荻原浩のレビュー一覧

  • 砂の王国(上)

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    古本屋で上下巻セットだったので購入。

    長編だが、ページが進む。

    クリスマスを迎える東京。ホームレスとなった山崎遼一は途方に暮れる。

    安心して寝られる公園を見つけ、占い師と容姿抜群の先輩ホームレスに出会い、山崎はなんとかホームレスで年を越せた。

    元証券会社社員の山崎が考えたホームレス脱出の手段は宗教。
    公園で知り合った占い師と先輩ホームレスを焚き付け、事を起こしはじめる。

    金はどうしたか?とか、ここまでたどり着く手段はネタバレになるのでやめておく。

    下巻もあるので全体の感想は下巻で。

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    2022年10月30日
  • 二千七百の夏と冬 : 下

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    「フジミクニ、ウルクに悪いことした。でも、人は悪くない」
    「悪いのはワウ(王)か」
    振り返ってカフィの顔を覗き込む。首を縦に振りかけてから、もとに戻していた。
    「人は悪くない」
    「じゃあ、誰のせいだ」
    「悪霊のせい」誰かに問いかけるような調子でカヒィが言う。「悪霊、誰の心にも取り憑くから」(275p)

    下巻に至り、縄文のムラ、ピナイを離れた少年ウルクは、森の主のような人喰い熊(ヒグマ)を倒したあと、おそらく静岡平野に展開している弥生人たちが統べるムラにたどり着く。そこは縄文人が夢想していた夢の植物「コーミー」のお陰で遊んで暮らせる所ではなく、「ワウ」の一族の下、縄文人よりもはるかに生産力が高

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    2022年10月16日
  • 楽園の真下

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    はいはい、どうせ線虫でしょ。
    ほらねやっぱり線虫じゃん。
    うーんイマイチだったかなぁ
    最後まで読めないかも。
    おや…?ちょっと激しい
    おやおや…!?宿舎での急展開はハラハラドキドキ!
    残りのページで終わるのこれ?と心配になりつつ読む読む一気に。
    カマキリの動き、文章なのにすごい想像つく。
    きもちわるい。
    線虫との戦いは終わらない。

    出会いは本屋さんで平積みしてあったところ。
    表紙のカマキリのご尊顔がインパクト強すぎだよね。
    気持ち悪いから一旦は買わずに帰ったんだけどね。笑
    やっぱり気になってネットでポチ。
    読んでよかった!

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    2022年09月14日
  • 月の上の観覧車

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    「いま私はどのあたりだろう。もうあと少しで終わる観覧車の中で私は思う。人生に二周目があればいいのに、と。」(月の上の観覧車)

    人生の終わりを考えた時に、「早くその時を迎えたい」と思うのか、「二周目があればいい」と思うのか。
    私は後者でありたい。

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    2022年09月05日
  • 楽園の真下

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    星半分が無いから極端な評価になっちゃうけど3.5くらいってところ。中の上。

    昭和のテレ東、日曜、午後2時の定番だった巨大化した生き物に襲われるパニックホラーをベースに色々と盛り込んでいて読み応え充分。

    寄生虫のくだりでもっと押してく展開も良さそうだなとは思ったけど、最終的にはボスキャラ戦を持ってきて描写を気持ち悪がりながらも本をめくる手が止まらないハラハラ感。

    長い本なのでダレるとこありそうかなという心配も杞憂に終わり一気に読み終えた。

    子供の頃、カマキリは身近な昆虫だっただけに細かい動きとかリアルに想像できて余計に怖かったな。

    けだし良作。氏の他の作品も読んでみようかな。

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    2022年08月29日
  • ひまわり事件

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    序盤は視点の変更や流れの単調さに詰まらなさを感じるが、中盤以降勢いに乗ってくると面白い。子供、老人それぞれの感情表現がはっきりしていて移入しやすい。
    エピローグもさっぱりとした形で夏の終わりを彷彿とさせる。

