荻原浩のレビュー一覧

  • 千年樹

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    ネタバレ

    千年生き続けているクスノキが、
    各時代の人々の生活をただ静かに見守っている話なのかと思っていたが、割とダークなストーリーだった。

    辛い時代を生き抜いた人たちがこのクスノキに癒しをもらっているのかと思いきや、人間の人生はなかなかに厳しいぞと言わんばかりのストーリーだらけで、
    読んでて落ち込むことが多かった。

    千年樹と呼ばれるこのクスノキも、
    街の人々の守り神などではなく、
    人間の奥底に秘めてるドス黒い感情をさらに掻き立てようと挑発しているかのような気がした。

    そして最後はあっけなく伐採される。
    季節外れの青虫はクスノキの最後の抵抗だったのではないかと思った。

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    2022年07月13日
  • オロロ畑でつかまえて

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     1997年第10回小説すばる新人賞受賞作。
     交通の便も悪く、特産品と言ってもコンニャク、カンピョウ、オロロ豆くらいしかない牛穴村。簡単に言うと何のとりえもない村をどう立て直すか。そんな村おこしがテーマの作品。そして村の青年会がタッグを組んだのが倒産寸前のユニバーサル広告社。このタッグに奇跡は起こせるのか。
     法律すれすれ(もしかしたらアウトかも)という方法で何とか観光客を呼び込む作戦をとるが、その効果も一時的なもの。一時はマスコミの注目を浴びることになるが、別の事件が起きると世間の注目は簡単に移っていってしまう。どうなるのかなと思っていたらまさかの展開が待っている。最後まで目が離せない作品

    0
    2022年07月10日
  • 恋愛仮免中

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    アンソロジーは最近めっきり読まなくなってたけど
    この本は良かった。

    同じテーマで人気作家たちが描くお話。
    どれも甘酸っぱい感じで好きだけど
    特に、奥田英朗さんの話が好き。
    ありきたりっちゃあ、ありきたりそうな話なんだけど。
    ストレートにあなたが好き!

    っていう結末がスッキリしていいな。

    0
    2022年07月05日
  • あの日にドライブ

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    43歳元銀行員が転職し、タクシー運転手としての生活を送る中、人生で戻るとしたらいつ?現実や空想やどっぷりと主人公の男の世界に浸った。

    0
    2022年07月03日
  • ギブ・ミー・ア・チャンス

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    弟の死後まだ日も浅いので、ヘヴィーな話は読む気になれません。「少しだけ生きる気力が湧いてくる短編集」の「少しだけ」というのが控えめで良い感じ。

    冴えない人生を送っている人ばかりが主人公。元関取の探偵、売れない歌手や漫画家、国際線の客室乗務員から転職したローカル列車の車内販売員、着ぐるみを被るはめになった市役所職員などなど。表題作は誰かと組んで芸人になりたいのに相方が見つからないコンビニ店員の話。

    少しの運と機会があれば風向きも変わったろうに。「夢は叶う」と言うのは夢が叶った人がいう言葉。でも夢は持ち続けたい。

    0
    2022年06月23日
  • 押入れのちよ

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    9篇のホラー短編集。
    なんとなく薄気味悪い感じの内容のものが多いけど押入れのちよは面白勝手です。
    悲しい人生を歩んで死んでしまって幽霊になったちよがかるぴすを喜んで飲んでいてかわいかった。短編集なのであっという間に読めます。

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    2022年06月22日
  • メリーゴーランド

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    公務員(主人公)に対しての言葉が逐一胸にささる

    「お前ら国家権力はいつも場所だけつくって、使い途も使い続ける方法もろくに考えないで、ろくでないものをあちこちにつくって、煙草代ばっか上げやがって」

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    2022年06月15日
  • ママの狙撃銃 新装版

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    読み始めのほうはちょっとはずれかなと思って読んでいましたが、読み進めるうちに面白くなっていきました。平凡な主婦なのに殺し屋・・・母の強さを感じました。

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    2022年05月17日
  • 恋愛仮免中

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    ひとつのテーマについて、色々な著者が集まっている本を読むと本当に色々な価値観があるなと考えさせられる。

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    2022年05月10日
  • 楽園の真下

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    「生き残り」をかけて変化を重ねる、イキモノって、すごいな。
    それが人間にとって脅威となるのか、恩恵をもたらすのか。
    ビジネスにするのか、排除するのか。

    0
    2022年05月10日
  • 楽園の真下

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    ネタバレ

    昆虫の巨大化って突然変異や長い時間の進化でしょ、とすぐにリアルと結びつかないが、カマキリとハリガネムシがセットで登場してくると何が起こっても不思議でない不気味さを帯びてくる。
    南の孤島の森でひっそりと成長し続けていた巨大カマキリたちと島の湖で連続する自殺者との関連が一つ一つ明らかになっていく度に身の毛がよだつなぁ。後半の人間vs巨大カマキリたちの生存闘争はこちらの肌も鎌でキリキリと削られているような臨場感。
    帰りの船の藤間は「早く病院行け!」としか思えない。闘いが終わっても最後の最後までソワソワさせられた。

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    2022年05月09日
  • 楽園の真下

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    読後,テレビをつけたら「ダーウィンが来た」でカマキリが鳥を狩るっていうのをやっていて・・・.あれを観ていたら70cm級でもやられてしまいそう.

