荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ中学生向け問題集のどこかで読んだことがきっかけで惹かれた。
美術の授業中のシーンを抜粋してあった。
とても瑞々しくて痛くて好きになった。
全体的に若者の口語体であるためテンポよく読めた。
難しいところは特にない。
彼の苦悩は私と同じではないが、なんとなくわかる。
特別だと思い込まなければ今死んでしまう気がする感じ。
こちらも概ね思い込みであった、都度起こす彼の犯罪にはあまり共感できなかったが、それこそ彼と同じ境遇だったらわからない。
アイスマンを持ち出したら何か変わる気がしてしまうのもよくわかる。
でもきっと、私には実行するだけの度胸はない。
そこだけが少し気になった。
私はやっぱり、青い何かのために犯罪を肯定できない。
それに手を染めてしまう、一種の陶酔は、理解する。 -
購入済み
冒険
座敷わらしに河童に天狗。
小説は,より現実離れしている方が好みだ。
すぐに自分の世界に入ってしまう布目先生と,映画監督を目指す真矢。
二人のキャラクターも微笑ましい。
冒険の続きが気になる。
妖怪や精霊なんてきっといないんだけど,心のどこかで信じていたい。
その方が楽しいから。 -
Posted by ブクログ
面白いのです。。。。
出版社の紹介では「二度目の原発事故でどん底に落ちた社会――。三年前に懲役を終えたばかりの及川頼也は、若頭に「アル中を治せ」と命じられ、とある大学病院の精神科を訪れる。検査によると、及川の脳には「良心がない」のだという。医者らを拒絶する及川だが、ウィリアムズ症候群の少女が懐くようになり……。人間の脳は変われるのか。ハードボイルドの筆致で描く、脳科学サスペンス!」と書かれています。
どうしようもないサイコパス(反社会的人格)のヤクザの悪行を書き連ね、最後は森の中の怪しげな精神病院内でマッドドクター(サイエンティスト)との戦い。手に汗握ると言いましょうか、さすが荻原さん、読ませてくれます。
それにしてもご自身が「ノンジャンルの人間」と言い、「器用貧乏なのかもしれない」と自己分析されている荻原さん。
デビュー当時は『ハードボイルド・エッグ』などのスラップスティックコメディ、その後『明日の記憶』などのシリアス物に転身し、その中で『海の見える理髪店』などのハートウォーミングな作品を数多く発表。最近では縄文人の男の子と弥生人の女の子の恋を描いた『二千七百の夏と冬』や巨大カマキリが登場する昆虫版ジェラシックパークの『楽園の真下』などサスペンスフルな作品も多くあります。
でもね、個人的には時代を遡るほど「荻原さんらしい」と感じてしまうのです。 -
Posted by ブクログ
同棲していた恋人にふられ、ブラック企業勤めにも疲れ果てていた潤という青年が、夏祭りで気まぐれにすくった金魚にリュウ(琉金だから)と名前をつけたところから物語は始まる。
リュウを飼い始めた夜に、赤い衣をまとった美女が潤の部屋に現れる。どうやら金魚の化身らしい彼女は、誰かを探しているようだが、肝心な記憶を失い途方に暮れていた。
突然始まった奇妙な同居生活に、潤はだんだんと幸せを感じるようになっていったが、しかし彼女にはある秘密があった。
数ヶ月前に読んだ本なので多少忘れている部分もあるのだけど、因縁とはこういうことか…とストーリーのつくりにとても感心した。
突如として潤の目の前に現れたリュウは、遠い昔の中国生まれ(金魚、琉金がそうなので)。長崎生まれの潤のところに現れたのには、彼らが想像するはずもない因縁があった。
リュウのキャラクターは、当たり前だけど世間知らずの自由奔放キャラで、とてもキュートだけど一緒に過ごすのは正直大変そう。笑
潤は元々振り回されキャラなのか、それとも状況から疲れ切っていて身を任せている感じなのか、リュウに振り回されながらも彼女に惹かれてゆき、彼女がいない生活など考えられないようになってゆく。
仏壇仏具の営業をする会社に勤めている潤が、リュウと出逢ったあと、ぐんぐんと営業成績をあげていく様もとても不思議で心地よい。
成績をあげようという野心ではなく、大切な人を亡くした誰かに寄り添うということが、自然に出来ていく様が。
この小説は今年の春先にドラマ化されたらしいけれど、映像化し甲斐がありそうだなと感じた。リュウを演じた女優さんが、嫌いではないけれどイメージとはちょっと違うかな、とは思ったが。笑
よく出来た、エンタメ性が高めの物語だと思う。すらすら読める系です。