荻原浩のレビュー一覧

  • 我らが緑の大地

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    M・ナイト・シャマラン監督の『ハプニング』を思い出した。
    この映画をもっとより詳しく、わかりやすくした感じ。

    映画はグロさやその演出で怖かったけれど、この作品は植物の脅威がしっかりと描かれていたので心の底からゾワゾワとした恐怖を感じた。
    それに加えてA I(人工知能)の怖さも描いてくるとは…
    作者の荻原さんは、今を生きる人間たちに何か警鐘を鳴らしたいのだろうか、、?

    主人公の行動に少しモヤっとする所があるけれど、読みやすいのでぜひたくさんの人に読んでこの恐怖を味わって欲しい。
    きっと、この作品を読んだ後から今までのどかに感じていた木々の揺れる音や葉っぱのざわめきが恐ろしく感じてくると思いま

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    2025年05月26日
  • 我らが緑の大地

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    いやぁ、一気読みになるとは想像しなかった・・滑走感とあっという間の漫画チックラストは笑えた。
    漫画はあんまり好きじゃないだけに、動画的展開は頁ターナーにさせる。
    これから、その存在が将来を崩壊へ或いは夢の世界へ誘うAいの存在もワクワクハラハラになる。

    とはいえ、荻原さんが言う事・・案外一理あって・・

    @森林を次々と消滅させ、余分なCO2をまき散らし、地球の温度を勝手に上げている人間は排除すべき害虫だろう・・


    @動物去勢やペット化、鎖でつなぐ・・
    動物職は嫌いなのに魚は食べる

    ヴィ―ガン食と言いつつも植物の命なんて一顧だにしない

    地球の支配者気取りで、傲慢甚だしい。。
    むむっつ!!

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    2025年05月24日
  • 海の見える理髪店

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    家族がテーマになった短編集。
    喪失と、再生と、絶望と、発見と…。
    なんだかんだ言いながら、家族ってどこかでしっかりつながっている。
    「海の見える理髪店」「成人式」「いつか来た道」「時のない時計」が好き。
    「空はいつもスカイ」は題名はパッと明るい雰囲気だけど、登場する子供がこの先どうなるんだろう?と不安が残るのでちょっとマイナス。

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    2025年05月24日
  • 海の見える理髪店

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    2016年直木賞作品
    6つの短編小説が載せられている
    ・海の見える理髪店(訳あり床屋)
    ・いつか来た道(母娘)
    ・遠くから来た手紙(実家に帰らせて貰います)
    ・空は今日もスカイ(いちいち英単少女)
    ・時のない時計(時計店にて)
    ・成人式(我が事にはならないで欲しい)

    それぞれ会話量が多いなぁ〜という印象
    台詞がすーっと入って染み込んでいく感じ
    オジサンが効いてる
    一番は空は今日もスカイかな…

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    2025年05月24日
  • ストロベリーライフ

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    広告代理店から独立した惠介が激減した仕事に焦っていた矢先、父が倒れたと実家から連絡が入り家族をつれて帰省した。そこで目にしたのは大きなビニールハウス。トマト栽培からイチゴ栽培に転身したことを知らされ苦労する母を見かねて単身、実家のイチゴ栽培を手伝うことになった。妻子とは離れて暮らすことになったがお互いを思いやっていることは伝わってくる家族物語。姉家族とも新しいことに挑戦するさわやかな物語でした。

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    2025年05月23日
  • 極小農園日記

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    荻原浩さん。お名前は知りつつ作品には今まで触れてこなかったのですが、漫画も描かれている(!)と知りエッセイを探しました。
    挿絵もご本人だろうと思ったからですが、こんなに面白い方だったとは。

    初のエッセイ本。
    旅の話、日常、どれも楽しいのですが、趣味の家庭菜園についての話はノリノリに思えました。
    悪く言えば…ふざけている…?
    外出先でなくて良かった。何度か吹き出してしまったから。あとがきまで面白かったです。

