荻原浩のレビュー一覧

  • オイアウエ漂流記

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    ちょっと長かった分読み応えはある。ドタバタコメディが主だけどそれだけじゃない。「人は様々な命に助けられている」を感じる小説。
    そして今の暮らしがどれだけ幸福なことなのかを。

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    2019年01月14日
  • 「いじめ」をめぐる物語

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    7人の作家さんによるアンソロジー。
    いじめはきっとなくなることはない。
    大切なのはいじめてることに気付けるか。
    いじめられた時にどうやって対処していくか、その方法をひとつでも多く知っているかってことなんだなと思った。

    今、苦しんでる多くの人に読んでもらいたいと思いました。

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    2019年01月09日
  • ギブ・ミー・ア・チャンス

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    未だ見ぬ未来を思い描いて、くすぶっている8人からなる短編集。
    どれも最後は清々しさを感じられる読後感がよろしい作品でした。
    特に市役所職員が着ぐるみの中に入るタケぴよインサイドストーリーは面白かった。小説で普通に笑いながら読めた。
    未来や可能性を感じたまま終わるのが、よかった。
    爽快な読後感が得られた。

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    2018年12月31日
  • ギブ・ミー・ア・チャンス

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    ネタバレ

    やっぱり、荻原氏ですね。
    期待を裏切らない。

    8編からなる短編だが、それぞれのギブ・ミー・ア・チャンスである。
    元力士、演歌歌手、漫画家脂肪、元CA、漁協職員、作家志望、タレント、漫才志望
    それぞれの境遇で次なるそれぞれに挑戦します。

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    2018年12月30日
  • ギブ・ミー・ア・チャンス

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    面白かった~!
    一つ一つめちゃくちゃ面白いのになぜかめっちゃ読むのに時間がかかった。
    短編なのに、なんていうか重みがあって長編レベルの満足を得られるからかな。凝縮された面白さというか。

    すきなのはアテンションプリーズ!
    めちゃくちゃ良かったわ~

    あとたけぴよの話も面白い!

    2018.12.02

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    2018年12月02日
  • 二千七百の夏と冬 : 下

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    西暦も2000年を超え、地球規模の様々な問題が顕著になってきています。しかし、過去に遡って目を向けると、アフリカを起源とする人類の発祥や、日本人は何処からやってきたのかというような考古学的な興味は、想像の世界だけに気持ちを掻き立てられるものがあります。一対の若い男女の人骨の発掘を発端とするこの物語は、それだけに一気に2700年の時を跨いで縄文、弥生時代に飛びます。
    日本列島と思われるある所に狩猟によって命を繋いでいる一集団、その中の思春期を迎えた16歳になる男子、ウルクが主人公です。彼は図らずもヒグマと思われる巨大な熊を倒すことと、ある目的を遂げるために家族を含むその集団から離れなければなりま

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    2018年12月01日
  • 砂の王国(上)

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    サラリーマンからホームレスへ。主人公は急転落したが、その後、2人のホームレス仲間を誘い新興宗教を設立し、起死回生を目論むー。始めのホームレス時代はリアルやな。私は自分が雨露がしのげて、暖かい雑炊がすぐ食べられ、安穏とベッドで眠れる現状を改めて有難いと思ったわ。そして仲間の1人、誰かれもが驚愕する美貌のホームレス、ナカムラ君がかなり気になる存在。今のところ、うまくいきすぎ?なくらい順調な主人公だが、これからどうなるの?ってところで下巻へ~

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    2018年11月21日
  • 千年樹

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    1000年と遠い昔、父と母と一緒に山中に逃げ、最後は餓えと寒さの中で息絶えた小さな幼子。その幼子が口からこぼれた種が芽吹いて、クスの大樹となる。
    そのクスの大樹のある風景の中で、現代と過去をオーバーラップさせながらたくさんの人間のドラマが語られる。
    どの話も物悲しく切ない。この大樹は暖かく包み込むようなこともなく、祟り神のように悪さをするでもなく、ただただ静かに人間の営みに耳をすませている感じ。時々出てくる1000年前に亡くなったであろう幼子の化身も、人を助けるでもなく困らせるでもなく、ただ大樹の周りに吹く風のように無邪気だ。
    それでも人々がこの大樹に大小様々な想いを持って、何となく頼っている

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    2018年11月11日
  • 金魚姫

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    潤とリュウの漫才のようなやりとりに笑わされ、元恋人の✕✕に泣かされ、終盤「●●だ」に驚かされ、余韻残すラスト…荻原浩らしさ全開のファンタジー。

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    2018年11月10日
  • ストロベリーライフ

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    青臭いと野菜を嫌がる子どもに「本当の味を知らないから野菜が嫌いなんだ」と語るシーンが『美味しんぼ』にあった。農業従事者の減少については、あちこちで取り沙汰されている。じゃあどうするという問いに、一つの答えを示した作品。
    綿密に勉強をして執筆されたことが伝わるリアルな農業の実態と、育てた生き物への愛情がストレートに伝わる主人公の語り口がよかった。

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    2018年10月21日
  • 幸せになる百通りの方法

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    想像よりおもしろかった。

    節電、オレオレ詐欺、リストラ、歴女、など
    最近のキーワードを滑稽に描いている作品。

    タイトルも最近よくある自己啓発本っぽくなっているのが
    作者の遊び心かなと。

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    2018年10月19日
  • 月の上の観覧車

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    彼氏に借りた本。ちょうど先日祖母の四十九日を終えたばかりなことや、自分自身の鬱気質もあって、本書の短編全てを貫く1つのテーマ「喪失」が思った以上に心に刺さってしまった…ぐはっ…。
    その中でも「レシピ」は、明るい?未来を予感させるもので、一番心に残った。
    やり直せたらいいと思うことなんて山のようにあるけれど、やり直せないからこそ人生は面白いのであって、だからこそ、今を生きることが大事なのだなと思った。

