荻原浩のレビュー一覧

  • 笑う森

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    小樹海と呼ばれる神森で5歳の子供が行方不明になる。自閉症スペクトラム障害と診断された男の子だという。だが1週間後に無事に保護された。その間子供はどうしていたのか。
    悩みを抱えた人たちが迷い込む自殺の名所か、今どき流行りのソロキャンプに最適な場所か、表には出せないいわく付きの金を巡る争いの末に逃げ込むところか。次々起こる事件を追っていると森というのは本当に人の姿だけでなく、心も包み込んでしまうような場所なのだなぁと思わされた。そしてそこで何が起こったのかを解きほぐしていくストーリーは、樹海の中を彷徨うようなところから、少しずつ道が見えてくる感じ。それは物理的な道だけでなく、心の中の迷いを解き明か

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    2026年08月15日
  • 今夜も、ぼっち飯

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    ネタバレ

     「ぼっち飯」と聞いてイメージするのは、寂しい、侘しい、簡素、質素、チープ……と、負のオーラ全開だった。でも、そうじゃなかった。ぼっち飯には、もっと多くの形がある。
     『ふたご食堂のフォーチュンクッキー』『ぼうべらのおべんげ』からは、食を提供する人と食べる人、そしてそれを見る人との間に、食を通して生まれる連帯感が感じられた。ぼっち飯=孤食ではないのだ。そういう意味では、『最高の孤食の作り方』にも同じことを感じた。食にこだわるようになり、ご飯を炊く土鍋や味噌などを探し求めるうちに、そこで出会う人たちとの間に深い絆が生まれてゆく。
     そして、ぼっち飯のシチュエーションとして盲点だったのが、ひとり旅

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    2026年08月15日
  • 海の見える理髪店

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    荻原浩さんの「海の見える理髪店」を読んで

    過去を懐かしみながらも
    自分の犯した罪と向き合いつづけ
    ただ終わりを待つだけの日々も

    今は小さすぎるその声が
    力が無力に見えるような時でさえも

    深い悲しみに
    生きる力が尽きてしまいそうな
    長すぎる歳月の中でさえも


    心を閉じすべてを諦めるのではなく
    ほんの少しの一歩踏み出せば

    その先には確かに今とは違う明日が続いている

    暗くて出口の見えないトンネルから
    温かな光が射す青空のもとへ
    抜け出すことができる


    私も これからの人生を
    諦めず
    ほんの少しでもいいから
    昨日よりも前に一歩
    今日よりさらにもう少し一歩と進み続け

    光を探し求めながら

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    2026年08月10日
  • 海の見える理髪店

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    僕みたいに不義理でへそ曲がりな人間だとなおさらのこと、 こういうのを読んだとき不覚にも涙が出てしまったりする。いかんよけしからんよ。こんなオッサンを泣かせないでおくれよ。6編ともハズレ無し珠玉の短編集だけれど 強いて挙げるならそうねえ「成人式」がいちばん残ったかな。6編 読み終わったら なんか実家に帰ってみたくなった。

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    2026年08月09日
  • 陰謀論百物語

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    陰謀論、百物語、怪しげな蝋燭の炎、表紙を見て夜読むのはやめとこうと思ったくらい「怪奇」を感じた。こういうのはあまり好きじゃないのだ。
    ところが大外れ、冗談とさえ言えるような陰謀論が飛び交い笑ってしまう。作者に嵌められたと思った一作目。
    気楽に読み進めると次々と、一番楽しんどるのは荻原さんかいと遊ばれた感に包まれ、こちらもにんまりの短編集だった。

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    2026年08月09日
  • 神様からひと言

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    お客様相談室に左遷になった主人公
    一癖ある社員の方と関わりながら成長し、仕事とはなんだろうを見つけていく。
    展開はよくあるものかも知れないけれど、読み終わってすかっとする面白さがあった。
    また謝罪のテクニック?
    が書かれていたり、グッとくる文面があったりと
    社会人にと呼ばれる今の年齢でであってよかったと思える本だった

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    2026年08月06日
  • 噂

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    香水の新作ブランド、ミリエルの宣伝プロジェクトとして渋谷の女子高生の間にある噂が広められる。
    『レインマンが出没して女の子の足首を切っちゃうけど、ミリエルをつけていると狙われないんだって』
    企画会社が女子高生モニターを雇って流した創作の噂だったはずだが、実際に足首を切断された女子高生の遺体が発見される。

    2000年代の渋谷が舞台で、コギャルやiモード、チェーンメールなど懐かしいものも多いけど、話の内容は古臭くなくむしろ面白い。
    事件を捜査する刑事の小暮には女子高生の娘がいて、“今どき”の女子高生の感覚とのギャップがあったり助言をもらったりの凸凹感がいい。
    また小暮の相棒となる本庁の女性警部補

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    2026年07月26日
  • 明日の記憶

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    昔観た映画の印象がつよく、渡辺謙は上手かったなと思う。
    いつも慣れた渋谷で迷子になる描写が生々しく、こんな気持ちなのか…と、はらはらしながら読んだ。必死に繋ぎ止めようとするたくさんのメモも、きっと周りの人からはバレてるんだろうなと思いつつも、本人の一生懸命さに、微笑ましくも辛くも思ってしまう。
    変わってゆくことをおおらかに受け止める、そんな社会でありたいと思う。

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    2026年07月26日
  • 海の見える理髪店

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    表題作を含む6作の短編集

    ・海の見える理髪店
    海の見える辺鄙な所にある理髪店
    その理髪店を訪れた客である「僕」に、店主は髪を切りながら自らの過去を語り始める
    昔やっていた店には大物俳優や政財界の名士が訪れてきたというが、今は何故こんなところで営業しているのか?
    「僕」がわざわざ訪れた理由とは?


