あらすじ
主の腕に惚れて、有名俳優や政財界の大物が通いつめたという伝説の理髪店。僕はある想いを胸に、予約をいれて海辺の店を訪れるが…「海の見える理髪店」。独自の美意識を押し付ける画家の母から逃れて十六年。弟に促され実家に戻った私が見た母は…「いつか来た道」。人生に訪れる喪失と向き合い、希望を見出す人々を描く全6編。父と息子、母と娘など、儚く愛おしい家族の小説集。第155回直木賞受賞作。
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Posted by ブクログ
短編なので小気味よく読み進められた。哀しいストーリーもあったがほろっとなれる話もあり、読後感はいい作品だった。荻原浩さんの他の作品も読んでみたくなった。
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6つの話が入った短編集。
最後の「成人式」がめちゃくちゃ泣けた。
他の話は自分にはあんまりハマらないと思っていたけど、これだけでそれまでの評価をひっくり返すくらい良かった。
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よかった
ちょっと切なくて、心あたたまる短編集
解説でも書かれてたけど、どれも家族と止まった時間をほぐしてくれる話だと思った
苦い思い出を大事にしながらもまた前向きに進み始めようとする終わり方で読んでいて何かが回復した気がする
表題作「海の見える理髪店」
今で言うインスタ映えしそうないい景色の美容院だなーと思って読み始めてみたら急展開に声が出た
お互いに知っててずっと話してたんだよね。口には出さないでも伝わってると思った
「成人式」
想像したら申し訳ないけど面白いことになってそうなのに、読んでて泣きそうになった
結構好き
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色々な人や家族のエピソード風の物語を集めた短編集でした。
それぞれの物語とも、どこか哀愁を漂わせつつ、最後は心温まるストーリーでした。
よまにゃん特別カバーに惹かれて買いましたが、直木賞受賞作だったのですね、とても良い物語の集まった1冊でした。
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どの話も面白かった。
海の見える理髪店が特にストーリーに引き込まれた。
他の話も、「切ない」の一言では表せられないような読後の余韻があって素敵な短編集だった。
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・海の見える理髪店
・いつか来た道
・遠くから来た手紙
・空は今日もスカイ
・時のない時計
・成人式
「家族」をテーマにした短編集。
どれもこれも切なくて、ちょっと苦しい。けれども、止まってしまった時が動き出すような、細い光が見える作品が多い。
父と息子、母と娘、夫婦…など。関係が難しい時期があったり、何かきっかけがあったりだけど、近いからこそ空いた距離を縮めるのは難しいこともあって、自分を思い出してむず痒くなったり、胸の奥が少し痛くなったりする。
読後感は良かった。いい短編集だったな、と思う。
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家族がテーマになった短編集。
喪失と、再生と、絶望と、発見と…。
なんだかんだ言いながら、家族ってどこかでしっかりつながっている。
「海の見える理髪店」「成人式」「いつか来た道」「時のない時計」が好き。
「空はいつもスカイ」は題名はパッと明るい雰囲気だけど、登場する子供がこの先どうなるんだろう?と不安が残るのでちょっとマイナス。
Posted by ブクログ
2016年直木賞作品
6つの短編小説が載せられている
・海の見える理髪店(訳あり床屋)
・いつか来た道(母娘)
・遠くから来た手紙(実家に帰らせて貰います)
・空は今日もスカイ(いちいち英単少女)
・時のない時計(時計店にて)
・成人式(我が事にはならないで欲しい)
それぞれ会話量が多いなぁ〜という印象
台詞がすーっと入って染み込んでいく感じ
オジサンが効いてる
一番は空は今日もスカイかな…
Posted by ブクログ
趣向の違う短編6編。
「海の見える理髪店」は、言葉をかわす登場人物が二人のみ。私はすぐに登場人物の名前と関係性を忘れるので、いつもジェノグラムを書きながら読みます。そういう点で安心して読めた(笑)
家族の形はそれぞれ。自ら動き出すことによって、未来が開けてくるのは間違いないかな。
Posted by ブクログ
海の見える理髪店
理髪店の店主
客
原田。イラストレーター。
いつか来た道
私
杏子。四十二歳。
充
弟。三十八歳。電機メーカーの係長。海外赴任が決定している。
佳織
充の妻。
七十三歳。
逸子。母。中学の美術教師だったが美術展に入選し、教師を辞め、画家として独立した。
父
母親が通った時代の後輩。十三年前に亡くなった。
マユ
飼っていた白猫。蓉子が亡くなった一ヶ月後に同じ道でバイクに轢かれて死んだ。
姉
蓉子。中学へ通う通学路で、居眠り運転の車にはねられて亡くなった。
