荻原浩のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
こどもの成長について改めて考えさせられた。
親と一緒にいたら絶対に起こらない体験を森で迷子になり1人ぼっちになってしまったからまさかの境遇にたくさん遭う。
これは物語だから非現実的なことばかりでこどももASDの子で書かれているけどどんなこどもでも体験して体感すると心も育ち、急成長に繋がるのではないかと思った。
親達はこどもをまもりたい、危険やキツイ目に遭ってほしくない。誰もが思うけど、この子の1週間の逞しさやそれにともなう成長を知ると、日々の経験と何気ない毎日も人として成長するのにとても大切なことなんだなあと思った。
親は子を守りすぎるのではなく、見守り、こどもの経験を必要以上にガードしすぎないことが大切なんじゃないかと思った。 -
Posted by ブクログ
久しぶりの荻原浩さん。
なんと今回は『金魚姫』
そう!!人魚姫ならぬ金魚姫なのだ。
すみません、バカボンのパパみたいになりました。
時代背景もスケールも正にファンタスティック♪
恋人にふられ、ブラックな仕事に生きがいもなく、
人生に希望を失っていた潤。
ある夏祭りの日、偶然立ち寄った金魚すくいで赤と白の美しい琉金をすくい、持ち帰るのだが、その夜から潤のもとで不思議なことが起こり始める…
実は、潤のもとに現れたのは輪廻転生を繰り返す琉金の化身「リュウ」という謎の美女。
リュウは現世で、誰か人探しをしているのだが、この謎解きがラストまで解き明かされない上に、ミスリードまで仕掛けられている。
荻原さんの凄さはこの心温まるファンタジーを、時に切なく、時に面白く、最後はきっちりと魂の還るべき場所へ送り届けている所だと思う。
これがひと夏の出来事とは信じられない。
潤のもとに訪れた元彼女のように、人間いつ何が起こるか分からない。分からないからこそ、会いたい人には会える時に直接会っておきたいと思った。
-
Posted by ブクログ
ブグトモの皆様、高評価が続く本作。
2024年第19回中央公論文芸賞受賞作です。
その誰とも出会うはずのない深い森で、少年とすれ違っていく、人生に訳ありの人たち。
それぞれの人生に社会的な背景を取り込み、複雑なトラブルや心情を、5歳の少年の純粋さが浄化していくような物語です。
ただ、発達障害のある少年という設定や、母親の経歴など、物語を成り立たせるための設定が少々盛りだくさんに感じられたのも正直なところ。エンタメとしては十分に楽しめる作品なのですが。
それでも、少年のASDについて、作者がかなりの情報を収集し、悩みながらも、厳しい環境の中で生きていく純真な強さを描こうとされたのかなと思います。
「森が笑う」とは、少年の純真さに振り回される大人たちや社会を、森が静かに見守っているということなのかもしれません。 -
Posted by ブクログ
ホラー小説かと思って読み始めたら、ホラー要素はなく、どれもかなり風刺が効いた短編集だった。
書かれた時期もあって、コロナが生活にもたらした影響が多く表現されている。その時その時に著者が感じたことを物語に落とし込んでいるのだろうかと感じた。
最後に収録されている「戦争過敏シンドローム」は、やはりこのご時世にいろいろ思って書かれたのだろうなぁと感じたし、なんというかまあ、みんなこんな風になってしまってない?といった声が聞こえてきそうなラストだった。
どの話も上手いこと喩えてるなぁと感心した。
モンクコング対ゴネラの話は、何回か笑いながら読んだ。
以下もくじ
陰謀論百物語
ハードボイルド・ルール
サクマ型ロボット2号
パスワードを入れてください
ああ美しき忖度の村
モンクコング対ゴネラ2021
戦争過敏シンドローム -
Posted by ブクログ
ネタバレミステリーではあるけど私が好きだったのは事件やトリックもだけど、登場人物たちの生活や人柄がちゃんと描かれていたところです。
