荻原浩のレビュー一覧
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会社を辞め、独立した人間は誰しも、一度ならず思う。
電話は怖い。
グラフィックデザイナーの恵介は、独立した今思う。
もっと怖い物がある。
それは、鳴らない電話だ。
腕には自信があった。
だが、仕事がない。
起業には向いていなかったのだろうか?
フリーランスは自由ではなかった。
そんなある日、静岡の実家の母から電話が入る。
「おおおおお、お父さんが倒れただよ」
4人姉弟の末っ子ながら長男の恵介は、2年前に父と喧嘩して以来、実家に帰っていない。
苺農家の跡取りだけはいやだった。
格好いい仕事がしたくて、美大に入学するために、故郷を後にした。
だが、困る。
嫌で嫌でし -
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やっぱり荻原浩だいすき!!!
オロロ畑ではいまいち入りきらなかった、ユニバーサル広告社の魅力にどっぷりはまってしまいました。
だめ社長石田とパンク村崎と強かな猪熊と、だめだめ親父の杉山!
この杉山さんが泣かせるのです。もうだめ。泣く。
だめ親父だけど、早苗に対する愛は本物でね。
ケチャップを混ぜただけのケチャップライスを忘れないよって言ったり、もう泣けるんだよ。
あと勝也!!!勝也が、、、
ちょっとしたことで道を外れちゃって、でも最後グッと親指立てたこと感動しちゃった
あーーー面白かった!!
荻原浩の本って、ふふって笑えるし続きが読みたいってうずうずするし、そしてなにより泣ける。
登場人 -
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読み終えて鳥肌が立ちました
この作家さんは、ものを書くために生まれてきた天才なんだと思います。
読み終えた時、あまりの切なさに胸が締め付けられ、涙も勿論出たのですが、鳥肌が立ちました。
人の儚さ、弱さ、したたかさ。そして、強さ、優しさをここまで文字に表せるっていうのは、この作家さんの根底に、人に対する愛があるからだと思いました。
作中に登場するバースディが、時折自分の息子と重なってしまい、涙腺が緩みっぱなしでした。
悩む方がおられましたら、「とりあえず読め」と強くお薦めします。 -
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コミカルな表紙に誘われて手に取ると、なんとイラストは著者によるもの!
私も七転八倒で畑をやっているので、夢中で読んでいると、この連載は突然終了。残り三分の二は旅や日常のエッセイかぁ・・・なあんだ、星3つ・・・などと読み進むと、それでも面白さは変わらない。荻原浩だもの、当たり前だった。星4つ。
ところが、最後にサプライズが待っていた!そうだったのか、萩原さん自ら提案してこうなったとのこと。よっしゃ!星5つ!
とにかく文章が面白い。このセンスにすっかりハマってしまい、ニヤニヤしながら読みました。
ところで「荻原」(おぎわら)は「萩原」(はぎわら)に間違えられることが多いというエッセイは、身にしみ -
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ネタバレ*「カジュアル・フライデー」に翻弄される課長の悲喜劇を描く表題作、奇矯な発明で世の中を混乱させるおもちゃ会社の顛末「犬猫語完全翻訳機」と「正直メール」、阪神ファンが結婚の挨拶に行くと、彼女の父は巨人ファンだった…「くたばれ、タイガース」など、ブームに翻弄される人々を描くユーモア短篇集*
文庫を見つけたので、久しぶりに再読。荻原作品の中ではかなり好きな部類だったことを思い出しました。
とにかく、登場人物たちがみんな素敵!普通にいそうな人々なんだけど、なんだか憎めなくて、そこはかとなくチャーミングで愛おしい。
特に「ちょいな人々」のオヤジ様方が最高。”「これから気をつけるんだぞ」俺にもな。”…っ -
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奥田英朗の小説が読みたくてググったら出てきたアンソロジー。
日本の文芸界の最先端を駆ける5人の共演は、美しい交響曲のようだった。
「あなたが大好き」奥田英朗
自他友に認める平凡なOL・渡辺彩子、28歳。
結婚を真剣に考えている。
つきあって3年にもなる恋人香坂真二は、勝手に会社を辞めて放浪の旅に出てしまう。
親友に相談すると、さりげなく素敵な男性を紹介される。
誠実で堅実な彼に惹かれていくが、ある出来事をきっかけに自分の本当の気持ちに気がつく。
「銀紙色のアンタレス」窪美澄
夏と海が大好きな高校1年生の真(まこと)は、海沿いの祖母の家に泊まり込む。
そこに幼なじみの同級生 -
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できれば季節に応じた本を読みたいから、桜の季節の話に今ごろ手を出す気なんてなかったのですが、大好きな荻原浩をどうしても読みたくなり。抱腹絶倒かつ泣かせるユニバーサル広告社シリーズ、『オロロ畑でつかまえて』と『なかよし小鳩組』に続く第3弾。閑古鳥の鳴くさくら通り商店街にオフィスを移転せざるを得なくなった同社が、祭りのチラシ作成を頼まれたことから、商店街の活性化に力を注ぐことに。ところどころに挟まれる、主人公の娘から届く手紙がワラかすわ泣かせるわで、最後は涙でかすみそうになったほど。お寺の息子と教会の娘の純な恋からも目が離せず。冬桜も咲きました。やっぱり大好き、荻原浩。
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理事長を同じくする2つの施設。老人ホーム“ひまわり苑”と“ひまわり幼稚園”は隣り合って建っている。ひまわり苑の所長は理事長の義弟、ひまわり幼稚園の園長は理事長の娘。県会議員選挙に出馬予定の理事長は、自らのイメージアップに必死。老人と幼児の交流を図ろうと、苑と園の間の壁を取り払うのだが……。
幼稚園時代をここで過ごし、園の中でも特に問題児と言われた4人―晴也、伊梨亜、秀平、和樹―が、当時に交わした約束を果たすため、13年後に更地となったこの地を訪れるシーンで物語は始まります。以降の章は当時の様子が描かれ、約束の中身が明かされるのは最終章。
小分けにされた章は、妻に先立たれて苑に独りで入居する