荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレミステリーではあるけど私が好きだったのは事件やトリックもだけど、登場人物たちの生活や人柄がちゃんと描かれていたところです。
小暮は43歳のシングルファザーで、思春期の高校生の娘との生活や仕事との両立で悩んでたり、名島もシングルマザーで息子の話が出てきたり、同僚たちにもそれぞれ個性が描かれていて、事件を追うためだけに登場人物が動いているという感じがしなかったのがよかったです。
小暮が麻生のマンションへ行ったとき、ストーカー対策をしてる同僚が、状況を瞬時に察知して嘘をついてる場面が好きです。
いざというときはちゃんとやってくれる。めっちゃおしゃべりな人やけど!こういう細かいところから人との繋がりが見えるのが良かった。
名島も、小暮が捜査から外されると知ったとき、会議で一気に話し始めるところが良かった。
助けないと!というより、「いや、私はそれ嫌!この人を外してほしくない!」という感情が先にあって、それがそのまま行動になる感じが良かった。
人って、自分のためだけではなかなかスイッチが入らなくても、誰かとの繋がりや単純な「嫌や、やめてほしくない!」という気持ちが起爆装置になることがあるんやろなと思いました。
小暮が作中で話していた、環境やタイミング、何かのきっかけが人を変えてしまうと言うところも印象に残った。
奇抜な生い立ちや、ものすごく特殊な人生を送ってきた人たちの話ではないからこそ余計に怖い。
だから小暮の娘のことはかなり心配しながら読んでました。
平成の空気もかなり感じれて良かった!
ただ、小暮が43歳と知ったときは衝撃、、
娘やギャルたちからおじさんと言われ、本人も、もう年だからみたいな雰囲気、、そこにも時代を感じました。
ミステリーとしては、私にも犯人を推理できたのがちょうどよかったです。ラストは全くの予想外でした!
ヒントが散りばめられていたので、途中で読み返したりしながらドキドキできました!
「噂」というテーマも面白かったです。
口コミや噂をマーケティングとして利用するという発想は知らなかったので、読んでいて、私も知らないうちに噂に翻弄されてるかもと思った。
本を読むと知識が増えると言うけど、私は別に知識を増やしたくて本を読んでいるわけじゃなくて、単純に物語が楽しいから読んでるけど、こうやって物語を楽しんでいるうちに知らなかったことを自然に知れるのはやっぱり面白いです。
最後に一番驚いたのは、小暮と名島。
ずっと信頼できる相棒という関係で見ていたので、恋愛?な感じになるとは思っていなかったので、、相棒のままでも良かったんじゃないかな、、とちょっと思ったけど、伴侶に先立たれ、家庭と仕事を抱えながら誠実に生きてきた二人が、お互いを深く信頼していることを考えると、こういう関係になるのも分かる気がしました。二人が幸せならそれが一番です!
480ページと長かったけど、「早く犯人を捕まえな、また犠牲者が出る!小暮、娘のためにも早く!」と思いながら読めたので、長さはそこまで気にならなかったです。
ミステリーとしてもちゃんと楽しめたけど、私にとっては「ミステリーを読んだ」というより、事件をきっかけに、この人たちの生活や人との繋がりを一緒に見ていた感覚が強くて良かったです。 -
Posted by ブクログ
初読みの作家さん。
おもしろかった〜。
主人公がお客様相談室に異動してから、おもしろさが加速してきた。
お客様相談室の仲間たちと協力しながら、理不尽なクレーム客や古い体制の会社に反撃する場面は胸熱だった。
貼り紙で私語禁止とか6歳未満お断りとか書いてあるラーメン屋さんが出てきて、そういう店主ルールが厳しい飲食店は、度々SNSで話題になっているので最近の傾向なのかと思っていたけれど、20年前に書かれたこの本にも出てくるから昔からあったのか。
今が何でもSNSで拡散される時代だから顕著に感じるだけかもしれない。
今後の主人公たちの幸せを願っている。
お客様相談室のメンバー(室長は除く)と一緒に新しく会社を立ち上げたら素敵だと思うし、
そうではなくてもそれぞれの場所で輝いてほしい。
元気をもらえる作品だった。
