荻原浩のレビュー一覧
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みんな、「好き」という感情が絶対的上等感情だと崇めがちだ。だが「ほしい」という感情がさらに純粋なものではないかと感じたことはないですか?比べたらことがなかった「好き」と「ほしい」の相対論。この2つは似ている感情だと勘違いしていました。小説の中では「好き」と「ほしい」のかけ違いや勘違いで恋愛に物語が発生し、「好き」と「ほしい」の合致で恋愛が成就していた。更にこの2つを掛け算で考えてみると複雑で面白い。「好き」だから「ほしい」と「ほしい」から「好き」は全然違う。例えば、メルカリをして世の中の欲に触れた時。「ほしい」から「好き」という感覚の存在に気づかされる。別に好きではないのにほしくなる!ほしくないから好きではない...?「ほしい」は「好き」を上回る純粋な感情になりえる。「好き」は変幻自在な都合の良い感情になり下がる。
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Posted by ブクログ
探偵になりたくて探偵事務所に入ったが、体型がネックになってなかなかうまく行かない元力士。試用期間の間になんとか成果を一つは作りたい。そんなとき、ストーカーを捕まえる依頼に立ち会うのだが…。
仕事で行き詰まったり、転職してうまく行かなかった人たちが、一発逆転に向けて仕事に立ち向かっていく短編集。
いやあびっくり。というのも、1つ前に読んだ椰月美智子の作品と、テーマも短編の分量も内容もそっくり。芸能レポーターをやめて、地方のケーブルテレビ局のアナウンサーにチャレンジする話有ったよな?と読んでいる途中で引っかかったが、この本ではなく椰月美智子だ。
また、再チャレンジする仕事も、探偵、演歌歌手、漫画家、モデルなどと、一般的な職業でないところもそっくり。
そこに実在のゆるキャラやお笑い芸人を挟み込んでくるくすぐりなどは、作風も併せて山本甲士にも似ている。
軽ーくパラパラと読めるし、実は突拍子もなさそうな表紙にも繋がっているというね。
まあ、社会人にしか通じない感覚かなと思う部分は多いが、どの世代も軽く楽しめる、電子書籍でも読みやすい1冊だ。
あとがきならぬ、あと描きという、作者自らイラストを書いているのも見どころ。田島列島に作風が似ている。 -
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ネタバレ“自分はどこで 何を 間違えたのか…。”
三人で立ち上げた宗教団体「大地の会」は設計図どおりに発展し 会員数は四桁にのぼり しかも勢いは止まらない。
最初は 教祖である仲村も龍斎も会員たちもコントロールできていると思っていた。しかし段々と綻びが出始める。
肥大した宗教団体は木島(山崎)一人で制御できるものではなかった─。
上下巻通してとても面白かった。
「大地の会」が木島(山崎)の手からこぼれ、龍斎や仲村の思惑をのせて会員たちとともにどんどん形を変えていく様子が生々しい。
結局 山崎という人は幼少期の辛い経験もあわせて宗教というものにずいぶん翻弄されてしまった。
最後 山崎は「大地の会」を追われ東京から逃亡する。四十三歳でホームレスに逆戻りだ。しかし事務局長の木島だった時よりずいぶんと健康的で前向きだ。ホームレス経験済の彼はもう以前のようにやわではなかった。余裕すら感じられる彼に少しだけホッとした。
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audiobookの無料体験中で、耳で読んだ。
この作家さんは2冊目。
実は先日、この作家さんの講演を聞く機会があり、また、読んだことがあった一冊も本当に素晴らしかったので、これを選んで聞いてみた。
まずは講演での作家さんの印象から。
講演前に会場に入り始まるまで黙って待っている姿の印象は気難しそうな人だった。年上の男性だし、作家先生は気難しいという先入観かもしれない。でも、講演を聞いて印象はガラリと変わった。共感性が高く、五感の感受性も高く、ユーモアに溢れる方。
一人でパソコンに向き合う仕事ではあるけど、自分目線だけではなく、他者目線でも見れないと成り立たない職業なのだと実感した。
この作品は、独りよがりだった主人公が少しずつ立場の違う人に寄り添うことができるようになっていく話。若い主人公なので幼さを感じつつも、本人が感じる理不尽さに共感しつつ読んでいたが少しずつ冷静に周りを見て世界を広げていく主人公と共に自分も視野が広がったように感じた。
サラリーマン、フリーランスを経験した作者だからこそ書けた作品だと思う。
audiobookは、読むのではなく聞くという行為に慣れるのに時間がかかった。目に映らないとどうしても集中が途切れる。声は右から左へと流れていく。ただ、慣れてくるとドラマを見ている感覚で家事やウォーキングをしながら、髪を乾かしながら楽しめた。
多分継続しないと思うけど、ウォーキングや徒歩通勤には最高だと思う。 -
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大手証券会社に勤務していた山崎は妻の美奈子が自分の判を押した離婚届をおいて家を出ていったことがきっかけで酒浸りになり会社を解雇された。四十歳だった。
自分のキャリアなら再就職はそう難しくはないはずだと高を括っていたが
そんなプライドは散々に打ち砕かれた。
消費者金融の取立てから逃げ回ることに疲れ マンションを出た山崎は寝泊りしていたネットカフェで親しくなった若者に全財産の現金四十万と携帯電話を持ち逃げされる。
そして彼は路上生活者になった─。
上巻の前半 結構なページを割いて山崎の一カ月にわたる路上生活が書かれている。
路上生活の惨めさや安易さが山崎を通してこちらにも伝わってくる。最初はあった わずかなプライドや躊躇いも空腹や寒さには勝てず あっという間に人の目を気にするのをやめる。
短期間に段階を踏んで堕ちていく様子がとてもリアルだ。
後半 まとまった金を手に入れた山崎は占師の龍斎と美形のホームレス 仲村の三人でビジネスとして“新興宗教”を始める。如才ない山崎の働きや仲村の人目を惹く容姿によって少しずつ会員が増えていき 活動の幅も広がり教祖である仲村の世間への露出も増えつつあるところで下巻に続く。
個人的にいちばん気になっているのは仲村の生立ち。謎が多すぎる。
脆そうな繋がりの三人だが どんな終わりが待っているのか 下巻がとても楽しみ。 -
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「恋愛」をテーマにした
5名の作家さんによるアンソロジー
収録は以下の5作品
「あなたが大好き」 奥田英朗
「銀紙色のアンタレス」 窪美澄
「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」 荻原浩
「ドライビング・ミス・アンジー」 原田マハ
「シャンプー」 中江有里
窪美澄さんの作品は『夜に星を放つ』で既読だったが、好きな作品なので再読した。
他作品は、私は初めてのものばかりだった。
どの作品もそれぞれに趣が違っていて、個性豊かで、色々な恋愛模様がたのしめる。
こんなに大当たりばかりのアンソロジーは、なかなかないと思う。しいて選ぶなら、私は荻原浩さんの作品が特にグッときた。
読んでいて気恥ずかしくなるような、胸キュン恋愛小説が苦手な人も、これは安心して読めると思う。
そして『恋愛仮免中』というタイトルもなかなか粋だ。
幾つになっても、男性も女性も、こと恋愛においては
仮免中の時が、一番たのしいんだろうな。