荻原浩のレビュー一覧

  • 誰にも書ける一冊の本

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     人生の生き方を考えさせられる中編小説。
     疎遠だった父の死に際して、母から手渡された原稿用紙の束。そこには父のものと思われる物語が綴られている。しかし、そこに書かれていることは知っているようで知らないことが多く、本当に父のことなのか?と疑ってしまうことも。しかし、それを読み進めるうちに父の存在が身近に感じられていく。
     人の縁とは不思議なもので、どこで誰と出会い、別れ、そして再び出会うのか。それが人生にどのような影響をもたらすのか、誰にもわからない。しかし、自分の人生にかかわったことだけは事実。そのような人たちに感謝しつつ生きていこうと思える作品。

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    2022年09月25日
  • 家族写真

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    7編の短編集。どれも荻原さんらしさがとても出ていました。
    ウイットに富んだ文章、何気ない会話から感じる愛情や温もり。読みながらクスッと笑えて、小さな幸せを噛みしめてるようでした。
    私の中では、家族を描かせたら“荻原浩さん”、“重松清さん”です。

    特に好きだったのは、
    「結婚しようよ」、「しりとりの、り」、「家族写真」

    短編で「プラスチック・ファミリー」だけは、ちょっと怖かった…。
    でもそこは荻原さん、希望を感じるラストでホッとしました。

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    2022年09月24日
  • オロロ畑でつかまえて

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    さらっと読める感じでした。ユーモアがあり面白かったですが、現実では違うだろうな〜と感じてしまうなど、完全にフィクションとして楽しむことができませんでした。

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    2022年09月22日
  • 押入れのちよ

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    荻原浩さんの短編集。
    暗くてゾッとするというような感覚と、一方で切ない気分にもなり…じーんと優しい気持ちにもなったりと
    自分の感情が忙しい。

    『押し入れのちよ』と
    『しんちゃんの自転車』が好きです。

    『お母様のロシアのスープ』は
    冒頭は、子供の頃に読んだグリム童話のような雰囲気なのだけど…。。。
    「匂いには色がある」とある部分、イメージしやすくて面白い。そしてゾクッ…。

    2022/9 再読

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    2022年09月18日
  • オイアウエ漂流記

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    ばらばらで自分勝手なことを言いまくっている割には、すごい、と思った。
    彼らは人種も性別も価値観も違う、でも誰一人として「生きたくない」とは言わない。
    あくまでも「生きて、戻る」ことだけを考えて生きている。

    その点においては、芯の強い人達だと感じた。

    相変わらず釈然としない終わり方ではあったが。

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    2022年09月11日
  • 愛しの座敷わらし【文庫上下巻合本版】

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    押し入れのちよのような物語を想像していたが、少し違った。あまり動きの無いまま終わってしまった。下巻に期待。

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    2022年09月09日
  • 千年樹

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    千年もの間生き続けた大樹の下で、浅はかな人がおりなす物語。
    人間は小さなことに一喜一憂し、時には狂う。
    なんとまあ、浅はかなこと。

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    2022年09月07日
  • さよなら、そしてこんにちは

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    生きているとうれしいことよりも悲しいこと、辛いことのほうが多いのではないだろうか。
    それはきっと自分だけじゃなくて、多くの人がソウ思っているはず。

    そんな中でも懸命に毎日を頑張ってる人を見ると、元気をもらえる気がする。

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    2022年09月07日
  • オロロ畑でつかまえて

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    前半のドタバタした感じが自分には合わないのかなかなか読み進めず…
    過疎化の進む村の青年部と潰れそうな広告代理店がタックを組んで村おこし。村人たちが純粋に頑張ってる様子が汲み取れるからこそ「こんなのダメだよ〜 嘘はダメ!」って思ってしまう。
    後半はどうなっちゃうとドキドキしながら読んでいくと「な〜るほど、こういう展開か…。まぁとりあえず良かったね。」最後までドタバタ…。

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    2022年09月03日
  • 押入れのちよ

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    ネタバレ

    全話通してそこまで背筋が凍るほど怖い話ではなかったので、ホラーが苦手な人でも読める内容だと思う。

    『老猫』は、私が猫好きなので、読んでてもなかなか猫の不気味さが伝わってこず…(^-^; 笑
    ただ、最後ら辺で妻と娘が変わっていく様は怖さを感じた。
    この話は映像化してほしいなと思った。

