荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
陰謀論百物語
ハードボイルド・ルール
サクマ型ロボット2号
パスワードを入れてください、
ああ美しき忖度の村
モンクコング対ゴネラ2021
戦争過敏シンドローム
以上七つの短編集でした。
荻原さんらしいユーモアセンスも健在で楽しく読みました。その一方で、「ロボット」「AI」「パスワード」「忖度」「コロナ禍」「戦争」など、世相が随所に描かれていて、現代社会に潜む問題も色々と考えさせられました。
私は、中でも「サクマ型ロボット2号」が強く印象に残りました。クラスでいじめられて不登校になったサクマくんがロボットになって再登校し・・・深く心が痛みました。
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Posted by ブクログ
禁忌を犯した主人公の男の子は、おとなになる儀式を済ませたあと、部族の集落を追放される。集落に戻るため、また病気の弟を直す薬を手に入れるため、熊を倒して肝を手に入れるというミッションと、未知の食料である米を入手するというミッションを持って再び南の森にはいる。
下巻は、熊との手に汗握る対決にハラハラする。食うか食われるかの頭脳戦。圧倒的な強さを見せるクマの描写に、昨年日本全国でニュースが相次いだ熊による被害を連想し、縄文時代と現代がこの日本という地で地続きであることに思いを馳せた。
いよいよ弥生人の村にたどり着く。米を分けてほしい主人公。主人公をとらえ奴隷のように扱う弥生人。恋する相手との再会。埋まらない人種間の差別と、それでも人種を乗り越える恋。この小説でたまに現代パートが挟まる意図が、わかってくる。つまり、人種間の争いも、人種間の差別も、人種問わぬ恋も、2700年前から今に至るまで、ずっと変わらないのだ。
上巻で描かれていた縄文人の暮らしの原始ぶりに、これは大変、自分には無理だと思いながら読み、下巻で描かれる弥生人の生活に親近感を持つものの、主人公の「つまり米を生産し続けるには人は一日中労働しなくてはならないのだ、それは楽しいのか?」という問いや、「(稲作の土地を求めて戦をする弥生人に対し)なぜ人が人を殺す?自分たち(縄文人)のあいだではそんなことはあり得ない」という感想に、ハッとしたり、しみじみ思ったりなどした。 -
Posted by ブクログ
縄文時代が舞台の小説なんて読んだことがない!そう思って興味をそそられ手に取った。しかも恋愛もの?!これがなかなか面白かった。読み口は軽めで読みやすい。時折挟まれる現代パートがある意味がよく分からなかったが、縄文パートがとにかく興味深くて面白い。彼らの生活様式がリアルに描かれていて、今まで教科書でしか認識がなかった時代の人たちの生活や人生がかなり立体的に感じられた。どうやってこんなにリアルに?おそらく想像のものも多いのだろう。
主人公は縄文時代のティーンエイジャーの男の子。おとなになる直前の、早くおとなになりたいと願う少年。長の娘に淡い恋をしている。厳しくて小うるさい母がいる。病弱な弟がいる。父は早くに亡くなっている。年に一度海の民と交流し物々交換がある。チームで狩りをして部族は食をつなぐ。神に気遣いながら生きる。
主人公はある日禁忌の森に誤って足を踏み入れる。そこで、部族以外の女の子とすれ違い、ひとときの交流を持つ。この女の子、自分たちとはだいぶん違う見た目と服装だ。読者はわかる、この子は弥生人で、つまりこの時代は、縄文時代と弥生時代の狭間なのだ。そして、主人公の男の子は、そうと気づかずこの弥生人の女の子に本気の恋をする…
時折挟まれる縄文ワードが面白い。鳥の巣に卵、で、たぶんという意味。好きな人のことを考えて頭がぽーっとなることを、頭が陽だまりになる、と表現する。突拍子もないという意味で、夏の雪、と言う。完全に作者の創造だと思うが、面白かった。