荻原浩のレビュー一覧

  • 神様からひと言

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    広告代理店から食品製造業の販売促進部門
    に転職した27歳の元バンドマンのお話。
    鬱屈とモヤモヤ感を抱えたまま進んでいく物語。
    最後の最後でようやく胸をすくような大立ち回り。
    閉塞感が大きかったからこそ、爽快感たっぷりでした。
    「実際にはこんなことできないよな」とは分かっているものの、心のどこかでこのような行動を取れることに憧れを抱いてしまう。
    自分もまだまだ青臭いのかなと思ってしまいました。
    久しぶりに小説を読むと面白いですね

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    2026年02月19日
  • オイアウエ漂流記

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    無人島に漂流してからの話。
    ちんたらちんたらゆっくり進むのでページ数もあります笑

    それが良いんだけどね!だってやる事無い無人島でのサバイバル生活だし。

    文明の力に頼りすぎた現代人の、本性剥き出しの関わりと、作者得意の面白描写が後押し。

    飽きなかったなぁ長かったけど笑

    『東京島』然り、無人島の話が好きなのかもしれない笑

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    2026年02月13日
  • 海の見える理髪店

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    家族にまつわる6編の短編集です。切ないけれど心温まり、未来を思い描く出発点となるような物語でした。短編ゆえの物足りなさが、その物語の未来を想像する余白になっていてよかったです。最後の『成人式』が一番グッときました。

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    2026年02月02日
  • 金魚姫

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    過去の記憶(それも数百、数千年前)と現代の話が入り混じったファンタジー。
    主人公の職場のパワハラっぷりが「THE!」な感じがしてヒリヒリズキズキ。

    主人公が「もう死んでしまおうか」と思っていた矢先の
    「金魚姫」ことリュウとの出会い。
    そこから不思議な体験が始まるのだが、結局リュウと一緒にいたことによる不思議体験だったのか。

    エンディングは思いがけない展開で少し驚きもあったけど、
    恨みと恋慕の情が複雑に入り混じる、変わった作品で印象に残るお話だった。

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    2026年01月17日
  • 神様からひと言

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    この本が書かれた2000年頃のサラリーマン生活、会社情勢は私には未知な生活であったけれど、令和になった今の時代にも通ずることがあると思う。現代人も何かに苦しんだり、現状に反感を持っていたりして、仕事を辞めたいと感じているにも関わらず、将来の不安や周りからの目に恐れていたり、勇気が出せずにいたりして、おでん鍋に居続ける人は少なからずいるんじゃないかなー。
    今ある仕事から抜け出したいと考えている人を「おでん鍋で苦しく煮込まれる必要はない、飛び出してみてもいいのでは?」と、そっと背中を押してくれるような本。私はこれが読者への「神様からのひと言」だと勝手に解釈。この本はこのひと言が必要な方に読んで欲しい一冊。

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    2026年01月12日
  • 神様からひと言

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    「お客様相談室」へ左遷された主人公が会社の劣悪を味わう。それは2代目3代目によくある資産の食い潰しをしていく姿だ。権力で下を抑え自己満足的な経営をしていく、何か不都合、不採算が起きても部下の所為にする体制だ。気づいた時には取り返しのつかない事態となっているのが多い、この小説にもある家族経営企業だ。本書にある「クレームの窓口」で参考になるのは謝罪の基本である。
    1、まずは謝る、相手はそれを期待して電話をかけてくる
    2、相手が言いたいことをまずは言わせ、我慢強く聞く事
    3、聞く方は攻撃的で怒りを出さず、聞き流しする
    4、「責任を取る」とは言わないで、「責任を持って伝えます」だけに止める
    ユーモア溢れる会話には何かストーリーに面白みと読み解きたい内容があり、ついつい読み耽るようになる。辞職も競艇の勝ち負けで決めたり、チンピラからのクレームからの対応策など中々どうして意味があり楽しい。「神様からの一言」とは「また、よろしく」と続く。

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    2026年01月03日
  • さよならバースディ

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    メインがボノボ(猿の一種)という異色作。

    人の関わりの間にボノボが挟まるので、一層人間の悪い部分が浮き彫りになって変な気持ち。(ボノボの気持ち)

    かなり読みやすいし犯人探しというよりは先を読み進めたくなる素敵な一冊でした!

