あらすじ
霊長類研究センター。猿(ボノボ)のバースディに言語習得実験を行っている。プロジェクトの創始者安達助教授は一年前に自殺したが、助手の田中真と大学院生の由紀が研究を継いだ。実験は着実に成果をあげてきた。だが、真が由紀にプロポーズをした夜、彼女は窓から身を投げる。真は、目撃したバースディから、真相を聞き出そうと…。愛を失う哀しみと、学会の不条理に翻弄される研究者を描く、長編ミステリー。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
よかった。ミステリーなんだけど、読みおわったら、愛のはなしだったな。って。後半からは一気読み。
ユキの死後、ユキの思いがマコに伝わって、涙した。
そのトリックの発想もすごい。
Posted by ブクログ
面白かった。
動物を使ったミステリは初めて読んだ。
言語を操るサルはいることは知っていたけれど、冒頭の実験が都合良すぎるなと感じていた。動物をミステリに使うために、ファンタジー要素が強くなっているのではないかと少し萎えながら読んだ。
最終的に「都合が良すぎる」ということがミソだったので納得。
謎を深めるために謎多きヒロインにしたせいか、最後までヒロインに感情移入出来ずスッキリしない終わりと感じてしまった。
Posted by ブクログ
類人猿の言語習得能力を研究するセンターでの、学会の腐った体質を問う現代小説。しかし途中で人が死に、一気にミステリーの様相に。
実験個体のボノボ(知能の高い類人猿)のバースディは、研究チームの真や由紀に愛されながらも、次第に危うい立場に追い詰められていく。
どんなに可愛がられても研究室。実験動物の存在はどこか悲しいです。
親子のように過ごす彼らを微笑ましく読んだ前半から、ラストでは人間の身勝手さに胸が悪くなりました。
「ばー、ぐばい」アフリカで幸せに暮らせますように。
Posted by ブクログ
大切な人との突然の別れ、死の理由を突き止めた結果、
知りたくない理由ではあったけれど、
残されたメッセージがとても素敵な形で残されていたこと、
傷つく心がそのメッセージにより癒される。
とてもジーンと来た小説でした^^