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    2022年08月20日
  • コールドゲーム

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     中学2年生の頃、クラス中からイジメられていた廣吉が、4年後当時イジメに荷担していたクラスメイトへ復讐するストーリー。復讐の内容はもちろんだが、当時のイジメの内容もなかなか酷く、「やらなければ自分がやられる」という言い訳では通用しないほど。亮太ら加害者側が若気の至りで片付けようとするには無理があり過ぎる上、クラスメイトたち全員に反省の色が感じられない。廣吉があまりに可哀想。
     光也もイジメの流れをストップさせる発言ができるようになっていたことから、反省・後悔の気持ちは出てきているものの、「勝手に頼るな」はちょっと違うのでは?と思ってしまった。まぁ、まだ人にせいにしたがる10代の少年なのだから、

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    2022年08月16日
  • さよならバースディ

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    前半はバースデーの可愛さに癒されながら読み進めていくと…
    物語の概要はわかってはいたものの後半は人間の身勝手なドロドロした世界に純粋な人ほど苦しくなっていく…
    人間世界にふりまわされるバースデー 
    う〜ん、切ない…

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    2022年08月13日
  • 砂の王国(下)

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    インチキ宗教がドンドンと大きくなっていき……つくりだした自分すら手に負えなくなっていく。
    某宗教団体も、インチキがバレる恐怖や集団心理から宗教にそぐわない人を『ポア』したくなったのだろうか。そんなことを考えてしまうくらい、やっかいな信者への苛立ちに同調したり、宗教団体の法治国家と異なる異様な雰囲気に飲まれてしまう。
    最初は破滅するほどの金はとらないつもりだったし、他者排斥はしない、法律は守る、という考えだったし、最後までその傾向だった宗教をつくった人の手を離れ、宗教団体が危ない方向に向かっていくリアルさが、どんどんとせまってきて、読む手が止まらなかった。
    最後のオチが、え?終わり?どうなったの

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    2022年08月11日
  • それでも空は青い

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    ネタバレ

    【あなたによく似た機械】
    上手くミスリードされて、スッキリとした読後感だった。近未来・SFの話だけど、そう遠くない未来で実現するのかも。

    【人生はパイナップル】
    お爺ちゃんがパイナップルが嫌いな理由も、波瀾万丈な人生も、切なくとも暖かいような物語だった。
    「僕」は主人公でありながらも、裏・主人公のお爺ちゃんを引き立てるのに、大役を務めていた。

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    2022年08月11日
  • 誘拐ラプソディー

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    とても面白かったです
    ついてない男伊達秀吉が誘拐したのはやくざの組長の息子伝助。
    伝助がかわいいし伝助に情が移っていく秀吉も面白い。
    チェリーちゃんの淡い恋心もよかったです。

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    2022年08月09日
  • 冷蔵庫を抱きしめて(新潮文庫)

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    面白かったです!
    世にも奇妙な物語を見ているよう…すごく好きでした。
    こういう短編集もっと読みたいです。

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    2022年08月07日
  • ギブ・ミー・ア・チャンス

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    ネタバレ

    *「あたためますか?」「アイスあっためてどうすんの!」。俺はコンビニバイトの傍らネタを作り続ける。漫才でいつか天下を取るんだ!…相方はまだいないが―芸人を夢見るフリーターを描く表題作ほか、何者かになろうと挑み続ける、不器用で諦めの悪い八人の短篇集。愛すべき彼らが動き出す、著者書き下ろし「あと描き」を特別収録*

    いいなあ、安定の荻原節。
    どの主人公も、頑張っているのに、ちょっと何かが足りなくて、ちょっとツキがなくて、ちょっと残念。なんだけど、諦めずに、試行錯誤しながら、それぞれのやり方で生きていく様がとても軽やかに描かれています。
    ほんと、いいなあ、この明るい足掻きっぷりと開き直りっぷり。なん