    ラストにちょい無茶があったけど笑

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    2025年12月25日
  • なかよし小鳩組

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    ユニバーサル広告社シリーズ第二話。
    小鳩組のCIを請け負ってしまったユニバーサル広告社。テレビCMの代わりにマラソン大会で外国人スター選手と並んで走れば新たなコーポレートマークをテレビで放映出来る!とひらめいたのはよかったが…
    主人公・杉山と別れた妻から預かった娘・早苗とのやりとりや、高校一年までエース選手だった勝也の力走、涙なくしては読めません…
    シリーズ続編も読もう。

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    2025年12月23日
  • ハードボイルド・エッグ 新装版

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    面白い程よくコミカルで程よくシリアス
    シュールでサクサク読める
    憎めない主人公やキャラクター達に引き寄せられる

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    2025年12月09日
  • 恋愛仮免中

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    みんな、「好き」という感情が絶対的上等感情だと崇めがちだ。だが「ほしい」という感情がさらに純粋なものではないかと感じたことはないですか?比べたらことがなかった「好き」と「ほしい」の相対論。この2つは似ている感情だと勘違いしていました。小説の中では「好き」と「ほしい」のかけ違いや勘違いで恋愛に物語が発生し、「好き」と「ほしい」の合致で恋愛が成就していた。更にこの2つを掛け算で考えてみると複雑で面白い。「好き」だから「ほしい」と「ほしい」から「好き」は全然違う。例えば、メルカリをして世の中の欲に触れた時。「ほしい」から「好き」という感覚の存在に気づかされる。別に好きではないのにほしくなる!ほしくないから好きではない...?「ほしい」は「好き」を上回る純粋な感情になりえる。「好き」は変幻自在な都合の良い感情になり下がる。

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    2025年11月27日
  • ギブ・ミー・ア・チャンス

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    探偵になりたくて探偵事務所に入ったが、体型がネックになってなかなかうまく行かない元力士。試用期間の間になんとか成果を一つは作りたい。そんなとき、ストーカーを捕まえる依頼に立ち会うのだが…。

    仕事で行き詰まったり、転職してうまく行かなかった人たちが、一発逆転に向けて仕事に立ち向かっていく短編集。

    いやあびっくり。というのも、1つ前に読んだ椰月美智子の作品と、テーマも短編の分量も内容もそっくり。芸能レポーターをやめて、地方のケーブルテレビ局のアナウンサーにチャレンジする話有ったよな?と読んでいる途中で引っかかったが、この本ではなく椰月美智子だ。

    また、再チャレンジする仕事も、探偵、演歌歌手、漫画家、モデルなどと、一般的な職業でないところもそっくり。

    そこに実在のゆるキャラやお笑い芸人を挟み込んでくるくすぐりなどは、作風も併せて山本甲士にも似ている。

    軽ーくパラパラと読めるし、実は突拍子もなさそうな表紙にも繋がっているというね。

    まあ、社会人にしか通じない感覚かなと思う部分は多いが、どの世代も軽く楽しめる、電子書籍でも読みやすい1冊だ。

    あとがきならぬ、あと描きという、作者自らイラストを書いているのも見どころ。田島列島に作風が似ている。

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    2025年11月22日
  • 砂の王国(下)

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    ネタバレ

    “自分はどこで 何を 間違えたのか…。”

    三人で立ち上げた宗教団体「大地の会」は設計図どおりに発展し 会員数は四桁にのぼり しかも勢いは止まらない。
    最初は 教祖である仲村も龍斎も会員たちもコントロールできていると思っていた。しかし段々と綻びが出始める。
    肥大した宗教団体は木島(山崎)一人で制御できるものではなかった─。

    上下巻通してとても面白かった。
    「大地の会」が木島(山崎)の手からこぼれ、龍斎や仲村の思惑をのせて会員たちとともにどんどん形を変えていく様子が生々しい。

    結局 山崎という人は幼少期の辛い経験もあわせて宗教というものにずいぶん翻弄されてしまった。

    最後 山崎は「大地の会」を追われ東京から逃亡する。四十三歳でホームレスに逆戻りだ。しかし事務局長の木島だった時よりずいぶんと健康的で前向きだ。ホームレス経験済の彼はもう以前のようにやわではなかった。余裕すら感じられる彼に少しだけホッとした。



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    2025年11月21日
  • 神様からひと言

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    audiobookの無料体験中で、耳で読んだ。

    この作家さんは2冊目。
    実は先日、この作家さんの講演を聞く機会があり、また、読んだことがあった一冊も本当に素晴らしかったので、これを選んで聞いてみた。

    まずは講演での作家さんの印象から。
    講演前に会場に入り始まるまで黙って待っている姿の印象は気難しそうな人だった。年上の男性だし、作家先生は気難しいという先入観かもしれない。でも、講演を聞いて印象はガラリと変わった。共感性が高く、五感の感受性も高く、ユーモアに溢れる方。
    一人でパソコンに向き合う仕事ではあるけど、自分目線だけではなく、他者目線でも見れないと成り立たない職業なのだと実感した。

