるところがいい
果たして、その行為は職人の気持ちだけではなかっただろうと容易に想像できるような余韻
・いつか来た道
中学の美術教師で画家だった母
そんな母のいる実家に、弟の充の説得もあり十六年ぶりに帰った娘の杏子
かつては英才教育で厳しく育てられたが、それは母が娘に自分の夢を託したかったから
しかし、実家にいたのは認知症になった母
帰ってこなければよかったと後悔するが、自分の知らなかった母の心情を知ることになる
認知症になった身内に対する話は他の作家さんでも読んだ事あるけど
昔はあんなに厳しかったのにというギャップが、自分の中の蟠りと相まって複雑な感情を覚えるのは想像しやすい
でも、認知症になったからこそ、昔は内に抑えていた感情が零れ出ることで真意を知るというのはどうなんですかね
だったら昔にそうしてくれよとも思ってしまうかも
・過去から来た手紙
仕事優先な夫と何かと煩わしい義母に反発し、娘を連れて実家に帰ってきた祥子
農家の実家には弟夫婦が同居していて、居心地が良いわけではない
夫はすぐに迎えに来るでもなく、やはり仕事優先
そんな不満を募らせる祥子に見知らぬアドレスからメールが届く
そのメールは夫からと思っていたが、実は……
ファンタジーですねぇ
でも、子供や家族とは会えない状況で自分の責務を果たさなければいけないというのは中々に辛いだろうなぁ
・空は今日もスカイ
親の離婚で見知らぬ街に引っ越してきた小学三年生の佐藤茜
街の住人に受け入れられず、友達もいない茜は家出し、とりあえず海を目指す
その途中で虐待されていると思われる少年 森島陽太と出会う
二人で海を目指すが……
やはり虐待されている子が出てくる物語は読んでいて辛い……
そんな二人の前に現れた人物も、社会からは切り離された存在なわけで
まぁ、何ともなかったからよかったけど
この後、二人ともう一人はどうなったのでしょうね?
・時のない時計
二か月前に亡くなった父の形見として母から機械式時計を受け取り、時計屋に修理のために持ち込んだ事から思い出す父の姿
謹厳実直で真面目な父という認識だったが、実は見栄っ張りなところや派手さもあったというギャップ
そして、時計が実は……
子供の頃の父の思い出と、時計を大人になってから受け取って知る事実
昭和の親父像としては、普段は無口で頑固という印象を抱きがち
作中の父は経理担当で地味な印象を持っていたけど、意外とそうでもない面もあったとか
しかもそれがさらに違ってたというコロコロ変わる展開がよかった
・成人式
15歳で事故で亡くなった娘宛てに届いた成人式の着物の広告
そんな娘に代わり、両親が成人式に替え玉として出ようとする話
親世代が振袖とか、どれだけ若作りしても普通にバレバレでしょうに
それでも夫婦ともども娘のカタキをとるように奮闘する姿は滑稽でありながら愛を感じる
全ての話の共通点としては「家族」でしょうか
そして、以前は見えなかった側面が見えてくるところ
話の内容もさることながら、文章が落ち着いていて読みやすかったという印象
直木賞の受賞作という事だけど
こんな傾向の作品でも受賞するのですね
まぁ、一番最初にノミネートされてから何度も逃した末の受賞のようだけど
人によっては面白さが伝わらないかもね
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直木賞受賞作 待望の文庫化!
人生に訪れる喪失と、ささやかな希望の光── 心に染みる儚く愛おしい家族の小説集。
店主の腕に惚れて、有名俳優や政財界の大物が通いつめたという伝説の理髪店。僕はある想いを胸に、予約をいれて海辺の店を訪れるが……「海の見える理髪店」。独自の美意識を押し付ける画家の母から逃れて十六年。弟に促され実家に戻った私が見た母は……「いつか来た道」。人生に訪れる喪失と向き合い、希望を見出す人々を描く全6編。父と息子、母と娘など、儚く愛おしい家族小説集。直木賞受賞作。
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Posted by ブクログ
さいっこうに面白かった。
結構な厚さの単行本なので、日曜に読み始めたものの、結構な厚さなのでこれは月曜からこの結構な厚さの単行本と同伴出勤か、と、思ってたのに、日曜に一気読みよ…。
めちゃくちゃ面白かった。これはまた…全力でおすすめしたい本やなあ。
ページをめくる手が止まらんかったもん。
著者はイチゴ農家の話を最初に読んだもので、どうしても人生やりなおしほのぼの小説の印象があるけど、ちゃうよな。
わりと、こっちの雰囲気のほうが強そう。
この小説をひとくちで言うなら何やろう。
とにかく面白いので、わたしが今書いているこの文章よりもこの本を読んでくれと言いたいくらいやけど(何やねん)
作中にシンクロするとか、気持ちがこたえるとか、情況のグラデーションに目を奪われるとか、そんなんちゃうねん。
そんな、抽象的なことちゃうねん。
ひたすら、たくましい本。
でもって、せやなあ、エンターテインメントやな。
展開が気になって本を置けない。休日に一気読みしたわたし、グッジョブ。
他がどうとかではなく、これぞ小説、て感じやな。