荻原浩のレビュー一覧

  • コールドゲーム

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    ネタバレ

    「学生時代のいじめ」をめぐるミステリー。
    いじめは悪であり今回の復讐は因果応報だと考えるけど、それでもやっぱり復讐からはなにも生まれない。
    いじめに直接加担していなくても、止められる立場にいたのに止めなかったことを悔いている主人公。その主人公を許すことができなかった彼。
    一番つらい思いをしたのが誰かなんて決めることができない、モヤモヤとした思いの残る作品。

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    2020年11月25日
  • 海馬の尻尾

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    いつの間にか、主人公と少女の人間関係に引き込まれてしまった。珍しく乱暴な表現が多い作品だったが、読み返すと、少女の達振る舞いや言動が荻原作品らしさを出していたのかなぁ…

    主人公と同じ病気を持っている者として言えば、今後、主人公には幸せになって欲しい。終わりのない病気との闘いを続けながら…

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    2020年11月13日
  • 砂の王国(下)

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    ネタバレ

    新興宗教を立ち上げ信者も増加。
    自分がプロデュースした浮浪者も徐々にやる気になっていた矢先にトラブル。
    3人で立ち上げたのだから協力していけばそこまでにはならなかったし、自分の信念だけを貫いて他2人を信用、、失敗を許せなかった…。
    から舵をとれなくなったのかな??

    肥大していく大地の会を壊すのか、それともまた浮浪者に戻るのか…。続編はなさそうだけど、でも山崎の活躍がまた読みたい。

    下巻は続きが早く知りたくて飛ばしながら読んだのでまた再読してじっくり読みたい。

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    2020年11月02日
  • オロロ畑でつかまえて

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    マンガ(って読まないから違うかもだけど)みたいな、純粋なお人好し達のドタバタ感が楽しかった。
    生まれてからずっと一緒の仲間はまるで家族のようで、村をなんとかしたいんだ!って気持ちが良かった。

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    2020年10月02日
  • 海馬の尻尾

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    2020.09.04~09.09
    本当に荻原浩の作品?と思うような暴力から始まる物語。
    でも、最後は心温まるシーンがあり、やっぱり、彼の作品なんだと思う。
    良心とは?恐怖とは?女医のセリフが核心をついている。
    そして、女の子の無邪気さが、あどけなさが色を添えている。

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    2020年09月13日
  • 海馬の尻尾

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    脳の一部が働いていないので恐怖感がないらしい。他者への共感がないので思いやることができないらしい。数値による判断を基に薬や様々なプログラムで改善しようとする、と書くととっても良いことに見える。でもその実態は……
    人の心は科学では測り切れないんだよ、こん畜生め! てな気分になってしまった。
    らいや どうか無事で、りほ の所へきっと帰ってね

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    2020年08月23日
  • 金魚姫

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    荻原さんの作品にはハズレがないんだけど、これは一番好きな作品になりそうです。ユーモア溢れるファンタジーではありますが本当に最後しみじみとさせられます。

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    2020年07月21日
  • 月の上の観覧車

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    レビューを見ると40代以降にオススメとみんな書いてるけど、もっといろんな人に読んでもらいたい。

    本のテーマは過去。色んなところで選択を間違え、少しずつズレていって、昔思い描いたモノとは違う現在の自分の姿。長い年月と共に積み重なった間違いは相当の重みがあって、気づいたところでそう簡単に戻ることができない。けれども、そんな過去にも救いはある。辛い過去だからといって蓋をするのではなく、過去に向き合って受け入れて前に進んでいく方がいいなって思った。

    確かにある程度歳を重ねていくとまた違ったことを感じるのかもしれない。けれども若い人でもこの本を読んで両親とか身近な大人の人生はどんなだろうかと考えるこ

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    2020年07月20日
  • 噂

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    最後の最後

    正直なところ中盤にはレインマンが誰なのか分かった。と言うか意図的に気付き易い作りにしてあるような印象を受けた。

    結局噂に殺されたのは噂を利用した本人だけと言うのも皮肉が効いてて面白い。
    最後のオチも。

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    2020年07月16日
  • 砂の王国(下)

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    一気に読んでしまった下巻。

    カルト系がもう恐ろしさというのが最後の最後で一気に出てきた。
    自分がコントロールしていたと思っていた者が自分の意に反して動き始め、彼の考えていることが分からなくなる。全てを完璧に進めようとするあまりに自分一人で抱え込んでしまい、余裕がなくなってしまい、それが結果的なボロとなって出てくる。

    読みながら、他者を程よく信頼していく必要性も感じたし、自分一人で抱え込むことの愚かさもよく分かった。


    結局社会への復習を彼が果たせたかどうかは分からないが、物語がこれから先も続きそう。

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    2020年07月05日
  • 砂の王国(上)

