荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ今まで読んだ連作短編小説の中で一番面白かった。
いきなり平安時代の話から始まるので、間違って時代小説を買ってしまったのかと思ってしまった。
全8話からなるそれぞれの話は、テーマや登場人物が共通する2つの時間軸が同時並行する形で進められる。過去と未来を行ったり来たりしながら話が進むのであるが、テーマや登場人物がリンクしているだけでなく、そこに必ず「大きなくすの木」が介在すると言っていいのか、大きな役割を果たすことで全体として一つの作品に仕上がってる感じが好きです。
個人的に気に入ったのは第2話の「瓶詰の約束」
くすの木をご神木とする日方神社の神主さんが経営する幼稚園の先生が園児のためにタイムカ -
Posted by ブクログ
あらすじを読んで「入れ替わりネタか、よくある話かな…戦争関係の話は重いし暗いからちょっと気が進まないな」と思ったのですが、読み進めるとさすが荻原さんといったところ。
たしかに重くて暗い部分もありますが、その中での幸せやおもしろさを心地よく散りばめてくれて、「つらいから読みたくないな」という気持ちにはなりませんでした。
むしろ、これからどうなってしまうのか、続きが気になって止まりません。
荻原さんは、自分が経験されたわけではないのに、対象のもの、雰囲気をリアルに描写されるのが本当に上手なので、戦争、サーフィンを経験したことのない自分も、まるでその場にいるような臨場感を味わえます。
他の方の -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻は熊との対決が圧巻だった。
そして下巻は打って変わって、ウルクと異世界の話。
ウルクと彼女の結末は分かっていたけれども、応援せずにはいられなかった。
最後の終わり方がすごすぎて、この感想を書かずにいられなかった。
他の著者なら、令和のヒロインで終わっていたと思う。そこをウルクたちで終わらせていたのもよかった。それでも命は続くというか。日本人はそれでも生きているというか。
東日本大震災の後の物語という印象。そしてコロナ以前。震災が遠い昔の出来事に思えてしまった。この物語は、コロナ前に読むべきだった。
もともと大好きな著者だったけれど、ますます好きになった。政治思想も共感できたし。
これ -
Posted by ブクログ
すべての働く人必見!最高の公務員物語 - 荻原浩「メリーゴーランド」★★★★★
おもしろい。ちょーおもしろい。「アテネ村」を運営している役員たちの事なかれ前例主義が誇張されまくりで小説なのに東京03のコントのようです。そんなコントな敵に対して、なんらふつーの公務員が挑むので痛快です。
出来上がったイベントも爽快で言うことなし!長いエピローグはなんとも皮肉が効いていて、英雄もいなければ粗野な人もいない。結局これが人間なのだとしみじみしてしまう。
ぜひ映像化してほしいな!角田さん出番です!(奥さん役は松たか子さんで話題作りww)
#引用
・椅子は立ち上がるためにある
・ワンバウンドのボールに金玉 -
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Posted by ブクログ
しばらく積読だった。
長編らしい厚みだったし。
題名からは「飛行機が不時着して、どこか南の島に漂流して、サバイバル生活をおくる。そして、、、」
なんていうあらすじがが容易に想像できたし。
読んでみたら、想像通りだった。
だけど、読み進める手が止まらなかった。一気読み。
何故かな?本作は複数人だったからか?
ロビンソンクルーソーもトムハンクスも孤独だった。
無人島では人間性が剥き出しになる。嫌な面、そして会社では分からない素晴らしい面。意外な特技などが役立ち、七人の侍のよう。
サラリーマン社会とは、、命あるものを食料としていただく事とは、、、色々な注目点がこの物語にはある。
実は、ラ -