あらすじ
霊長類研究センター。猿(ボノボ)のバースディに言語習得実験を行っている。プロジェクトの創始者安達助教授は一年前に自殺したが、助手の田中真と大学院生の由紀が研究を継いだ。実験は着実に成果をあげてきた。だが、真が由紀にプロポーズをした夜、彼女は窓から身を投げる。真は、目撃したバースディから、真相を聞き出そうと…。愛を失う哀しみと、学会の不条理に翻弄される研究者を描く、長編ミステリー。
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Posted by ブクログ
よかった。ミステリーなんだけど、読みおわったら、愛のはなしだったな。って。後半からは一気読み。
ユキの死後、ユキの思いがマコに伝わって、涙した。
そのトリックの発想もすごい。
読み終えて鳥肌が立ちました
この作家さんは、ものを書くために生まれてきた天才なんだと思います。
読み終えた時、あまりの切なさに胸が締め付けられ、涙も勿論出たのですが、鳥肌が立ちました。
人の儚さ、弱さ、したたかさ。そして、強さ、優しさをここまで文字に表せるっていうのは、この作家さんの根底に、人に対する愛があるからだと思いました。
作中に登場するバースディが、時折自分の息子と重なってしまい、涙腺が緩みっぱなしでした。
悩む方がおられましたら、「とりあえず読め」と強くお薦めします。
Posted by ブクログ
あらすじも知らずに読み始めました。
主人公が周りが見えてないながらも、解決に近づく様は淡々と書かれているなあと思いました。
最後、恋人からの気持ちが分かるくだりでは泣けてしまいました。
バースディの今後は私は良かったなあと思いました。
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バースディが愛おしく
タイトルから別れることになるとは思ったが
どういう事になるのかなかなか見えず
後半は一気に読んでしまった。
ゆきの想いがまこに伝わってよかったが
とても悲しかった。
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前半はバースデーの可愛さに癒されながら読み進めていくと…
物語の概要はわかってはいたものの後半は人間の身勝手なドロドロした世界に純粋な人ほど苦しくなっていく…
人間世界にふりまわされるバースデー
う〜ん、切ない…
Posted by ブクログ
研究事というのは、何をもって成果があった、と判断するのか不明瞭であり、研究者の主観が強いなと思います。バースディは、最後悲しい事実が待っていましたが、物語を通して研究に携わる人と本当の家族のように関わっていました。田中さんにとって、この研究はきっと大成功だったのだと思います。
Posted by ブクログ
素敵な女性から素敵な作品をお借りして読み終わりました。バースデイのしぐさや、周りの人達とその情景がリアルに伝わってくる素晴らしい作品だと思いました!。荻原浩さんの作品をもっともっと読んでいきたいです!
Posted by ブクログ
バースディという名のボノボに言語習得をさせる研究をしている主人公、まこと。
研究室の教授が自殺して一年後、共に研究していた恋人のゆきまで死んでしまう。
ふたりの死の理由はなんなのか。ゆきの死の瞬間を見たバースディに、まことは必死に話しかける。
Posted by ブクログ
バースディと真と由紀とで、バースディの能力を育てていく前半は、バースディが真と由紀の子どもみたいでほほえましかった。
そこに、安達先生の死とか、ちょっとずつ不穏な空気が混ざりこんできて、急にがらりと世界が変わる。
世界とはこういうものだろうも思い込んでいたことが、覆される。
その中で唯一変わらなかったのがバースディで、その上彼が由紀の死の真相を知っているかもしれない…。
謎は解き明かされていくわけだけど、真相は切なすぎた。というか、バースディがかわいそう過ぎると思った。
結局、人間の自己満足みたいに終わったように思えて、そこまでは面白かっただけに、残念だった。
Posted by ブクログ
一応ミステリではあるのだけれど、殺人ではなく自殺の真相を探るからなのかとても切ないです。犯人がわかれば動機がわかる。でも自殺は推測しかできない。
展開も弱くて自殺の動機にもいまいち納得がいきませんが、ラストシーンにすべてもっていかれました。泣いて、ああ、この本は好きだと思いました。ずるいなあ。ミステリを読みたかったはずなのに、ミステリじゃなくてもいいかと思ってしまうような1冊です。
Posted by ブクログ
由紀の描写が緩やかで、最初に彼女の魅力をもっと克明に記しておいたほうが物語に深みが出るのにと思っていた。決着を知れば、なるほどなるほど。切り口はいつもながらに突拍子もなく、意外性に満ちている。
Posted by ブクログ
