荻原浩のレビュー一覧

  • 金魚姫
    荻原さんの作品にはハズレがないんだけど、これは一番好きな作品になりそうです。ユーモア溢れるファンタジーではありますが本当に最後しみじみとさせられます。
  • 月の上の観覧車
    レビューを見ると40代以降にオススメとみんな書いてるけど、もっといろんな人に読んでもらいたい。

    本のテーマは過去。色んなところで選択を間違え、少しずつズレていって、昔思い描いたモノとは違う現在の自分の姿。長い年月と共に積み重なった間違いは相当の重みがあって、気づいたところでそう簡単に戻ることができ...続きを読む
  • 噂

    最後の最後

    正直なところ中盤にはレインマンが誰なのか分かった。と言うか意図的に気付き易い作りにしてあるような印象を受けた。

    結局噂に殺されたのは噂を利用した本人だけと言うのも皮肉が効いてて面白い。
    最後のオチも。
  • 砂の王国(下)
    一気に読んでしまった下巻。

    カルト系がもう恐ろしさというのが最後の最後で一気に出てきた。
    自分がコントロールしていたと思っていた者が自分の意に反して動き始め、彼の考えていることが分からなくなる。全てを完璧に進めようとするあまりに自分一人で抱え込んでしまい、余裕がなくなってしまい、それが結果的なボロ...続きを読む
  • 砂の王国(上)
    久々に読んだ小説。

    ホームレスにまで転落した1人の証券マンが社会への復習として宗教ビジネスを始める物語。

    ホームレスの辛さがとても伝わってくる描写と、主人公の抱えている歪さが垣間見えるようなものになっている。
  • ストロベリーライフ
    父親の病気からイチゴ農家を手伝うことになった東京に住むフリーのグラフィックデザイナー。
    段々と農業にのめり込んでゆく。妻と息子は別別に暮らしながら、ただイチゴ狩りのお客様の「おいしい」のことば、たのしい笑顔を見るために・・・
    そして開園日に訪れた、妻の言葉「大切なのはどこに住むかじゃなくて」、「誰と...続きを読む
  • 花のさくら通り
    どっぷりとユニバーサル広告社シリーズにハマって、最後の作品がこれで良かった。
    すっかり杉山氏のキャラクターに魅了され、私自身もさくら通り商店街の一員になったかのように物語の中に入り込んでしまった。最後まで愛娘の早苗のことで頭が一杯だったのだが、住んでいる商店街の人々とかかわらざるを得ない状況の中、仕...続きを読む
  • 金魚姫

    何度でも読み返したくなります

    以前図書館で借りて、荻原作品に目覚めるきっかけとなった本です。金魚の化身のリュウは、凄絶な美しさから庇護欲をそそる愛らしさまで備えたとても魅力的な存在です。憎い男の血を絶やすためだけにずっと生きてきたのに、好きになってしまった主人公には手を下せず、金魚として人生を終える固い決心に涙せずにはいられませ...続きを読む
  • 金魚姫
    なんとも悲しくて切ないラブファンタジー。この著者は映像化になったものしか読んでこなかったような気がするが、今回もTVドラマ化に備えて読んだのだが、今まで読んできたものに駄作はなかった、でも何故か他のベストセラー作家の次の存在になってしまう、きっとバイオレンスがちょっと足りないのかな。本作も本当に良く...続きを読む
  • さよならバースディ
    よかった。ミステリーなんだけど、読みおわったら、愛のはなしだったな。って。後半からは一気読み。
    ユキの死後、ユキの思いがマコに伝わって、涙した。
    そのトリックの発想もすごい。
  • 逢魔が時に会いましょう
    幽霊の正体は枯れ尾花ではない、かもしれないというお話。妖怪たちに纏わる歴史的な背景と解釈がよかったです。見たことのある説なんですが、そこから作者が一歩踏み込んでファンタジーの存在の予感を残しているのが好みのオチのつけ方でした。
    進路選択で主人公が迷っているところに、新しく道筋を見つけられてホッと安心...続きを読む
  • 四度目の氷河期
    タイトルと「クロマニヨン人」ってのはアレだけど、今まで読んできた荻原浩(10作品ほどだけど)の中では一番好きかも。
    やっぱ、個性的な子供が成長していく過程の話ってのはいいなあ。
  • 二千七百の夏と冬 : 下
    著者の今までとは、かなりテイストの違う作品だったが、とても楽しく読めた。
    最初は、誰が誰なのかよく分からなかったが、ラストに向かって登場人物もシンプルになり、終わってしまうのが惜しくなる作品だった。
  • 押入れのちよ
    ・お母さまのロシアのスープ ★★★★
    料理の描写が◎。料理が好きなので作りたくなった。
    お金がなく障害児を抱えてたら、売春って選択をするよな〜と。
    温かい家庭の雰囲気と、その中で行われるダークな売春の対比も◎。

    ・コール ★★★★★
    恋愛物は嫌いやけど良かった。
    三角関係ってゆーベタな内容やったけ...続きを読む
  • 花のさくら通り
    42

    相変わらず面白い!!!
    ユニバーサル広告社の中で私はこの話が一番好き。読んでてすっきりするし、一致団結していく姿、長老たちに立ち向かう姿、みんなで知恵を絞ってシャッター商店街を活性化しようと努力する姿が大好きだから!
    魅力溢れるキャラクターばかりでとてもいい。
    ユニバーサル広告社のみんなはも...続きを読む
  • 砂の王国(下)
    再読なのに終わりをすっかり忘れていた。そうだった。恐怖の始まりとともに、この作品の面白さはピークを迎えるのだった。
    どこで間違えてしまったんだろう。そのリフレインは今のわたしに深く響く。やはり最高傑作だ。
  • 二千七百の夏と冬 : 下
    縄文人の少年ウルクの、優しくて切ない、まっすぐな物語。

    美味しいものを食べたい。平和に暮らしたい。好きな人と一緒に生きていたい。ウルクの望みは本当にシンプルで、胸にジーンと響く。

    時代の転換点は未来へ向かう明るいイメージを持っていたけれど、それだけじゃないと気付かされました。
  • 極小農園日記
    毎日新聞で「極小農園日記」を読んでから、単行本化を楽しみに待っていた本(^^)♪農園日記のほかに旅や日常のエッセイもあって楽しい(´∇`)ほとんどの話に「あるある~(^^;)」と共感して、親近感が増し増し(*^^*)
  • ストロベリーライフ
    会社を辞め、独立した人間は誰しも、一度ならず思う。

    電話は怖い。

    グラフィックデザイナーの恵介は、独立した今思う。

    もっと怖い物がある。

    それは、鳴らない電話だ。


    腕には自信があった。

    だが、仕事がない。

    起業には向いていなかったのだろうか?

    フリーランスは自由ではなかった。


    ...続きを読む
  • 砂の王国(下)
    上巻は、ジェットコースターが最上部までゆっくり上がっていく序章にすぎなかったのね.....。下巻は、もう上がったり下がったりの急展開。野外レイヴの章くらいまでは、スーパーオーガナイザーのモンタローとか、アズールスカイのパコとか「誰やねん」と笑っていられたが、冗談みたいに組織が大きくなってきてからはも...続きを読む