荻原浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人生の生き方を考えさせられる中編小説。
疎遠だった父の死に際して、母から手渡された原稿用紙の束。そこには父のものと思われる物語が綴られている。しかし、そこに書かれていることは知っているようで知らないことが多く、本当に父のことなのか?と疑ってしまうことも。しかし、それを読み進めるうちに父の存在が身近に感じられていく。
人の縁とは不思議なもので、どこで誰と出会い、別れ、そして再び出会うのか。それが人生にどのような影響をもたらすのか、誰にもわからない。しかし、自分の人生にかかわったことだけは事実。そのような人たちに感謝しつつ生きていこうと思える作品。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ全話通してそこまで背筋が凍るほど怖い話ではなかったので、ホラーが苦手な人でも読める内容だと思う。
『老猫』は、私が猫好きなので、読んでてもなかなか猫の不気味さが伝わってこず…(^-^; 笑
ただ、最後ら辺で妻と娘が変わっていく様は怖さを感じた。
この話は映像化してほしいなと思った。
あとは、『介護の鬼』が登場人物みんなちょっと問題アリで誰にも感情移入はできなかった。(嫁のする虐待は許されないが。)
あの義父はなぜ覚醒したのかよく分からなかったが、
義父の友達が何か囁いていたあれが引き金になったのだろうか、、、?
この話は面白かったので、ここら辺をもう少し掘り下げて欲しかったなと思った。
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Posted by ブクログ
読み終えて尚、興味ある物語り
おもしろかった
ユーモア 小説ともいえるが、座敷童子、河童、天狗という3編の民俗伝承、妖怪研究物語りだ
いやいや研究書ではない
3編の短編小説集だ
座敷童子では岩手の遠野へ
河童では富士山麓の架空の地 河童沼へ
天狗では山陰の架空の地 霧北へ
研究者は大学の准教授だが、女子大生のアシスタントがどうやら もののけを引き寄せていそうな感じでおもしろい反応をする
私が行けば出てくれるなんて、あたしは便秘薬か とか
架空の地ではあるが、時代考証も、漂白民や製鉄史との関連を取り上げるなど、いかにも学術調査的な記述もはさんでいて楽しめる
ニヤニヤしながら楽に読める