2014.1.24-3
ボノボの言語習得実験プログラムに参加していた安達助教授に続き恋人の由紀も自殺で失った真が、由紀の死の真相を探るうち、プログラムの裏にある不正 を暴く
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類人猿の言語習得を勉強していると話したら、友人が薦めてくれた本です。
とある霊長類センターで、ボノボ(ピグミー・チンパンジー)のバースディが言語習得を披露する公開検証の場面から始まります。
もう一人の主人公・真は、恩師の後を継ぐ形で実質的なリーダーとしてバースディの言語習得を日々研究しています。
着実に、そして平和に進められていると思っていた研究でしたが、ある事件がきっかけで、真は真相を知って行くことになります。
真とバースディ、彼らの周りの人間。それぞれの性格や、行動が随所で偏りなく書かれているので、のめり込むことができる作品だと思います。
特に、バースディの表情が映像のように頭の中で再現されるような描写は、後半からラストに続く真とバースディのやりとり、そしてそこに人間のエゴや、バースディの"心"が浮き立ってくるような読者の感情を引き出すことに繋がるのではないでしょうか。
一冊の本ですが、多くの展開があり、決して読者を飽きさせることはないです。上記に述べた、事件の犯人を探そうと登場人物をいろいろ疑うのですが、待ち受ける真相に胸が苦しくなります。
ラストは、泣いてしまいました。
愛情やコミュニケーションについて考える作品でした。
Posted by ブクログ
淡々と書かれているなあという印象
ミステリーではあるんだけど、私はどちらかと言えば人間の心理を書いているように思った。
バースディを想像させると少し志村どうぶつ園のパン君と重なる部分があった。今まで考えたことも無いし知らなかったことが沢山知れて、人間って本当に自分勝手だと思い知らされた。
Posted by ブクログ
プロポーズの翌日に自殺した彼女。
彼女の死は自殺なのか、他殺なのか。
目撃者は、チンパンジー一頭。
調査の末に待っていたのは・・・?
しっかりと、悲しい気分にさせてくれる、一冊。
Posted by ブクログ
「会話」ができるボノボのバースディだけが恋人の死の真相を知ってる。
なんていうか。
前半ちょっと気持ちが入らなかった。
主人公とその恋人の恋愛がイマイチぱっとしない。
なんとなく、おとなしい感じがするからかな。
もし、もっと情熱的で、そこがグイッとつかんでくれてたら後に起こる悲劇に一緒に落ち込めたんだけど。
すごく読んでて客観的になってしまった。
滅茶残念。
こういう話、もともとものすごく好きなタイプなんでするすると読めた。
恋人の死の真相に迫りだしてからはすごく面白かった。
ほんとのとこ、もっと前半のグダグダをなくしてガンガンいって欲しかった。
なんとなく筋は読めてしまったけど、でもラストはすごくよかった。
だから、なんか、すごく悔しいな。
やな感じで出てくる林原の言い分の方が最初から筋通ってて、そっちについ同意してしまったり、バースディはちょっとずーっと可哀想に思ったりもした。
多分この主人公が駄目なタイプだったんだろうな。
話の内容はすごく面白かったし、よく出来ててほんと、もったいない!
Posted by ブクログ
面白かった。
動物を使ったミステリは初めて読んだ。
言語を操るサルはいることは知っていたけれど、冒頭の実験が都合良すぎるなと感じていた。動物をミステリに使うために、ファンタジー要素が強くなっているのではないかと少し萎えながら読んだ。
最終的に「都合が良すぎる」ということがミソだったので納得。
謎を深めるために謎多きヒロインにしたせいか、最後までヒロインに感情移入出来ずスッキリしない終わりと感じてしまった。
Posted by ブクログ
学会の闇というか、そんな話は現実にも聞きますが、なんともやるせない。
バースディは実験動物であるけども、主人公たちにとってはそれ以上の存在で。
仕草や表情で気持ちがわかるほどの仲。
それはもう家族みたいなものですよね。
プロポーズした夜に彼女が死ぬ。
事故なのか自殺なのか。
こんなつらいことってないですよね。
プロポーズされて自殺するって、どういう感情なんだろう。
想像しようと思ってもできなくて。
結末は予想外のもので。
せつなくてもどかしい。
行き場のない感情が残ります。
Posted by ブクログ
霊長類研究センターで働く真は猿(ボノボ)のバースディの言語習得実験のプロジェクトに参加している。
そして、そこのスタッフである由紀と恋人同士である。
しかし、真が由紀にプロポーズした夜、由紀は研究室から飛び降り自殺してしまう。
このプロジェクトでは1年前にも助教授が自殺しており、真はその繋がりを疑う。
そして、由紀の自殺の原因を突き止めようとして真実に近付くが…
