荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ民俗学専攻の大学准教授・布目と、その助手のアルバイト学生・真矢。性格など正反対なようで実は息の合った二人が繰り広げる”もののけ”珍道中。
座敷わらしに河童に天狗。
そんなの単なる迷信でしょ、今どきそんなのいる訳ないじゃん、とスルーしたくなる”もののけ”を探し出して撮影する、意外とハードなフィールドワーク。
古来から日本に言い伝えられている数々の伝承。
その摩訶不思議な存在や言い伝えなど、聞いてるだけで背筋がゾクッとしそうだけれど、それらをコメディタッチに描いてあるので読みやすい。
そして調査する二人の軽快なやり取りも微笑ましかった。
「妖怪の正体を知ることは、この国の正体を知ることでもある」
布目の言葉にも納得。
二人の”もののけ”談義も面白くてもっと読んでみたくなった。
この二人のフィールドワークの続き、あるかな〜? -
Posted by ブクログ
ネタバレやっぱり荻原浩は面白い.解説の「取り戻せない喪失を抱えた人々が未来へ向かう物語」というのがまさにぴったりの,ノスタルジックな香りのする珠玉の短編集.
「トンネル鏡」 五十路になる前に会社をやめて故郷に帰る男が,車窓を眺めながら母親にまつわる思い出を軸に今までの来し方を回想する話.
「上海租界の魔術師」 家に転がり込んできた上海でマジシャンをしていた祖父との思い出.魔術師の弟子となった孫娘は,祖父の通夜でとっておきの魔術を披露する.
「レシピ」 夫の定年退職の日に,夕食の料理をしながら夫の帰宅を待つ妻.古いレシピノートを見ながらそこに書かれているレシピにまつわる出来事を回想する.最後に荻原さんらしい,ちょっとどきっとする(ブラックな)落ちがある.
「金魚」 奥さんを亡くしたことで精神に変調をきたしている男が,奥さんとのことなどを回想する少し幻想的な作品.モノクロの世界ではじめて色がついた金魚の赤がすごく鮮やか.
「チョコチップミントをダブルで」 離婚の時の約束で誕生日にしか会えない娘と,約束の日に会う話.よかれと思ってしているのだけれども,それが独りよがりで空回りしていて,愛想をつかされちゃう.うーん身につまされる.娘の綾乃ちゃんがいい子なのが救い.
「ゴミ屋敷モノクローム」 市の職員が苦情対応のためにゴミ屋敷に住んでいるおばあさんに会いに行く.おばあさんが自宅をゴミ屋敷にしたわけは・・・.
「胡瓜の馬」 同志と思って育ってきのたのに,結果として裏切ってしまった元カノの思い出.物語の終盤で,同窓会に出席するために帰省した悲しい理由が明らかになる.
「月の上の観覧車」 月の出ている夜に一人で乗ると死別した人に会える(と思っている)観覧車で,自分の人生を振り替える老経営者の話.