小暮は43歳のシングルファザーで、思春期の高校生の娘との生活や仕事との両立で悩んでたり、名島もシングルマザーで息子の話が出てきたり、同僚たちにもそれぞれ個性が描かれていて、事件を追うためだけに登場人物が動いているという感じがしなかったのがよかったです。
小暮が麻生のマンションへ行ったとき、ストーカー対策をしてる同僚が、状況を瞬時に察知して嘘をついてる場面が好きです。
いざというときはちゃんとやってくれる。めっちゃおしゃべりな人やけど!こういう細かいところから人との繋がりが見えるのが良かった。
名島も、小暮が捜査から外されると知ったとき、会議で一気に話し始めるところが良かった。
助けないと!というより、「いや、私はそれ嫌!この人を外してほしくない!」という感情が先にあって、それがそのまま行動になる感じが良かった。
人って、自分のためだけではなかなかスイッチが入らなくても、誰かとの繋がりや単純な「嫌や、やめてほしくない!」という気持ちが起爆装置になることがあるんやろなと思いました。
小暮が作中で話していた、環境やタイミング、何かのきっかけが人を変えてしまうと言うところも印象に残った。
奇抜な生い立ちや、ものすごく特殊な人生を送ってきた人たちの話ではないからこそ余計に怖い。
だから小暮の娘のことはかなり心配しながら読んでました。
平成の空気もかなり感じれて良かった!
ただ、小暮が43歳と知ったときは衝撃、、
娘やギャルたちからおじさんと言われ、本人も、もう年だからみたいな雰囲気、、そこにも時代を感じました。
ミステリーとしては、私にも犯人を推理できたのがちょうどよかったです。ラストは全くの予想外でした!
ヒントが散りばめられていたので、途中で読み返したりしながらドキドキできました!
「噂」というテーマも面白かったです。
口コミや噂をマーケティングとして利用するという発想は知らなかったので、読んでいて、私も知らないうちに噂に翻弄されてるかもと思った。
本を読むと知識が増えると言うけど、私は別に知識を増やしたくて本を読んでいるわけじゃなくて、単純に物語が楽しいから読んでるけど、こうやって物語を楽しんでいるうちに知らなかったことを自然に知れるのはやっぱり面白いです。
最後に一番驚いたのは、小暮と名島。
ずっと信頼できる相棒という関係で見ていたので、恋愛?な感じになるとは思っていなかったので、、相棒のままでも良かったんじゃないかな、、とちょっと思ったけど、伴侶に先立たれ、家庭と仕事を抱えながら誠実に生きてきた二人が、お互いを深く信頼していることを考えると、こういう関係になるのも分かる気がしました。二人が幸せならそれが一番です!
480ページと長かったけど、「早く犯人を捕まえな、また犠牲者が出る!小暮、娘のためにも早く!」と思いながら読めたので、長さはそこまで気にならなかったです。
ミステリーとしてもちゃんと楽しめたけど、私にとっては「ミステリーを読んだ」というより、事件をきっかけに、この人たちの生活や人との繋がりを一緒に見ていた感覚が強くて良かったです。 -
Posted by ブクログ
初読みの作家さん。
おもしろかった〜。
主人公がお客様相談室に異動してから、おもしろさが加速してきた。
お客様相談室の仲間たちと協力しながら、理不尽なクレーム客や古い体制の会社に反撃する場面は胸熱だった。
貼り紙で私語禁止とか6歳未満お断りとか書いてあるラーメン屋さんが出てきて、そういう店主ルールが厳しい飲食店は、度々SNSで話題になっているので最近の傾向なのかと思っていたけれど、20年前に書かれたこの本にも出てくるから昔からあったのか。
今が何でもSNSで拡散される時代だから顕著に感じるだけかもしれない。
今後の主人公たちの幸せを願っている。
お客様相談室のメンバー(室長は除く)と一緒に新しく会社を立ち上げたら素敵だと思うし、
そうではなくてもそれぞれの場所で輝いてほしい。
元気をもらえる作品だった。