    ド素人から見れば、家庭菜園は畑のレベル。
    イラスト、漫画も描ける小説家、元は広告会社のコピーライターという凄い人でした。

    挿絵は思った以上に可愛かったです。
    読みたいと思う作家さんが、

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    2025年05月18日
  • オロロ畑でつかまえて

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    コメディ小説で括っていいのかな?
    とても面白かったです。
    言葉をなぞるだけで面白いし、クスッと笑える。
    ちょっと落ち込んだ時は「あずずずず」と声に出してみて
    気持ちをラクにしています。

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    2025年05月12日
  • 神様からひと言

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    パワハラ、カスハラ、セクハラの詰め合わせで胸糞設定なのにユーモアのある文章で楽しく読み終えた。全社畜の味方になってくれる一冊。

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    2025年05月11日
  • 神様からひと言

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    玉川食品の商品開発部勤務の佐倉凉平は前の会社でカッとして上司を殴って退社、再就職先の玉川食品でも自分のプレゼンを横取りした上に失敗する上司に腹を立て副社長や専務の前で喧嘩をしてしまい、お客様相談室に異動になります。
    ここは、一癖も二癖もある左遷させられた人たちの溜まり場。
    商品開発が杜撰なため、まずい、蓋が開かないなどのクレームの電話がひっきりなしに。お客様相談室の仕事内容や同僚で賭け事大好き、でも臨機応変にクレームに対応できる篠原さんが良かった。

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    2025年05月10日
  • 我らが緑の大地

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    人類存亡の危機。人間の脳や身体を操る植物、植物にマインドコントロールされる人間。そこにAIまで参戦。怖い怖い話だけど、どこまでが科学的事実なのか?伊坂さんの「楽園の楽園」でも書いたが「 Nスペ「超進化論」ともシンクロ。神をも畏れぬ遺伝子操作や温暖化、文明批判小説であり、地球の支配者気取りで身勝手で傲慢な人類への警告小説。「自分以外の他者への想像力を働かせ、自分たちだけでは生きられないことを知り、闘うより共存するほうが利が大きいと悟ることだ」味方の植物もいてちょっと救われた。たくさんの人に読んでほしい。特にワガママし放題の超大国の指導者の皆さんに。

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    2025年05月09日
  • ストロベリーライフ

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    ストレートでとても読みやすかったです。
    恵介の不器用だけど、闇雲に前に進んでいく性格も好感が持てました。
    農家の仕事は全くの無知でしたが、こんなに手間暇かけ愛情を持って育てた作物が、立派に実り、人に美味しいと言って貰えるなんて、何よりもやりがいのある仕事だと改めて感じました。
    1人ではやれる事が限られてしまう。昔ながらのやり方にこだわって視野も狭くなるけれど、これからは皆んなで自分の得意分野で協力していく時代なんだね。
    これからの農業に少し明るい未来が見えた気がします。

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    2025年05月07日
  • 神様からひと言

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    島耕作や半沢直樹の様には行きませんが、最後はちょっとホッとしました。自分が忘れていた、或いは気付いていなかったモノを探しに行く辺りでは、男の人と女の人では感じ方や考え方が違うのではないかなと思いました。

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    2025年05月06日
  • 二千七百の夏と冬 : 下

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    期待してなかったからなのかな…とても心に残った本でした。
    現代の10代の生き方と全く違う価値観や生きづらさ等比べる事は出来ない、理解し合える事も出来ないけど、恋愛で国の違い、育ちの違いで共通するところもあったり…
    とにかく 今の時代に産まれて良かったなぁと思える

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    2025年05月05日
  • 我らが緑の大地

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    グリーンプラネットに勤める村岡野乃は、1歳半過ぎの息子を抱えるワーママであり、植物の「会話」について研究をしている。

