荻原浩のレビュー一覧

  • コールドゲーム

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     「やめろよ」
     4年前にこのひとことが言えれば・・・。
    いじめられていた廣吉の復讐を両親が果たしていく。
     実際手は下さなくても同じ思いをしている人が現実にもいるだろう。 
    いじめる側もいじめられる側も一生残る傷ができるのだ。

     たったひとこと、「やめろよ」を言える勇気を持とう。

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    2024年12月24日
  • それでも空は青い

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    よくここまでいろんな幅の小説が書けるなぁと感心してしまった。しかも読後感がなんだかどれも心に入り込んでくる、というか。
    内容的にはそうでもないのになんだか後ろを向いていた自分の気持ちを前に向かせてくれるような作品達であった。
    文庫版の最後の中江有里さんの解説がまさに言い当てていて、小説読み終えて後に解説読んで、ウンウンと何度も頷いてしまった。

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    2024年12月14日
  • 家族写真

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    様々な家族の形を描いた短編集。
    幸せの形も人それぞれ。
    「肉村さん一家176kg」がなんとも微笑ましくて温かい気持ちになれた。

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    2024年12月05日
  • コールドゲーム

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    イジメが題材。周りの同級生が次々と事故に遭い、中2の時にクラスで虐められてたトロ吉が犯人じゃないかと探り始める。遂に殺人も起き、次は親友の番となって...。
    荻原浩にしては重め。読みやすいけど後味は宜しくなかった。最後のトロ吉の両親の展開も納得行く形だし、ふと見えた幻覚?も荻原浩っぽくてよかった。ただいつもみたいに痛快!!とまではいかない。イジメ描写がまあまあキツめ。

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    2024年11月15日
  • 押入れのちよ

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     「世にも奇妙な物語」を観ているようでした。
     背筋がゾクッとする話あり、怖かわいい話あり、怖可笑しい話、怖切ない話など楽しく読めました。

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    2024年11月06日
  • 楽園の真下

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    面白かった‼️荻原浩も多種多様な作品を描きますが、個人的には荻原浩の作品で3本の指に入るお話でした。この手のサイエンス・サスペンスは篠田節子の作品が凄く面白いのですが、それに匹敵する面白さでした。
    ハリガネムシがカマキリを操ると言うのは割と知られた事なので、それを知っている人には先が読める部分も有るのですが、このハリガネムシに着目して壮大なサスペンスにしたのは天晴れで、現実に起こってもおかしくない理論がありました。
    少しB級映画的な大袈裟感は否みませんでしたが、面白くて一気読みでした。
    万事落着と思いきや、、、の終わり方もそれは良し!

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    2024年11月05日
  • 月の上の観覧車

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    哀愁漂う心に残る作品だった。
    人生どこかで上手くいかなくなってしまった人が、過去を振り返る作品が多い。
    あの時ああしておけば…と振り返ることは誰にでもあるが、コントロールできないこともあるし、全てが上手くいくことなどはあり得ない。そういった現実を受け入れて消化していき、人生を終えていくということを教えてくれる。

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    2024年11月03日
  • ギブ・ミー・ア・チャンス

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    短編集。毎回どの話も、読んで良かったとその度に思いながら読んでいた。ちょっとイタイ一面を持った人たちが一生懸命足掻いて生きている姿勢に勇気と元気が出た。また近い未来に読み返したくなるであろう大切な一冊。

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    2024年10月26日
  • 明日の記憶

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    2005年第18回山本周五郎賞
    2006年映画化

    第一線で働く広告代理店営業部長
    五十歳を前にして 若年性アルツハイマーと診断される
    自分の記憶を守ろうと日記をつけ
    できるだけメモに残して
    仕事と生活を守ろうとする
    何かを忘れているのではという不安の中
    娘の結婚式まではと 記憶を残そうとする

    それでも病気は少しづつ記憶を奪う
    日々増えていくメモの束に苦しくなります
    見慣れた場所が突然見知らぬ場所に
    記憶を徐々に失う怖さと
    一時前が思い出せない恐さ
    ポケットに詰め込んだメモが舞い上がる様が
    あまりに哀しい

    発症年齢によりますが
    仕事も家庭もまだ主軸であろう人生半ば
    荻原さんは、いつも優しい

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    2024年10月11日
  • オロロ畑でつかまえて

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    大手広告会社と競合のゴムのプレゼンの様子がおもしろい。これからどうやって村おこしにつながるか楽しみ。

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    2024年10月06日
  • 神様からひと言

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    3と4の間で四捨五入して星四つ。

    どのキャラクターもそんなに好きじゃないけど、
    なんか、いい味出してた。

    読んでいる間、楽しかった。

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    2024年10月04日
  • ワンダーランド急行

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    今いる世界と違う世界に迷い込んだ男。こんな可能性や選択だったらどう世界は変わっていただろうか。見えるものが一変していたら確かに戸惑うだろう。牛が絶滅し羊肉が定番になってたところは面白かった。