    やはり表題作だけあって面白いし、人情味に溢れている
    特に、店主が最後に髪を整えるところがいい
    果たして、その行為は職人の気持ちだけではなかっただろうと容易に想像できるような余韻


    ・いつか来た道
    中学の美術教師で画家だった母
    そんな母のいる実家に、弟の充の説得もあり十六年ぶりに帰った娘の杏子

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    2026年07月14日
  • 笑う森

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    さいっこうに面白かった。
    結構な厚さの単行本なので、日曜に読み始めたものの、結構な厚さなのでこれは月曜からこの結構な厚さの単行本と同伴出勤か、と、思ってたのに、日曜に一気読みよ…。

    めちゃくちゃ面白かった。これはまた…全力でおすすめしたい本やなあ。
    ページをめくる手が止まらんかったもん。

    著者はイチゴ農家の話を最初に読んだもので、どうしても人生やりなおしほのぼの小説の印象があるけど、ちゃうよな。
    わりと、こっちの雰囲気のほうが強そう。

    この小説をひとくちで言うなら何やろう。
    とにかく面白いので、わたしが今書いているこの文章よりもこの本を読んでくれと言いたいくらいやけど(何やねん)
    作中に

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    2026年07月09日
  • 二千七百の夏と冬 : 下

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    縄文時代と弥生時代の狭間を描いた冒険物語かと思いきや、人種のちがいによる差別や争いも描かれていて、密度の濃い小説でした。個人的にはウルクがどんどん逞しくなって賢く戦う方法を学んでいく課程が面白かったです。戦う場面や肉を捌く描写が結構細かくて解像度が高すぎるので実写やアニメ化は難しそうだなと思いました。そういう描写が細かすぎるところもこの本のいいところだと思います。
    上橋菜穂子さんの『精霊の守り人』が好きな人は絶対にハマるし好きだと思う!

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    2026年07月09日
  • 笑う森

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    ネタバレ

    タイトルから不気味な話だと思いきや、5歳の子どもの冒険物語でした。
    真人くんがとにかく可愛いし、くまさん達がみんな愛すべきキャラクターばかりで、皆保身のために通報はしてくれないものの、事情を抱えながらも真人くんのために奮闘する様子が、人間味があって良かったです。
    面白くて読みやすく、先が気になって一気に読めました。

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    2026年07月08日
  • 笑う森

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    最初は「どんな話なんだろう?」と不思議な気持ちで読み始めたけれど、気づけば物語の世界にどんどん引き込まれていた。
    森を舞台にしたミステリアスな展開の中にも、人の優しさや弱さが丁寧に描かれていて、最後まで夢中で読めた。
    読み終えた後は、じんわりと温かい気持ちになれる一冊だった。

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    2026年07月07日
  • ハードボイルド・エッグ 新装版

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    ネタバレ

    主人公と綾の掛け合いが面白くて終始笑わせてもらった
    登場人物はみなキャラが立っていて読み応えがあり、ページをめくる手が止まらなかった
    最後は切なく、綾の気持ちを想像して泣いてしまった

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    2026年06月29日
  • 笑う森

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    ひさびさに読む手が止まらない本に出会った。
    ASDの真人が7日間、森の中で迷子になるが奇跡的に命に別状がなく発見される。真人のクマさんに助けてもらったという言葉を頼りに7日間をどのように耐え抜いたかを真人の叔父の冬也が解明していく話。
    想像よりも濃くて波乱万丈な7日間を過ごしており、読んでいて刺激的であった。また人の温かさ、矛盾、真人の成長といったいろんな要素が含まれており、読んでいて飽きなかった。
    とても面白い本でした。

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    2026年06月22日
  • 二千七百の夏と冬 : 下

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    オープンワールドのRPGやり始めみたいなわくわく感だった
    最後もなんだか感動した、ラブストーリーだった
    縄文と弥生の生活様式、一見幸せに見えるけど失っているものがあったり、時代が進むとより進歩して優れている、という感じがするけどその時々の良さや価値観、尺度があって、単純に優劣をつけることはできないなと思った
    動物や自然に対する考え方もおもしろかった

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    2026年06月17日
  • 海の見える理髪店

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    ネタバレ

    表題、海の見える理髪店は過去を振り返る理容師の店主。直接の描写は最後にされないけれど、かぞくだったのね。と、心温まるお話。

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    2026年06月07日
  • 四度目の氷河期

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    男の子の人生を追う、そんなに壮大な話ではないのだろうけど、壮大だったーと読んだ後思った!
    最初は読むのが大変だったけど途中から面白かった、最後とか謎だったけど、でもよいものを読んだ

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    2026年06月02日
  • 砂の王国(下)

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    宗教にハマるってこういう感じなんだっていう感じ。
    私には終始大地の会にハマる理由が全く理解出来なかったけど、もし生きずらさを感じていたり、自己認識と実力のズレにもどかしさを感じていたなら、そこから宗教にハマることもあるのかな。
    大城さんや龍斎が徐々に宗教的になっていくのを見て、宗教ははじめたほうもそれに呑まれていくのかもって思った。
    下巻の残り半分くらいは怒涛の展開すぎて一気に読み終わった。おもしろいしはらはらする。続きも知りたいから続編あったらいいな。

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    2026年06月01日
  • 月の上の観覧車

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    頑張って駆け抜けて、気がつけば人生も折り返し地点。出会い、別れ、産まれ、看取り、ふと故郷を想う。
    歩みを緩めて少しだけ過去に想いを馳せる、切ないお話が詰まった短編集。
    比喩表現が美しく素敵でした。

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    2026年06月01日