そこには哀しい過去とひどい現実があった。
2018.5.19
Posted by ブクログ
類人猿の言語習得能力を研究するセンターでの、学会の腐った体質を問う現代小説。しかし途中で人が死に、一気にミステリーの様相に。
実験個体のボノボ(知能の高い類人猿)のバースディは、研究チームの真や由紀に愛されながらも、次第に危うい立場に追い詰められていく。
どんなに可愛がられても研究室。実験動物の存在はどこか悲しいです。
親子のように過ごす彼らを微笑ましく読んだ前半から、ラストでは人間の身勝手さに胸が悪くなりました。
「ばー、ぐばい」アフリカで幸せに暮らせますように。
Posted by ブクログ
類人猿に言葉を教えるプロジェクトにまつわる黒い部分が原因となって何人かがなくなってしまう。その真相を実験対象の類人猿と共に解明していく。
と言うとコミカルな感じだが、内容としてはなんともやり切れない感が残る。
最終的には結局何だったんだっけ?という感じ。正義が勝ったわけでもなく、全てが収まった感じでもなく、爽快感はない。
何も考えずに読むなら良いと思う。
Posted by ブクログ
大切な人との突然の別れ、死の理由を突き止めた結果、
知りたくない理由ではあったけれど、
残されたメッセージがとても素敵な形で残されていたこと、
傷つく心がそのメッセージにより癒される。
とてもジーンと来た小説でした^^
Posted by ブクログ
本屋の宣伝文に惹かれて購入。
中盤まではとても面白くて次の展開が気になってしょうがない、
て感じだったんだけど…
終盤差し掛かるあたりから終わりが読めてしまって、
読んでる側もテンション下がってしまった。
ラストはそれでも読みながら泣いたけど、
中盤までの勢いが最後まで続いていれば間違いなく、
私の中で今年読んだ小説面白かったナンバー1に輝いていたはず!
それだけにとても残念。
個人的にとても惜しい小説でした。
20090922
Posted by ブクログ
真相の目撃者はサルだけ…という設定は面白い。バースディを通じた謎解きというか由紀の遺志との対話も素敵ではあるが、もう少し「その後」を書いて欲しかった。折角大学等の問題に触れたのに、最後あまりにも内輪で終わるのは消化不良。あと各人の性格がイマイチ一貫していないような気がしちゃう。
Posted by ブクログ
久々に読んだけれども、バースディのキーボードで打ち出す単語の羅列と愛くるしい動作に、やっぱり癒される。
ストーリーは二人もの死が絡む、重い内容なんだけれども…ね。
ただ残念なのは謎解きの部分。
ちょっと無理矢理すぎという印象です。
Posted by ブクログ
読み始めて、「バースディ」がボノボの名前だって分かって、タイトルをもう一度見て、すでにやばいと思った。
動物が出てくる話は無条件に泣いてしまう。子供の頃読んでトラウマになった「かわいそうなぞう」なんて、今でもあらすじを思い出しただけで泣ける。
ので、最後に泣いたのは予想の範囲内。むしろ死なないだけ良かった。
ってか恋人由希の自殺動機を知りたいからって、わざわざ熱でふらついてる時のバースディ使わんでもいいだろ、真よ。
バースディの回復を待つなりプログラミングを解析してもらうなり手はあったはず。
そりゃ憔悴しきった二人が最後の力を振り絞って自殺の動機とセンター内に蔓延る真実を知る様子はドラマ性があるけど、狂ってる。
そして由希、なぜプロポーズされたその晩に自殺した(笑)色々積もるものはあったのかもしれんけど、タイミング的にあてつけとしか思えん(笑)
とまぁ、突っ込みどころの多いミステリーでした。ただただバースディがかわいい。
Posted by ブクログ
心理学の研究助手・田中真は、類人猿であるボノボのバースディに大して言語習得実験を行っている。研究も軌道に乗り、共同研究者である大学院生・藤本由紀との交際もうまく行っているかに見えたが、、、
真目線だからこその真実が明らかになっていく様子は、ミステリーの謎解きの様なんだけれども。伏線というか、謎がいくつも残ったままなのはどうもスッキリしない読後感。
Posted by ブクログ
いわゆる"本格"ではなく、ヒューマンミステリーと言うべき作品でしょう。そういう意味では、最近の荻原さんらしい作品です。
言語習得の訓練しているボノボ(ピグミーチンパンジー)のバースディ。その証言を引き出し恋人の自殺の原因を調べると言う発想は秀逸です。特に100語の語彙しかないバースディが、専用のキーボードを使って紡ぐ言葉は見事あり、リアリティも感じます。でもある意味、この作品の特徴はそこ一点に絞られてしまいます。あとは学会の腐敗だとか、見慣れた構図の連続です。もっとも、全体を覆う沈鬱な雰囲気を含め、それらが美味く処理されているとは思います。
しかし、何時か荻原さんはユーモア路線に帰ってくれないかなぁ。