荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
うっかり寝る前に読み始めて、徹夜で読んだ。
装丁からなんとなく難解な内容なのかな?と思っていたが、個性ある登場人物が複数出てきて、森の中でのいろいろな物語が時系列を移動しながら語られるのが面白くて、読むのがやめられなかった。キャラクターもみんな魅力的。
冒頭で結末がわかっているのも、読んでいて悪い意味でハラハラせずに済んだし(かといってそのせいで物語がつまらなくなるわけでないところが上手い)最後の物語も、好き嫌いはありそうだけど個人的にはめちゃくちゃ刺さった。こういうの大好き。
久しぶりに時間を忘れて最後まで読み切れる本に出会えてうれしい。睡眠不足だけど。 -
Posted by ブクログ
衝撃のラスト一行に瞠目!
ということでラストを楽しみに読み進めた。
そして予想どおり笑、夢中になり過ぎてラスト一行のことを忘れ・・・
正にラストの一行はヒョエ〜!!でした。
いやぁ、そう来ましたか!いやはや動悸が・・・
荻原浩さん、最近読んだ『笑う森』とは全く違う趣で本作は比較的初期の頃の作品。
口コミを宣伝戦略にするというのは、今の時代ではメジャーだが、今から二十年前の作品でそれを題材にされたという先見性がまず凄い。
連続殺人鬼である「レインマン」の正体には気付くことができたが、読者向けに割と分かりやすく描写されている。ということは、これ以外にも何かあるな・・・と思わせる演出がまた巧妙だ -
Posted by ブクログ
これは重い物語だ。
この作者の筆だからこそ読めたけれど、他のものは駄目だった。ちょうど 自分の夫が冒頭の主人公と似たような状況にあったからだ。
自分の記憶があやしくなっていく感覚ほど恐ろしいものはないと思う。自分の視覚が、自分の聴覚が、信じられなくなっていく。当然周囲のひとのことばも行動も はてはそれが誰であるかも。
認知症の経過は個人差が激しいが、共通するものの多くがここにある。知ってさえいれば備えておけることも多い。自分自身が今 という方には恐ろしすぎるかもしれないが、このラストは美しい。
長谷川式で自分でチェックしてみて大丈夫そうだったから最後まで読みきれたのだが、診断がおりたあとだ -
Posted by ブクログ
広告代理店営業部長の佐伯は五十歳にして“若年性アルツハイマー”と診断される。仕事では重要な案件を抱え一人娘の梨恵は結婚を間近に控えていた。
同世代といっても五十代のシッポの方の私と佐伯とでは少し違うかもしれない。ましてや妻の枝実子は四十代だ。
でも やっぱり自分自身とおきかえて読んでしまう。
佐伯になったり枝実子になったり…。
失っていく記憶を補う為にとったメモでスーツのポケットを大きくふくらませ、人の表情に神経を尖らせ、それでも娘の結婚式まではと職場に居続けようとする佐伯。
病に良いといわれる魚や緑黄色野菜や発芽玄米を夕食に並べ 帰りの遅い佐伯をずっと待っている枝実子。
恐かったよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ「もう一度人生をやり直すことができたら、どこからだろう」というお話です。
主人公は銀行を不本意に辞めることになって、「こんなはずでは」と思いながらタクシーの運転手をやって、そこでもなかなかうまくいかずに、家族とも折り合いが悪い。
「どこで間違ったんだろう。あの道を違う方向に曲がれば人生は変わっていたんじゃないか」
人生なかば、誰もが思うことですね。自分も思います。
悩みますよね。もがきますよね。そしてどこにも行けない。
主人公は、そんな中、自分なりに試行錯誤の中で、仕事にも家族にも少し明るさが見えてきて、「自分の選んだ道が最善ではなかったかもしれないけれど、またちがった人生もあったかもし -
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この本の物語はもちろん創作だけれど、縄文時代(やその前)から歴史や命は続いていたという事実の壮大さにやられる。
1万年続いたという縄文時代の後、たった2700年の間に、人類は進化したのか退化したのか…いろいろ考えてしまう。
人種のこと、争いのこと、話全体にすごく重くて大切な主題が流れているが、ひとりの人間の想いや人生も大切に描かれている。人類の大きなテーマはいつでも個人のテーマだと思った。
そして荻原浩さんの軽快で暖かくチャーミングな文体が好き。
この本を読んだしばらく後にいろいろなキッカケがあり縄文時代の文化にハマり、その後再読した。縄文博物館で見る遺物や資料がより鮮やかに見えた。