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Posted by ブクログ
久しぶりに荻原さんの作品。やっぱり癖がなくて読みやすい。とても読みやすいのに、内容が辛くて読むのに時間がかかってしまった。
広告代理店で働く50歳の主人公が、若年性アルツハイマーに罹り、病気が進行していくストーリー。
若年性アルツハイマーは戸田恵梨香のドラマで観た程度で、知らないことがたくさんあった。10年以内に死を迎えることがほとんどとは驚き。いまはもう少し医療が進化してるんだろうか。
自分の親が、大切な人が、はたまた自分が、若年性か否かに関わらず、なるかもしれないアルツハイマーという病気の恐ろしさを考えずにはいられなかった。
ラストは涙をギリギリ堪えた。妻の枝実子の気持ちを考えると本当に苦しい。佐伯がなんで夜スマホの電源を入れようと思ったのか分からないけど、ナイスプレー。
とても良い作品だった。 -
Posted by ブクログ
9人の作家さんがエッセイ、小説で
食にまつわる話を書く。
帯に「人気作家」と書いてある。
なるほど。
書店でも目にする人気作家さんばかり。
アンソロジーのいいところ。
本を手にしたけれど、食にはそれほど興味がない。
それでも楽しい話ばかり。
太田紫織さん
「忘れじの辛口」(小説)
単身赴任中の夫が住む名古屋まで
フェリーで出かけることにした。
船内の様子も詳しく描かれている。
ゆっくり巡る旅の良さ。
おもしろく読み終えました。
久住昌之さん
「ふらっと三陸鉄道の旅」(エッセイ)
動画撮影のため、三陸へ行く。
一人旅が好きだけれど今回はスタッフもいる。
でも、自分勝手に巡っていいらしい。
久住さんの嗅覚恐るべし。
p246
〈その途中を誰に気遣うでもなく、
とことん味わえるのが、ぼっち旅でありぼっち飯だと思います〉
贅沢な一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった!
文章がまず読みやすい。すらすら読み進めちゃう。
好きなシーンは、小暮と名島がコムサイト社に訪れたときに小暮が窓を背にして座ったところと、
捜査会議の時に名島が初めて声を上げたところ
犯人に関しては正直「あ、あなたですか」というくらいの感じだけど、ラスト1行が……
なんでだ…そりゃ復讐の気持ちは分かるけど小暮のことを一瞬でも考えなかったのかい…?
小暮はあなたのことずっと心配していたよ?
小暮と名島のほのぼのバナナシュートデートで終わろうよ…
この作者さんの他の作品も気になったけど、こういう不穏ミステリは書いてないのね?
この方の書いたミステリがもっと読みたいなあ。 -
Posted by ブクログ
ASDの5歳の男の子、真人が小樹海と呼ばれる神森で行方不明に。
1週間後に無事保護されるが、それまでどうやって生き延びて来たのか…
本人は、くまさんに助けられたと言うばかり。
その真相は…
「噂」に続いて2冊目の荻原浩さん。
長かったけれど、面白さ、読みやすさでさほど苦にならず読み終わりました。
森で真人と出会う人たちに、それぞれ事情があり、真人と出会ったあとにどう変化していくのかも書かれていたので、読み進めて行くとスッキリ感もあって良かったです。
ただ、登場人物の1人である「理実」さんの漢字だけが、どうしても毎回「現実」と読み間違えてしまい、他の漢字にして欲しかった、老眼初期の40代です! -
Posted by ブクログ
知人の自殺をきっかけに,フリーライターの主人公が巨大生物に関する本を書く仕事の取材ついでに,なぜ人は自殺をするのかを知るために,自殺の噂が経たない「志手島」へ行き,物語が始まる.
予備知識あれば,近年島での自殺が多い理由が序盤でなんとなくわかるものの,タイムリミットにより,後半は人が死ぬテンポが早く,目を離せられないハラハラ展開となる.
物語が進むにつれて,主人公のとメインキャラである女性生物学者の過去が明らかとなった.身近の人の死が彼らの行動や考えに影響を及ぼすなか,それが2人で一緒に物語が進むことで,互いの考えに触れ,それぞれの死に対する見方が変化していくところが見どころである.