荻原浩のレビュー一覧
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M・ナイト・シャマラン監督の『ハプニング』を思い出した。
この映画をもっとより詳しく、わかりやすくした感じ。
映画はグロさやその演出で怖かったけれど、この作品は植物の脅威がしっかりと描かれていたので心の底からゾワゾワとした恐怖を感じた。
それに加えてA I(人工知能)の怖さも描いてくるとは…
作者の荻原さんは、今を生きる人間たちに何か警鐘を鳴らしたいのだろうか、、?
主人公の行動に少しモヤっとする所があるけれど、読みやすいのでぜひたくさんの人に読んでこの恐怖を味わって欲しい。
きっと、この作品を読んだ後から今までのどかに感じていた木々の揺れる音や葉っぱのざわめきが恐ろしく感じてくると思いま -
Posted by ブクログ
いやぁ、一気読みになるとは想像しなかった・・滑走感とあっという間の漫画チックラストは笑えた。
漫画はあんまり好きじゃないだけに、動画的展開は頁ターナーにさせる。
これから、その存在が将来を崩壊へ或いは夢の世界へ誘うAいの存在もワクワクハラハラになる。
とはいえ、荻原さんが言う事・・案外一理あって・・
@森林を次々と消滅させ、余分なCO2をまき散らし、地球の温度を勝手に上げている人間は排除すべき害虫だろう・・
@動物去勢やペット化、鎖でつなぐ・・
動物職は嫌いなのに魚は食べる
ヴィ―ガン食と言いつつも植物の命なんて一顧だにしない
地球の支配者気取りで、傲慢甚だしい。。
むむっつ!!
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Posted by ブクログ
荻原浩さん。お名前は知りつつ作品には今まで触れてこなかったのですが、漫画も描かれている(!)と知りエッセイを探しました。
挿絵もご本人だろうと思ったからですが、こんなに面白い方だったとは。
初のエッセイ本。
旅の話、日常、どれも楽しいのですが、趣味の家庭菜園についての話はノリノリに思えました。
悪く言えば…ふざけている…?
外出先でなくて良かった。何度か吹き出してしまったから。あとがきまで面白かったです。
ド素人から見れば、家庭菜園は畑のレベル。
イラスト、漫画も描ける小説家、元は広告会社のコピーライターという凄い人でした。
挿絵は思った以上に可愛かったです。
読みたいと思う作家さんが、 -
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人類存亡の危機。人間の脳や身体を操る植物、植物にマインドコントロールされる人間。そこにAIまで参戦。怖い怖い話だけど、どこまでが科学的事実なのか?伊坂さんの「楽園の楽園」でも書いたが「 Nスペ「超進化論」ともシンクロ。神をも畏れぬ遺伝子操作や温暖化、文明批判小説であり、地球の支配者気取りで身勝手で傲慢な人類への警告小説。「自分以外の他者への想像力を働かせ、自分たちだけでは生きられないことを知り、闘うより共存するほうが利が大きいと悟ることだ」味方の植物もいてちょっと救われた。たくさんの人に読んでほしい。特にワガママし放題の超大国の指導者の皆さんに。
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グリーンプラネットに勤める村岡野乃は、1歳半過ぎの息子を抱えるワーママであり、植物の「会話」について研究をしている。
ある日、農場の視察に訪れた企業の社員が、改良された大豆を食べて救急搬送される。
そのあとから原因不明の山火事が起こったり、飢えて凶暴化した猿の集団に襲撃されたり…とあらゆる奇怪な出来事が続く。
グリーンプラネットの研究センターとその山全体の持ち主である由井老人の行動に変化を感じていた矢先に殺人が起こり…。
植物は知性を持った生き物であることを証明する研究をしていたのにいつのまにか植物に操られてしまっていた…。
人が生きていく為に犠牲にするものが植物であっていいはずがないと -
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ネタバレ海の見える理髪店
理髪店の店主
客
原田。イラストレーター。
いつか来た道
私
杏子。四十二歳。
充
弟。三十八歳。電機メーカーの係長。海外赴任が決定している。
佳織
充の妻。
七十三歳。
逸子。母。中学の美術教師だったが美術展に入選し、教師を辞め、画家として独立した。
父
母親が通った時代の後輩。十三年前に亡くなった。
マユ
飼っていた白猫。蓉子が亡くなった一ヶ月後に同じ道でバイクに轢かれて死んだ。
姉
蓉子。中学へ通う通学路で、居眠り運転の車にはねられて亡くなった。
遠くから来た手紙
江藤祥子
遥香を連れて実家に帰った。
遥香
祥子の娘。
祥子の母
嘉代子。
孝 -
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残酷な病気だと改めて感じる。自分を形成している記憶や思い出が、砂がこぼれ落ちるようになくなっていく焦燥感、抜け殻になる自分を想像する恐怖、人間の死は身体でも脳でもなく記憶の死ではと自問する日々…とてもリアルで、涙が止まらなかった。
キューブラロスの死の受容過程もしっかりたどっていて、諦めなのか病気の進行なのかわからないけど、自分を受け入れる流れがとても自然。
ハッピーでもバッドエンドでもないラストもよかった。これからも続く、決して良くはならない病気との生活の、新たな幕開け。
妻を忘れ、妻に再度恋するなか、少しでも優しい気持ちで過ごしてほしい。