    0
    2022年05月09日
  • 二千七百の夏と冬 : 上

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    なかなか面白い。なんか原始的な生き方ってやつに憧れるというか、興味を持ってしまうんだよな。多分便利すぎる現代にいる自分をどこかでダサいな思ってる。

    縄文時代と弥生時代のグレーゾーン。いい視点。
    村を追われたウルク。先が気になる。

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    2022年05月09日
  • 恋愛仮免中

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    どれもよかったけど、銀紙色のアンタレスがいちばん好きだったな。
    海にぽっかり浮かぶ描写が、吸い込まれた。

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    2022年05月07日
  • ちょいな人々

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    日常の中での「ちょいな人々」(ちょっと痛い人やズレている人など)が登場する短編集。
    思わずクスッと笑ってしまうような場面がたくさんあり、面白おかしく読み進めました!
    「ちょいな人々」「正直メール」が特に面白かったです❁⃘*.゚

    荻原浩さんの作品は、今回が初めてでした。
    ☆は3.5

    0
    2022年05月07日
  • ギブ・ミー・ア・チャンス

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    夢ややりたいことをあきらめられない男女8人
    昔力士だった探偵
    売れない演歌歌手
    漫画家アシスタント
    昔キャビンアテンダントの女
    ゆるキャラ中の公務員
    ミステリー小説家になりたい主婦
    アイドルになりたかった女
    芸人目指すフリーター

    皆不器用でなりたい自分から離れた日々を送る
    くすりと笑えて勇気がわいてくる
    かっこ悪さと真っ直ぐさがまぶしい
    こんな大人がいたっていいじゃないか

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    2022年04月18日
  • コールドゲーム

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    ネタバレ

    野球の話かな?と思い買った一冊。

    野球の話ではなかった。

    中学時代にいじめてた同級生に復讐される話しだった。

    ひどいいじめだったので復讐されても自業自得だと思って読んでいたけど、殺人までいくとやり過ぎだ。

    小説の中のセリフで頭に残ったのは
    「自分にはたいした事ない事でも、他人には大切な事かもしれない」

    いじめをしている方はたいした事やってないと思ってるんだろうけど、いじめられてる方はいろんなものを失ってる。 

    早く気づいて欲しかった。

    意外な結末だった。

    主人公がこの事件で人間的に成長したのは良かったんじゃないかと

    マスターが隠れたヒーローだった小説でした。
    ネタバレになっち

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    2022年04月15日
  • 月の上の観覧車

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    闇に目が慣れる間もなく光の中へ引きずり出される。照明が点くより突然に。もし人間が産まれる瞬間を記憶することができたとしたら、その体感はこんなふうかもしれない。

    本人は黙して語らない写真の中の顔だけだ。母には自分の人生の綻びを、父親の死で縫い合わせる癖があったから、話に聞くほど悪い人ではなかっただろうと思う

    全員の笑顔が2の三乗になる

    雨がやんでいることを私は、田舎道を傘を差さずに歩く老婆の姿で知る。

    病気のためというより、出番が終わったステージから舞台の袖の向こうへ、すいっと姿を消したような死に方だった。

    「信じようと信じまいと、夢も現も、貴方しだい。それが魔術でござい」

    影を知

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    2022年04月11日
  • 楽園の真下

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    とある島で発生した巨大カマキリと人間との死闘をえがいた530ページの超大作。

    いやー面白かった。B級モンスターパニック的なノリが好きな人にはたまらない作品だとおもう。

    本作のキーワードは「カマキリ」と「不可思議な投水自殺」。あと「ハリガネムシ」。

    ナショナルジオグラフィックかなんかで、カマキリとハリガネムシの特集がやっていたので本作の内容はほとんど予想できてしまっていたけれど、それでも暗い森の中から人間サイズのカマキリが音もなく近づいてくるのを想像すると、怖い。いや、怖いなんてもんじゃない。怖すぎる。

    しかもラストがこれまた、いい。B級映画お約束の展開でついにやけてしまう。

    ただちょ

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    2022年04月10日
  • 誘拐ラプソディー

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    娯楽作品として楽しめた。
    完全に詰んでると思われた主人公は、実は超ラッキーを積み重ねてた。
    いい意味で予定調和。
    裏切らない作品でよかった。

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    2022年03月28日