    この作品は、独りよがりだった主人公が少しずつ立場の違う人に寄り添うことができるようになっていく話。若い主人公なので幼さを感じつつも、本人が感じる理不尽さに共感しつつ読んでいたが少しずつ冷静に周りを見て世界を広げていく主人公と共に自分も視野が広がったように感じた。
    サラリーマン、フリーランスを経験した作者だからこそ書けた作品だと思う。

    audiobookは、読むのではなく聞くという行為に慣れるのに時間がかかった。目に映らないとどうしても集中が途切れる。声は右から左へと流れていく。ただ、慣れてくるとドラマを見ている感覚で家事やウォーキングをしながら、髪を乾かしながら楽しめた。
    多分継続しないと思うけど、ウォーキングや徒歩通勤には最高だと思う。

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    2025年11月15日
  • 砂の王国(上)

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    大手証券会社に勤務していた山崎は妻の美奈子が自分の判を押した離婚届をおいて家を出ていったことがきっかけで酒浸りになり会社を解雇された。四十歳だった。
    自分のキャリアなら再就職はそう難しくはないはずだと高を括っていたが
    そんなプライドは散々に打ち砕かれた。
    消費者金融の取立てから逃げ回ることに疲れ マンションを出た山崎は寝泊りしていたネットカフェで親しくなった若者に全財産の現金四十万と携帯電話を持ち逃げされる。
    そして彼は路上生活者になった─。

    上巻の前半 結構なページを割いて山崎の一カ月にわたる路上生活が書かれている。
    路上生活の惨めさや安易さが山崎を通してこちらにも伝わってくる。最初はあった わずかなプライドや躊躇いも空腹や寒さには勝てず あっという間に人の目を気にするのをやめる。
    短期間に段階を踏んで堕ちていく様子がとてもリアルだ。

    後半 まとまった金を手に入れた山崎は占師の龍斎と美形のホームレス 仲村の三人でビジネスとして“新興宗教”を始める。如才ない山崎の働きや仲村の人目を惹く容姿によって少しずつ会員が増えていき 活動の幅も広がり教祖である仲村の世間への露出も増えつつあるところで下巻に続く。

    個人的にいちばん気になっているのは仲村の生立ち。謎が多すぎる。
    脆そうな繋がりの三人だが どんな終わりが待っているのか 下巻がとても楽しみ。

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    2025年11月14日
  • ストロベリーライフ

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    病に倒れた父の苺農園を嫌々継いだ長男と取り巻く人々の人間模様。ベタな設定ではありますが登場人物たちの個性や苺畑の景色が伝わってくる筆力は流石です。ほんわかしたストーリーはさわやかな読後感でした。主人公が旧態依然の畑作経営からの脱却を図りますが、それがいちご狩りであったことに斬新さ欠くように思いました。

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    2025年11月11日
  • 砂の王国(下)

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    上巻と同じく、先が気になるので読み進めることができた。
    大地の会は絶対モデルとなる宗教団体あるよなぁ。

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    2025年11月06日
  • 砂の王国(下)

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    なんだか切ないラストだった。
    最後は自分の功績に潰されるのが無念だった。

    宗教を信仰することで、心の拠り所を得て幸せになる人もいれば、宗教に人生狂わされる人もいて。
    宗教って怖いな、集団心理って怖いなと思った。

    結局ホームレスから一躍大金持ちになったとしても逆戻りして、地道にお金を稼ぐほうが堅実なんだなと思った。

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    2025年11月01日
  • 砂の王国(上)

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    展開が少しスローな感はあるけど、先が気になるためか500ページ近くあるけど、スイスイ読めた。
    下巻が気になる。

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    2025年10月31日
  • 恋愛仮免中

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    「恋愛」をテーマにした
    5名の作家さんによるアンソロジー

    収録は以下の5作品
    「あなたが大好き」 奥田英朗
    「銀紙色のアンタレス」 窪美澄
    「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」 荻原浩
    「ドライビング・ミス・アンジー」 原田マハ
    「シャンプー」 中江有里

    窪美澄さんの作品は『夜に星を放つ』で既読だったが、好きな作品なので再読した。
    他作品は、私は初めてのものばかりだった。

    どの作品もそれぞれに趣が違っていて、個性豊かで、色々な恋愛模様がたのしめる。
    こんなに大当たりばかりのアンソロジーは、なかなかないと思う。しいて選ぶなら、私は荻原浩さんの作品が特にグッときた。

    読んでいて気恥ずかしくなるような、胸キュン恋愛小説が苦手な人も、これは安心して読めると思う。

    そして『恋愛仮免中』というタイトルもなかなか粋だ。
    幾つになっても、男性も女性も、こと恋愛においては
    仮免中の時が、一番たのしいんだろうな。

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    2025年10月25日
  • 砂の王国(上)

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    どう展開していくんだろうと思いながら読んでいたけど、なるほどな〜主人公頭良いなと思った。
    実際にホームレスになったことないし、未知の世界だけど、それなりに生きずらさや不安があるんだなと思った。
    下巻もどう展開していくのか楽しみ。

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    2025年10月19日