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    2024年10月01日
  • 砂の王国(下)

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    ネタバレ

    面白かった、怖かった〜

    全くの嘘、中身などないはずの「大地の会」がいつの間にか3人が居なくても回っている状況が怖かった。
    自分の小さいコマの一つあったはずのモノが知らないところで大きくなりすぎて自分を脅かすの、恐ろしすぎる

    主人公が「どこから間違えた?」となんども自問していたが、そもそも人の祈りや心の拠り所を気軽に扱うべきじゃなかったんだな
    龍斎くらい振り切れていれば楽なんだろうな〜
    結末は再出発を感じられて、よかった

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    2024年09月16日
  • 家族写真

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    ネタバレ

    家族がテーマの7編の短編集です。面白くて笑える物からちょっと寂しく切ない物まで楽しめました。

    『肉村さん一家176kg』は家族3人でダイエットに励むお話ですが、お気楽すぎて絶対痩せる日は来ないな~。でも幸せそうだからそのままで良い感じ。

    『磯野波平を探して』はそうそう、波平さん54歳という年齢に衝撃です。70過ぎだと勝手に思い込んでいましたからね。

    『プラスチック・ファミリー』は一人暮らしの男性がゴミ捨て場から昔好きだった女性に似たマネキンを持ち帰り、更には子供のマネキンまで購入してニセ家族を楽しむお話。ラストの決断は意外だけどちょっと安心もしたかな。

    『住宅見学会』は迎える家族も見学

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    2024年09月15日
  • 逢魔が時に会いましょう

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    就職を諦め、大学院進学を志す映画研究会の高橋真矢。アルバイトとして民俗学の准教授のカメラマン兼助手として同行する「座敷わらしの右手」「河童沼の水底から」「天狗の来た道」の3篇。

    座敷わらしと河童のお話が実は大昔の子供の間引きが関係しているかもしれないという説にはびっくりです。現地調査でそれらしき物が現れるのは真矢の目の前だけで布目准教授の前には現れない。真矢には得体の知れない物を引き付ける何かがあるのかしら?

    天狗の北欧精霊説も面白いですね。天狗の渡したコインはどうなったのかな?

    最初はこのコンビどうなるのかと思っていたけど、ちょっと恋愛感情が芽生えた様子。二人の今後も見届けたいし、続編

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    2024年09月08日
  • 明日の記憶

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    広告代理店営業部長の佐伯は、50歳にして記憶に不安を持ち、
    病院で検査をした結果、若年性アルツハイマーと診断された。
    仕事で、重要な案件を抱えて、日々、遅くまで仕事をし、
    寝不足が重なり、病気に対して悪循環な生活をしていた。
    娘の結婚を控え、仕事を続けていけるのか、不安を抱えつつ、葛藤の
    日々を送る。

    主人公である佐伯の家庭、会社、趣味で通っている教室
    での葛藤や思いを読み進めていく中で、決してつらい物語だけではない、
    家族愛や思い出などが描かれていて、爽やかに読み終えられた。
    佐伯の大学時代の経験や思い出が、趣味や家族への思いに関係するし、
    趣味で通っている教室での、数度目のシーンで感情を

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    2024年09月02日
  • 金魚姫

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    予想はできていたけど、次のページを捲ったときの衝撃!多くの方と共有したいですね。暗〜く、厳しい社会人生活がリアルで面白いし、その後の金魚姫とのめぐり逢い、その水でいいの?の不安、読み応え十分なお話しでした。

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    2024年08月26日
  • 神様からひと言

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    最初は閑職に左遷させられた主人公が盛り返していく半沢的な本かと思ったら全然違った。

    地獄のような部署で働く内に主人公の内面の移り変わり、成長?、変化に非常に心動かされ生きるとは何なのか。
    自分の生き方について改めて考え直した。

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    2024年08月24日
  • 押入れのちよ

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    相変わらずライトでかなり読みやすい。
    ホラーものが多く感動系が少ないのが珍しい。
    ホラーと言っても笑えるようなものが多くゾクゾクするタイプではない。

    コールが面白かったのと、
    表題作は今まで読んだ話の中でもトップ10には入るほど好きだった。

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    2024年08月23日
  • あの日にドライブ

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    主人公の伸郎は妻帯者で2児の父であります。元はなぎさ銀行の行員を勤めていましたが,ある出来事を機に行員を退職することに。そこで転職活動中に「45万円の収入可」という文言を目にし,タクシー会社に勤めることに。とは言っても45万円の収入を得るには歩合制のタクシードライバーにとってはどれだけ上玉の客を拾えるか,が重要になってきます。この作品は伸郎が自身の人生に悔悟の念を抱いている状態でスタートします。「あの時ああしていればな」と人生を振り返るとそう思ってしまう瞬間が多々あります。人生の「タラレバ」の瞬間はそこかしこに転がっています。人生という旅路を曲がり角で一々表現しているところが自分的には印象的で

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    2024年08月15日