遠くから来た手紙
江藤祥子
遥香を連れて実家に帰った。
遥香
祥子の娘。
祥子の母
嘉代子。
孝之
祥子の夫。
義母
辰馬
祥子の弟。籍だけ入れた彼女と実家にころがりこんできた。
父
麗亜
二十三歳。辰馬の妻。
クリスケ
柴犬。
椎名正男
椎名静子
空は今日もスカイ
佐藤茜
小学三年生。
澄香
茜のいとこ。
泰子
忠志
森島陽太
ビッグマン
時のない時計
私
父
時計屋
久美
従姉。
成人式
鈴音
高校に入学する前の三月に亡くなった。
父
美絵子
母。
郁美
鈴音の中学時代の友人。
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家族がテーマの短編集。ありきたりな内容になりそうなところを手法をそれぞれ変えて書かれているので、持て余すことなく読み進められる。
そして「どこかの家族の話」のつもりでお気楽に読んでいたのに最後の一編にやられてしまう。私たちのように「1月なんてなければいいのに」と呟く家族がいたから。
自分たちが自身で決めたことを実行しようとする時のエネルギーは、すなわち自分たちを生かすエネルギーにもなるということ。「時ぐすり」なんて人は簡単に言うけど、ただただ下を向いて嵐が過ぎるのを待っていても心は立ち直らない。
深い深い共感とぼろぼろとこぼれる涙。この夫婦を抱きしめたくてたまらない。
Posted by ブクログ
「海の見える理髪店」・・・ある理髪店に訪れた客と店主の何気ない日常風景。真摯な理髪店店主の対応に感心していると、、、、予想外な展開に、その場の「店主」と「客」の心情に新鮮なほっこりさが味わえた。
「成人式」・・・娘を亡くした両親が悲しみと絶望に陥る中、生きていれば20歳になる娘の代わりに「成人式」に出る、という前半シリアス後半痛快喜劇、という読んでて楽しいながらも両親のカナシミから抜け出そうという葛藤に考えさせられる物語。特に、成人式に出ることに当然ながら恥じる妻に対してかけた夫の「他人を自分を映す鏡と思わなければいいんだ!」というセリフは自分の行動に自信を与える斬新な考え方だった。
Posted by ブクログ
最後超感動!!ずるい!!!泣いちゃった、!!
やっぱり親にとって、子供っていうのは本当に本当に、自分の人生よりも大切だと思えるほど大切なんだなっていうのが改めて分かって、もう大泣き。
Posted by ブクログ
家族の絆を描いた6話の短編集。
どこにでもいる・・・とは言えない境遇の家庭だけど、家族愛が切ないくらいに伝わってきた。
「海の見える理髪店」
「時のない時計」
「成人式」が心に残った。
Posted by ブクログ
短編集。どの作品も読み終えた後、心の中がじんわりと熱くなるような感覚を覚える。
複雑な生育環境・親子関係・過去の悲劇、人は皆大なり小なり苦悩を抱えて生きているけど、その中に少しの希望が見出せる気がするそんな本でした。さすが直木賞。
どんな精神状態でも割と読みやすい。
Posted by ブクログ
やーっと読み終わった。
短編が苦手なんだけど、知らずに買ってしまった。
理髪店の話、最初は「何を聞かされてるんだろう」という思いで、読み進めるのが苦痛だった。ここで何度か挫折したけどついに読み切った。
話の後半はとても良かった。一冊全部読み終わった後に、また理髪店だけ読み直した。
Posted by ブクログ
6つの物語からなる短編集
書名になっている「海の見える理髪店」がしみじみしてよかった
どの話も先が気になってやめられないという感じではなく
のんびりと読める話ばかりなので
時間をかけてゆっくり味わえると思う
Posted by ブクログ
家族小説6編
過去と向き合い未来に踏み出す物語
子どもがおらず大人になれない私には
『いつか来た道』が印象的だった
親のせいで窮屈で嫌な思いをしてもいくら傷ついたとしても親はやっぱり親で
どうしたって変わらないし、なんだかんだ大切で、病気になったら悲しい
友達や彼氏の定義は人によって変わるけど親は絶対親なのだ
Posted by ブクログ
ゆっくりなようで淡々と話が進んでいく印象。「いつか来た道」と「成人式」の話が良かった。過去への執着や喪失の中、なんとか光を探し出そうとする。
辛い過去を忘れる必要はない、それぞれが自分からのペースで片す。ほんの少し見えるところへ。過去は前に進むためのお守りなのかもしれない。
Posted by ブクログ
すべての物語が、予想を裏切る結末だった。
悪い意味ではなく...いつからか小説の中の
ストーリーは、非日常的な奇跡のような結末へ
誘われるものだと思い込んでいた。
理髪店を訪れた青年も、久し振りに母に会った娘も、家を飛び出した妻も、保護された子供も、父の時計を修理した息子も、娘の成人式に出た夫婦も。
どの話しも、リアリティーに満ち溢れてて。
小説は、逃避行するものではなく。
日常を良いものにするために考えさせられるものだと実感しました。
Posted by ブクログ
最後の成人式は心に突き刺さった。悲しみと向かい合うって身が切れるほど辛いのではないのでしょうか。
いつか来た道はどんなに気丈だった方でも最後はこうなると切ないですね。私は最後まで私として生きられるのだろうかと思いました。でも過去の私も私なので間違いではないのかな。