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    2022年07月21日
  • 花のさくら通り

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    荻原氏の本は3作目。「浩」繋がりで有川浩氏と混同して買ってしまう。
    内容は読み始めてすぐに「神様から一言」を思い出した。アクの強い登場人物達が会社のために活躍する姿が、商店街に代わったように思う。このままで良いとする旧勢力に立ち向かう改革派。これをベースに純粋な男女の微笑ましい恋愛のやり取り、主人公と離婚した後の切ない娘との手紙のやり取りなど、見どころが詰まった楽しい小説となっている。
    あとがきを見るとシリーズ3作目のようであり、他の本も読みたくなってしまう。

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    2022年07月19日
  • コールドゲーム

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    因果応報といえば、それまでやけど…
    イジメた方は忘れても、イジメられた方はずっと憶えてる。
    それで、自分の人生を台無しにされたら、恨むのは分かるけど実践したら、あかんな。それも殺しまで…と模範回答はしたけど、ならお前はどうするねん!と聞かれれば、「…」やな(−_−;)

    私の学校は、比較的恵まれてたのか、こんな酷いイジメはなかったな。自分が見ていた部分に限るけど。

    イジメの復讐をめぐる学園ミステリーになるんかな?
    イジメから、4年後にはじまる復讐劇!
    復讐から、身を守る為に、自衛団みたいなの作るけど、やっぱり、警察やろ!頼りにならんかもしれんけど…
    ストーリーとしては、「はじめちょろちょろ中

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    2022年07月16日
  • 金魚姫

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    ネタバレ

    文字が小さく少し分厚い本だったので、
    読書初心者のわたしには少し早過ぎたかと思ったけど、
    読めば読むほど続きが気になり、あっという間に読み終えた。

    金魚の『リュウ』の謎を巡って話は進むが、
    現代の話の途中で、過去の話を織り込ませ、
    リュウとなにか関係があるであろうと思わせる展開がドキドキわくわくさせられた。

    リュウを飼い始めたことにより起きた主人公の異変も、
    少し胸が締め付けられるような話でジーンときた。

    最後はまさかの、しかし、そうだったのか、、となんとも言えない気持ちに…

    読んでいて、段々とお茶目なリュウに読者の私も心を惹かれていたので、とても悲しく切なった。

    またリュウに会いた

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    2022年07月09日
  • 二千七百の夏と冬 : 下

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    古い人骨が発見された。
    縄文時代と弥生時代の男女が手を繋いだ状態で。
    現代の新聞記者、佐藤香椰がそのスクープを追う。
    2700年前の日本で生きていたであろう、ウルクとカヒィの恋と冒険の物語を中心に繰り広げられる物語は、考古学というものの夢を私たちに伝えてくれる。
    ウルクやカフィの言葉は分かりにくいものの、読み解いていくのも面白い。
    猪や鹿、熊などを狩り、米の栽培を始める頃の日本。狩猟民族と農耕民族の生活の違いなど興味深く、作者の想像の世界を楽しめた。

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    2022年06月28日
  • ひまわり事件

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    群像劇?

    おなじ舞台だけど
    登場人物の視点を変えて
    とても
    わかりやすく
    ストレスなく楽しめる

    作者のユーモアのある語り方も
    長文のなかで
    たくさん変化していく

    結末が楽しみだったが
    優しい着地点も
    安心できた。

    男が書いた本

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    2022年06月27日
  • それでも空は青い

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    ロマンチックに歳は関係ない
    いい感じ

    中江有里さんの解説の「小説に表れる心」が伝わる、いい文章だ。
    台湾にもやっぱり行ってみたくなった

    いまや、芯まで食べれるとなった、パイナップルのある、台湾に。

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    2022年06月23日
  • 逢魔が時に会いましょう

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    民俗学者布目と進路に悩む大学四年生真矢(まや)が座敷童や河童を調査しに行く物語。
    荻原さんの本にはほかにも座敷わらしが出てくる本があったりするので、時間ができたら遠野に座敷わらしを探しに行ってみようかな・・・と思ってしまいました。

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    2022年06月23日