    ある日、農場の視察に訪れた企業の社員が、改良された大豆を食べて救急搬送される。
    そのあとから原因不明の山火事が起こったり、飢えて凶暴化した猿の集団に襲撃されたり…とあらゆる奇怪な出来事が続く。
    グリーンプラネットの研究センターとその山全体の持ち主である由井老人の行動に変化を感じていた矢先に殺人が起こり…。


    植物は知性を持った生き物であることを証明する研究をしていたのにいつのまにか植物に操られてしまっていた…。
    人が生きていく為に犠牲にするものが植物であっていいはずがないと

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    2025年04月24日
  • 我らが緑の大地

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    ネタバレ

    植物の会話を研究していた村岡野乃は、研究が進むにつれ植物も驚くほど知性を持っている事を発見した。そんな中、野乃の周りで植物に異変が起き始め…

    最初は植物に対しての軽い驚きの気持ちしか抱かなかったけれど、徐々にホラーサスペンスな展開になっていき、ゾワゾワでした。
    一歳の息子・一樹と植物に操られた人や動物達から逃げ惑う姿にヒヤヒヤしましたが、植物達の本当の目的に納得でした。
    植物にとって、人間とは排除すべき物と言う認識が一番ゾッとしました。

    野乃の主人・逸郎も同じ研究者と言うのも素敵な関係でした。

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    2025年04月22日
  • 我らが緑の大地

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    めちゃくちゃ怖い
    本当に起きそうで

    植物そのものが色々仕掛けてくるのはともかく、AIまで襲ってきたら勝てませんやん

    カタコトの一樹の存在が良い緩衝材でした

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    2025年04月17日
  • 明日の記憶

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    主人公と一緒に病と闘っている気持ちになりました。
    憤り、諦め、赦し、奮起。
    様々な感情が巡りました。
    最後には、家族の愛だけが残りました。

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    2025年04月06日
  • 海の見える理髪店

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    趣向の違う短編6編。
    「海の見える理髪店」は、言葉をかわす登場人物が二人のみ。私はすぐに登場人物の名前と関係性を忘れるので、いつもジェノグラムを書きながら読みます。そういう点で安心して読めた(笑)
    家族の形はそれぞれ。自ら動き出すことによって、未来が開けてくるのは間違いないかな。

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    2025年04月04日
  • 海の見える理髪店

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    ネタバレ

    海の見える理髪店
    理髪店の店主


    原田。イラストレーター。


    いつか来た道

    杏子。四十二歳。


    弟。三十八歳。電機メーカーの係長。海外赴任が決定している。

    佳織
    充の妻。

    七十三歳。
    逸子。母。中学の美術教師だったが美術展に入選し、教師を辞め、画家として独立した。


    母親が通った時代の後輩。十三年前に亡くなった。

    マユ
    飼っていた白猫。蓉子が亡くなった一ヶ月後に同じ道でバイクに轢かれて死んだ。


    蓉子。中学へ通う通学路で、居眠り運転の車にはねられて亡くなった。


    遠くから来た手紙
    江藤祥子
    遥香を連れて実家に帰った。

    遥香
    祥子の娘。

    祥子の母
    嘉代子。

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    2025年04月02日
  • 明日の記憶

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    残酷な病気だと改めて感じる。自分を形成している記憶や思い出が、砂がこぼれ落ちるようになくなっていく焦燥感、抜け殻になる自分を想像する恐怖、人間の死は身体でも脳でもなく記憶の死ではと自問する日々…とてもリアルで、涙が止まらなかった。
    キューブラロスの死の受容過程もしっかりたどっていて、諦めなのか病気の進行なのかわからないけど、自分を受け入れる流れがとても自然。
    ハッピーでもバッドエンドでもないラストもよかった。これからも続く、決して良くはならない病気との生活の、新たな幕開け。
    妻を忘れ、妻に再度恋するなか、少しでも優しい気持ちで過ごしてほしい。

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    2025年03月20日