    あとは、『介護の鬼』が登場人物みんなちょっと問題アリで誰にも感情移入はできなかった。(嫁のする虐待は許されないが。)
    あの義父はなぜ覚醒したのかよく分からなかったが、
    義父の友達が何か囁いていたあれが引き金になったのだろうか、、、?
    この話は面白かったので、ここら辺をもう少し掘り下げて欲しかったなと思った。

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    2022年11月09日
  • 四度目の氷河期

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    この物語を青春の二文字では語ってはいけないと思う。
    自らの出自に縛られ続け、ようやく答えを見出した頃には、
    大切なものを、あまりにも大切なものを、失っていた。

    月並みではあるが、この本は未来に生きる人のための、物語である。とおもう。

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    2022年08月28日
  • あの日にドライブ

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    変な意地とプライドを持った中年の妄想全開小説かと思いきや、違っていた。
    現実に文句を垂れても、夢を大事にするのもかまわない。目の前の光景を受け止めることができれば。

    多分当たり前のことだろうけど、ハッとさせられる。

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    2022年08月27日
  • なかよし小鳩組

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    オロロに続くユニバーサル広告第2弾。
    娘との別離まで書きたいのなら最後まで描いて欲しかった。消化不良だ~

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    2022年08月27日
  • 誘拐ラプソディー

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    グダグダな誘拐劇。コミカルな誘拐劇と言った方がいい。
    この人の書く人物は「中途半端」が多い。大成功している訳でなく、かといって不幸のドン底にいるわけでもない。だからこそ、登場人物に感情移入して読めるのだけど。

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    2022年08月27日
  • メリーゴーランド

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    話としては、まったくもって面白くない。
    終わり方もさわやかではあるが、救いはない。

    頭が代わっても、組織の体質は急には変わらない。
    なにをおいても前例、前例。前例は神様であるかのような扱い。
    どーでもいいようなことに着目し、自分の私欲に関係ないことにはとことん無関心。
    あげく公益のためといいつつ業者との癒着、他社への妨害を平然と行う。
    本当にだめな人間の見本市みたいな集団を描いている。

    大概の公務員は頑張ってますよ。本当に

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    2022年08月27日
  • 押入れのちよ

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    一番恐ろしいのは、人間だ。
    ソウ気付かされる一冊である。

    もちろん、「押入れのちよ」のようにほんわかとした、
    私好みの話もあるが、残りのほぼすべてが人間の
    いやな部分、汚くて、醜い、他人には見せられないところ、
    それらを描いた話。

    人間の本質をまざまざと見せ付けられる。

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    2022年08月27日
  • さよならバースディ

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    プロポーズの翌日に自殺した彼女。

    彼女の死は自殺なのか、他殺なのか。
    目撃者は、チンパンジー一頭。

    調査の末に待っていたのは・・・?

    しっかりと、悲しい気分にさせてくれる、一冊。

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    2022年08月27日
  • 逢魔が時に会いましょう

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    読み終えて尚、興味ある物語り
    おもしろかった
    ユーモア 小説ともいえるが、座敷童子、河童、天狗という3編の民俗伝承、妖怪研究物語りだ

    いやいや研究書ではない
    3編の短編小説集だ

    座敷童子では岩手の遠野へ
    河童では富士山麓の架空の地 河童沼へ
    天狗では山陰の架空の地 霧北へ

    研究者は大学の准教授だが、女子大生のアシスタントがどうやら もののけを引き寄せていそうな感じでおもしろい反応をする
    私が行けば出てくれるなんて、あたしは便秘薬か とか
    架空の地ではあるが、時代考証も、漂白民や製鉄史との関連を取り上げるなど、いかにも学術調査的な記述もはさんでいて楽しめる

    ニヤニヤしながら楽に読める

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    2022年08月04日
  • 砂の王国(下)

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    細かなホームレス描写や宗教団体の中身は読み応えがありました。その辺が長くて心理描写がまとまって来るので飽きるとこもありました。
    不思議と思うのは主人公が勢いよく何かをしている時はノンストップで読めました。
    いろいろ考えたり上手く行ってない時はページが進まず、モヤモヤしました。
    中身は違えど、似たような人生って感じだなと思いました。

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    2022年07月31日
  • 押入れのちよ

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    ブラックな笑いとグッとくるホラーが荻原浩さんらしい、ダークな短編集。明治生まれの“優霊”が愛しい表題作、男2人女1人の“幽情”が切ない「コール」、夫婦騙し合いの結末が“笑撃”「殺意のレシピ」、そして15年ぶりの“怪逅”が泣ける「木下闇」が印象的でした。

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    2022年07月28日