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    久々に読んだ小説。

    ホームレスにまで転落した1人の証券マンが社会への復習として宗教ビジネスを始める物語。

    ホームレスの辛さがとても伝わってくる描写と、主人公の抱えている歪さが垣間見えるようなものになっている。

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    2020年07月05日
  • ストロベリーライフ

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    ネタバレ

    父親の病気からイチゴ農家を手伝うことになった東京に住むフリーのグラフィックデザイナー。
    段々と農業にのめり込んでゆく。妻と息子は別別に暮らしながら、ただイチゴ狩りのお客様の「おいしい」のことば、たのしい笑顔を見るために・・・
    そして開園日に訪れた、妻の言葉「大切なのはどこに住むかじゃなくて」、「誰と一緒にいるかだ」
    どんな一等地に暮らそうが、どんな大邸宅に住もうが、幸せでなければ、そこは不幸な場所だ」
    「やっぱり一緒に住もう。家族だから一緒にいよう。」
    荻原浩氏の展開はいつも、こちら側をほっこりさせてくれる。
    あとがきの「おいしいイチゴの見分け方」も参考になる。

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    2020年06月17日
  • 金魚姫

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    何度でも読み返したくなります

    以前図書館で借りて、荻原作品に目覚めるきっかけとなった本です。金魚の化身のリュウは、凄絶な美しさから庇護欲をそそる愛らしさまで備えたとても魅力的な存在です。憎い男の血を絶やすためだけにずっと生きてきたのに、好きになってしまった主人公には手を下せず、金魚として人生を終える固い決心に涙せずにはいられません。

    #深い #胸キュン #切ない

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    2021年07月24日
  • さよならバースディ

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    ネタバレ

    よかった。ミステリーなんだけど、読みおわったら、愛のはなしだったな。って。後半からは一気読み。
    ユキの死後、ユキの思いがマコに伝わって、涙した。
    そのトリックの発想もすごい。

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    2020年02月26日
  • 四度目の氷河期

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    タイトルと「クロマニヨン人」ってのはアレだけど、今まで読んできた荻原浩(10作品ほどだけど)の中では一番好きかも。
    やっぱ、個性的な子供が成長していく過程の話ってのはいいなあ。

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    2019年08月26日
  • 二千七百の夏と冬 : 下

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    著者の今までとは、かなりテイストの違う作品だったが、とても楽しく読めた。
    最初は、誰が誰なのかよく分からなかったが、ラストに向かって登場人物もシンプルになり、終わってしまうのが惜しくなる作品だった。

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    2019年07月05日
  • 押入れのちよ

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    ネタバレ

    ・お母さまのロシアのスープ ★★★★
    料理の描写が◎。料理が好きなので作りたくなった。
    お金がなく障害児を抱えてたら、売春って選択をするよな〜と。
    温かい家庭の雰囲気と、その中で行われるダークな売春の対比も◎。

    ・コール ★★★★★
    恋愛物は嫌いやけど良かった。
    三角関係ってゆーベタな内容やったけど、お墓でのデコピンのくだりが◎。

    ・押入れのちよ ★★★★★
    むっちゃ良かったー!
    ちよみたいな怖くない幽霊やったら一緒に住みたい。
    結末は予測通りやけど、消えてなくならんくて良かった!
    心があったかくなるお話。


    ・老猫 ★★★★
    猫は大好きなのに、この猫は怖かった。
    ゾクゾクした〜

    ・殺

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    2019年06月03日
  • 花のさくら通り

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    ネタバレ

    42

    相変わらず面白い!!!
    ユニバーサル広告社の中で私はこの話が一番好き。読んでてすっきりするし、一致団結していく姿、長老たちに立ち向かう姿、みんなで知恵を絞ってシャッター商店街を活性化しようと努力する姿が大好きだから!
    魅力溢れるキャラクターばかりでとてもいい。
    ユニバーサル広告社のみんなはもちろん、商店街の人たちのくせのあるキャラもだいすき。

    杉山の下の名前初めて知った笑

    早苗との手紙のやり取り、杉山の早苗への愛が溢れててそれを見るたび感動する。
    地の文すら面白い。
    分厚かったけど夢中で読んだ!

    昔ながらのよくわからない伝統を言い張り、新参者は追い出して新しいものを徹底的に排除す

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    2019年06月01日
  • 砂の王国(下)

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    再読なのに終わりをすっかり忘れていた。そうだった。恐怖の始まりとともに、この作品の面白さはピークを迎えるのだった。
    どこで間違えてしまったんだろう。そのリフレインは今のわたしに深く響く。やはり最高傑作だ。

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    2019年06月01日
  • 二千七百の夏と冬 : 下

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    縄文人の少年ウルクの、優しくて切ない、まっすぐな物語。

    美味しいものを食べたい。平和に暮らしたい。好きな人と一緒に生きていたい。ウルクの望みは本当にシンプルで、胸にジーンと響く。

    時代の転換点は未来へ向かう明るいイメージを持っていたけれど、それだけじゃないと気付かされました。

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    2019年04月09日