    しかし、久しぶりに小説を読んだ…!喧騒から離れ、1人で本と向き合う時間は最高すぎる。

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    2018年09月30日
  • 砂の王国(上)

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    めちゃくちゃリアル。

    特にホームレス生活がリアルすぎて、作者の体験談なのでは?と思うほど。新興宗教を発足させる過程もリアルかつ納得できる仕組みで、これを参考に本当にできてしまうのではと思える。

    しかし話が進めば進むほど、成功していく新興宗教とは反対に主人公のメンタルが追いやられていって、不安ばかりがつのっていく。下巻も途中まで読みましたがしんどくなってやめてしまいました。

    それでも前述した点での緻密さや登場人物の心理描写の細かさ、無理のなさなどが素晴らしい作品。人間の愚かさをよく描けている。

    そういった類の小説が読みたいひとにはおすすめです。

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    2018年09月11日
  • 月の上の観覧車

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    なんかしんみりしました。

    トンネル鏡
    住んでいる街が嫌で東京の大学に進み地元を出て行く。就職し結婚し子供が生まれ家を建てる。母も呼び同居するが嫁とうまくいかず母は故郷へ帰ってしまう。嫁との溝が深くなりやがて離婚。自分も故郷へ戻る事を考える最中母が倒れ他界。歳をとった自分が故郷へ帰る電車の中、トンネルに入ると窓に映る自分の姿を見て人生を振り返る。

    上海租界の魔術師
    家に祖父が帰ってきた。祖父は昔、上海で魔術師をしていた。孫のかなめはマジックに興味津々。祖父はかなめ相手に色々とマジックを見せる。やがてかなめは不登校になる。祖父はマジックでかなめを変えようとするが当然そんな事では変わらない。祖父

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    2018年09月15日
  • オロロ畑でつかまえて

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    ネタバレ

    文明とはかけ離れた秘境、牛穴村の未来を背負った青年会が村おこしの為に立ち上がる!倒産寸前の弱小広告会社、ユニバーサル広告社とのタッグが波乱を巻き起こす。

    ・田舎の故郷を卑下して、都会をたてる
    ←これ田舎者の特徴。自分も気をつけたい

    ・田舎者を蔑む大学時代の友人
    ← 一方が友人だと思っていても、もう一方がそのように思っているとは限らない。内面ではなく外面だけ見て、友達を選ぶような、友達をファッション程度にしか考えていない人によくありがち。付き合いたくない人種。

    ・地域資源を生かして伝説を捏造し、メディアの注目を集める事で村興しに繋げていく
    →ありそうでありそうじゃない丁度良いラインの荒技で

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    2018年08月25日
  • ママの狙撃銃 新装版

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    10代の頃に依頼され他人を殺した主人公。
    現在二児とへたれな旦那を抱えた専業主婦として念願のマイホームを得て平和に暮らしていたのだけれど、25年を経て再び仕事を依頼され、というお話。

    荻原浩らしく軽い読み口でさらさらと読め、主人公の状況は重たいもののそこまで重さを感じさせません。
    そして生きることに対してほんの少し優しく背中を押してくれる感じが荻原浩らしく、近頃重たいものばかり読んでいた私にはとてもいい息抜きとなりました。
    映画を観ているような感覚でした。(ミニシアター系ですね)

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    2018年08月24日
  • ストロベリーライフ

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    独立したグラフィックデザイナーが、父親の病気を機に、実家のいちご栽培を手伝う羽目になり、いつの間にかのめり込んでいく・・・。いちご栽培のノウハウ、農家の実情、作物に向き合う時の心情などがリアルで面白くて・・・・あれ?どこかで聞いたような話と思ったら、萩原さんの初エッセイ「極小農園日記」だった。(←こちらもぜひ!)
    望月恵介がこんなにもいちごにのめり込んでしまうのは、萩原さん自身の愛がそうさせるのか・・・などと、裏も表もわかったような気になって、面白く読みました。

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    2018年07月21日
  • ひまわり事件

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    かなり読み応えがある一冊。派手な事件は終盤だけで、老人と幼児たちの不思議な出会いと友情が描かれる話。比喩表現がとにかく面白かった。自分では思いつかないような表現なのに、それがものすごく的を射ているから凄い。
    登場人物のキャラが立っていて、どのひともすごくピュア。守りたい人、守りたい気持ちにだけ突き動かされていて、どの登場人物のことも嫌にならずすっきりとした読後感がある。悲しくないのに、その人物にとってのハッピーエンドなのに泣けてしまった稀有な話。凄く好きな話です。何年かしたらまた読み返したい。

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    2018年07月10日
  • 家族写真

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    以前「神様からひと言」「なかよし小鳩組」に笑わせてもらい、力をもらった作家さんの短編集。電車で読んでいて、やはりクスクス笑ってしまった。あっさり面白く読めるお話ばかりで、一つずつ違ったタッチで良かった。順番がまた良かったかも。
    また長編が読みたくなった。

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    2018年07月04日
  • 冷蔵庫を抱きしめて(新潮文庫)

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    幸せなはずの新婚生活で摂食障害がぶり返した。原因不明の病に、たった一人で向き合う直子を照らすのは(表題作)。DV男から幼い娘を守るため、平凡な母親がボクサーに。生きる力湧き上がる大人のスポ根小説(「ヒット・アンド・アウェイ」)。短編小説の名手が、ありふれた日常に訪れる奇跡のような一瞬を描く。名付けようのない苦しみを抱えた現代人の心を解き放つ、花も実もある8つのエール。

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    2018年11月03日