荻原浩のレビュー一覧

  • ひまわり事件
    理事長を同じくする2つの施設。老人ホーム“ひまわり苑”と“ひまわり幼稚園”は隣り合って建っている。ひまわり苑の所長は理事長の義弟、ひまわり幼稚園の園長は理事長の娘。県会議員選挙に出馬予定の理事長は、自らのイメージアップに必死。老人と幼児の交流を図ろうと、苑と園の間の壁を取り払うのだが……。

    幼稚園...続きを読む
  • なかよし小鳩組
    倒産寸前の零細広告代理店に、嘘のような大仕事の話が舞い込みます。社長が小躍りしている姿は、たいてい不吉な前ぶれ。「ヤクザだったりして~♪」と相手のオフィスへ行ってみれば、これがほんとにヤクザで……というお話。主人公のバツイチでアル中のコピーライターが実に情けなく、だらしなく、だけど熱くて、ヤクザとの...続きを読む
  • 花のさくら通り
    分厚かったけど、結構一気に読めた。
    やっぱり面白いなあ。初々しい二人も、老人たちに立ち向かおうとする人達も、早苗父娘も、みんな愛おしくて応援したくなる。みんなが幸せになりますように。
    さて、前作も読んでみよう。
  • 僕たちの戦争 <新装版>
    2001年9月12日、サーフィンをしていた少年尾島健太は大きな波にのまれてしまう。
    目を覚ますとそこは1944年の日本で?

    一方、1944年9月12日に飛行練習をしていた、同じく19歳の石庭飛行兵長は飛行機のコントロールを失い、気づくと2001年の病院に居て…。

    そっくりな容姿により、入れ替わっ...続きを読む
  • なかよし小鳩組
    ユニバーサル広告社シリーズ第2段。ヤクザの小鳩組のイメージアップを図ること担ったコピーライターの杉山は何とか断ろうとするものの引き受けざるを得ない状況に陥る。コマーシャルが無理ならばと考えた杉山の秘策とは...。別れた妻の娘の早苗が家に転がり込んできちょっぴり切なさもあるが、笑いどころ満載のストーリ...続きを読む
  • 砂の王国(上)
    【異色のサクセスストーリー】
    ホームレスから新興宗教ビジネスマンへ。前半のホームレス生活はかなりリアルに書かれていて面白いが、思ったより少々長い。
  • 花のさくら通り
    ユニバーサル広告社シリーズ三作目です。
    今回は多様な登場人物の群像劇としての側面もあり実に読み応えがありました。
    結末も含め三部作では一番好きです。
  • 花のさくら通り
    ユニバーサル広告社シリーズ第3段。
    閑古鳥が鳴いているさくら通り商店街の活性化に立ち上がる。
    お祭りのチラシから始まり最終的には商店街のCM作成まで、一癖も二癖もある商店街の面々と杉山とのやりとりが面白い。
    所々で社長、猪熊、村瀬が良い味出してくれています。
    最後は本内容とは関係ない1作目から続いて...続きを読む
  • ちょいな人々
    どこにでもいそうな「ちょっと残念」な「ちょいな人々」をテーマにした短編集

    うん、いるいる!って感じでクスッと笑えます
    単純に楽しめる1冊
  • 花のさくら通り
    ユニバーサル広告社シリーズ3作目
    突然事務所を移転したユニバーサル、転居先は桜通り商店街の和菓子屋の二階。
    和菓子屋二代目で、妻・尚子を病気で亡くした守との関係を通じてシャッター通りになりつつある商店街の活性化に取り組む。
    行覚寺の跡取り・光照と教会の娘・初音の恋は光照の修行の為三年間の空白に・・
    ...続きを読む
  • 花のさくら通り
    零細広告会社「ユニバーサル広告社」シリーズ第3弾。いよいよ都心のオフィスの家賃払いが厳しくなり、郊外のうらびれたとある商店街へ都落ち。新オフィスの入るビルは「ヒル・フォレストビル」。実は和菓子屋の2階。とうに桜の散った梅雨時期の行われる「さくら祭り」のチラシを請け負ったことからシャッター通り商店街と...続きを読む
  • 僕たちの戦争 <新装版>
    2001年9月12日、
    ニートでサーフィン中の健太が、大波に呑まれ。
    1944年9月12日、
    海軍で飛行訓練中の吾一が、海上に、墜落。
    お互い、目が覚めた時、
    そっくりな二人は 入れ替わっていてーーー。
    欲張り放題、
    自分の幸せのためだけに生きる現代を、軍国少年・吾一は、嘆く。
    死ぬために生きる、命...続きを読む
  • 砂の王国(上)
    上下巻読みました!読み始めたらマッハでした。
    大型ネコ科動物ナカムラが私の中では可愛くて仕方がなかったのだが、木島の手の中から出て行くにつれ、なんだか寂しく感じた。仲村が過去話を暴露してからは、夢から覚めたようにいろいろと醒めてしまった。どうやら、思っていた以上に木島に感情移入していたらしい。
    リア...続きを読む
  • 花のさくら通り
    荻原節全開〜!あまりにも久しぶりすぎてユニバーサル広告社なんてすっかり忘れてた。それでも読み進むうちに記憶はよみがえる。懐かしくて、今回も楽しくて、ページが進むのがもったいないくらい。あの頃、荻原さんを知って、文庫で出ている本を一気に全部読んだ。あれから10年以上過ぎて、こんな本が出ていたなんて知ら...続きを読む
  • 愛しの座敷わらし
    この作家さんの書く世界、ホント好きです。
    その世界に流れる空気や、夏の日差しの暑さまで伝わってくるようです。

    文章に温かさとか優しさが含まれていて、自然と笑顔になっちゃいます。

    座敷わらしを通じて、家族再生の様子が描かれているのですが、その再生される様がとても自然でさりげなくて、いつの...続きを読む
  • 誰にも書ける一冊の本
    自分、こういう、父から子へっていう話に弱いんだなってことに気付かされた。

    原稿の中の父と原稿を読む子の人生が重なり合うような重なり合わないような、付かず離れずな空気感からこの親子のいままでの関わり方を感じた。

    家族のことはよく知っているようで、本当は何も知らないのかもしれないと思った。

    短いな...続きを読む
  • 砂の王国(下)

    力作

    文庫上下巻の力作。
    インチキ宗教の立ち上げと、そこからの脱落の凄まじいお話しです。
    カリスマ教祖に会ってみたい!
  • 砂の王国(上)
     当初の路上生活のあたりが妙に生々しく,その後のなりあがりも気持ちの良い作品です。
     ただ,下巻を読んだ後に上巻に戻ると何とも言えない空しさを感じてしまいます。
  • なかよし小鳩組
    主人公の杉山だけでなく、出てくる人物が曲者揃いだが、可愛いところがあったり、一生懸命だったり、でもやっぱりヤクザはヤクザだったり。人間味があってよかった。元気の出る小説。
    小鳩組の面々が、いい人過ぎないのがよかった。
  • 千年樹
    この人は最早、泣かせという点で浅田次郎を越えてしまったような気がする。本作では涙腺が緩みっぱなしだった。いじめや老人など現代の問題と、古い時代の生き様とを対比させているところも秀逸。普通の人びとが主人公であるところも感情移入しやすいと思う。