荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「樹海」と聞くと、暗くて静かで、人が寄りつかない場所を想像してしまう。
そんな先入観を持ったまま読むと、笑う森は、かなり意表を突いてきます。
本書に描かれる樹海には、人がいる。しかも一人や二人ではなく、それぞれの事情を抱えた人たちが、まるで一つの社会をつくるように生きている。その描写に、最初は戸惑い、やがて強く引き込まれました。
物語は群像劇として展開し、誰か一人に感情移入するというより、「なぜこの人はここにいるのか」を考え続ける読書になります。善悪や正解がはっきりしない分、登場人物たちの選択がリアルに迫ってきます。
印象的だったのは、樹海が特別な場所としてではなく、社会の延長線上にある -
Posted by ブクログ
なんだろこの本の雰囲気!
初めてすぎる!
好きか嫌いかを選べと言われたら嫌いかもしれない!(笑)
でもどっちか選ばなくても良いのであれば、好きでも嫌いでもないし、読んでみて良かったと思える本です。
本として摂取したことのない時代の日本の雰囲気!
何の前知識もなく読み始め、途中で「なんだこの時代感は!本で読むのは初めてすぎる!」と気になりすぎたので、本の最後に書いてある出版された年を見に行ってみました。
そしたら2006年と書いてある!
ということは平成何年?と考え始め、平成18年だ!と判明。
ということはまさしく平成のど真ん中くらい。
確かに、私はこの時代の特色をガッツリ描いている作品を全 -
Posted by ブクログ
「会社とはおでんの鍋のようなもんだ」
転職先である食品メーカーの販売会議で問題を起こし、リストラ要員収容所と言われる「お客様相談室」へと異動になった主人公。
半年前に彼女にも逃げられ、クレーム処理も握りつぶしてしまう会社。腰掛け程度で過ごしていく毎日だったが、個性溢れる面々とクレーム処理に明け暮れる毎日の中、自分の中での大事なものに気付いていく。
会社に、上司に、お客様に挟まれるのはどの会社でもおなじこと。しかし、この小説はその辛さを綴ったものではない。
主人公が自分の人生に何を求めるのか。心に忠実に生きることはどういうことか。表題の「神様」とは誰か。
文頭のおでんの鍋の下りは正直この小 -